2024年01月
神の母聖マリア 1月1日(月) 降誕節

第一朗読

民数記6・22-27

彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、わたしは彼らを祝福する。

民数記

6・22主はモーセに仰せになった。
23アロンとその子らに言いなさい。
あなたたちはイスラエルの人々を祝福して、次のように言いなさい。
24主があなたを祝福し、あなたを守られるように。
25主が御顔を向けてあなたを照らしあなたに恵みを与えられるように。
26主が御顔をあなたに向けてあなたに平安を賜るように。

27彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、わたしは彼らを祝福するであろう。

答唱詩編

55123詩編67・2+3、4+5、7+8

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編67

67・2神よ、あわれみと祝福をわたしたちに。
あなたの顔の光をわたしたちの上に照らしてください。
3あなたのわざが世界に知られ、
救いがすべての国に知られるように。

4諸国の民はあなたをたたえ、
すべての民はあなたを賛美せよ。
5すべての国は、喜び歌え。
あなたは民を正しくさばき、諸国の民を導かれる。

7地は豊かに実り、
神はわたしたちを祝福された。
8地の果てに至るまで、神をおそれ敬え。
神はわたしたちを祝福された。

第二朗読

ガラテヤ4・4-7

神はその御子を女から生まれた者としてお遣わしになった。

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、4・4時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました。5それは、律法の支配下にある者を贖い出して、わたしたちを神の子となさるためでした。6あなたがたが子であることは、神が、「アッバ、父よ」と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送ってくださった事実から分かります。7ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子であれば、神によって立てられた相続人でもあるのです。

福音朗読

ルカ2・16-21

アレルヤ、アレルヤ。神は昔、預言者を通して先祖に語られたが、この終わりの時にはご自分の子を通してわたしたちに語られた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、羊飼いたちは、2・16急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。17その光景を見て、彼らは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。18聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。19しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。20羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

21八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。

聖バシリオ 司教教会博士 1月2日(火) 記念日

第一朗読

①ヨハネ2・22-28

教えられたとおり、御子の内にとどまりなさい。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、2・22偽り者とは、イエスがメシアであることを否定する者でなくて、だれでありましょう。御父と御子を認めない者、これこそ反キリストです。23御子を認めない者はだれも、御父に結ばれていません。御子を公に言い表す者は、御父にも結ばれています。24初めから聞いていたことを、心にとどめなさい。初めから聞いていたことが、あなたがたの内にいつもあるならば、あなたがたも御子の内に、また御父の内にいつもいるでしょう。25これこそ、御子がわたしたちに約束された約束、永遠の命です。

26以上、あなたがたを惑わせようとしている者たちについて書いてきました。27しかし、いつもあなたがたの内には、御子から注がれた油がありますから、だれからも教えを受ける必要がありません。この油が万事について教えます。それは真実であって、偽りではありません。だから、教えられたとおり、御子の内にとどまりなさい。

28さて、子たちよ、御子の内にいつもとどまりなさい。そうすれば、御子の現れるとき、確信を持つことができ、御子が来られるとき、御前で恥じ入るようなことがありません。

答唱詩編

14912詩編98・1、2+3a

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
その尊い腕は救いの力。

2神は救いを示し、
諸国の民に正義を現された。
3aいつくしみとまことをもって、
イスラエルに心を留められる。

福音朗読

ヨハネ1・19-28

アレルヤ、アレルヤ。神は昔、預言者を通して先祖に語られたが、この終わりの時にはご自分の子を通してわたしたちに語られた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

1・19ヨハネの証しはこうである。エルサレムのユダヤ人たちが、祭司やレビ人たちをヨハネのもとへ遣わして、「あなたは、どなたですか」と質問させたとき、20彼は公言して隠さず、「わたしはメシアではない」と言い表した。21彼らがまた、「では何ですか。あなたはエリヤですか」と尋ねると、ヨハネは、「違う」と言った。更に、「あなたは、あの預言者なのですか」と尋ねると、「そうではない」と答えた。22そこで、彼らは言った。「それではいったい、だれなのです。わたしたちを遣わした人々に返事をしなければなりません。あなたは自分を何だと言うのですか。」23ヨハネは、預言者イザヤの言葉を用いて言った。
「わたしは荒れ野で叫ぶ声である。
『主の道をまっすぐにせよ』と。」
24遣わされた人たちはファリサイ派に属していた。25彼らがヨハネに尋ねて、「あなたはメシアでも、エリヤでも、またあの預言者でもないのに、なぜ、洗礼を授けるのですか」と言うと、26ヨハネは答えた。「わたしは水で洗礼を授けるが、あなたがたの中には、あなたがたの知らない方がおられる。27その人はわたしの後から来られる方で、わたしはその履物のひもを解く資格もない。」28これは、ヨハネが洗礼を授けていたヨルダン川の向こう側、ベタニアでの出来事であった。

降誕節・1月3日〔公現前〕 1月3日(水) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ2・29-3・6

わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、2・29あなたがたは、御子が正しい方だと知っているなら、義を行う者も皆、神から生まれていることが分かるはずです。3・1御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたちが神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです。2愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。しかし、御子が現れるとき、御子に似た者となるということを知っています。なぜなら、そのとき御子をありのままに見るからです。3御子にこの望みをかけている人は皆、御子が清いように、自分を清めます。4罪を犯す者は皆、法にも背くのです。

罪とは、法に背くことです。5あなたがたも知っているように、御子は罪を除くために現れました。御子には罪がありません。6御子の内にいつもいる人は皆、罪を犯しません。罪を犯す者は皆、御子を見たこともなく、知ってもいません。

答唱詩編

14934詩編98・4+5、6+7b+8b

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、
賛美の歌で神をほめよ。
5たて琴をかなでて神をたたえ、
その調べに合わせてほめうたえ。

6ラッパと角笛を吹き、
神の前で喜びの声を上げよ。
7b世界とそこに住む者は、
8b神の前に喜びうたえ。

福音朗読

ヨハネ1・29-34

アレルヤ、アレルヤ。みことばは人となり、わたしたちのうちにお住みになった。主を受け入れる人には神の子となる恵が与えられた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

1・29その翌日、ヨハネは、自分の方へイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。30『わたしの後から一人の人が来られる。その方はわたしにまさる。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。31わたしはこの方を知らなかった。しかし、この方がイスラエルに現れるために、わたしは、水で洗礼を授けに来た。」32そしてヨハネは証しした。「わたしは、〝霊〟が鳩のように天から降って、この方の上にとどまるのを見た。33わたしはこの方を知らなかった。しかし、水で洗礼を授けるためにわたしをお遣わしになった方が、『〝霊〟が降って、ある人にとどまるのを見たら、その人が、聖霊によって洗礼を授ける人である』とわたしに言われた。34わたしはそれを見た。だから、この方こそ神の子であると証ししたのである。」

降誕節・1月4日〔公現前〕 1月4日(木) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ3・7-10

義を行う者は、御子と同じように、正しい人です。

使徒ヨハネの手紙

3・7子たちよ、だれにも惑わされないようにしなさい。義を行う者は、御子と同じように、正しい人です。8罪を犯す者は悪魔に属します。悪魔は初めから罪を犯しているからです。悪魔の働きを滅ぼすためにこそ、神の子が現れたのです。9神から生まれた人は皆、罪を犯しません。神の種がこの人の内にいつもあるからです。この人は神から生まれたので、罪を犯すことができません。10神の子たちと悪魔の子たちの区別は明らかです。正しい生活をしない者は皆、神に属していません。自分の兄弟を愛さない者も同様です。

答唱詩編

14914詩編98・1、6+7b+8b

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
その尊い腕は救いの力。

6ラッパと角笛を吹き、
神の前で喜びの声を上げよ。
7b世界とそこに住む者は、
8b神の前に喜びうたえ。

福音朗読

ヨハネ1・35-42

アレルヤ、アレルヤ。神は昔、預言者を通して先祖に語られたが、この終わりの時にはご自分の子を通してわたしたちに語られた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、1・35ヨハネは二人の弟子と一緒にいた。36そして、歩いておられるイエスを見つめて、「見よ、神の小羊だ」と言った。37二人の弟子はそれを聞いて、イエスに従った。38イエスは振り返り、彼らが従って来るのを見て、「何を求めているのか」と言われた。彼らが、「ラビ――『先生』という意味――どこに泊まっておられるのですか」と言うと、39イエスは、「来なさい。そうすれば分かる」と言われた。そこで、彼らはついて行って、どこにイエスが泊まっておられるかを見た。そしてその日は、イエスのもとに泊まった。午後四時ごろのことである。40ヨハネの言葉を聞いて、イエスに従った二人のうちの一人は、シモン・ペトロの兄弟アンデレであった。41彼は、まず自分の兄弟シモンに会って、「わたしたちはメシア――『油を注がれた者』という意味――に出会った」と言った。42そして、シモンをイエスのところに連れて行った。イエスは彼を見つめて、「あなたはヨハネの子シモンであるが、ケファ――『岩』という意味――と呼ぶことにする」と言われた。

降誕節・1月5日〔公現前〕 1月5日(金) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ3・11-21

互いに愛し合うこと、これがあなたがたの初めから聞いている教えだです。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、3・11互いに愛し合うこと、これがあなたがたの初めから聞いている教えです。12カインのようになってはなりません。彼は悪い者に属して、兄弟を殺しました。なぜ殺したのか。自分の行いが悪く、兄弟の行いが正しかったからです。13だから兄弟たち、世があなたがたを憎んでも、驚くことはありません。14わたしたちは、自分が死から命へと移ったことを知っています。兄弟を愛しているからです。愛することのない者は、死にとどまったままです。15兄弟を憎む者は皆、人殺しです。あなたがたの知っているとおり、すべて人殺しには永遠の命がとどまっていません。16イエスは、わたしたちのために、命を捨ててくださいました。そのことによって、わたしたちは愛を知りました。だから、わたしたちも兄弟のために命を捨てるべきです。17世の富を持ちながら、兄弟が必要な物に事欠くのを見て同情しない者があれば、どうして神の愛がそのような者の内にとどまるでしょう。18子たちよ、言葉や口先だけではなく、行いをもって誠実に愛し合おう。

19これによって、わたしたちは自分が真理に属していることを知り、神の御前で安心できます、20心に責められることがあろうとも。神は、わたしたちの心よりも大きく、すべてをご存じだからです。21愛する者たち、わたしたちは心に責められることがなければ、神の御前で確信を持つことができるのです。

答唱詩編

17214詩編100・1+2、5

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編100

100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、
歓呼の歌をささげつつ、
2み前に進み、
神に仕えよ。

5神はいつくしみ深く、
そのあわれみは限りなく、
そのまことは世々に及ぶ。

福音朗読

ヨハネ1・43-51

アレルヤ、アレルヤ。偉大な光がきょう地上に下り、聖なるこの日はわたしたちを照らした。諸国の民は来て主を礼拝せよ。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

1・43イエスは、ガリラヤへ行こうとしたときに、フィリポに出会って、「わたしに従いなさい」と言われた。44フィリポは、アンデレとペトロの町、ベトサイダの出身であった。45フィリポはナタナエルに出会って言った。「わたしたちは、モーセが律法に記し、預言者たちも書いている方に出会った。それはナザレの人で、ヨセフの子イエスだ。」46するとナタナエルが、「ナザレから何か良いものが出るだろうか」と言ったので、フィリポは、「来て、見なさい」と言った。47イエスは、ナタナエルが御自分の方へ来るのを見て、彼のことをこう言われた。「見なさい。まことのイスラエル人だ。この人には偽りがない。」48ナタナエルが、「どうしてわたしを知っておられるのですか」と言うと、イエスは答えて、「わたしは、あなたがフィリポから話しかけられる前に、いちじくの木の下にいるのを見た」と言われた。49ナタナエルは答えた。「ラビ、あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です。」50イエスは答えて言われた。「いちじくの木の下にあなたがいるのを見たと言ったので、信じるのか。もっと偉大なことをあなたは見ることになる。」51更に言われた。「はっきり言っておく。天が開け、神の天使たちが人の子の上に昇り降りするのを、あなたがたは見ることになる。」

降誕節・1月6日〔公現前〕 1月6日(土) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ5・5-13

御子と結ばれている人にはこの命がある。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、5・5だれが世に打ち勝つか。イエスが神の子であると信じる者ではありませんか。

6この方は、水と血を通って来られた方、イエス・キリストです。水だけではなく、水と血とによって来られたのです。そして、〝霊〟はこのことを証しする方です。〝霊〟は真理だからです。7証しするのは三者で、8〝霊〟と水と血です。この三者は一致しています。9わたしたちが人の証しを受け入れるのであれば、神の証しは更にまさっています。神が御子についてなさった証し、これが神の証しだからです。10神の子を信じる人は、自分の内にこの証しがあり、神を信じない人は、神が御子についてなさった証しを信じていないため、神を偽り者にしてしまっています。11その証しとは、神が永遠の命をわたしたちに与えられたこと、そして、この命が御子の内にあるということです。12御子と結ばれている人にはこの命があり、神の子と結ばれていない人にはこの命がありません。

13神の子の名を信じているあなたがたに、これらのことを書き送るのは、永遠の命を得ていることを悟らせたいからです。

答唱詩編

13512詩編147・12+13、14+15

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは、水遠。

詩編147

147・12エルサレムよ、神をほめたたえよ、
シオンよ、神をたたえよ。
13神はおまえの門のかんぬきをかため、
その中に住む人を祝福される。

14神は国ざかいに平和をもたらし、
よい麦でおまえを養われる。
15神は地に向かって仰せになり、
そのことばは、すばやく走る。

福音朗読

マルコ1・7-11

アレルヤ、アレルヤ。天が開いて父の声が響いた。「これは私の愛する子、彼に聞け。」アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、1・7ヨハネはこう宣べ伝えた。「わたしよりも優れた方が、後から来られる。わたしは、かがんでその方の履物のひもを解く値打ちもない。8わたしは水であなたたちに洗礼を授けたが、その方は聖霊で洗礼をお授けになる。」

9そのころ、イエスはガリラヤのナザレから来て、ヨルダン川でヨハネから洗礼を受けられた。10水の中から上がるとすぐ、天が裂けて〝霊〟が鳩のように御自分に降って来るのを、御覧になった。11すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。

または

ルカ3・23-38

アレルヤ、アレルヤ。天が開いて父の声が響いた。「これは私の愛する子、彼に聞け。」アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

3・23イエスが宣教を始められたときはおよそ三十歳であった。イエスはヨセフの子と思われていた。ヨセフはエリの子、それからさかのぼると、24マタト、レビ、メルキ、ヤナイ、ヨセフ、25マタティア、アモス、ナウム、エスリ、ナガイ、26マハト、マタティア、セメイン、ヨセク、ヨダ、27ヨハナン、レサ、ゼルバベル、シャルティエル、ネリ、28メルキ、アディ、コサム、エルマダム、エル、29ヨシュア、エリエゼル、ヨリム、マタト、レビ、30シメオン、ユダ、ヨセフ、ヨナム、エリアキム、31メレア、メンナ、マタタ、ナタン、ダビデ、32エッサイ、オベド、ボアズ、サラ、ナフション、33アミナダブ、アドミン、アルニ、ヘツロン、ペレツ、ユダ、34ヤコブ、イサク、アブラハム、テラ、ナホル、35セルグ、レウ、ペレグ、エベル、シェラ、36カイナム、アルパクシャド、セム、ノア、レメク、37メトシェラ、エノク、イエレド、マハラルエル、ケナン、38エノシュ、セト、アダム。そして神に至る。

主の公現 1月7日(日) 降誕節

第一朗読

イザヤ60・1-6

主の栄光はあなたの上に輝く。

イザヤの預言

エルサレムよ、60・1起きよ、光を放て。
あなたを照らす光は昇り
主の栄光はあなたの上に輝く。
2見よ、闇は地を覆い
暗黒が国々を包んでいる。
しかし、あなたの上には主が輝き出で
主の栄光があなたの上に現れる。
3国々はあなたを照らす光に向かい
王たちは射し出でるその輝きに向かって歩む。
4目を上げて、見渡すがよい。
みな集い、あなたのもとに来る。
息子たちは遠くから
娘たちは抱かれて、進んで来る。
5そのとき、あなたは畏れつつも喜びに輝き、
おののきつつも心は晴れやかになる。
海からの宝があなたに送られ
国々の富はあなたのもとに集まる。
6らくだの大群
ミディアンとエファの若いらくだが
あなたのもとに押し寄せる。
シェバの人々は皆、黄金と乳香を携えて来る。
こうして、主の栄誉が宣べ伝えられる。

答唱詩編

1361234詩編72・2+4、7+8、10+11、12+13

すべての王はあなたの前にひざをかがめ、すべての国はあなたに仕える。

詩編72

72・2主は正義に満ちて民を治め、
まことをもって苦しむ人を心にかけてくださる。
4主はさばきによって貧しい人を守り、
しいたげる者から救ってくださる。

7主が治められる世には正義が栄え、
月のある限り平和が続く。
8主は海のかなたまで治め、
その支配は地の果てにまでおよぶ。

10タルシスと島々の王は贈り物を、
シバとセバの王はみつぎを納める。
11主の前にひざをかがめ、
すべての民は主につかえる。

12主は助けを求める名もない人と、
見捨てられた人を救われる。
13貧しくふしあわせな人をあわれみ、
苦しむ人に救いをもたらされる。

第二朗読

エフェソ3・2、3b、5-6

今や、異邦人が約束されたものを受け継ぐ者となるということが啓示された。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、3・2あなたがたのために神がわたしに恵みをお与えになった次第について、あなたがたは聞いたにちがいありません。3b秘められた計画が啓示によってわたしに知らされました。5この計画は、キリスト以前の時代には人の子らに知らされていませんでしたが、今や〝霊〟によって、キリストの聖なる使徒たちや預言者たちに啓示されました。6すなわち、異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。

福音朗読

マタイ2・1-12

アレルヤ、アレルヤ。東の空に星を見て、全てをおいて神を拝みに来た。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

2・1イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、2言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」3これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。4王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。5彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。
6『ユダの地、ベツレヘムよ、
お前はユダの指導者たちの中で
決していちばん小さいものではない。
お前から指導者が現れ、
わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」

7そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。8そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムヘ送り出した。9彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。10学者たちはその星を見て喜びにあふれた。11家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。12ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

主の洗礼 1月8日(月) 降誕節

第一朗読

イザヤ55・1-11

わたしのもとに来るがよい。聞き従って、魂に命を得よ

イザヤの預言

主は言われる。
55・1渇きを覚えている者は皆、水のところに来るがよい。
銀を持たない者も来るがよい。
穀物を求めて、食べよ。
来て、銀を払うことなく穀物を求め
価を払うことなく、ぶどう酒と乳を得よ。
2なぜ、糧にならぬもののために銀を量って払い
飢えを満たさぬもののために労するのか。
わたしに聞き従えば
良いものを食べることができる。
あなたたちの魂はその豊かさを楽しむであろう。
3耳を傾けて聞き、わたしのもとに来るがよい。
聞き従って、魂に命を得よ。
わたしはあなたたちととこしえの契約を結ぶ。
ダビデに約束した真実の慈しみのゆえに。
4見よ
かつてわたしは彼を立てて諸国民への証人とし
諸国民の指導者、統治者とした。
5今、あなたは知らなかった国に呼びかける。
あなたを知らなかった国は
あなたのもとに馳せ参じるであろう。
あなたの神である主
あなたに輝きを与えられるイスラエルの聖なる神のゆえに。

6主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。
呼び求めよ、近くにいますうちに。
7神に逆らう者はその道を離れ
悪を行う者はそのたくらみを捨てよ。
主に立ち帰るならば、主は憐れんでくださる。
わたしたちの神に立ち帰るならば豊かに赦してくださる。

8わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり
わたしの道はあなたたちの道と異なると主は言われる。
9天が地を高く超えているように
わたしの道は、あなたたちの道を
わたしの思いはあなたたちの思いを、高く超えている。
10雨も雪も、ひとたび天から降れば
むなしく天に戻ることはない。
それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ
種蒔く人には種を
与え食べる人には糧を与える。
11そのように、わたしの口から出るわたしの言葉もむなしくは、わたしのもとに戻らない。
それはわたしの望むことを成し遂げ
わたしが与えた使命を必ず果たす。

答唱詩編

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喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

イザヤ12

12・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。
神はわたしの力、わたしの歌、わたしの救い。

4神をたたえ、その名を呼ぼう。
神のわざをすべての民に伝え、その名の誉れを語り告げよう。

5神は不思議なわざをなしとげられた。
神をほめ歌い、そのわざを世界にのべ伝えよう。

第二朗読

①ヨハネ5・1-9

〝霊〟と水と血

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、5・1イエスがメシアであると信じる人は皆、神から生まれた者です。そして、生んでくださった方を愛する人は皆、その方から生まれた者をも愛します。2このことから明らかなように、わたしたちが神を愛し、その掟を守るときはいつも、神の子供たちを愛します。3神を愛するとは、神の掟を守ることです。神の掟は難しいものではありません。4神から生まれた人は皆、世に打ち勝つからです。世に打ち勝つ勝利、それはわたしたちの信仰です。5だれが世に打ち勝つか。イエスが神の子であると信じる者ではありませんか。

6この方は、水と血を通って来られた方、イエス・キリストです。水だけではなく、水と血とによって来られたのです。そして、〝霊〟はこのことを証しする方です。〝霊〟は真理だからです。7証しするのは三者で、8〝霊〟と水と血です。この三者は一致しています。9わたしたちが人の証しを受け入れるのであれば、神の証しは更にまさっています。神が御子についてなさった証し、これが神の証しだからです。

福音朗読

マルコ1・7-11

アレルヤ、アレルヤ。ヨハネは自分の方へイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の子羊。」アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、1・7ヨハネはこう宣べ伝えた。「わたしよりも優れた方が、後から来られる。わたしは、かがんでその方の履物のひもを解く値打ちもない。8わたしは水であなたたちに洗礼を授けたが、その方は聖霊で洗礼をお授けになる。」

9そのころ、イエスはガリラヤのナザレから来て、ヨルダン川でヨハネから洗礼を受けられた。10水の中から上がるとすぐ、天が裂けて〝霊〟が鳩のように御自分に降って来るのを、御覧になった。11すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。

年間第1火曜日 1月9日(火) 年間

第一朗読

サムエル上1・9-20

主に願って得た子供なので、その名をサムエル(その名は神)と名付けた。

サムエル記

その日、1・9シロでのいけにえの食事が終わり、ハンナは立ち上がった。祭司エリは主の神殿の柱に近い席に着いていた。10ハンナは悩み嘆いて主に祈り、激しく泣いた。11そして、誓いを立てて言った。「万軍の主よ、はしための苦しみを御覧ください。はしために御心を留め、忘れることなく、男の子をお授けくださいますなら、その子の一生を主におささげし、その子の頭には決してかみそりを当てません。」

12ハンナが主の御前であまりにも長く祈っているので、エリは彼女の口もとを注意して見た。13ハンナは心のうちで祈っていて、唇は動いていたが声は聞こえなかった。エリは彼女が酒に酔っているのだと思い、14彼女に言った。「いつまで酔っているのか。酔いをさましてきなさい。」15ハンナは答えた。「いいえ、祭司様、違います。わたしは深い悩みを持った女です。ぶどう酒も強い酒も飲んではおりません。ただ、主の御前に心からの願いを注ぎ出しておりました。16はしためを堕落した女だと誤解なさらないでください。今まで祈っていたのは、訴えたいこと、苦しいことが多くあるからです。」そこでエリは、17「安心して帰りなさい。イスラエルの神が、あなたの乞い願うことをかなえてくださるように」と答えた。18ハンナは、「はしためが御厚意を得ますように」と言ってそこを離れた。それから食事をしたが、彼女の表情はもはや前のようではなかった。19一家は朝早く起きて主の御前で礼拝し、ラマにある自分たちの家に帰って行った。

エルカナは妻ハンナを知った。主は彼女を御心に留められ、20ハンナは身ごもり、月が満ちて男の子を産んだ。主に願って得た子供なので、その名をサムエル(その名は神)と名付けた。

答唱詩編

詩編105・1+2、3+4

わたしの心は神のうちに喜び、その救いに喜びおどる。

詩編105

105・1神に感謝してその名をたたえよ。
諸国の民に神のわざを告げ知らせよ。
2賛美の歌を神にうたい、
そのすべての不思議なわざを語れ。

3尊いその名をたたえよ。
神を捜し求める者よ、心から喜べ。
4神にその力を求め、
いつも、その顔を慕い求めよ。

福音朗読

マルコ1・21-28

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたに宣べ伝えられた福音は永遠にとどまる神のことば。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

1・21イエスは、安息日にカファルナウムの会堂に入って教え始められた。22人々はその教えに非常に驚いた。律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。23そのとき、この会堂に汚れた霊に取りつかれた男がいて叫んだ。24「ナザレのイエス、かまわないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか。正体は分かっている。神の聖者だ。」25イエスが、「黙れ。この人から出て行け」とお叱りになると、26汚れた霊はその人にけいれんを起こさせ、大声をあげて出て行った。27人々は皆驚いて、論じ合った。「これはいったいどういうことなのだ。権威ある新しい教えだ。この人が汚れた霊に命じると、その言うことを聴く。」28イエスの評判は、たちまちガリラヤ地方の隅々にまで広まった。

年間第1水曜日 1月10日(水) 年間

第一朗読

サムエル上3・1-10、19-20

「どうぞお話しください。僕は聞いております。」

サムエル記

3・1少年サムエルはエリのもとで主に仕えていた。そのころ、主の言葉が臨むことは少なく、幻が示されることもまれであった。2ある日、エリは自分の部屋で床に就いていた。彼は目がかすんできて、見えなくなっていた。3まだ神のともし火は消えておらず、サムエルは神の箱が安置された主の神殿に寝ていた。4主はサムエルを呼ばれた。サムエルは、「ここにいます」と答えて、5エリのもとに走って行き、「お呼びになったので参りました」と言った。しかし、エリが、「わたしは呼んでいない。戻っておやすみ」と言ったので、サムエルは戻って寝た。

6主は再びサムエルを呼ばれた。サムエルは起きてエリのもとに行き、「お呼びになったので参りました」と言った。エリは、「わたしは呼んでいない。わが子よ、戻っておやすみ」と言った。7サムエルはまだ主を知らなかったし、主の言葉はまだ彼に示されていなかった。8主は三度サムエルを呼ばれた。サムエルは起きてエリのもとに行き、「お呼びになったので参りました」と言った。エリは、少年を呼ばれたのは主であると悟り、9サムエルに言った。「戻って寝なさい。もしまた呼びかけられたら、『主よ、お話しください。僕は聞いております』と言いなさい。」サムエルは戻って元の場所に寝た。

10主は来てそこに立たれ、これまでと同じように、サムエルを呼ばれた。「サムエルよ。」サムエルは答えた。「どうぞお話しください。僕は聞いております。」

19サムエルは成長していった。主は彼と共におられ、その言葉は一つたりとも地に落ちることはなかった。20ダンからベエル・シェバに至るまでのイスラエルのすべての人々は、サムエルが主の預言者として信頼するに足る人であることを認めた。

答唱詩編

詩編40・2+4ab、10

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編40

40・2わたしはせつに神を呼び求め、
神は、耳を傾けてわたしの叫びを聞き入れられた。
4ab神はわたしの口に新しい歌を、
神への賛美の歌を授けられた。

10わたしは人々のつどいの中で、
あなたの救いのわざを告げ知らせ、
けっして口を閉じることがない。
神よ、あなたはそれを知っておられる。

福音朗読

マルコ1・29-39

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは1・29会堂を出て、シモンとアンデレの家に行った。ヤコブとヨハネも一緒であった。30シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した。31イエスがそばに行き、手を取って起こされると、熱は去り、彼女は一同をもてなした。32夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れて来た。33町中の人が、戸口に集まった。34イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやし、また、多くの悪霊を追い出して、悪霊にものを言うことをお許しにならなかった。悪霊はイエスを知っていたからである。

35朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。36シモンとその仲間はイエスの後を追い、37見つけると、「みんなが捜しています」と言った。38イエスは言われた。「近くのほかの町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである。」39そして、ガリラヤ中の会堂に行き、宣教し、悪霊を追い出された。

年間第1木曜日 1月11日(木) 年間

第一朗読

サムエル上4・1b-11

神の箱は奪われ、エリの二人の息子ホフニとピネハスは死んだ。

サムエル記

その日、イスラエルはペリシテに向かって出撃し、エベン・エゼルに陣を敷いた。一方、ペリシテ軍はアフェクに陣を敷き、2イスラエル軍に向かって戦列を整えた。戦いは広がり、イスラエル軍はペリシテ軍に打ち負かされて、この野戦でおよそ四千の兵士が討ち死にした。3兵士たちが陣営に戻ると、イスラエルの長老たちは言った。「なぜ主は今日、我々がペリシテ軍によって打ち負かされるままにされたのか。主の契約の箱をシロから我々のもとに運んで来よう。そうすれば、主が我々のただ中に来て、敵の手から救ってくださるだろう。」

4兵士たちはシロに人をやって、ケルビムの上に座しておられる万軍の主の契約の箱を、そこから担いで来させた。エリの二人の息子ホフニとピネハスも神の契約の箱に従って来た。5主の契約の箱が陣営に到着すると、イスラエルの全軍が大歓声をあげたので、地がどよめいた。6ペリシテ軍は歓声を聞いて言った。「ヘブライ人の陣営にどよめくあの大歓声は何だろう。」そして、主の箱がイスラエル軍の陣営に到着したと知ると、7ペリシテ軍は、神がイスラエル軍の陣営に来たと言い合い、恐れて言った。「大変だ。このようなことはついぞなかったことだ。8大変なことになった。あの強力な神の手から我々を救える者があろうか。あの神は荒れ野でさまざまな災いを与えてエジプトを撃った神だ。9ペリシテ人よ、雄々しく男らしくあれ。さもなければ、ヘブライ人があなたたちに仕えていたように、あなたたちが彼らに仕えることになる。男らしく彼らと戦え。」

10こうしてペリシテ軍は戦い、イスラエル軍は打ち負かされて、それぞれの天幕に逃げ帰った。打撃は非常に大きく、イスラエルの歩兵三万人が倒れた。11神の箱は奪われ、エリの二人の息子ホフニとピネハスは死んだ。

答唱詩編

詩編56・2+3、4+10

わたしは神により頼み、そのみことばをたたえよう。

詩編56

56・2神よ、あわれみを注いでください。
3わたしは昼も夜もしいたげられ、
はむかう者がいつもわたしに襲いかかり、
逆らう者はあとをたたない。

4恐れにとらえられるとき、
わたしはあなたにより頼む。
10わたしはあなたに助けを求め、
神がともにおられることを知るようになる。

福音朗読

マルコ1・40-45

アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、1・40重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。41イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、42たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった。43イエスはすぐにその人を立ち去らせようとし、厳しく注意して、44言われた。「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたものを清めのために献げて、人々に証明しなさい。」45しかし、彼はそこを立ち去ると、大いにこの出来事を人々に告げ、言い広め始めた。それで、イエスはもはや公然と町に入ることができず、町の外の人のいない所におられた。それでも、人々は四方からイエスのところに集まって来た。

年間第1金曜日 1月12日(金) 年間

第一朗読

サムエル上8・4-7、10-22a

主はサムエルに言われた。「彼らの声に従い、彼らに王を立てなさい。」

サムエル記

そのとき、4イスラエルの長老は全員集まり、ラマのサムエルのもとに来て、5彼に申し入れた。「あなたは既に年を取られ、息子たちはあなたの道を歩んでいません。今こそ、ほかのすべての国々のように、我々のために裁きを行う王を立ててください。」6裁きを行う王を与えよとの彼らの言い分は、サムエルの目には悪と映った。そこでサムエルは主に祈った。7主はサムエルに言われた。「民があなたに言うままに、彼らの声に従うがよい。彼らが退けたのはあなたではない。彼らの上にわたしが王として君臨することを退けているのだ。

10サムエルは王を要求する民に、主の言葉をことごとく伝えた。11彼はこう告げた。「あなたたちの上に君臨する王の権能は次のとおりである。まず、あなたたちの息子を徴用する。それは、戦車兵や騎兵にして王の戦車の前を走らせ、12千人隊の長、五十人隊の長として任命し、王のための耕作や刈り入れに従事させ、あるいは武器や戦車の用具を造らせるためである。

13また、あなたたちの娘を徴用し、香料作り、料理女、パン焼き女にする。

14また、あなたたちの最上の畑、ぶどう畑、オリーブ畑を没収し、家臣に分け与える。

15また、あなたたちの穀物とぶどうの十分の一を徴収し、重臣や家臣に分け与える。

16あなたたちの奴隷、女奴隷、若者のうちのすぐれた者や、ろばを徴用し、王のために働かせる。

17また、あなたたちの羊の十分の一を徴収する。

こうして、あなたたちは王の奴隷となる。18その日あなたたちは、自分が選んだ王のゆえに、泣き叫ぶ。しかし、主はその日、あなたたちに答えてはくださらない。」

19民はサムエルの声に聞き従おうとせず、言い張った。「いいえ。我々にはどうしても王が必要なのです。20我々もまた、他のすべての国民と同じようになり、王が裁きを行い、王が陣頭に立って進み、我々の戦いをたたかうのです。」

21サムエルは民の言葉をことごとく聞き、主の耳に入れた。22主はサムエルに言われた。「彼らの声に従い、彼らに王を立てなさい。」

答唱詩編

詩編89・16+17、18+19

神のいつくしみをとこしえにうたい、主のまことを代々に告げよう

詩編89

89・16神よ、あなたの輝きを知り、
その光の中を歩む民はしあわせ、
17あなたの名をいつも喜び、
あなたの正義によって高くあげられる。

18あなたはわたしたちの力と栄光、
その恵みでわたしたちは高くあげられる。
19わたしたちの盾は神のもの、
わたしたちの王は、イスラエルの聖なるかたのもの。

福音朗読

マルコ2・1-12

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者が私たちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

2・1数日後、イエスが再びカファルナウムに来られると、家におられることが知れ渡り、2大勢の人が集まったので、戸口の辺りまですきまもないほどになった。イエスが御言葉を語っておられると、3四人の男が中風の人を運んで来た。4しかし、群衆に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。5イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、あなたの罪は赦される」と言われた。6ところが、そこに律法学者が数人座っていて、心の中であれこれと考えた。7「この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒涜している。神おひとりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」8イエスは、彼らが心の中で考えていることを、御自分の霊の力ですぐに知って言われた。「なぜ、そんな考えを心に抱くのか。9中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。10人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に言われた。11「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。」12その人は起き上がり、すぐに床を担いで、皆の見ている前を出て行った。人々は皆驚き、「このようなことは、今まで見たことがない」と言って、神を賛美した。

年間第1土曜日 1月13日(土) 年間

第一朗読

サムエル上9・1-4、17-19、10・1

「主があなたに油を注ぎ、御自分の嗣業の民の指導者とされたのです。」

サムエル記

ベニヤミン族に一人の男がいた。名をキシュといい、家系をさかのぼると、アビエル、ツェロル、ベコラト、ベニヤミン人のアフィアに至り、勇敢な男であった。2彼には名をサウルという息子があった。美しい若者で、彼の美しさに及ぶ者はイスラエルにはだれもいなかった。民のだれよりも肩から上の分だけ背が高かった。

3あるとき、サウルの父キシュのろばが数頭、姿を消した。キシュはその子サウルに言いつけた。「若い者を一人連れて、ろばを捜しに行ってくれ。」

4彼はエフライムの山地を越え、シャリシャの地を過ぎて行ったが、ろばを見つけ出せず、シャアリムの地を越えてもそこにはおらず、ベニヤミンの地を越えても見つけ出せなかった。

17サムエルがサウルに会うと、主は彼に告げられた。「わたしがあなたに言ったのはこの男のことだ。この男がわたしの民を支配する。」

18城門の中でサウルはサムエルに近づいて、彼に言った。「お尋ねしますが、先見者の家はどこでしょうか。」19サムエルはサウルに答えた。「わたしが先見者です。先に聖なる高台へ上って行きなさい。今日はわたしと一緒に食事をしてください。明朝、あなたを送り出すとき、あなたの心にかかっていることをすべて説明します。

10・1サムエルは油の壺を取り、サウルの頭に油を注ぎ、彼に口づけして、言った。「主があなたに油を注ぎ、御自分の嗣業の民の指導者とされたのです。」

答唱詩編

詩編72・1+2、18+19a

神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。

詩編72

72・1神よ、あなたの正義を王に与え、
あなたの正しさを王に授けてください。
2王が正しく民をおさめ、
正義をもって貧しい人を守るように。

18イスラエルの神主をたたえよう。
神ひとり不思議なわざを行われる。
19a栄光に輝く
神の名をたたえよう。

福音朗読

マルコ2・13-17

アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、2・13イエスは、再び湖のほとりに出て行かれた。群衆が皆そばに集まって来たので、イエスは教えられた。14そして通りがかりに、アルファイの子レビが収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。15イエスがレビの家で食事の席に着いておられたときのことである。多くの徴税人や罪人もイエスや弟子たちと同席していた。実に大勢の人がいて、イエスに従っていたのである。16ファリサイ派の律法学者は、イエスが罪人や徴税人と一緒に食事をされるのを見て、弟子たちに、「どうして彼は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と言った。17イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」

年間第2主日 1月14日(日) 年間

第一朗読

サムエル上3・3b-10、19

主よ、お話しください。僕は聞いております。

サムエル記

その日、少年3・3bサムエルは神の箱が安置された主の神殿に寝ていた。4主はサムエルを呼ばれた。サムエルは、「ここにいます」と答えて、5祭司エリのもとに走って行き、「お呼びになったので参りました」と言った。しかし、エリが、「わたしは呼んでいない。戻っておやすみ」と言ったので、サムエルは戻って寝た。

6主は再びサムエルを呼ばれた。サムエルは起きてエリのもとに行き、「お呼びになったので参りました」と言った。エリは、「わたしは呼んでいない。わが子よ、戻っておやすみ」と言った。7サムエルはまだ主を知らなかったし、主の言葉はまだ彼に示されていなかった。8主は三度サムエルを呼ばれた。サムエルは起きてエリのもとに行き、「お呼びになったので参りました」と言った。エリは、少年を呼ばれたのは主であると悟り、9サムエルに言った。「戻って寝なさい。もしまた呼びかけられたら、『主よ、お話しください。僕は聞いております』と言いなさい。」サムエルは戻って元の場所に寝た。

10主は来てそこに立たれ、これまでと同じように、サムエルを呼ばれた。「サムエルよ。」サムエルは答えた。「どうぞお話しください。僕は聞いております。」

19サムエルは成長していった。主は彼と共におられ、その言葉は一つたりとも地に落ちることはなかった。

答唱詩編

詩編40・2+4ab、6、10

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編40

40・2わたしはせつに神を呼び求め、
神は、耳を傾けてわたしの叫びを聞き入れられた。
4ab神はわたしの口に新しい歌を、
神への賛美の歌を授けられた。

6神よ、あなたの不思議なわざは数えきれず、
そのはからいはたぐいなく、
わたしがそれを告げ知らせても、
すべてを語り尽くすことはできない。

10わたしは人々のつどいの中で、
あなたの救いのわざを告げ知らせ、
けっして口を閉じることがない。
神よ、あなたはそれを知っておられる。

第二朗読

①コリント6・13c-15a、17-20

あなたがたの体はキリストの体の一部である

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、6・13c体はみだらな行いのためではなく、主のためにあり、主は体のためにおられるのです。14神は、主を復活させ、また、その力によってわたしたちをも復活させてくださいます。15aあなたがたは、自分の体がキリストの体の一部だとは知らないのか。17主に結び付く者は主と一つの霊となるのです。18みだらな行いを避けなさい。人が犯す罪はすべて体の外にあります。しかし、みだらな行いをする者は、自分の体に対して罪を犯しているのです。19知らないのですか。あなたがたの体は、神からいただいた聖霊が宿ってくださる神殿であり、あなたがたはもはや自分自身のものではないのです。20あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。だから、自分の体で神の栄光を現しなさい。

福音朗読

ヨハネ1・35-42

アレルヤ、アレルヤ。油注がれた者キリストによって恵みと真理は実現した。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、1・35ヨハネは二人の弟子と一緒にいた。36そして、歩いておられるイエスを見つめて、「見よ、神の小羊だ」と言った。37二人の弟子はそれを聞いて、イエスに従った。38イエスは振り返り、彼らが従って来るのを見て、「何を求めているのか」と言われた。彼らが、「ラビ、ーー『先生』という意味、ーーどこに泊まっておられるのですか」と言うと、39イエスは、「来なさい。そうすれば分かる」と言われた。そこで、彼らはついて行って、どこにイエスが泊まっておられるかを見た。そしてその日は、イエスのもとに泊まった。午後四時ごろのことである。40ヨハネの言葉を聞いて、イエスに従った二人のうちの一人は、シモン・ペトロの兄弟アンデレであった。41彼は、まず自分の兄弟シモンに会って、「わたしたちはメシア、ーー『油を注がれた者』という意味、ーーに出会った」と言った。42そして、シモンをイエスのところに連れて行った。イエスは彼を見つめて、「あなたはヨハネの子シモンであるが、ケファ、ーー『岩』という意味、ーーと呼ぶことにする」と言われた。

年間第2月曜日 1月15日(月) 年間

第一朗読

サムエル上15・16-23

「主が喜ばれるのは、主の御声に聞き従うことではないか。」

サムエル記

その日、15・16サムエルはサウルに言った。「やめなさい。あなたに言わねばならないことがある。昨夜、主がわたしに語られたことだ。」サウルは言った。「お話しください。」

17サムエルは言った。「あなたは、自分自身の目には取るに足らぬ者と映っているかもしれない。しかしあなたはイスラエルの諸部族の頭ではないか。主は油を注いで、あなたをイスラエルの上に王とされたのだ。18主はあなたに出陣を命じ、行って、罪を犯したアマレクを滅ぼし尽くせ、彼らを皆殺しにするまで戦い抜け、と言われた。19何故あなたは、主の御声に聞き従わず、戦利品を得ようと飛びかかり、主の目に悪とされることを行ったのか。」20サウルはサムエルに答えた。「わたしは主の御声に聞き従いました。主の御命令どおりに出陣して、アマレクの王アガグを引いて来ましたし、アマレクも滅ぼし尽くしました。21兵士が、ギルガルであなたの神、主への供え物にしようと、滅ぼし尽くすべき物のうち、最上の羊と牛を、戦利品の中から取り分けたのです。」22サムエルは言った。

「主が喜ばれるのは
焼き尽くす献げ物やいけにえであろうか。
むしろ、主の御声に聞き従うことではないか。
見よ、聞き従うことはいけにえにまさり
耳を傾けることは雄羊の脂肪にまさる。
23反逆は占いの罪に高慢は偶像崇拝に等しい。
主の御言葉を退けたあなたは
王位から退けられる。」

答唱詩編

詩編50・5+6、7

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編50

50・5「わたしの民を集めよ、
いけにえをささげて契約を結ぶ民を。」
6天は神の正義を告げる。
神はすべてをさばかれる。

7「わたしの民よ、聞け。
わたしはおまえに語る。
イスラエルよ、おまえを戒めよう。
わたしは神、おまえの神。」

福音朗読

マルコ2・18-22

アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、2・18ヨハネの弟子たちとファリサイ派の人々は、断食していた。そこで、人々はイエスのところに来て言った。「ヨハネの弟子たちとファリサイ派の弟子たちは断食しているのに、なぜ、あなたの弟子たちは断食しないのですか。」19イエスは言われた。「花婿が一緒にいるのに、婚礼の客は断食できるだろうか。花婿が一緒にいるかぎり、断食はできない。20しかし、花婿が奪い取られる時が来る。その日には、彼らは断食することになる。

21だれも、織りたての布から布切れを取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。そんなことをすれば、新しい布切れが古い服を引き裂き、破れはいっそうひどくなる。22また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、ぶどう酒は革袋を破り、ぶどう酒も革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。」

年間第2火曜日 1月16日(火) 年間

第一朗読

サムエル上16・1-13

立って彼に油を注ぎなさい。これがその人だ。

サムエル記

その日、16・1主はサムエルに言われた。「いつまであなたは、サウルのことを嘆くのか。わたしは、イスラエルを治める王位から彼を退けた。角に油を満たして出かけなさい。あなたをベツレヘムのエッサイのもとに遣わそう。わたしはその息子たちの中に、王となるべき者を見いだした。」2サムエルは言った。「どうしてわたしが行けましょうか。サウルが聞けばわたしを殺すでしょう。」主は言われた。「若い雌牛を引いて行き、『主にいけにえをささげるために来ました』と言い、3いけにえをささげるときになったら、エッサイを招きなさい。なすべきことは、そのときわたしが告げる。あなたは、わたしがそれと告げる者に油を注ぎなさい。」4サムエルは主が命じられたとおりにした。彼がベツレヘムに着くと、町の長老は不安げに出迎えて、尋ねた。「おいでくださったのは、平和なことのためでしょうか。」5「平和なことです。主にいけにえをささげに来ました。身を清めて、いけにえの会食に一緒に来てください。」

サムエルはエッサイとその息子たちに身を清めさせ、いけにえの会食に彼らを招いた。6彼らがやって来ると、サムエルはエリアブに目を留め、彼こそ主の前に油を注がれる者だ、と思った。7しかし、主はサムエルに言われた。「容姿や背の高さに目を向けるな。わたしは彼を退ける。人間が見るようには見ない。人は目に映ることを見るが、主は心によって見る。」8エッサイはアビナダブを呼び、サムエルの前を通らせた。サムエルは言った。「この者をも主はお選びにならない。」9エッサイは次に、シャンマを通らせた。サムエルは言った。「この者をも主はお選びにならない。」10エッサイは七人の息子にサムエルの前を通らせたが、サムエルは彼に言った。「主はこれらの者をお選びにならない。」11サムエルはエッサイに尋ねた。「あなたの息子はこれだけですか。」「末の子が残っていますが、今、羊の番をしています」とエッサイが答えると、サムエルは言った。「人をやって、彼を連れて来させてください。その子がここに来ないうちは、食卓には着きません。」12エッサイは人をやって、その子を連れて来させた。彼は血色が良く、目は美しく、姿も立派であった。主は言われた。「立って彼に油を注ぎなさい。これがその人だ。」13サムエルは油の入った角を取り出し、兄弟たちの中で彼に油を注いだ。その日以来、主の霊が激しくダビデに降るようになった。サムエルは立ってラマに帰った。

答唱詩編

詩編89・21+22、27+28

神のいつくしみをとこしえにうたい、主のまことを代々に告げよう。

詩編89

89・21わたしはしもベダビデを選び、
尊い油を彼に注いだ。
22わたしの手はいつも彼とともにあり、
わたしの腕は彼を強める。

27いつくしみとまことは彼とともにあり、
彼はわたしによって高められる。
28彼はわたしに呼びかける。
「わたしの父、わたしの神、わたしの救いのカ」

福音朗読

マルコ2・23-28

アレルヤ、アレルヤ。主イエス・キリストの父がわたしたちの心の目を開き、わたしたちがどんな希望に召されているかを示してくださる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

2・23ある安息日に、イエスが麦畑を通って行かれると、弟子たちは歩きながら麦の穂を摘み始めた。24ファリサイ派の人々がイエスに、「御覧なさい。なぜ、彼らは安息日にしてはならないことをするのか」と言った。25イエスは言われた。「ダビデが、自分も供の者たちも、食べ物がなくて空腹だったときに何をしたか、一度も読んだことがないのか。26アビアタルが大祭司であったとき、ダビデは神の家に入り、祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを食べ、一緒にいた者たちにも与えたではないか。」27そして更に言われた。「安息日は、人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。28だから、人の子は安息日の主でもある。」

聖アントニオ 修道院長 1月17日(水) 記念日

第一朗読

サムエル上17・32-33、37、40-51

主は救いを賜るのに剣や槍を必要とはされないことを、ここに集まったすべての者は知るだろう。この戦いは主のものだ。主はお前たちを我々の手に渡される。

サムエル記

その日、17・32ダビデはサウルに言った。「あの男のことで、だれも気を落としてはなりません。僕が行って、あのペリシテ人と戦いましょう。」33サウルはダビデに答えた。「お前が出てあのペリシテ人と戦うことなどできはしまい。お前は少年だし、向こうは少年のときから戦士だ。」37ダビデは更に言った。「獅子の手、熊の手からわたしを守ってくださった主は、あのペリシテ人の手からも、わたしを守ってくださるにちがいありません。」サウルはダビデに言った。「行くがよい。主がお前と共におられるように。」ダビデは40自分の杖を手に取ると、川岸から滑らかな石を五つ選び、身に着けていた羊飼いの投石袋に入れ、石投げ紐を手にして、あのペリシテ人に向かって行った。

41ペリシテ人は、盾持ちを先に立て、ダビデに近づいて来た。42彼は見渡し、ダビデを認め、ダビデが血色の良い、姿の美しい少年だったので、侮った。43このペリシテ人はダビデに言った。「わたしは犬か。杖を持って向かって来るのか。」そして、自分の神々によってダビデを呪い、44更にダビデにこう言った。「さあ、来い。お前の肉を空の鳥や野の獣にくれてやろう。」45だが、ダビデもこのペリシテ人に言った。「お前は剣や槍や投げ槍でわたしに向かって来るが、わたしはお前が挑戦したイスラエルの戦列の神、万軍の主の名によってお前に立ち向かう。46今日、主はお前をわたしの手に引き渡される。わたしは、お前を討ち、お前の首をはね、今日、ペリシテ軍のしかばねを空の鳥と地の獣に与えよう。全地はイスラエルに神がいますことを認めるだろう。47主は救いを賜るのに剣や槍を必要とはされないことを、ここに集まったすべての者は知るだろう。この戦いは主のものだ。主はお前たちを我々の手に渡される。」

48ペリシテ人は身構え、ダビデに近づいて来た。ダビデも急ぎ、ペリシテ人に立ち向かうため戦いの場に走った。49ダビデは袋に手を入れて小石を取り出すと、石投げ紐を使って飛ばし、ペリシテ人の額を撃った。石はペリシテ人の額に食い込み、彼はうつ伏せに倒れた。50ダビデは石投げ紐と石一つでこのペリシテ人に勝ち、彼を撃ち殺した。ダビデの手には剣もなかった。51ダビデは走り寄って、そのペリシテ人の上にまたがると、ペリシテ人の剣を取り、さやから引き抜いてとどめを刺し、首を切り落とした。ペリシテ軍は、自分たちの勇士が殺されたのを見て、逃げ出した。

答唱詩編

詩編18・3、47+50

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編

18・3神はわたしの砦、わたしの岩、
わたしの救い、身を避ける岩、
わたしの神、わたしの盾、
わたしのやぐら、救いの力。

47わたしを支える岩、
わたしを救われる神に栄光と賛美。
50神よ、諸国の民の中であなたをたたえ、
わたしはあなたの名を喜びうたう。

福音朗読

マルコ3・1-6

アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・1イエスはまた会堂にお入りになった。そこに片手の萎えた人がいた。2人々はイエスを訴えようと思って、安息日にこの人の病気をいやされるかどうか、注目していた。3イエスは手の萎えた人に、「真ん中に立ちなさい」と言われた。4そして人々にこう言われた。「安息日に律法で許されているのは、善を行うことか、悪を行うことか。命を救うことか、殺すことか。」彼らは黙っていた。5そこで、イエスは怒って人々を見回し、彼らのかたくなな心を悲しみながら、その人に、「手を伸ばしなさい」と言われた。伸ばすと、手は元どおりになった。6ファリサイ派の人々は出て行き、早速、ヘロデ派の人々と一緒に、どのようにしてイエスを殺そうかと相談し始めた。

年間第2木曜日 1月18日(木) 年間

第一朗読

サムエル上18・6-9、19・1-7

ダビデはこれまでどおりサウルに仕えることになった。

サムエル記

その日、18・6皆が戻り、あのペリシテ人を討ったダビデも帰って来ると、イスラエルのあらゆる町から女たちが出て来て、太鼓を打ち、喜びの声をあげ、三絃琴を奏で、歌い踊りながらサウル王を迎えた。7女たちは楽を奏し、歌い交わした。

「サウルは千を討ち
ダビデは万を討った。」

8サウルはこれを聞いて激怒し、悔しがって言った。「ダビデには万、わたしには千。あとは、王位を与えるだけか。」9この日以来、サウルはダビデをねたみの目で見るようになった。

19・1サウルは、息子のヨナタンと家臣の全員に、ダビデを殺すようにと命じた。しかし、サウルの息子ヨナタンはダビデに深い愛情を抱いていたので、2ダビデにこのことを告げた。「わたしの父サウルはあなたを殺そうとねらっている。朝になったら注意して隠れ場にとどまり、見つからないようにしていなさい。3あなたのいる野原にわたしは出て行って父の傍らに立ち、あなたについて父に話してみる。様子を見て、あなたに知らせよう。」

4ヨナタンは父サウルにダビデをかばって話した。「王がその僕であるダビデのゆえに、罪を犯したりなさいませんように。彼は父上に対して罪を犯していないばかりか、大変お役に立っているのです。5彼が自分の命をかけてあのペリシテ人を討ったから、主はイスラエルの全軍に大勝利をお与えになったのです。あなたはそれを見て、喜び祝われたではありませんか。なぜ、罪なき者の血を流し、理由もなくダビデを殺して、罪を犯そうとなさるのですか。」6サウルはヨナタンの言葉を聞き入れて誓った。「主は生きておられる。彼を殺しはしない。」

7ヨナタンはダビデを呼んで、これをすべて彼に告げた。ヨナタンはサウルのもとにダビデを連れて行き、ダビデはこれまでどおりサウルに仕えることになった。

答唱詩編

詩編56・2+3、4+10

わたしは神により頼み、そのみことばをたたえよう。

詩編56

56・2神よ、あわれみを注いでください。
わたしは昼も夜もしいたげられ、
3はむかう者がいつもわたしに襲いかかり、
逆らう者はあとをたたない。

4恐れにとらえられるとき、
わたしはあなたにより頼む。
10わたしはあなたに助けを求め、
神がともにおられることを知るようになる。

福音朗読

マルコ3・7-12

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・7イエスは弟子たちと共に湖の方へ立ち去られた。ガリラヤから来たおびただしい群衆が従った。また、ユダヤ、8エルサレム、イドマヤ、ヨルダン川の向こう側、ティルスやシドンの辺りからもおびただしい群衆が、イエスのしておられることを残らず聞いて、そばに集まって来た。9そこで、イエスは弟子たちに小舟を用意してほしいと言われた。群衆に押しつぶされないためである。10イエスが多くの病人をいやされたので、病気に悩む人たちが皆、イエスに触れようとして、そばに押し寄せたからであった。11汚れた霊どもは、イエスを見るとひれ伏して、「あなたは神の子だ」と叫んだ。12イエスは、自分のことを言いふらさないようにと霊どもを厳しく戒められた。

年間第2金曜日 1月19日(金) 年間

第一朗読

サムエル上24・3-21

今わたしは悟った。お前は必ず王となり、イスラエル王国はお前の手によって確立される。

サムエル記

その日、24・3サウルはイスラエルの全軍からえりすぐった三千の兵を率い、ダビデとその兵を追って「山羊の岩」の付近に向かった。4途中、羊の囲い場の辺りにさしかかると、そこに洞窟があったので、サウルは用を足すために入ったが、その奥にはダビデとその兵たちが座っていた。5ダビデの兵は言った。「主があなたに、『わたしはあなたの敵をあなたの手に渡す。思いどおりにするがよい』と約束されたのは、この時のことです。」ダビデは立って行き、サウルの上着の端をひそかに切り取った。6しかしダビデは、サウルの上着の端を切ったことを後悔し、7兵に言った。「わたしの主君であり、主が油を注がれた方に、わたしが手をかけ、このようなことをするのを、主は決して許されない。彼は主が油を注がれた方なのだ。」

8ダビデはこう言って兵を説得し、サウルを襲うことを許さなかった。サウルは洞窟を出て先に進んだ。9ダビデも続いて洞窟を出ると、サウルの背後から声をかけた。「わが主君、王よ。」サウルが振り返ると、ダビデは顔を地に伏せ、礼をして、10サウルに言った。「ダビデがあなたに危害を加えようとしている、などといううわさになぜ耳を貸されるのですか。11今日、主が洞窟であなたをわたしの手に渡されたのを、あなた御自身の目で御覧になりました。そのとき、あなたを殺せと言う者もいましたが、あなたをかばって、『わたしの主人に手をかけることはしない。主が油を注がれた方だ』と言い聞かせました。12わが父よ、よく御覧ください。あなたの上着の端がわたしの手にあります。わたしは上着の端を切り取りながらも、あなたを殺すことはしませんでした。御覧ください。わたしの手には悪事も反逆もありません。あなたに対して罪を犯しませんでした。それにもかかわらず、あなたはわたしの命を奪おうと追い回されるのです。13主があなたとわたしの間を裁き、わたしのために主があなたに報復されますように。わたしは手を下しはしません。14古いことわざに、『悪は悪人から出る』と言います。わたしは手を下しません。15イスラエルの王は、誰を追って出て来られたのでしょう。あなたは誰を追跡されるのですか。死んだ犬、一匹の蚤ではありませんか。16主が裁き手となって、わたしとあなたの間を裁き、わたしの訴えを弁護し、あなたの手からわたしを救ってくださいますように。」

17ダビデがサウルに対するこれらの言葉を言い終えると、サウルは言った。「わが子ダビデよ、これはお前の声か。」サウルは声をあげて泣き、18ダビデに言った。「お前はわたしより正しい。お前はわたしに善意をもって対し、わたしはお前に悪意をもって対した。19お前はわたしに善意を尽くしていたことを今日示してくれた。主がわたしをお前の手に引き渡されたのに、お前はわたしを殺さなかった。20自分の敵に出会い、その敵を無事に去らせる者があろうか。今日のお前のふるまいに対して、主がお前に恵みをもって報いてくださるだろう。21今わたしは悟った。お前は必ず王となり、イスラエル王国はお前の手によって確立される。

答唱詩編

詩編57・2、3+4

栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。

詩編57

57・2神よ、あわれみをわたしの上に。
わたしはあなたのもとに逃れ、
翼のかげに身をひそめる、
災いが過ぎ去るまで。

3わたしはすべてを越える神に、
すべてを成し遂げられる神に助けを求める
4神は使いを送ってわたしを救い、
いつくしみとまことで覆ってくださる。

福音朗読

マルコ3・13-19

アレルヤ、アレルヤ。神はキリストのうちに世をご自分に和解させ、和解のことばをわたしたちにゆだねられた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・13イエスが山に登って、これと思う人々を呼び寄せられると、彼らはそばに集まって来た。14そこで、十二人を任命し、使徒と名付けられた。彼らを自分のそばに置くため、また、派遣して宣教させ、15悪霊を追い出す権能を持たせるためであった。16こうして十二人を任命された。シモンにはペトロという名を付けられた。17ゼベダイの子ヤコブとヤコブの兄弟ヨハネ、この二人にはボアネルゲス、すなわち、「雷の子ら」という名を付けられた。18アンデレ、フィリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、タダイ、熱心党のシモン、19それに、イスカリオテのユダ。このユダがイエスを裏切ったのである。

年間第2土曜日 1月20日(土) 年間

第一朗読

サムエル下1・1-4、11-12、19、23-27

まことの喜び、女の愛にまさる驚くべきあなたの愛を。

サムエル記

その日、1・1ダビデはアマレク人を討ってツィクラグに帰り、二日過ごした。2三日目に、サウルの陣営から一人の男がたどりついた。衣服は裂け、頭に土をかぶっていた。男はダビデの前に出ると、地にひれ伏して礼をした。3ダビデは尋ねた。「どこから来たのだ。」「イスラエルの陣営から逃れて参りました」と彼は答えた。4「状況はどうか。話してくれ」とダビデは彼に言った。彼は言った。「兵士は戦場から逃げ去り、多くの兵士が倒れて死にました。サウル王と王子のヨナタンも亡くなられました。」

11ダビデは自分の衣をつかんで引き裂いた。共にいた者は皆それに倣った。12彼らは、剣に倒れたサウルとその子ヨナタン、そして主の民とイスラエルの家を悼んで泣き、夕暮れまで断食した。

そしてダビデは言った。

19「イスラエルよ、『麗しき者』は
お前の高い丘の上で刺し殺された。
ああ、勇士らは倒れた。

23サウルとヨナタン、愛され喜ばれた二人
鷲よりも速く、獅子よりも雄々しかった。
命ある時も死に臨んでも二人が離れることはなかった。
24泣け、イスラエルの娘らよ、サウルのために。

紅の衣をお前たちに着せ
お前たちの衣の上に金の飾りをおいたサウルのために。
25ああ、勇士らは戦いのさなかに倒れた。
ヨナタンはイスラエルの高い丘で刺し殺された。
26あなたを思ってわたしは悲しむ
兄弟ヨナタンよ、まことの喜び
女の愛にまさる驚くべきあなたの愛を。

27ああ、勇士らは倒れた。
戦いの器は失われた。」

答唱詩編

詩編80・3+4、5b+6

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編80

80・3すべてを治める神よ、あなたの力を現し、
わたしたちを救いに来てください。
4わたしたちを新たにし、
あなたの顔の輝きで救ってください。

5b神よ、民が祈っているのに、
いつまで怒りを燃やされるのか。
6あなたは悲しみをわたしたちの食物とし、
あふれる涙を飲み物とされた。

福音朗読

マルコ3・20-21

アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開き、あなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・20イエスが家に帰られると、群衆がまた集まって来て、一同は食事をする暇もないほどであった。21身内の人たちはイエスのことを聞いて取り押さえに来た。「あの男は気が変になっている」と言われていたからである。

年間第3主日 1月21日(日) 年間

第一朗読

ヨナ3・1-5、10

ニネベの人々は悪の道を離れた。

ヨナの預言

3・1主の言葉がヨナに臨んだ。2「さあ、大いなる都ニネベに行って、わたしがお前に語る言葉を告げよ。」

3ヨナは主の命令どおり、直ちにニネベに行った。ニネベは非常に大きな都で、一回りするのに三日かかった。4ヨナはまず都に入り、一日分の距離を歩きながら叫び、そして言った。

「あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。」

5すると、ニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者も低い者も身に粗布をまとった。

10神は彼らの業、彼らが悪の道を離れたことを御覧になり、思い直され、宣告した災いをくだすのをやめられた。

答唱詩編

詩編25・4+5a、8+9、10+14

すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。

詩編25

25・4神よ、あなたの道を示し、
その小道を教えてください。
5aあなたの真理のうちに、
わたしを導き、さとしてください。

8神はあわれみ深く正義に満ち、
罪びとに道を示される。
9神は貧しい人を正義に導き、
へりくだる人にその道を教えられる。

10契約とさとしを守る人に、
神への小道はいつくしみとまことにあふれる。
14神をおそれる人に神は心を開き、
契約を示し、さとされる。

第二朗読

①コリント7・29-31

この世の有様は過ぎ去る。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

7・29兄弟たち、わたしはこう言いたい。定められた時は迫っています。今からは、妻のある人はない人のように、30泣く人は泣かない人のように、喜ぶ人は喜ばない人のように、物を買う人は持たない人のように、31世の事にかかわっている人は、かかわりのない人のようにすべきです。この世の有様は過ぎ去るからです。

福音朗読

マルコ1・14-20

アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

1・14ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤヘ行き、神の福音を宣べ伝えて、15「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。

16イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。17イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。18二人はすぐに網を捨てて従った。19また、少し進んで、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、舟の中で網の手入れをしているのを御覧になると、20すぐに彼らをお呼びになった。この二人も父ゼベダイを雇い人たちと一緒に舟に残して、イエスの後について行った。

年間第3月曜日 1月22日(月) 年間

第一朗読

サムエル下5・1-7、10

わが民イスラエルを牧するのはあなただ。あなたがイスラエルの指導者となる

サムエル記

その日、5・1イスラエルの全部族はヘブロンのダビデのもとに来てこう言った。「御覧ください。わたしたちはあなたの骨肉です。2これまで、サウルがわたしたちの王であったときにも、イスラエルの進退の指揮をとっておられたのはあなたでした。主はあなたに仰せになりました。『わが民イスラエルを牧するのはあなただ。あなたがイスラエルの指導者となる』と。」

3イスラエルの長老たちは全員、ヘブロンの王のもとに来た。ダビデ王はヘブロンで主の御前に彼らと契約を結んだ。長老たちはダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした。

4ダビデは三十歳で王となり、四十年間王位にあった。5七年六か月の間ヘブロンでユダを、三十三年の間エルサレムでイスラエルとユダの全土を統治した。

6王とその兵はエルサレムに向かい、その地の住民のエブス人を攻めようとした。エブス人はダビデが町に入ることはできないと思い、ダビデに言った。「お前はここに入れまい。目の見えない者、足の不自由な者でも、お前を追い払うことは容易だ。」

7しかしダビデはシオンの要害を陥れた。これがダビデの町である。

10ダビデは次第に勢力を増し、万軍の神、主は彼と共におられた。

答唱詩編

詩編89・21+22、25+27

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編89

89・21わたしはしもべダビドを選び、
とうとい油を彼に注いだ。
22わたしの手はいつも彼とともにあり、
わたしの腕は彼を強める。

25いつくしみとまことは彼とともにあり、
彼はわたしによって高められる。
27彼はわたしに呼びかける。
「わたしの父、わたしの神、わたしの救いの力。」

福音朗読

マルコ3・22-30

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・22エルサレムから下って来た律法学者たちも、「あの男はベルゼブルに取りつかれている」と言い、また、「悪霊の頭の力で悪霊を追い出している」と言っていた。23そこで、イエスは彼らを呼び寄せて、たとえを用いて語られた。「どうして、サタンがサタンを追い出せよう。24国が内輪で争えば、その国は成り立たない。25家が内輪で争えば、その家は成り立たない。26同じように、サタンが内輪もめして争えば、立ち行かず、滅びてしまう。27また、まず強い人を縛り上げなければ、だれも、その人の家に押し入って、家財道具を奪い取ることはできない。まず縛ってから、その家を略奪するものだ。28はっきり言っておく。人の子らが犯す罪やどんな冒涜の言葉も、すべて赦される。29しかし、聖霊を冒涜する者は永遠に赦されず、永遠に罪の責めを負う。」30イエスがこう言われたのは、「彼は汚れた霊に取りつかれている」と人々が言っていたからである。

年間第3火曜日 1月23日(火) 年間

第一朗読

サムエル下6・12b-15、17-19

王は直ちに出かけ、喜び祝って神の箱をオベド・エドムの家からダビデの町に運び上げた。

サムエル記

その日、6・12b王は直ちに出かけ、喜び祝って神の箱をオベド・エドムの家からダビデの町に運び上げた。13主の箱を担ぐ者が六歩進んだとき、ダビデは肥えた雄牛をいけにえとしてささげた。14主の御前でダビデは力のかぎり踊った。彼は麻のエフォドを着けていた。15ダビデとイスラエルの家はこぞって喜びの叫びをあげ、角笛を吹き鳴らして、主の箱を運び上げた。

17人々が主の箱を運び入れ、ダビデの張った天幕の中に安置すると、ダビデは主の御前に焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげた。18焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげ終わると、ダビデは万軍の主の御名によって民を祝福し、19兵士全員、イスラエルの群衆のすべてに、男にも女にも、輪形のパン、なつめやしの菓子、干しぶどうの菓子を一つずつ分け与えた。民は皆、自分の家に帰って行った。

答唱詩編

詩編24・1+2、8+10

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編

24・1地とそこにあるもの、
世界とそこに住むものは神のもの。
2神は海に地の基をすえ、
水の上に固められた。

8栄光の王とはだれか。
勝利を得られる力ある神。
10栄光の王とはだれか。
すべてを治める神、神は栄光の王。

福音朗読

マルコ3・31-35

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・31イエスの母と兄弟たちが来て外に立ち、人をやってイエスを呼ばせた。32大勢の人が、イエスの周りに座っていた。「御覧なさい。母上と兄弟姉妹がたが外であなたを捜しておられます」と知らされると、33イエスは、「わたしの母、わたしの兄弟とはだれか」と答え、34周りに座っている人々を見回して言われた。「見なさい。ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。35神の御心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ。」

聖フランシスコ・サレジオ 司教教会博士 1月24日(水) 記念日

第一朗読

サムエル下7・4-17

あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。

サムエル記

その日、7・4ナタンに臨んだ主の言葉は次のとおりであった。

5「わたしの僕ダビデのもとに行って告げよ。主はこう言われる。あなたがわたしのために住むべき家を建てようというのか。6わたしはイスラエルの子らをエジプトから導き上った日から今日に至るまで、家に住まず、天幕、すなわち幕屋を住みかとして歩んできた。7わたしはイスラエルの子らと常に共に歩んできたが、その間、わたしの民イスラエルを牧するようにと命じたイスラエルの部族の一つにでも、なぜわたしのためにレバノン杉の家を建てないのか、と言ったことがあろうか。

8わたしの僕ダビデに告げよ。万軍の主はこう言われる。わたしは牧場の羊の群れの後ろからあなたを取って、わたしの民イスラエルの指導者にした。9あなたがどこに行こうとも、わたしは共にいて、あなたの行く手から敵をことごとく断ち、地上の大いなる者に並ぶ名声を与えよう。10わたしの民イスラエルには一つの所を定め、彼らをそこに植え付ける。民はそこに住み着いて、もはや、おののくことはなく、昔のように不正を行う者に圧迫されることもない。11わたしの民イスラエルの上に士師を立てたころからの敵をわたしがすべて退けて、あなたに安らぎを与える。主はあなたに告げる。主があなたのために家を興す。12あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。13この者がわたしの名のために家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえに堅く据える。14わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。彼が過ちを犯すときは、人間の杖、人の子らの鞭をもって彼を懲らしめよう。15わたしは慈しみを彼から取り去りはしない。あなたの前から退けたサウルから慈しみを取り去ったが、そのようなことはしない。16あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。」

17ナタンはこれらの言葉をすべてそのまま、この幻のとおりにダビデに告げた。

答唱詩編

詩編89・29+35、37+38

神のいつくしみをとこしえにうたい、主のまことを代々に告げよう。

詩編89

89・29わたしのいつくしみは永遠に変わることなく、
わたしの結んだ契約はとこしえに保たれる。
35わたしは契約を破らず、
約束したことばを変えない。

37ダビドの子孫はとこしえに続き、
その王座は太陽のようにわたしの前にある。
38大空を見守る月のように、
その王座はとこしえに続く。

福音朗読

マルコ4・1-20

アレルヤ、アレルヤ。種は神のことば、蒔く人はキリスト。キリストを見いだす人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、4・1イエスは、再び湖のほとりで教え始められた。おびただしい群衆が、そばに集まって来た。そこで、イエスは舟に乗って腰を下ろし、湖の上におられたが、群衆は皆、湖畔にいた。2イエスはたとえでいろいろと教えられ、その中で次のように言われた。3「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出て行った。4蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。5ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。6しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。7ほかの種は茨の中に落ちた。すると茨が伸びて覆いふさいだので、実を結ばなかった。8また、ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、あるものは三十倍、あるものは六十倍、あるものは百倍にもなった。」9そして、「聞く耳のある者は聞きなさい」と言われた。

10イエスがひとりになられたとき、十二人と、イエスの周りにいた人たちとが、たとえについて尋ねた。11そこで、イエスは言われた。「あなたがたには神の国の秘密が打ち明けられているが、外の人々には、すべてがたとえで示される。12それは、
『彼らが見るには見るが、認めず、
聞くには聞くが、理解できず、
こうして、立ち帰って赦されることがない』
ようになるためである。」
13また、イエスは言われた。「このたとえが分からないのか。では、どうしてほかのたとえが理解できるだろうか。14種を蒔く人は、神の言葉を蒔くのである。15道端のものとは、こういう人たちである。そこに御言葉が蒔かれ、それを聞いても、すぐにサタンが来て、彼らに蒔かれた御言葉を奪い去る。16石だらけの所に蒔かれるものとは、こういう人たちである。御言葉を聞くとすぐ喜んで受け入れるが、17自分には根がないので、しばらくは続いても、後で御言葉のために艱難や迫害が起こると、すぐにつまずいてしまう。18また、ほかの人たちは茨の中に蒔かれるものである。この人たちは御言葉を聞くが、19この世の思い煩いや富の誘惑、その他いろいろな欲望が心に入り込み、御言葉を覆いふさいで実らない。20良い土地に蒔かれたものとは、御言葉を聞いて受け入れる人たちであり、ある者は三十倍、ある者は六十倍、ある者は百倍の実を結ぶのである。」

聖パウロの回心 1月25日(木) 聖人の記念

第一朗読

使徒言行録22・3-16

立ち上がりなさい。イエスの名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい。

使徒たちの宣教

その日、パウロは人々に言った。22・3「わたしは、キリキア州のタルソスで生まれたユダヤ人です。そして、この都で育ち、ガマリエルのもとで先祖の律法について厳しい教育を受け、今日の皆さんと同じように、熱心に神に仕えていました。4わたしはこの道を迫害し、男女を問わず縛り上げて獄に投じ、殺すことさえしたのです。5このことについては、大祭司も長老会全体も、わたしのために証言してくれます。実は、この人たちからダマスコにいる同志にあてた手紙までもらい、その地にいる者たちを縛り上げ、エルサレムへ連行して処罰するために出かけて行ったのです。

6旅を続けてダマスコに近づいたときのこと、真昼ごろ、突然、天から強い光がわたしの周りを照らしました。7わたしは地面に倒れ、『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』と言う声を聞いたのです。8『主よ、あなたはどなたですか』と尋ねると、『わたしは、あなたが迫害しているナザレのイエスである』と答えがありました。9一緒にいた人々は、その光は見たのですが、わたしに話しかけた方の声は聞きませんでした。10『主よ、どうしたらよいでしょうか』と申しますと、主は、『立ち上がってダマスコへ行け。しなければならないことは、すべてそこで知らされる』と言われました。11わたしは、その光の輝きのために目が見えなくなっていましたので、一緒にいた人たちに手を引かれて、ダマスコに入りました。

12ダマスコにはアナニアという人がいました。律法に従って生活する信仰深い人で、そこに住んでいるすべてのユダヤ人の中で評判の良い人でした。13この人がわたしのところに来て、そばに立ってこう言いました。『兄弟サウル、元どおり見えるようになりなさい。』するとそのとき、わたしはその人が見えるようになったのです。14アナニアは言いました。『わたしたちの先祖の神が、あなたをお選びになった。それは、御心を悟らせ、あの正しい方に会わせて、その口からの声を聞かせるためです。15あなたは、見聞きしたことについて、すべての人に対してその方の証人となる者だからです。16今、何をためらっているのです。立ち上がりなさい。その方の名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい。』」

または

使徒言行録9・1-22

あなたのなすべきことが知らされる。

使徒たちの宣教

その日、9・1サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、大祭司のところへ行き、2ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行するためであった。3ところが、サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。4サウロは地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。5「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、答えがあった。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。6起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」7同行していた人たちは、声は聞こえても、だれの姿も見えないので、ものも言えず立っていた。8サウロは地面から起き上がって、目を開けたが、何も見えなかった。人々は彼の手を引いてダマスコに連れて行った。9サウロは三日間、目が見えず、食べも飲みもしなかった。

10ところで、ダマスコにアナニアという弟子がいた。幻の中で主が、「アナニア」と呼びかけると、アナニアは、「主よ、ここにおります」と言った。11すると、主は言われた。「立って、『直線通り』と呼ばれる通りへ行き、ユダの家にいるサウロという名の、タルソス出身の者を訪ねよ。今、彼は祈っている。12アナニアという人が入って来て自分の上に手を置き、元どおり目が見えるようにしてくれるのを、幻で見たのだ。」13しかし、アナニアは答えた。「主よ、わたしは、その人がエルサレムで、あなたの聖なる者たちに対してどんな悪事を働いたか、大勢の人から聞きました。14ここでも、御名を呼び求める人をすべて捕らえるため、祭司長たちから権限を受けています。」15すると、主は言われた。「行け。あの者は、異邦人や王たち、またイスラエルの子らにわたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。16わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、わたしは彼に示そう。」17そこで、アナニアは出かけて行ってユダの家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウル、あなたがここへ来る途中に現れてくださった主イエスは、あなたが元どおり目が見えるようになり、また、聖霊で満たされるようにと、わたしをお遣わしになったのです。」18すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。そこで、身を起こして洗礼を受け、19食事をして元気を取り戻した。

サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちと一緒にいて、20すぐあちこちの会堂で、「この人こそ神の子である」と、イエスのことを宣べ伝えた。21これを聞いた人々は皆、非常に驚いて言った。「あれは、エルサレムでこの名を呼び求める者たちを滅ぼしていた男ではないか。また、ここへやって来たのも、彼らを縛り上げ、祭司長たちのところへ連行するためではなかったか。」22しかし、サウロはますます力を得て、イエスがメシアであることを論証し、ダマスコに住んでいるユダヤ人をうろたえさせた。

答唱詩編

詩編117・1+2、栄唱

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。

詩編117

117・1すべての国よ、神をたたえ、
すべての民よ、神をほめよ。
2神の愛はちから強く、
そのまことは世々に及ぶ。

栄唱栄光は父と子と聖霊に。
初めのように
今もいつも
世々に。アーメン。

第二朗読

①コリント7・29-31

この世の有様は過ぎ去る。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

7・29兄弟たち、わたしはこう言いたい。定められた時は迫っています。今からは、妻のある人はない人のように、30泣く人は泣かない人のように、喜ぶ人は喜ばない人のように、物を買う人は持たない人のように、31世の事にかかわっている人は、かかわりのない人のようにすべきです。この世の有様は過ぎ去るからです。

福音朗読

マルコ16・15-18

アレルヤ、アレルヤ。あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだのである。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは十一人の弟子に現れて、言われた。16・15「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。16信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。17信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。18手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」

聖テモテ、聖テトス司教 1月26日(金) 聖人の記念

第一朗読

②テモテ1・1-8

神の力に支えられて、福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。

使徒パウロのテモテへの手紙

1・1キリスト・イエスによって与えられる命の約束を宣べ伝えるために、神の御心によってキリスト・イエスの使徒とされたパウロから、2愛する子テモテへ。父である神とわたしたちの主キリスト・イエスからの恵み、憐れみ、そして平和があるように。

3わたしは、昼も夜も祈りの中で絶えずあなたを思い起こし、先祖に倣い清い良心をもって仕えている神に、感謝しています。4わたしは、あなたの涙を忘れることができず、ぜひあなたに会って、喜びで満たされたいと願っています。5そして、あなたが抱いている純真な信仰を思い起こしています。その信仰は、まずあなたの祖母ロイスと母エウニケに宿りましたが、それがあなたにも宿っていると、わたしは確信しています。6そういうわけで、わたしが手を置いたことによってあなたに与えられている神の賜物を、再び燃えたたせるように勧めます。7神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださったのです。8だから、わたしたちの主を証しすることも、わたしが主の囚人であることも恥じてはなりません。むしろ、神の力に支えられて、福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。

または

テトス1・1-5

父である神とわたしたちの救い主キリスト・イエスからの恵みと平和とがあるように。

使徒パウロのテトスへの手紙

1・1神の僕、イエス・キリストの使徒パウロから――わたしが使徒とされたのは、神に選ばれた人々の信仰を助け、彼らを信心に一致する真理の認識に導くためです。2これは永遠の命の希望に基づくもので、偽ることのない神は、永遠の昔にこの命を約束してくださいました。3神は、定められた時に、宣教を通して御言葉を明らかにされました。わたしたちの救い主である神の命令によって、わたしはその宣教をゆだねられたのです。――4信仰を共にするまことの子テトスへ。父である神とわたしたちの救い主キリスト・イエスからの恵みと平和とがあるように。

5あなたをクレタに残してきたのは、わたしが指示しておいたように、残っている仕事を整理し、町ごとに長老たちを立ててもらうためです。

答唱詩編

詩編96・1+2、7+8

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・1新しい歌を神にうたえ。
世界よ、神に向かって喜びうたえ。
2神の名をたたえてうたい、
日ごとに救いを告げ知らせよ。

7諸国の民よ、神をほめ、
その力と栄えをほめたたえよ。
8ささげものを携えて中庭に入り、
神の名をほめたたえよ。

福音朗読

ルカ10・1-9

アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に開放を告げるため、神はわたしを遣わされた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、10・1主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。2そして、彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。3行きなさい。わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに小羊を送り込むようなものだ。4財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。5どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。6平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。7その家に泊まって、そこで出される物を食べ、また飲みなさい。働く者が報酬を受けるのは当然だからである。家から家へと渡り歩くな。8どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ、9その町の病人をいやし、また、『神の国はあなたがたに近づいた』と言いなさい。」

年間第3土曜日 1月27日(土) 年間

第一朗読

サムエル下12・1-7a、10-17

その男はあなただ。

サムエル記

その日、12・1主はナタンをダビデのもとに遣わされた。ナタンは来て、次のように語った。

「二人の男がある町にいた。
一人は豊かで、一人は貧しかった。
2豊かな男は非常に多くの羊や牛を持っていた。
3貧しい男は自分で買った
一匹の雌の小羊のほかに
何一つ持っていなかった。
彼はその小羊を養い
小羊は彼のもとで育ち、
息子たちと一緒にいて
彼の皿から食べ、彼の椀から飲み
彼のふところで眠り、
彼にとっては娘のようだった。
4ある日、豊かな男に一人の客があった。
彼は訪れて来た旅人をもてなすのに
自分の羊や牛を惜しみ
貧しい男の小羊を取り上げて
自分の客に振る舞った。」

5ダビデはその男に激怒し、ナタンに言った。「主は生きておられる。そんなことをした男は死罪だ。6小羊の償いに四倍の価を払うべきだ。そんな無慈悲なことをしたのだから。」7ナタンはダビデに向かって言った。「その男はあなただ。10それゆえ、剣はとこしえにあなたの家から去らないであろう。あなたがわたしを侮り、ヘト人ウリヤの妻を奪って自分の妻としたからだ。11主はこう言われる。『見よ、わたしはあなたの家の者の中からあなたに対して悪を働く者を起こそう。あなたの目の前で妻たちを取り上げ、あなたの隣人に与える。彼はこの太陽の下であなたの妻たちと床を共にするであろう。12あなたは隠れて行ったが、わたしはこれを全イスラエルの前で、太陽の下で行う。』」

13ダビデはナタンに言った。「わたしは主に罪を犯した。」ナタンはダビデに言った。「その主があなたの罪を取り除かれる。あなたは死の罰を免れる。14しかし、このようなことをして主を甚だしく軽んじたのだから、生まれてくるあなたの子は必ず死ぬ。」15ナタンは自分の家に帰って行った。

主はウリヤの妻が産んだダビデの子を打たれ、その子は弱っていった。16ダビデはその子のために神に願い求め、断食した。彼は引きこもり、地面に横たわって夜を過ごした。17王家の長老たちはその傍らに立って、王を地面から起き上がらせようとしたが、ダビデはそれを望まず、彼らと共に食事をとろうともしなかった。

答唱詩編

詩編51・12+13、14+15

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、
あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。
13わたしをあなたのもとから退けず、
聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

14救いの喜びをわたしに返し、
あなたのいぶきを送って、喜び仕える心を支えてください。
15わたしはあなたへの道を教えよう、
罪びとがあなたのもとに帰るように。

福音朗読

マルコ4・35-41

アレルヤ、アレルヤ。神はひとり子をお与えになるほど世を愛された、神を信じるすべての人が永遠のいのちを得るために。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

4・35その日の夕方になって、イエスは、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。36そこで、弟子たちは群衆を後に残し、イエスを舟に乗せたまま漕ぎ出した。ほかの舟も一緒であった。37激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほどであった。38しかし、イエスは艫の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。39イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。40イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」41弟子たちは非常に恐れて、「いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか」と互いに言った。

年間第4主日 1月28日(日) 年間

第一朗読

申命記18・15-20

わたしは預言者を立ててその口にわたしの言葉を授ける。

申命記

モーセは民に言った。18・15あなたの神、主はあなたの中から、あなたの同胞の中から、わたしのような預言者を立てられる。あなたたちは彼に聞き従わねばならない。16このことはすべて、あなたがホレブで、集会の日に、「二度とわたしの神、主の声を聞き、この大いなる火を見て、死ぬことのないようにしてください」とあなたの神、主に求めたことによっている。17主はそのときわたしに言われた。「彼らの言うことはもっともである。18わたしは彼らのために、同胞の中からあなたのような預言者を立ててその口にわたしの言葉を授ける。彼はわたしが命じることをすべて彼らに告げるであろう。19彼がわたしの名によってわたしの言葉を語るのに、聞き従わない者があるならば、わたしはその責任を追及する。20ただし、その預言者がわたしの命じていないことを、勝手にわたしの名によって語り、あるいは、他の神々の名によって語るならば、その預言者は死なねばならない。」

答唱詩編

詩編95・1+2、5+6、7+8

神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。

詩編95

95・1神に向かって喜びうたい、
救いの岩に声をあげよう。
2感謝に満ちてみ前に進み、
楽の音に合わせ神をたたえよう。

5海は神のもの、神に造られたもの。
陸も神のもの、神に形造られたもの。
6身を低くして伏し拝もう、
わたしたちを造られた神の前に。

7神は、わたしたちの神。
わたしたちは神の民、その牧場のひつじ。
8きょう、神の声を聞くなら、
神に心を閉じてはならない。

第二朗読

①コリント7・32-35

未婚の女は、聖なる者になろうとして主のことに心を遣う。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、7・32思い煩わないでほしい。独身の男は、どうすれば主に喜ばれるかと、主のことに心を遣いますが、33結婚している男は、どうすれば妻に喜ばれるかと、世の事に心を遣い、34心が二つに分かれてしまいます。独身の女や未婚の女は、体も霊も聖なる者になろうとして、主のことに心を遣いますが、結婚している女は、どうすれば夫に喜ばれるかと、世の事に心を遣います。35このようにわたしが言うのは、あなたがたのためを思ってのことで、決してあなたがたを束縛するためではなく、品位のある生活をさせて、ひたすら主に仕えさせるためなのです。

福音朗読

マルコ1・21-28

アレルヤ、アレルヤ。暗やみに住む民は偉大な光を仰ぎ、死のかげに覆われた人々に光が現れた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

1・21イエスは、安息日にカファルナウムの会堂に入って教え始められた。22人々はその教えに非常に驚いた。律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。23そのとき、この会堂に汚れた霊に取りつかれた男がいて叫んだ。24「ナザレのイエス、かまわないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか。正体は分かっている。神の聖者だ。」25イエスが、「黙れ。この人から出て行け」とお叱りになると、26汚れた霊はその人にけいれんを起こさせ、大声をあげて出て行った。27人々は皆驚いて、論じ合った。「これはいったいどういうことなのだ。権威ある新しい教えだ。この人が汚れた霊に命じると、その言うことを聴く。」28イエスの評判は、たちまちガリラヤ地方の隅々にまで広まった。

年間第4月曜日 1月29日(月) 年間

第一朗読

サムエル下15・13-14、30、16・5-13a

ダビデは頭を覆い、はだしでオリーブ山の坂道を泣きながら上って行った。

サムエル記

その日、15・13イスラエル人の心はアブサロムに移っているという知らせが、ダビデに届いた。14ダビデは、自分と共にエルサレムにいる家臣全員に言った。「直ちに逃れよう。アブサロムを避けられなくなってはいけない。我々が急がなければ、アブサロムがすぐに我々に追いつき、危害を与え、この都を剣にかけるだろう。」

30ダビデは頭を覆い、はだしでオリーブ山の坂道を泣きながら上って行った。同行した兵士たちも皆、それぞれ頭を覆い、泣きながら上って行った。

5ダビデ王がバフリムにさしかかると、そこからサウル家の一族の出で、ゲラの子、名をシムイという男が呪いながら出て来て、6兵士、勇士が王の左右をすべて固めているにもかかわらず、ダビデ自身とダビデ王の家臣たち皆に石を投げつけた。7シムイは呪ってこう言った。「出て行け、出て行け。流血の罪を犯した男、ならず者。8サウル家のすべての血を流して王位を奪ったお前に、主は報復なさる。主がお前の息子アブサロムに王位を渡されたのだ。お前は災難を受けている。お前が流血の罪を犯した男だからだ。」

9ツェルヤの子アビシャイが王に言った。「なぜあの死んだ犬に主君、王を呪わせておかれるのですか。行かせてください。首を切り落としてやります。」10王は言った。「ツェルヤの息子たちよ、ほうっておいてくれ。主がダビデを呪えとお命じになったのであの男は呪っているのだろうから、『どうしてそんなことをするのか』と誰が言えよう。」11ダビデは更にアビシャイと家臣の全員に言った。「わたしの身から出た子がわたしの命をねらっている。ましてこれはベニヤミン人だ。勝手にさせておけ。主の御命令で呪っているのだ。12主がわたしの苦しみを御覧になり、今日の彼の呪いに代えて幸いを返してくださるかもしれない。」

13ダビデと一行は道を進んだ。

答唱詩編

詩編56・2+3、14

わたしは神により頼み、そのみことばをたたえよう。

詩編56

56・2神よ、あわれみを注いでください。
3わたしは昼も夜もしいたげられ、
はむかう者がいつもわたしに襲いかかり、
逆らう者はあとをたたない。

14あなたはわたしの魂を死から、
足をつまずきから救ってくたさった。
わたしがいのちの光の中を、
神に向かって進めるように。

福音朗読

マルコ5・1-20

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスと弟子たちは、5・1湖の向こう岸にあるゲラサ人の地方に着いた。2イエスが舟から上がられるとすぐに、汚れた霊に取りつかれた人が墓場からやって来た。3この人は墓場を住まいとしており、もはやだれも、鎖を用いてさえつなぎとめておくことはできなかった。4これまでにも度々足枷や鎖で縛られたが、鎖は引きちぎり足枷は砕いてしまい、だれも彼を縛っておくことはできなかったのである。5彼は昼も夜も墓場や山で叫んだり、石で自分を打ちたたいたりしていた。6イエスを遠くから見ると、走り寄ってひれ伏し、7大声で叫んだ。「いと高き神の子イエス、かまわないでくれ。後生だから、苦しめないでほしい。」8イエスが、「汚れた霊、この人から出て行け」と言われたからである。9そこで、イエスが、「名は何というのか」とお尋ねになると、「名はレギオン。大勢だから」と言った。10そして、自分たちをこの地方から追い出さないようにと、イエスにしきりに願った。

11ところで、その辺りの山で豚の大群がえさをあさっていた。12汚れた霊どもはイエスに、「豚の中に送り込み、乗り移らせてくれ」と願った。13イエスがお許しになったので、汚れた霊どもは出て、豚の中に入った。すると、二千匹ほどの豚の群れが崖を下って湖になだれ込み、湖の中で次々とおぼれ死んだ。14豚飼いたちは逃げ出し、町や村にこのことを知らせた。人々は何が起こったのかと見に来た。15彼らはイエスのところに来ると、レギオンに取りつかれていた人が服を着、正気になって座っているのを見て、恐ろしくなった。16成り行きを見ていた人たちは、悪霊に取りつかれた人の身に起こったことと豚のことを人々に語った。17そこで、人々はイエスにその地方から出て行ってもらいたいと言いだした。18イエスが舟に乗られると、悪霊に取りつかれていた人が、一緒に行きたいと願った。19イエスはそれを許さないで、こう言われた。「自分の家に帰りなさい。そして身内の人に、主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとく知らせなさい。」20その人は立ち去り、イエスが自分にしてくださったことをことごとくデカポリス地方に言い広め始めた。人々は皆驚いた。

年間第4火曜日 1月30日(火) 年間

第一朗読

サムエル下18・9-10、14b、24-25a、30-19・3

主君、王の敵、あなたに危害を与えようと逆らって立った者はことごとく、あの若者のようになりますように。

サムエル記

その日、18・9アブサロムがダビデの家臣に出会ったとき、彼はらばに乗っていたが、らばが樫の大木のからまりあった枝の下を通ったので、頭がその木にひっかかり、彼は天と地の間に宙づりになった。乗っていたらばはそのまま走り過ぎてしまった。10兵の一人がこれを見て、ヨアブに知らせた。「アブサロムが樫の木に宙づりになっているのを見ました。」

14bヨアブは棒を三本手に取り、アブサロムの心臓に突き刺した。

24ダビデは二つの城門の間に座っていた。城壁に沿った城門の屋根には、見張りが上って目を上げ、男がただ一人走って来るのを見た。25見張りは王に呼びかけて知らせた。

30王が、「脇に寄って、立っていなさい」と命じたので、アヒマアツは脇に寄り、そこに立った。

31そこへクシュ人が到着した。彼は言った。「主君、王よ、良い知らせをお聞きください。主は、今日あなたに逆らって立った者どもの手からあなたを救ってくださいました。」32王はクシュ人に、「若者アブサロムは無事か」と尋ねた。クシュ人は答えた。「主君、王の敵、あなたに危害を与えようと逆らって立った者はことごとく、あの若者のようになりますように。」

19・1ダビデは身を震わせ、城門の上の部屋に上って泣いた。彼は上りながらこう言った。「わたしの息子アブサロムよ、わたしの息子よ。わたしの息子アブサロムよ、わたしがお前に代わって死ねばよかった。アブサロム、わたしの息子よ、わたしの息子よ。」

2王がアブサロムを悼んで泣いているとの知らせがヨアブに届いた。3その日兵士たちは、王が息子を思って悲しんでいることを知った。すべての兵士にとって、その日の勝利は喪に変わった。

答唱詩編

詩編86・5+6、15+16

すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。

詩編86

86・5神よ、あなたは恵み深く、心の広いかた、
あなたに助けを求める人にいつくしみを注がれる。
6神よ、わたしの祈りを聞き、
願いの声に耳を傾けてください。

15神よ、あなたはあわれみに満ち、恵み深いかた。
怒るに遅く、いつくしみとまことにあふれておられる。
16あなたのしもべに力を授け、
あなたに仕える者を救ってください。

福音朗読

マルコ5・21-43

アレルヤ、アレルヤ。主はわたしたちの病を身に負い、わたしたちの苦しみをになってくださる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、5・21イエスが舟に乗って再び向こう岸に渡られると、大勢の群衆がそばに集まって来た。イエスは湖のほとりにおられた。22会堂長の一人でヤイロという名の人が来て、イエスを見ると足もとにひれ伏して、23しきりに願った。「わたしの幼い娘が死にそうです。どうか、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、娘は助かり、生きるでしょう。」24そこで、イエスはヤイロと一緒に出かけて行かれた。

大勢の群衆も、イエスに従い、押し迫って来た。25さて、ここに十二年間も出血の止まらない女がいた。26多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。27イエスのことを聞いて、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。28「この方の服にでも触れればいやしていただける」と思ったからである。29すると、すぐ出血が全く止まって病気がいやされたことを体に感じた。30イエスは、自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で振り返り、「わたしの服に触れたのはだれか」と言われた。31そこで、弟子たちは言った。「群衆があなたに押し迫っているのがお分かりでしょう。それなのに、『だれがわたしに触れたのか』とおっしゃるのですか。」32しかし、イエスは、触れた者を見つけようと、辺りを見回しておられた。33女は自分の身に起こったことを知って恐ろしくなり、震えながら進み出てひれ伏し、すべてをありのまま話した。34イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」

35イエスがまだ話しておられるときに、会堂長の家から人々が来て言った。「お嬢さんは亡くなりました。もう、先生を煩わすには及ばないでしょう。」36イエスはその話をそばで聞いて、「恐れることはない。ただ信じなさい」と会堂長に言われた。37そして、ペトロ、ヤコブ、またヤコブの兄弟ヨハネのほかは、だれもついて来ることをお許しにならなかった。38一行は会堂長の家に着いた。イエスは人々が大声で泣きわめいて騒いでいるのを見て、39家の中に入り、人々に言われた。「なぜ、泣き騒ぐのか。子供は死んだのではない。眠っているのだ。」40人々はイエスをあざ笑った。しかし、イエスは皆を外に出し、子供の両親と三人の弟子だけを連れて、子供のいる所へ入って行かれた。41そして、子供の手を取って、「タリタ、クム」と言われた。これは、「少女よ、わたしはあなたに言う。起きなさい」という意味である。42少女はすぐに起き上がって、歩きだした。もう十二歳になっていたからである。それを見るや、人々は驚きのあまり我を忘れた。43イエスはこのことをだれにも知らせないようにと厳しく命じ、また、食べ物を少女に与えるようにと言われた。

聖ヨハネ・ボスコ 司祭 1月31日(水) 記念日

第一朗読

サムエル下24・2、9-17

わたしは重い罪を犯しました。主よ、どうか僕の悪をお見逃しください。大変愚かなことをしました。

サムエル記

その日、24-2王は直属の軍の司令官ヨアブに命じた。「ダンからベエル・シェバに及ぶイスラエルの全部族の間を巡って民の数を調べよ。民の数を知りたい。」

9ヨアブは調べた民の数を王に報告した。剣を取りうる戦士はイスラエルに八十万、ユダに五十万であった。

10民を数えたことはダビデの心に呵責となった。ダビデは主に言った。「わたしは重い罪を犯しました。主よ、どうか僕の悪をお見逃しください。大変愚かなことをしました。」11ダビデが朝起きると、神の言葉がダビデの預言者であり先見者であるガドに臨んでいた。12「行ってダビデに告げよ。主はこう言われる。『わたしはあなたに三つの事を示す。その一つを選ぶがよい。わたしはそれを実行する』と。」

13ガドはダビデのもとに来て告げた。「七年間の飢饉があなたの国を襲うことか、あなたが三か月間敵に追われて逃げることか、三日間あなたの国に疫病が起こることか。よく考えて、わたしを遣わされた方にどうお答えすべきか、決めてください。」14ダビデはガドに言った。「大変な苦しみだ。主の御手にかかって倒れよう。主の慈悲は大きい。人間の手にはかかりたくない。」

15主は、その朝から定められた日数の間、イスラエルに疫病をもたらされた。ダンからベエル・シェバまでの民のうち七万人が死んだ。16御使いはその手をエルサレムに伸ばして、これを滅ぼそうとしたが、主はこの災いを思い返され、民を滅ぼそうとする御使いに言われた。「もう十分だ。その手を下ろせ。」主の御使いはエブス人アラウナの麦打ち場の傍らにいた。17ダビデは、御使いが民を打つのを見て、主に言った。「御覧ください、罪を犯したのはわたしです。わたしが悪かったのです。この羊の群れが何をしたのでしょうか。どうか御手がわたしとわたしの父の家に下りますように。」

答唱詩編

詩編32・5abef、7

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編32

32・5わたしは罪をあなたに表し、
わたしのとがを隠さずに言う。
あなたはわたしの罪をゆるし、
わたしのとがを清めてくださる。

7あなたはわたしの隠れ場、
苦しみからわたしを助け出し、
救いの喜びで
おおってくださる。

福音朗読

マルコ6・1-6

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、6・1イエスはそこを去って故郷にお帰りになったが、弟子たちも従った。2安息日になったので、イエスは会堂で教え始められた。多くの人々はそれを聞いて、驚いて言った。「この人は、このようなことをどこから得たのだろう。この人が授かった知恵と、その手で行われるこのような奇跡はいったい何か。3この人は、大工ではないか。マリアの息子で、ヤコブ、ヨセ、ユダ、シモンの兄弟ではないか。姉妹たちは、ここで我々と一緒に住んでいるではないか。」このように、人々はイエスにつまずいた。4イエスは、「預言者が敬われないのは、自分の故郷、親戚や家族の間だけである」と言われた。5そこでは、ごくわずかの病人に手を置いていやされただけで、そのほかは何も奇跡を行うことがおできにならなかった。6そして、人々の不信仰に驚かれた。

それから、イエスは付近の村を巡り歩いてお教えになった。

02月
年間第4木曜日 2月1日(木) 年間

第一朗読

列王記上2・1-4、10-12

ソロモンは父ダビデの王座につき、その支配は確立した。

列王記

2・1死期が近づいたとき、ダビデはこう言って王子ソロモンを戒めた。

2「わたしはこの世のすべての者がたどる道を行こうとしている。あなたは勇ましく雄々しくあれ。3あなたの神、主の務めを守ってその道を歩み、モーセの律法に記されているとおり、主の掟と戒めと法と定めを守れ。そうすれば、あなたは何を行っても、どこに向かっても、良い成果を上げることができる。4また主は、わたしについて告げてくださったこと、『あなたの子孫が自分の歩む道に留意し、まことをもって、心を尽くし、魂を尽くしてわたしの道を歩むなら、イスラエルの王座につく者が断たれることはない』という約束を守ってくださるであろう。

10ダビデは先祖と共に眠りにつき、ダビデの町に葬られた。11ダビデがイスラエルの王であった期間は四十年に及んだ。彼はヘブロンで七年、エルサレムで三十三年間王位にあった。

12ソロモンは父ダビデの王座につき、その支配は確立した。

答唱詩編

詩編72・1+2、17

神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。

詩編72

72・1神よ、あなたの正義を王に与え、
あなたの正しさを王に授けてください。
2王が正しく民をおさめ、
正義をもって貧しい人を守るように。

17王の名は世々に及び、
子孫はいつまでも栄える。
すべての人は彼によって祝福され、
すべての国は彼をたたえる。

福音朗読

マルコ6・7-13

アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは6・7十二人を呼び寄せ、二人ずつ組にして遣わすことにされた。その際、汚れた霊に対する権能を授け、8旅には杖一本のほか何も持たず、パンも、袋も、また帯の中に金も持たず、9ただ履物は履くように、そして「下着は二枚着てはならない」と命じられた。10また、こうも言われた。「どこでも、ある家に入ったら、その土地から旅立つときまで、その家にとどまりなさい。11しかし、あなたがたを迎え入れず、あなたがたに耳を傾けようともしない所があったら、そこを出ていくとき、彼らへの証しとして足の裏の埃を払い落としなさい。」12十二人は出かけて行って、悔い改めさせるために宣教した。13そして、多くの悪霊を追い出し、油を塗って多くの病人をいやした。

主の奉献 2月2日(金) 年間の主の祝祭日

第一朗読

マラキ3・1-4

わたしは使者を送る。彼はわが前に道を備える。

マラキの預言

万軍の主は言われる。
3・1見よ、わたしは使者を送る。
彼はわが前に道を備える。
あなたたちが待望している主は
突如、その聖所に来られる。
あなたたちが喜びとしている契約の使者
見よ、彼が来る。

2だが、彼の来る日に誰が身を支えうるか。
彼の現れるとき、誰が耐えうるか。
彼は精錬する者の火、洗う者の灰汁のようだ。
3彼は精錬する者、銀を清める者として座し
レビの子らを清め
金や銀のように彼らの汚れを除く。
彼らが主に献げ物を
正しくささげる者となるためである。
4そのとき、ユダとエルサレムの献げ物は
遠い昔の日々に
過ぎ去った年月にそうであったように
主にとって好ましいものとなる。

または

ヘブライ2・14-18

イエスはアブラハムの子孫を助けられる。

ヘブライ人への手紙

人は2・14血と肉を備えているので、イエスもまた同様に、これらのものを備えられました。それは、死をつかさどる者、つまり悪魔を御自分の死によって滅ぼし、15死の恐怖のために一生涯、奴隷の状態にあった者たちを解放なさるためでした。16確かに、イエスは天使たちを助けず、アブラハムの子孫を助けられるのです。17それで、イエスは、神の御前において憐れみ深い、忠実な大祭司となって、民の罪を償うために、すべての点で兄弟たちと同じようにならねばならなかったのです。18事実、御自身、試練を受けて苦しまれたからこそ、試練を受けている人たちを助けることがおできになるのです。

答唱詩編

詩編24・3+4、5+6、8+10

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編24

24・3だれが神の山に登れよう。
だれが聖所に立てよう。
4それは手に汚れなく、心の清いひと、
むなしいことに心を向けず、いつわりを口にしないひと。

5その人は神に祝福され、
救いの恵みを受ける。
6彼はヤコブの一族、
神を求め、その顔を慕う。

8栄光の王とはだれか。
勝利を得られる力ある神。
10栄光の王とはだれか。
すべてを治める神、神は栄光の王。

福音朗読

ルカ2・22-40

アレルヤ、アレルヤ。異邦人を照らす光、あなたの民イスラエルの光栄。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

2・22モーセの律法に定められた彼らの清めの期間が過ぎたとき、両親はその子を主に献げるため、エルサレムに連れて行った。23それは主の律法に、「初めて生まれる男子は皆、主のために聖別される」と書いてあるからである。24また、主の律法に言われているとおりに、山鳩一つがいか、家鳩の雛二羽をいけにえとして献げるためであった。

25そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい人で信仰があつく、イスラエルの慰められるのを待ち望み、聖霊が彼にとどまっていた。26そして、主が遣わすメシアに会うまでは決して死なない、とのお告げを聖霊から受けていた。27シメオンが〝霊〟に導かれて神殿の境内に入って来たとき、両親は、幼子のために律法の規定どおりにいけにえを献げようとして、イエスを連れて来た。28シメオンは幼子を腕に抱き、神をたたえて言った。
29「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり
この僕を安らかに去らせてくださいます。
30わたしはこの目であなたの救いを見たからです。
31これは万民のために整えてくださった救いで、
32異邦人を照らす啓示の光、
あなたの民イスラエルの誉れです。」

33父と母は、幼子についてこのように言われたことに驚いていた。34シメオンは彼らを祝福し、母親のマリアに言った。「御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。35――あなた自身も剣で心を刺し貫かれます――多くの人の心にある思いがあらわにされるためです。」

36また、アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年をとっていて、若いとき嫁いでから七年間夫と共に暮らしたが、37夫に死に別れ、八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、38そのとき、近づいて来て神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。

39親子は主の律法で定められたことをみな終えたので、自分たちの町であるガリラヤのナザレに帰った。40幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた。

福者ユスト高山右近殉教者 殉教者 2月3日(土) 記念日

第一朗読

列王記上3・4-13

わたしはまた、あなたの求めなかったもの、富と栄光も与える。

列王記

その日、3・4王はいけにえをささげるためにギブオンへ行った。そこに重要な聖なる高台があったからである。ソロモンはその祭壇に一千頭もの焼き尽くす献げ物をささげた。5その夜、主はギブオンでソロモンの夢枕に立ち、「何事でも願うがよい。あなたに与えよう」と言われた。6ソロモンは答えた。「あなたの僕、わたしの父ダビデは忠実に、憐れみ深く正しい心をもって御前を歩んだので、あなたは父に豊かな慈しみをお示しになりました。またあなたはその豊かな慈しみを絶やすことなくお示しになって、今日、その王座につく子を父に与えられました。7わが神、主よ、あなたは父ダビデに代わる王として、この僕をお立てになりました。しかし、わたしは取るに足らない若者で、どのようにふるまうべきかを知りません。8僕はあなたのお選びになった民の中にいますが、その民は多く、数えることも調べることもできないほどです。9どうか、あなたの民を正しく裁き、善と悪を判断することができるように、この僕に聞き分ける心をお与えください。そうでなければ、この数多いあなたの民を裁くことが、誰にできましょう。」

10主はソロモンのこの願いをお喜びになった。11神はこう言われた。「あなたは自分のために長寿を求めず、富を求めず、また敵の命も求めることなく、訴えを正しく聞き分ける知恵を求めた。12見よ、わたしはあなたの言葉に従って、今あなたに知恵に満ちた賢明な心を与える。あなたの先にも後にもあなたに並ぶ者はいない。13わたしはまた、あなたの求めなかったもの、富と栄光も与える。生涯にわたってあなたと肩を並べうる王は一人もいない。」

答唱詩編

詩編119・10+11b+108b、17+18

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・10あなたのすすめからそれないように、
心を尽くしてあなたを求める。
11bわたしは仰せを心にいだく。
108bあなたのさばきを示してください。

17神よ、あなたのことばを生涯守れるように、
豊かな恵みを与えてください。
18教えの偉大さを悟れるように、
わたしの目を開いてください。

福音朗読

マルコ6・30-34

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、6・30使徒たちはイエスのところに集まって来て、自分たちが行ったことや教えたことを残らず報告した。31イエスは、「さあ、あなたがただけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」と言われた。出入りする人が多くて、食事をする暇もなかったからである。32そこで、一同は舟に乗って、自分たちだけで人里離れた所へ行った。33ところが、多くの人々は彼らが出かけて行くのを見て、それと気づき、すべての町からそこへ一斉に駆けつけ、彼らより先に着いた。34イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。

年間第5主日 2月4日(日) 年間

第一朗読

ヨブ7・1-4、6-7

わたしはいらだって夜明けを待つ。

ヨブ記

ヨブは言った。
7・1この地上に生きる人間は兵役にあるようなもの。
傭兵のように日々を送らなければならない。
2奴隷のように日の暮れるのを待ち焦がれ
傭兵のように報酬を待ち望む。
3そうだ、わたしの嗣業はむなしく過ぎる月日。
労苦の夜々が定められた報酬。
4横たわればいつ起き上がれるのかと思い
夜の長さに倦み
いらだって夜明けを待つ。
6わたしの一生は機の梭よりも速く
望みもないままに過ぎ去る。

7忘れないでください
わたしの命は風にすぎないことを。
わたしの目は二度と幸いを見ないでしょう。

答唱詩編

詩編147・1+2、4+5、3+6

栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。

詩編147

147・1神をたたえ、賛美の歌をうたおう。
神をたたえることは、美しく正しい。
2神はエルサレムを建て直し、
その散らされた者を集められる。

4神は星の数を定め、
そのすべてに名をつけられる。
5わたしたちの主は力に満ちて偉大。
その知恵ははかり知れない。

3神は失意の人々を支え、
その傷をいやされる。
6へりくだる人を支え、
逆らう者を地に倒される。

第二朗読

①コリント9・16-19、22-23

福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸である。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、9・16わたしが福音を告げ知らせても、それはわたしの誇りにはなりません。そうせずにはいられないことだからです。福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです。17自分からそうしているなら、報酬を得るでしょう。しかし、強いられてするなら、それは、ゆだねられている務めなのです。18では、わたしの報酬とは何でしょうか。それは、福音を告げ知らせるときにそれを無報酬で伝え、福音を伝えるわたしが当然持っている権利を用いないということです。

19わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。22弱い人に対しては、弱い人のようになりました。弱い人を得るためです。すべての人に対してすべてのものになりました。何とかして何人かでも救うためです。23福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それは、わたしが福音に共にあずかる者となるためです。

福音朗読

マルコ1・29-39

アレルヤ、アレルヤ。主は私たちの病を身に負い、わたしたちの苦しみを担ってくださる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは会堂を出て、1・29シモンとアンデレの家に行った。ヤコブとヨハネも一緒であった。30シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した。31イエスがそばに行き、手を取って起こされると、熱は去り、彼女は一同をもてなした。32夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れて来た。33町中の人が、戸口に集まった。34イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやし、また、多くの悪霊を追い出して、悪霊にものを言うことをお許しにならなかった。悪霊はイエスを知っていたからである。

35朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。36シモンとその仲間はイエスの後を追い、37見つけると、「みんなが捜しています」と言った。38イエスは言われた。「近くのほかの町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである。」39そして、ガリラヤ中の会堂に行き、宣教し、悪霊を追い出された。

日本二十六聖人殉教者 2月5日(月) 聖人の記念

第一朗読

ガラテヤ2・19-20

わたしは、キリストと共に十字架につけられています。

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、2・19わたしは神に対して生きるために、律法に対しては律法によって死んだのです。わたしは、キリストと共に十字架につけられています。20生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしの内に生きておられるのです。わたしが今、肉において生きているのは、わたしを愛し、わたしのために身を献げられた神の子に対する信仰によるものです。

答唱詩編

詩編126・1+2、6+3

主とともに働くわれらは、主とともにその実りを味わう。

詩編126

126・1神が捕われびとをシオンにもどされたとき、
わたしたちは夢を見ている思いがした。
2わたしたちの顔がほほえみ、
口には喜びの歌が浮かんだ。

6種を手に涙を流して出て行く人は、
束をかかえ、喜びにあふれて帰ってくる。
3神はわたしたちに偉大なわざを行われ、
わたしたちは喜びにあふれた。

福音朗読

マタイ28・16-20

アレルヤ、アレルヤ。全世界に行き、すべての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、28・16十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。17そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。18イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。19だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、20あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」

聖アガタ おとめ殉教者 2月6日(火) 記念日

第一朗読

列王記上8・22-23、27-30

あなたのお住まいである天にいまして耳を傾け、聞き届けて、罪を赦してください。

列王記

その日、8・22ソロモンは、イスラエルの全会衆の前で、主の祭壇の前に立ち、両手を天に伸ばして、23祈った。「イスラエルの神、主よ、上は天、下は地のどこにもあなたに並ぶ神はありません。心を尽くして御前を歩むあなたの僕たちに対して契約を守り、慈しみを注がれる神よ27あなたは果たして地上にお住まいになるでしょうか。天も、天の天もあなたをお納めすることができません。わたしが建てたこの神殿など、なおふさわしくありません。28わが神、主よ、ただ僕の祈りと願いを顧みて、今日僕が御前にささげる叫びと祈りを聞き届けてください。29そして、夜も昼もこの神殿に、この所に御目を注いでください。ここはあなたが、『わたしの名をとどめる』と仰せになった所です。この所に向かって僕がささげる祈りを聞き届けてください。30僕とあなたの民イスラエルがこの所に向かって祈り求める願いを聞き届けてください。どうか、あなたのお住まいである天にいまして耳を傾け、聞き届けて、罪を赦してください。」

答唱詩編

詩編84・2+3、4

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編84

84・2すべてを治められる神よ、
あなたの住まいはうるわしい。
3わたしの魂は主の庭を慕い、
心とからだは生ける神にあこがれる。

4万軍の主、わたしたちの神よ、
あなたの祭壇のきわに、
すずめさえすみかを見つけ、
つばめも巣を作ってひなを育てる。

福音朗読

マルコ7・1-13

アレルヤ、アレルヤ。あなたの顔をわたしの上に輝かせ、起きてを授けてください。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、7・1ファリサイ派の人々と数人の律法学者たちが、エルサレムから来て、イエスのもとに集まった。2そして、イエスの弟子たちの中に汚れた手、つまり洗わない手で食事をする者がいるのを見た。3――ファリサイ派の人々をはじめユダヤ人は皆、昔の人の言い伝えを固く守って、念入りに手を洗ってからでないと食事をせず、4また、市場から帰ったときには、身を清めてからでないと食事をしない。そのほか、杯、鉢、銅の器や寝台を洗うことなど、昔から受け継いで固く守っていることがたくさんある。――5そこで、ファリサイ派の人々と律法学者たちが尋ねた。「なぜ、あなたの弟子たちは昔の人の言い伝えに従って歩まず、汚れた手で食事をするのですか。」6イエスは言われた。「イザヤは、あなたたちのような偽善者のことを見事に預言したものだ。彼はこう書いている。

『この民は口先ではわたしを敬うが、
その心はわたしから遠く離れている。
7人間の戒めを教えとしておしえ、
むなしくわたしをあがめている。』

8あなたたちは神の掟を捨てて、人間の言い伝えを固く守っている。」9更に、イエスは言われた。「あなたたちは自分の言い伝えを大事にして、よくも神の掟をないがしろにしたものである。10モーセは、『父と母を敬え』と言い、『父または母をののしる者は死刑に処せられるべきである』とも言っている。11それなのに、あなたたちは言っている。『もし、だれかが父または母に対して、「あなたに差し上げるべきものは、何でもコルバン、つまり神への供え物です」と言えば、12その人はもはや父または母に対して何もしないで済むのだ』と。13こうして、あなたたちは、受け継いだ言い伝えで神の言葉を無にしている。また、これと同じようなことをたくさん行っている。」

年間第5水曜日 2月7日(水) 年間

第一朗読

列王記上10・1-10

シェバの女王は主の御名によるソロモンの名声を聞き、難問をもって彼を試そうとしてやって来た。

列王記

その日、10・1シェバの女王は主の御名によるソロモンの名声を聞き、難問をもって彼を試そうとしてやって来た。2彼女は極めて大勢の随員を伴い、香料、非常に多くの金、宝石をらくだに積んでエルサレムに来た。ソロモンのところに来ると、彼女はあらかじめ考えておいたすべての質問を浴びせたが、3ソロモンはそのすべてに解答を与えた。王に分からない事、答えられない事は何一つなかった。

4シェバの女王は、ソロモンの知恵と彼の建てた宮殿を目の当たりにし、5また食卓の料理、居並ぶ彼の家臣、丁重にもてなす給仕たちとその装い、献酌官、それに王が主の神殿でささげる焼き尽くす献げ物を見て、息も止まるような思いであった。

6女王は王に言った。

「わたしが国で、あなたの御事績とあなたのお知恵について聞いていたことは、本当のことでした。7わたしは、ここに来て、自分の目で見るまでは、そのことを信じてはいませんでした。しかし、わたしに知らされていたことはその半分にも及ばず、お知恵と富はうわさに聞いていたことをはるかに超えています。8あなたの臣民はなんと幸せなことでしょう。いつもあなたの前に立ってあなたのお知恵に接している家臣たちはなんと幸せなことでしょう。9あなたをイスラエルの王位につけることをお望みになったあなたの神、主はたたえられますように。主はとこしえにイスラエルを愛し、あなたを王とし、公正と正義を行わせられるからです。」

10彼女は金百二十キカル、非常に多くの香料、宝石を王に贈ったが、このシェバの女王がソロモン王に贈ったほど多くの香料は二度と入って来なかった。

答唱詩編

詩編37・5a+6b、17b+18b

喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

詩編37

37・5a歩む道を神にゆだねよ。
6b神は正しさを真昼のように明らかにされる。

17b神に従う人は神に支えられる。
18b彼らのゆずりはいつまでも続く。

福音朗読

マルコ7・14-23

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、7・14イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた。「皆、わたしの言うことを聞いて悟りなさい。15外から人の体に入るもので人を汚すことができるものは何もなく、人の中から出て来るものが、人を汚すのである。」17イエスが群衆と別れて家に入られると、弟子たちはこのたとえについて尋ねた。18イエスは言われた。「あなたがたも、そんなに物分かりが悪いのか。すべて外から人の体に入るものは、人を汚すことができないことが分からないのか。19それは人の心の中に入るのではなく、腹の中に入り、そして外に出される。こうして、すべての食べ物は清められる。」20更に、次のように言われた。「人から出て来るものこそ、人を汚す。21中から、つまり人間の心から、悪い思いが出て来るからである。みだらな行い、盗み、殺意、22姦淫、貪欲、悪意、詐欺、好色、ねたみ、悪口、傲慢、無分別など、23これらの悪はみな中から出て来て、人を汚すのである。」

年間第5木曜日 2月8日(木) 年間

第一朗読

列王記上11・4-13

王国全部を裂いて取り上げることはしない。わが僕ダビデのゆえに、わたしが選んだ都エルサレムのゆえに、あなたの息子に一つの部族を与える。

列王記

11・4ソロモンが老境に入ったとき、彼女たちは王の心を迷わせ、他の神々に向かわせた。こうして彼の心は、父ダビデの心とは異なり、自分の神、主と一つではなかった。5ソロモンは、シドン人の女神アシュトレト、アンモン人の憎むべき神ミルコムに従った。6ソロモンは主の目に悪とされることを行い、父ダビデのようには主に従い通さなかった。7そのころ、ソロモンは、モアブ人の憎むべき神ケモシュのために、エルサレムの東の山に聖なる高台を築いた。アンモン人の憎むべき神モレクのためにもそうした。8また、外国生まれの妻たちすべてのためにも同様に行ったので、彼女らは、自分たちの神々に香をたき、いけにえをささげた。9ソロモンの心は迷い、イスラエルの神、主から離れたので、主は彼に対してお怒りになった。主は二度も彼に現れ、10他の神々に従ってはならないと戒められたが、ソロモンは主の戒めを守らなかった。11そこで、主は仰せになった。「あなたがこのようにふるまい、わたしがあなたに授けた契約と掟を守らなかったゆえに、わたしはあなたから王国を裂いて取り上げ、あなたの家臣に渡す。12あなたが生きている間は父ダビデのゆえにそうしないでおくが、あなたの息子の時代にはその手から王国を裂いて取り上げる。13ただし、王国全部を裂いて取り上げることはしない。わが僕ダビデのゆえに、わたしが選んだ都エルサレムのゆえに、あなたの息子に一つの部族を与える。」

答唱詩編

詩編130・3+4、7a+8

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編130

130・3あなたが悪に目を留められるなら、
だれがみ前に立てよう。
4しかし、あなたのゆるしのために、
人はあなたをおそれ尊ぶ。

7aイスラエルよ、イスラエルよ、
主を待ち望め。
8主はすべての罪から、
イスラエルを救われる。

福音朗読

マルコ7・24-30

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは7・24ティルスの地方に行かれた。ある家に入り、だれにも知られたくないと思っておられたが、人々に気づかれてしまった。25汚れた霊に取りつかれた幼い娘を持つ女が、すぐにイエスのことを聞きつけ、来てその足もとにひれ伏した。26女はギリシア人でシリア・フェニキアの生まれであったが、娘から悪霊を追い出してくださいと頼んだ。27イエスは言われた。「まず、子供たちに十分食べさせなければならない。子供たちのパンを取って、小犬にやってはいけない。」28ところが、女は答えて言った。「主よ、しかし、食卓の下の小犬も、子供のパン屑はいただきます。」29そこで、イエスは言われた。「それほど言うなら、よろしい。家に帰りなさい。悪霊はあなたの娘からもう出てしまった。」30女が家に帰ってみると、その子は床の上に寝ており、悪霊は出てしまっていた。

年間第5金曜日 2月9日(金) 年間

第一朗読

列王記上11・29-32、12・19

わたしはソロモンの手から王国を裂いて取り上げ、十の部族をあなたに与える。

列王記

29そのころ、ヤロブアムがエルサレムを出ると、シロの預言者アヒヤが道で彼に出会った。預言者は真新しい外套を着ていた。野には二人のほかだれもいなかった。30アヒヤは着ていた真新しい外套を手にとり、十二切れに引き裂き、31ヤロブアムに言った。

「十切れを取るがよい。イスラエルの神、主はこう言われる。『わたしはソロモンの手から王国を裂いて取り上げ、十の部族をあなたに与える。32ただ一部族だけは、わが僕ダビデのゆえに、またわたしが全部族の中から選んだ都エルサレムのゆえにソロモンのものとする。』」

12・19このようにイスラエルはダビデの家に背き、今日に至っている。

答唱詩編

詩編81・9+10、12+13

わたしが受けた神のことば。

詩編81

81・9「民よ、聞け、わたしの戒めを。
イスラエルよ、わたしのことばを守れ。
10おまえにほかの神があってはならない。
異国の神を拝んではならない。」

12「しかし、民はわたしの声を聞かず、
イスラエルはわたしに従わなかった。
13わたしはそのかたくなな心にまかせ、
彼らの望みのままに進ませた。」

福音朗読

マルコ7・31-37

アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開き、あなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、7・31イエスはティルスの地方を去り、シドンを経てデカポリス地方を通り抜け、ガリラヤ湖へやって来られた。32人々は耳が聞こえず舌の回らない人を連れて来て、その上に手を置いてくださるようにと願った。33そこで、イエスはこの人だけを群衆の中から連れ出し、指をその両耳に差し入れ、それから唾をつけてその舌に触れられた。34そして、天を仰いで深く息をつき、その人に向かって、「エッファタ」と言われた。これは、「開け」という意味である。35すると、たちまち耳が開き、舌のもつれが解け、はっきり話すことができるようになった。36イエスは人々に、だれにもこのことを話してはいけない、と口止めをされた。しかし、イエスが口止めをされればされるほど、人々はかえってますます言い広めた。37そして、すっかり驚いて言った。「この方のなさったことはすべて、すばらしい。耳の聞こえない人を聞こえるようにし、口の利けない人を話せるようにしてくださる。」

聖スコラスチカ おとめ 2月10日(土) 記念日

第一朗読

列王記上12・26-32、13・33-34

ここにヤロブアムの家の罪があり、その家は地の面から滅ぼし去られることとなった。

列王記

その日、12・26ヤロブアムは心に思った。「今、王国は、再びダビデの家のものになりそうだ。27この民がいけにえをささげるためにエルサレムの主の神殿に上るなら、この民の心は再び彼らの主君、ユダの王レハブアムに向かい、彼らはわたしを殺して、ユダの王レハブアムのもとに帰ってしまうだろう。」

28彼はよく考えたうえで、金の子牛を二体造り、人々に言った。「あなたたちはもはやエルサレムに上る必要はない。見よ、イスラエルよ、これがあなたをエジプトから導き上ったあなたの神である。」29彼は一体をベテルに、もう一体をダンに置いた。30この事は罪の源となった。民はその一体の子牛を礼拝するためダンまで行った。31彼はまた聖なる高台に神殿を設け、レビ人でない民の中から一部の者を祭司に任じた。32ヤロブアムはユダにある祭りに倣って第八の月の十五日に祭りを執り行い、自ら祭壇に上った。ベテルでこのように行って、彼は自分の造った子牛にいけにえをささげ、自分の造った聖なる高台のための祭司をベテルに立てた。

13・33この出来事の後も、ヤロブアムは悪の道を離れて立ち帰ることがなく、繰り返し民の中から一部の者を聖なる高台の祭司に任じた。志望する者はだれでも聖別して、聖なる高台の祭司にした。34ここにヤロブアムの家の罪があり、その家は地の面から滅ぼし去られることとなった。

答唱詩編

詩編78・10+11・32+33

神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。

詩編

78・10彼らは神の契約を守らず、
教えに従って歩もうとせず、
11神の行われたわざと、
示された不思議なわざを忘れ去った。

32それでも彼らは罪を犯し、
不思議なわざを信じようとしなかった。
33彼らの日々は吹き消され、
そのいのちはにわかに絶えた。

福音朗読

マルコ8・1-10

アレルヤ、アレルヤ。人はパンだけではなく、神の言葉によって生きている。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

8・1そのころ、また群衆が大勢いて、何も食べる物がなかったので、イエスは弟子たちを呼び寄せて言われた。2「群衆がかわいそうだ。もう三日もわたしと一緒にいるのに、食べ物がない。3空腹のまま家に帰らせると、途中で疲れきってしまうだろう。中には遠くから来ている者もいる。」4弟子たちは答えた。「こんな人里離れた所で、いったいどこからパンを手に入れて、これだけの人に十分食べさせることができるでしょうか。」5イエスが「パンは幾つあるか」とお尋ねになると、弟子たちは、「七つあります」と言った。6そこで、イエスは地面に座るように群衆に命じ、七つのパンを取り、感謝の祈りを唱えてこれを裂き、人々に配るようにと弟子たちにお渡しになった。弟子たちは群衆に配った。7また、小さい魚が少しあったので、賛美の祈りを唱えて、それも配るようにと言われた。8人々は食べて満腹したが、残ったパンの屑を集めると、七籠になった。9およそ四千人の人がいた。イエスは彼らを解散させられた。10それからすぐに、弟子たちと共に舟に乗って、ダルマヌタの地方に行かれた。

年間第6主日 2月11日(日) 年間

第一朗読

創世記3・16-19

お前のゆえに、土は呪われるものとなった。お前は生涯苦しむ。

創世記

3・16神は女に向かって言われた。
「お前のはらみの苦しみを大きなものにする。
お前は、苦しんで子を産む。
お前は男を求め
彼はお前を支配する。」
17神はアダムに向かって言われた。
「お前は女の声に従い取って食べるなと命じた木から食べた。
お前のゆえに、土は呪われるものとなった。
お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。
18お前に対して
土は茨とあざみを生えいでさせる
野の草を食べようとするお前に。
19お前は顔に汗を流してパンを得る
土に返るときまで。
お前がそこから取られた土に。
塵にすぎないお前は塵に返る。」

または

レビ記13・1-2、45-46

「わたしは汚れた者です。汚れた者です」と呼ばわらねばならない。

レビ記

13・1主はモーセとアロンに仰せになった。2もし、皮膚に湿疹、斑点、疱疹が生じて、皮膚病の疑いがある場合、その人を祭司アロンのところか彼の家系の祭司の一人のところに連れて行く。

45重い皮膚病にかかっている患者は、衣服を裂き、髪をほどき、口ひげを覆い、「わたしは汚れた者です。汚れた者です」と呼ばわらねばならない。46この症状があるかぎり、その人は汚れている。その人は独りで宿営の外に住まねばならない。

答唱詩編

詩編32・5、10+11

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編32

32・5わたしは罪をあなたに表し、
わたしのとがを隠さずに言う。
あなたはわたしの罪をゆるし、
わたしのとがを清めてくださる。

10神に逆らう者は嘆きに包まれ、
神に信頼する人は恵みにおおわれる。
11神に従う人は神のうちにあって喜べ。
心の正しい人はみな喜び歌え。

第二朗読

①コリント10・31-11・1

わたしがキリストに倣う者であるように、あなたがたもこのわたしに倣う者となりなさい。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、10・31あなたがたは食べるにしろ飲むにしろ、何をするにしても、すべて神の栄光を現すためにしなさい。32ユダヤ人にも、ギリシア人にも、神の教会にも、あなたがたは人を惑わす原因にならないようにしなさい。33わたしも、人々を救うために、自分の益ではなく多くの人の益を求めて、すべての点ですべての人を喜ばそうとしているのですから。11・1わたしがキリストに倣う者であるように、あなたがたもこのわたしに倣う者となりなさい。

福音朗読

マルコ1・40-45

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、1・40重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。41イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、42たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった。43イエスはすぐにその人を立ち去らせようとし、厳しく注意して、44言われた。「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたものを清めのために献げて、人々に証明しなさい。」45しかし、彼はそこを立ち去ると、大いにこの出来事を人々に告げ、言い広め始めた。それで、イエスはもはや公然と町に入ることができず、町の外の人のいない所におられた。それでも、人々は四方からイエスのところに集まって来た。

年間第6月曜日 2月12日(月) 年間

第一朗読

ヤコブ1・1-11

貧しい兄弟は、自分が高められることを誇りに思いなさい。また、富んでいる者は、自分が低くされることを誇りに思いなさい。

使徒ヤコブの手紙

1・1神と主イエス・キリストの僕であるヤコブが、離散している十二部族の人たちに挨拶いたします。

2わたしの兄弟たち、いろいろな試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい。3信仰が試されることで忍耐が生じると、あなたがたは知っています。4あくまでも忍耐しなさい。そうすれば、完全で申し分なく、何一つ欠けたところのない人になります。5あなたがたの中で知恵の欠けている人がいれば、だれにでも惜しみなくとがめだてしないでお与えになる神に願いなさい。そうすれば、与えられます。6いささかも疑わず、信仰をもって願いなさい。疑う者は、風に吹かれて揺れ動く海の波に似ています。7そういう人は、主から何かいただけると思ってはなりません。8心が定まらず、生き方全体に安定を欠く人です。

9貧しい兄弟は、自分が高められることを誇りに思いなさい。10また、富んでいる者は、自分が低くされることを誇りに思いなさい。富んでいる者は草花のように滅び去るからです。11日が昇り熱風が吹きつけると、草は枯れ、花は散り、その美しさは失せてしまいます。同じように、富んでいる者も、人生の半ばで消えうせるのです。

答唱詩編

詩編119・57+72、111+124

主よ、あなたは永遠のいのちのことば。

詩編119

119・57神よ、あなたはわたしのすべて。
あなたのことばをわたしは守る。
72あなたの教えはすばらしい。
すべての金銀にまさる。

111あなたのさとしはとこしえに、
わたしの宝、わたしの心の喜び。
124わたしにいつくしみを現し、
おきてを授けてください。

福音朗読

マルコ8・11-13

アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行かれない。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、8・11ファリサイ派の人々が来て、イエスを試そうとして、天からのしるしを求め、議論をしかけた。12イエスは、心の中で深く嘆いて言われた。「どうして、今の時代の者たちはしるしを欲しがるのだろう。はっきり言っておく。今の時代の者たちには、決してしるしは与えられない。」13そして、彼らをそのままにして、また舟に乗って向こう岸へ行かれた。

年間第6火曜日 2月13日(火) 年間

第一朗読

ヤコブ1・12-18

試練を耐え忍ぶ人は幸いです。

使徒ヤコブの手紙

1・12試練を耐え忍ぶ人は幸いです。その人は適格者と認められ、神を愛する人々に約束された命の冠をいただくからです。13誘惑に遭うとき、だれも、「神に誘惑されている」と言ってはなりません。神は、悪の誘惑を受けるような方ではなく、また、御自分でも人を誘惑したりなさらないからです。14むしろ、人はそれぞれ、自分自身の欲望に引かれ、唆されて、誘惑に陥るのです。15そして、欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます。

16わたしの愛する兄弟たち、思い違いをしてはいけません。17良い贈り物、完全な賜物はみな、上から、光の源である御父から来るのです。御父には、移り変わりも、天体の動きにつれて生ずる陰もありません。18御父は、御心のままに、真理の言葉によってわたしたちを生んでくださいました。それは、わたしたちを、いわば造られたものの初穂となさるためです。

答唱詩編

詩編19・10、13

神のことばは正しく、わたしの心の喜び。神のみ旨は清く、わたしの目を開く。

詩編19

19・10神のことばは正しく、世々に及び、
そのさばきは真実で、すべて正しい。

13だれが自分の過ちを知り尽くすことができようか。
隠れた罪から私を清めてください。

福音朗読

マルコ8・14-21

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、8・14弟子たちはパンを持って来るのを忘れ、舟の中には一つのパンしか持ち合わせていなかった。15そのとき、イエスは、「ファリサイ派の人々のパン種とヘロデのパン種によく気をつけなさい」と戒められた。16弟子たちは、これは自分たちがパンを持っていないからなのだ、と論じ合っていた。17イエスはそれに気づいて言われた。「なぜ、パンを持っていないことで議論するのか。まだ、分からないのか。悟らないのか。心がかたくなになっているのか。18目があっても見えないのか。耳があっても聞こえないのか。覚えていないのか。19わたしが五千人に五つのパンを裂いたとき、集めたパンの屑でいっぱいになった籠は、幾つあったか。」弟子たちは、「十二です」と言った。20「七つのパンを四千人に裂いたときには、集めたパンの屑でいっぱいになった籠は、幾つあったか。」「七つです」と言うと、21イエスは、「まだ悟らないのか」と言われた。

聖チリロ 隠世修道者 2月14日(水) 記念日

第一朗読

ヨエル2・12-18

衣を裂くのではなく、お前たちの心を引き裂け

ヨエルの預言

2・12主は言われる。

「今こそ、心からわたしに立ち帰れ
断食し、泣き悲しんで。
13衣を裂くのではなく
お前たちの心を引き裂け。」

あなたたちの神、主に立ち帰れ。
主は恵みに満ち、憐れみ深く
忍耐強く、慈しみに富み
くだした災いを悔いられるからだ。
14あるいは、主が思い直され
その後に祝福を残し
あなたたちの神、主にささげる穀物とぶどう酒を
残してくださるかもしれない。

15シオンで角笛を吹き
断食を布告し、聖会を召集せよ。
16民を呼び集め、会衆を聖別し
長老を集合させよ。
幼子、乳飲み子を呼び集め
花婿を控えの間から
花嫁を祝いの部屋から呼び出せ。
17祭司は神殿の入り口と祭壇の間で泣き
主に仕える者は言うがよい。
「主よ、あなたの民を憐れんでください。
あなたの嗣業である民を恥に落とさず
国々の嘲りの種としないでください。
『彼らの神はどこにいるのか』と、
なぜ諸国の民に言わせておかれるのですか。」

18そのとき
主は御自分の国を強く愛し
その民を深く憐れまれた。

答唱詩編

詩編51・3+4、5+6cd

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・3神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、
豊かなあわれみによってわたしのとがをゆるしてください。
4悪に染まったわたしを洗い、
罪深いわたしを清めてください。

5わたしは自分のあやまちを認め、
罪はわたしの目の前にある。
6cdあなたがわたしをさばかれるとき、
そのさばきはいつも正しい。

第二朗読

②コリント5・20-6・2

神と和解させていただきなさい。今や恵みの時

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、5・20神がわたしたちを通して勧めておられるので、わたしたちはキリストの使者の務めを果たしています。キリストに代わってお願いします。神と和解させていただきなさい。21罪と何のかかわりもない方を、神はわたしたちのために罪となさいました。

わたしたちはその方によって神の義を得ることができたのです。6・1わたしたちはまた、神の協力者としてあなたがたに勧めます。神からいただいた恵みを無駄にしてはいけません。2なぜなら、
「恵みの時に、わたしはあなたの願いを聞き入れた。救いの日に、わたしはあなたを助けた」
と神は言っておられるからです。今や、恵みの時、今こそ、救いの日。

福音朗読

マタイ6・1-6、16-18

神に心を閉じてはならい。きょうこそ神のことばを聞こう。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。
6・1「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる。

2だから、あなたは施しをするときには、偽善者たちが人からほめられようと会堂や街角でするように、自分の前でラッパを吹き鳴らしてはならない。はっきりあなたがたに言っておく。彼らは既に報いを受けている。3施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。4あなたの施しを人目につかせないためである。そうすれば、隠れたことを見ておられる父が、あなたに報いてくださる。

5祈るときにも、あなたがたは偽善者のようであってはならない。偽善者たちは、人に見てもらおうと、会堂や大通りの角に立って祈りたがる。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。6だから、あなたが祈るときは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉め、隠れたところにおられるあなたの父に祈りなさい。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。

16断食するときには、あなたがたは偽善者のように沈んだ顔つきをしてはならない。偽善者は、断食しているのを人に見てもらおうと、顔を見苦しくする。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。17あなたは、断食するとき、頭に油をつけ、顔を洗いなさい。18それは、あなたの断食が人に気づかれず、隠れたところにおられるあなたの父に見ていただくためである。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。」

四旬節灰の式後の木曜日 2月15日(木) 四旬節

第一朗読

申命記30・15-20

わたしは今日、命と幸い、死と災いをあなたの前に置く。

申命記

モーセは民に言った。30・15「見よ、わたしは今日、命と幸い、死と災いをあなたの前に置く。16わたしが今日命じるとおり、あなたの神、主を愛し、その道に従って歩み、その戒めと掟と法を守るならば、あなたは命を得、かつ増える。あなたの神、主は、あなたが入って行って得る土地で、あなたを祝福される。17もしあなたが心変わりして聞き従わず、惑わされて他の神々にひれ伏し仕えるならば、18わたしは今日、あなたたちに宣言する。あなたたちは必ず滅びる。ヨルダン川を渡り、入って行って得る土地で、長く生きることはない。19わたしは今日、天と地をあなたたちに対する証人として呼び出し、生と死、祝福と呪いをあなたの前に置く。あなたは命を選び、あなたもあなたの子孫も命を得るようにし、20あなたの神、主を愛し、御声を聞き、主につき従いなさい。それが、まさしくあなたの命であり、あなたは長く生きて、主があなたの先祖アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓われた土地に住むことができる。」

答唱詩編

詩編1・1ac+2、6

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編1

1・1acしあわせな人、
罪びとの道を歩むことなく、
2神のおきてを喜びとし、
昼も夜も教えを心に留める人。

6神に従う人の集いは
神のもとにあり、
神に逆らう者の道は、
滅びへと続く。

福音朗読

ルカ9・22-25

「神に立ち戻りなさい。神の国は来ている」と主は仰せになる。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。9・22「人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日目に復活することになっている。」23それから、イエスは皆に言われた。「わたしについて来たい者は、自分を捨て、日々、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。24自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを救うのである。25人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の身を滅ぼしたり、失ったりしては、何の得があろうか。」

四旬節灰の式後の金曜日 2月16日(金) 四旬節

第一朗読

イザヤ58・1-9a

あなたが呼べば主は答え、あなたが叫べば「わたしはここにいる」と言われる。

イザヤの預言

主は言われる。

58・1喉をからして叫べ、黙すな
声をあげよ、角笛のように。
わたしの民に、その背きを
ヤコブの家に、その罪を告げよ。
2彼らが日々わたしを尋ね求め
わたしの道を知ろうと望むように。
恵みの業を行い、神の裁きを捨てない民として
彼らがわたしの正しい裁きを尋ね
神に近くあることを望むように。

3何故あなたはわたしたちの断食を顧みず
苦行しても認めてくださらなかったのか。
見よ、断食の日にお前たちはしたい事をし
お前たちのために労する人々を追い使う。
4見よ
お前たちは断食しながら争いといさかいを起こし
神に逆らって、こぶしを振るう。
お前たちが今しているような断食によっては
お前たちの声が天で聞かれることはない。
5そのようなものがわたしの選ぶ断食
苦行の日であろうか。
葦のように頭を垂れ、粗布を敷き、灰をまくこと
それを、お前は断食と呼び
主に喜ばれる日と呼ぶのか。

6わたしの選ぶ断食とはこれではないか。
悪による束縛を断ち、軛の結び目をほどいて
虐げられた人を解放し、軛をことごとく折ること。
7更に、飢えた人にあなたのパンを裂き与え
さまよう貧しい人を家に招き入れ
裸の人に会えば衣を着せかけ
同胞に助けを惜しまないこと。
8そうすれば、あなたの光は曙のように射し出で
あなたの傷は速やかにいやされる。
あなたの正義があなたを先導し
主の栄光があなたのしんがりを守る。
9あなたが呼べば主は答え
あなたが叫べば
「わたしはここにいる」と言われる。

答唱詩編

詩編51・12+13、18+19

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、
あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。
13わたしをあなたのもとから退けず、
聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

18あなたはいけにえを望まれず、
はんさいをささげても喜ばれない。
19神よ、わたしのささげものはうち砕かれた心。
あなたは悔い改める心を見捨てられない。

福音朗読

マタイ9・14-15

生きるために悪ではなく善を求めなさい。主はあなたがたとともにおられる。

マタイによる福音

そのとき、9・14ヨハネの弟子たちがイエスのところに来て、「わたしたちとファリサイ派の人々はよく断食しているのに、なぜ、あなたの弟子たちは断食しないのですか」と言った。15イエスは言われた。「花婿が一緒にいる間、婚礼の客は悲しむことができるだろうか。しかし、花婿が奪い取られる時が来る。そのとき、彼らは断食することになる。」

四旬節灰の式後の土曜日 2月17日(土) 四旬節

第一朗読

イザヤ58・9b-14

安息日を喜びの日と呼ぶ。

イザヤの預言

主は言われる。

58・9b軛を負わすこと、指をさすこと
呪いの言葉をはくことを
あなたの中から取り去るなら
10飢えている人に心を配り
苦しめられている人の願いを満たすなら
あなたの光は、闇の中に輝き出で
あなたを包む闇は、真昼のようになる。
11主は常にあなたを導き
焼けつく地であなたの渇きをいやし
骨に力を与えてくださる。
あなたは潤された園、水の涸れない泉となる。
12人々はあなたの古い廃虚を築き直し
あなたは代々の礎を据え直す。
人はあなたを「城壁の破れを直す者」と呼び
「道を直して、人を再び住まわせる者」と呼ぶ。
13安息日に歩き回ることをやめ
わたしの聖なる日にしたい事をするのをやめ
安息日を喜びの日と呼び
主の聖日を尊ぶべき日と呼び
これを尊び、旅をするのをやめ
したいことをし続けず、取り引きを慎むなら
14そのとき、あなたは主を喜びとする。
わたしはあなたに地の聖なる高台を支配させ
父祖ヤコブの嗣業を享受させる。
主の口がこう宣言される。

答唱詩編

詩編86・5+6、15+16

すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。

詩編86

86・5神よ、あなたは恵み深く、心のひろいかた。
あなたに助けを求める人にいつくしみを注がれる。
6神よ、わたしの祈りを聞き、
願いの声に耳を傾けてください。

15神よ、あなたはあわれみに満ち、恵み深いかた。
怒るにおそく、いつくしみとまことにあふれておられる。
16あなたのしもべに力を授け、
あなたに仕える者を救ってください。

福音朗読

ルカ5・27-32

悪を行う人が死ぬことなく、神に立ち戻って生きることを神は望んでおられる。

ルカによる福音

そのとき、イエスは、5・27レビという徴税人が収税所に座っているのを見て、「わたしに従いなさい」と言われた。28彼は何もかも捨てて立ち上がり、イエスに従った。29そして、自分の家でイエスのために盛大な宴会を催した。そこには徴税人やほかの人々が大勢いて、一緒に席に着いていた。30ファリサイ派の人々やその派の律法学者たちはつぶやいて、イエスの弟子たちに言った。「なぜ、あなたたちは、徴税人や罪人などと一緒に飲んだり食べたりするのか。」31イエスはお答えになった。「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である。32わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。」

四旬節第1主日 2月18日(日) 四旬節

第一朗読

創世記9・8-15

わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。

創世記

9・8神はノアと彼の息子たちに言われた。

9「わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。10あなたたちと共にいるすべての生き物、またあなたたちと共にいる鳥や家畜や地のすべての獣など、箱舟から出たすべてのもののみならず、地のすべての獣と契約を立てる。11わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」

12更に神は言われた。

「あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。13すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。14わたしが地の上に雲を湧き起こらせ、雲の中に虹が現れると、15わたしは、わたしとあなたたちならびにすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた契約に心を留める。水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない。」

答唱詩編

詩編25・4+5a、8+9、10+14

すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。

詩編25

25・4神よ、あなたの道を示し、
その小道を教えてください。
5aあなたの真理のうちに、
わたしを導き、さとしてください。

8神はあわれみ深く正義に満ち、
罪びとに道を示される。
9神は貧しい人を正義に導き、
へりくだる人にその道を教えられる。

10契約とさとしを守る人に、
神への小道はいつくしみとまことにあふれる。
14神をおそれる人に神は心を開き、
契約を示し、さとされる。

第二朗読

①ペトロ3・18-22

洗礼は今やあなたがたをも救う。

使徒ペトロの手紙

愛する皆さん、3・18キリストは、罪のためにただ一度苦しまれました。正しい方が、正しくない者たちのために苦しまれたのです。あなたがたを神のもとへ導くためです。キリストは、肉では死に渡されましたが、霊では生きる者とされたのです。19そして、霊においてキリストは、捕らわれていた霊たちのところへ行って宣教されました。20この霊たちは、ノアの時代に箱舟が作られていた間、神が忍耐して待っておられたのに従わなかった者です。この箱舟に乗り込んだ数人、すなわち八人だけが水の中を通って救われました。21この水で前もって表された洗礼は、今やイエス・キリストの復活によってあなたがたをも救うのです。洗礼は、肉の汚れを取り除くことではなくて、神に正しい良心を願い求めることです。22キリストは、天に上って神の右におられます。天使、また権威や勢力は、キリストの支配に服しているのです。

福音朗読

マルコ1・12-15

人はパンによるだけではなく、神の言葉によって生きている。

マルコによる福音

そのとき、1・12〝霊〟はイエスを荒れ野に送り出した。13イエスは四十日間そこにとどまり、サタンから誘惑を受けられた。その間、野獣と一緒におられたが、天使たちが仕えていた。

14ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、15「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。

四旬節第1月曜日 2月19日(月) 四旬節

第一朗読

レビ19・1-2、11-18

自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。

レビ記

19・1主はモーセに仰せになった。

2イスラエルの人々の共同体全体に告げてこう言いなさい。

あなたたちは聖なる者となりなさい。あなたたちの神、主であるわたしは聖なる者である。

11あなたたちは盗んではならない。うそをついてはならない。互いに欺いてはならない。12わたしの名を用いて偽り誓ってはならない。それによってあなたの神の名を汚してはならない。わたしは主である。

13あなたは隣人を虐げてはならない。奪い取ってはならない。雇い人の労賃の支払いを翌朝まで延ばしてはならない。14耳の聞こえぬ者を悪く言ったり、目の見えぬ者の前に障害物を置いてはならない。あなたの神を畏れなさい。わたしは主である。

15あなたたちは不正な裁判をしてはならない。あなたは弱い者を偏ってかばったり、力ある者におもねってはならない。同胞を正しく裁きなさい。16民の間で中傷をしたり、隣人の生命にかかわる偽証をしてはならない。わたしは主である。

17心の中で兄弟を憎んではならない。同胞を率直に戒めなさい。そうすれば彼の罪を負うことはない。18復讐してはならない。民の人々に恨みを抱いてはならない。自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。わたしは主である。

答唱詩編

詩編19・10、15

神のことばは正しく、わたしの心の喜び。神のみ旨は清く、わたしの目を開く。

詩編19

19・10神のことばは正しく、世々に及び、
そのさばきは真実、すべて正しい。

15神よ、わたしの力、わたしのあがないぬし、
わたしのことばと思いがあなたの喜びとなるように。

福音朗読

マタイ25・31-46

今は恵みの時、今は救いの日。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。25・31「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。32そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、33羊を右に、山羊を左に置く。34そこで、王は右側にいる人たちに言う。『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。35お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、36裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』37すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。38いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。39いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』40そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』

41それから、王は左側にいる人たちにも言う。『呪われた者ども、わたしから離れ去り、悪魔とその手下のために用意してある永遠の火に入れ。42お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせず、のどが渇いたときに飲ませず、43旅をしていたときに宿を貸さず、裸のときに着せず、病気のとき、牢にいたときに、訪ねてくれなかったからだ。』44すると、彼らも答える。『主よ、いつわたしたちは、あなたが飢えたり、渇いたり、旅をしたり、裸であったり、病気であったり、牢におられたりするのを見て、お世話をしなかったでしょうか。』45そこで、王は答える。『はっきり言っておく。この最も小さい者の一人にしなかったのは、わたしにしてくれなかったことなのである。』46こうして、この者どもは永遠の罰を受け、正しい人たちは永遠の命にあずかるのである。」

四旬節第1火曜日 2月20日(火) 四旬節

第一朗読

イザヤ55・10−11

わたしが与えた使命を必ず果たす。

イザヤの預言

主は言われる。

55・10雨も雪も、ひとたび天から降れば
むなしく天に戻ることはない。
それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ
種蒔く人には種を与え
食べる人には糧を与える。
11そのように、わたしの口から出るわたしの言葉もむなしくは、わたしのもとに戻らない。
それはわたしの望むことを成し遂げ
わたしが与えた使命を必ず果たす。

答唱詩編

詩編34・4+5、16+18

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編34

34・4心を合わせて主をあがめ、
ともにその名をたたえよう。
5主はわたしたちの祈りに心を留め、
すべての恐れを遠ざけてくださる。

16主のまなざしは正しい人に、
耳は彼らの叫びに。
18主は正しい人の声を聞き、
悩みの中から救ってくださる。

福音朗読

マタイ6・7-15

人はパンによるだけではなく、神の言葉によって生きている。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・7あなたがたが祈るときは、異邦人のようにくどくどと述べてはならない。異邦人は、言葉数が多ければ、聞き入れられると思い込んでいる。8彼らのまねをしてはならない。あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。9だから、こう祈りなさい。

『天におられるわたしたちの父よ、
御名が崇められますように。
10御国が来ますように。
御心が行われますように、
天におけるように地の上にも。
11わたしたちに必要な糧を今日与えてください。
12わたしたちの負い目を赦してください、
わたしたちも自分に負い目のある人を
赦しましたように。
13わたしたちを誘惑に遭わせず、
悪い者から救ってください。』

14もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたの過ちをお赦しになる。15しかし、もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない。」

四旬節第1水曜日 2月21日(水) 四旬節

第一朗読

ヨナ3・1-10

あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。

ヨナの預言

3・1主の言葉が再びヨナに臨んだ。2「さあ、大いなる都ニネベに行って、わたしがお前に語る言葉を告げよ。」

3ヨナは主の命令どおり、直ちにニネベに行った。ニネベは非常に大きな都で、一回りするのに三日かかった。4ヨナはまず都に入り、一日分の距離を歩きながら叫び、そして言った。

「あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。」

5すると、ニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者も低い者も身に粗布をまとった。6このことがニネベの王に伝えられると、王は王座から立ち上がって王衣を脱ぎ捨て、粗布をまとって灰の上に座し、7王と大臣たちの名によって布告を出し、ニネベに断食を命じた。

「人も家畜も、牛、羊に至るまで、何一つ食物を口にしてはならない。食べることも、水を飲むことも禁ずる。8人も家畜も粗布をまとい、ひたすら神に祈願せよ。おのおの悪の道を離れ、その手から不法を捨てよ。9そうすれば神が思い直されて激しい怒りを静め、我々は滅びを免れるかもしれない。」

10神は彼らの業、彼らが悪の道を離れたことを御覧になり、思い直され、宣告した災いをくだすのをやめられた。

答唱詩編

詩編51・12+13、18+19

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、
あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。
13わたしをあなたのもとから退けず、
聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

18あなたはいけにえを望まれず、
はんさいをささげても喜ばれない。
19神よ、わたしのささげものはうち砕かれた心。
あなたは悔い改める心を見捨てられない。

福音朗読

ルカ11・29-32

心からわたしに立ち戻りなさい。わたしはいつくしみと恵みにあふれる神。

ルカによる福音

そのとき、11・29群衆の数がますます増えてきたので、イエスは話し始められた。「今の時代の者たちはよこしまだ。しるしを欲しがるが、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。30つまり、ヨナがニネベの人々に対してしるしとなったように、人の子も今の時代の者たちに対してしるしとなる。31南の国の女王は、裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。この女王はソロモンの知恵を聞くために、地の果てから来たからである。ここに、ソロモンにまさるものがある。32また、ニネベの人々は裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。ニネベの人々は、ヨナの説教を聞いて悔い改めたからである。ここに、ヨナにまさるものがある。」

聖ペトロの使徒座 2月22日(木) 聖人の記念

第一朗読

①ペトロ5・1-4

大牧者がお見えになるとき、あなたがたは栄冠を受けることになります。

使徒ペトロの手紙

愛する皆さん、5・1わたしは長老の一人として、また、キリストの受難の証人、やがて現れる栄光にあずかる者として、あなたがたのうちの長老たちに勧めます。2あなたがたにゆだねられている、神の羊の群れを牧しなさい。強制されてではなく、神に従って、自ら進んで世話をしなさい。卑しい利得のためにではなく献身的にしなさい。3ゆだねられている人々に対して、権威を振り回してもいけません。むしろ、群れの模範になりなさい。4そうすれば、大牧者がお見えになるとき、あなたがたはしぼむことのない栄冠を受けることになります。

答唱詩編

詩編23・2+3、4

主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。

詩編23

23・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、
いこいの水辺に伴われる。
3神はわたしを生き返らせ、
いつくしみによって正しい道に導かれる。

4たとえ死の陰の谷を歩んでも、
わたしはわざわいを恐れない。
あなたがわたしとともにおられ、
その鞭と杖はわたしを守る。

福音朗読

マタイ16・13-19

(アレルヤ、アレルヤ。)あなたはいわお。この岩の上にわたしの教会を建てよう。地獄の門もこれに勝つことはできない。(アレルヤ、アレルヤ。)

マタイによる福音

16・13イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。14弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」15イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」16シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。17すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。18わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。19わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」

聖ポリカルポ 司教殉教者 2月23日(金) 記念日

第一朗読

エゼキエル18・21-28

彼は悔い改めて、必ず生きる。死ぬことはない。

エゼキエルの預言

主は言われる。18・21「悪人であっても、もし犯したすべての過ちから離れて、わたしの掟をことごとく守り、正義と恵みの業を行うなら、必ず生きる。死ぬことはない。22彼の行ったすべての背きは思い起こされることなく、行った正義のゆえに生きる。23わたしは悪人の死を喜ぶだろうか、と主なる神は言われる。彼がその道から立ち帰ることによって、生きることを喜ばないだろうか。

24しかし、正しい人でも、その正しさから離れて不正を行い、悪人がするようなすべての忌まわしい事を行うなら、彼は生きることができようか。彼の行ったすべての正義は思い起こされることなく、彼の背信の行為と犯した過ちのゆえに彼は死ぬ。

25それなのにお前たちは、『主の道は正しくない』と言う。聞け、イスラエルの家よ。わたしの道が正しくないのか。正しくないのは、お前たちの道ではないのか。26正しい人がその正しさから離れて不正を行い、そのゆえに死ぬなら、それは彼が行った不正のゆえに死ぬのである。27しかし、悪人が自分の行った悪から離れて正義と恵みの業を行うなら、彼は自分の命を救うことができる。28彼は悔い改めて、自分の行ったすべての背きから離れたのだから、必ず生きる。死ぬことはない。」

答唱詩編

詩編130・1+2、3+4

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編130

130・1神よ、深い淵から、
あなたに叫び、
2嘆き祈る私の声を
聞いてください。

3あなたが悪に目を留められるなら、
だれがみ前に立てよう。
4しかし、あなたのゆるしのために、
人はあなたをおそれ尊ぶ。

福音朗読

マタイ5・20-26

わたしにはむかう心を捨てて、新しい霊と心を身につけよ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・20「言っておくが、あなたがたの義が律法学者やファリサイ派の人々の義にまさっていなければ、あなたがたは決して天の国に入ることができない。

21あなたがたも聞いているとおり、昔の人は『殺すな。人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。22しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。23だから、あなたが祭壇に供え物を献げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、24その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい。25あなたを訴える人と一緒に道を行く場合、途中で早く和解しなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官に引き渡し、裁判官は下役に引き渡し、あなたは牢に投げ込まれるにちがいない。26はっきり言っておく。最後の一クァドランスを返すまで、決してそこから出ることはできない。」

四旬節第1土曜日 2月24日(土) 四旬節

第一朗読

申命記26・16-19

あなたをあなたの神、主の聖なる民にする

申命記

モーセは民に言った。26・16「今日、あなたの神、主はあなたに、これらの掟と法を行うように命じられる。あなたは心を尽くし、魂を尽くして、それを忠実に守りなさい。17今日、あなたは誓約した。『主を自分の神とし、その道に従って歩み、掟と戒めと法を守り、御声に聞き従います』と。18主もまた、今日、あなたに誓約された。『既に約束したとおり、あなたは宝の民となり、すべての戒めを守るであろう。19造ったあらゆる国民にはるかにまさるものとし、あなたに賛美と名声と誉れを与え、既に約束したとおり、あなたをあなたの神、主の聖なる民にする』と。」

答唱詩編

詩編119・1+2a+3b、15+16

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・1しあわせな人、道からそれず、
2a神の教えに従って歩む人。
3bそのさとしをとがなく守り、
神の道を歩む人。

15あなたの定めを思いめぐらし、
あなたの道に目を注ぐ。
16わたしはおきてを喜びとし、
あなたのことばを忘れない。

福音朗読

マタイ5・43-48

今は恵みの時、今は救いの日。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・43「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。44しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。45あなたがたの天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。46自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。47自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。異邦人でさえ、同じことをしているではないか。48だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」

四旬節第2主日 2月25日(日) 四旬節

第一朗読

創世記22・1-2、9a、10-13、15-18

先祖アブラハムの献げ物

創世記

その日、22・1神はアブラハムを試された。
神が、「アブラハムよ」と呼びかけ、彼が、「はい」と答えると、2神は命じられた。
「あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。」
9a神が命じられた場所に着くと、アブラハムはそこに祭壇を築き、薪を並べた。10そしてアブラハムは、手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。

11そのとき、天から主の御使いが、「アブラハム、アブラハム」と呼びかけた。彼が、「はい」と答えると、12御使いは言った。

「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった。」

13アブラハムは目を凝らして見回した。すると、後ろの木の茂みに一匹の雄羊が角をとられていた。アブラハムは行ってその雄羊を捕まえ、息子の代わりに焼き尽くす献げ物としてささげた。

15主の御使いは、再び天からアブラハムに呼びかけた。16御使いは言った。

「わたしは自らにかけて誓う、と主は言われる。あなたがこの事を行い、自分の独り子である息子すら惜しまなかったので、17あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。あなたの子孫は敵の城門を勝ち取る。18地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」

答唱詩編

詩編116・9+12、16+14

神を敬う人の死は、神の前にとうとい。救いの杯をささげ、神の名を呼び求めよう。

詩編116

116・9わたしは神の前を歩む、
神に生きる人々の中で。
12神が与えてくださったすべての恵みに、
わたしはどのようにこたえようか。

16神よ、わたしはあなたのしもべ、
あなたはわたしを救われる。
14すべての民の前に進み出て、
神に立てた誓いを果たそう。

第二朗読

ローマ8・31b-34

神はその御子をさえ惜しまれなかった。

使徒パウロのローマの教会への手紙

皆さん、8・31bもし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。32わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。33だれが神に選ばれた者たちを訴えるでしょう。人を義としてくださるのは神なのです。34だれがわたしたちを罪に定めることができましょう。死んだ方、否、むしろ、復活させられた方であるキリスト・イエスが、神の右に座っていて、わたしたちのために執り成してくださるのです。

福音朗読

マルコ9・2-10

輝く雲の中から父の声が聞こえた。「これはわたしの愛する子。彼に聞け。」

マルコによる福音

そのとき、9・2イエスは、ただペトロ、ヤコブ、ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。イエスの姿が彼らの目の前で変わり、3服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった。4エリヤがモーセと共に現れて、イエスと語り合っていた。5ペトロが口をはさんでイエスに言った。「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」6ペトロは、どう言えばよいのか、分からなかった。弟子たちは非常に恐れていたのである。7すると、雲が現れて彼らを覆い、雲の中から声がした。「これはわたしの愛する子。これに聞け。」8弟子たちは急いで辺りを見回したが、もはやだれも見えず、ただイエスだけが彼らと一緒におられた。

9一同が山を下りるとき、イエスは、「人の子が死者の中から復活するまでは、今見たことをだれにも話してはいけない」と弟子たちに命じられた。10彼らはこの言葉を心に留めて、死者の中から復活するとはどういうことかと論じ合った。

四旬節第2月曜日 2月26日(月) 四旬節

第一朗読

ダニエル9・4b-10

憐れみと赦しは主である神のもの。

ダニエルの預言

9・4b「主よ、畏るべき偉大な神よ、主を愛しその戒めに従う者には契約を守って慈しみを施される神よ、5わたしたちは罪を犯し悪行を重ね、背き逆らって、あなたの戒めと裁きから離れ去りました。6あなたの僕である預言者たちが、御名によってわたしたちの王、指導者、父祖、そして地の民のすべてに語ったのに、それに聞き従いませんでした。7主よ、あなたは正しくいます。わたしたちユダの者、エルサレムの住民、すなわち、あなたに背いた罪のために全世界に散らされて、遠くにまた近くに住むイスラエルの民すべてが、今日のように恥を被っているのは当然なのです。8主よ、恥を被るのはわたしたちであり、その王、指導者、父祖なのです。あなたに対して罪を犯したのですから。9憐れみと赦しは主である神のもの。わたしたちは神に背きました。10あなたの僕である預言者たちを通して与えられた、律法に従って歩むようにという主なる神の声に聞き従いませんでした。

答唱詩編

詩編130・1+2、3+4

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編130

130・1神よ、深い淵から、
あなたに叫び、
2嘆き祈る私の声を
聞いてください。

3あなたが悪に目を留められるなら、
だれがみ前に立てよう。
4しかし、あなたのゆるしのために、
人はあなたをおそれ尊ぶ。

福音朗読

ルカ6・36-38

主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・36あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。

37人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。人を罪人だと決めるな。そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。38与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。押し入れ、揺すり入れ、あふれるほどに量りをよくして、ふところに入れてもらえる。あなたがたは自分の量る秤で量り返されるからである。」

四旬節第2火曜日 2月27日(火) 四旬節

第一朗読

イザヤ1・10、16-20

お前たちの手を洗って、清くせよ。

イザヤの預言

1・10ソドムの支配者らよ、主の言葉を聞け。
ゴモラの民よわたしたちの神の教えに耳を傾けよ。

お前たちの手を16洗って、清くせよ。
悪い行いをわたしの目の前から取り除け。
悪を行うことをやめ
17善を行うことを学び
裁きをどこまでも実行して
搾取する者を懲らし、孤児の権利を守り
やもめの訴えを弁護せよ。

18論じ合おうではないか、と主は言われる。
たとえ、お前たちの罪が緋のようでも
雪のように白くなることができる。
たとえ、紅のようであっても
羊の毛のようになることができる。
19お前たちが進んで従うなら
大地の実りを食べることができる。
20かたくなに背くなら、剣の餌食になる。
主の口がこう宣言される。

答唱詩編

詩編50・7、15+23

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編50

50・7わたしの民よ、聞け。
わたしはおまえに語る。
イスラエルよ、おまえを戒めよう。
わたしは神、おまえの神。

15苦悩の日にわたしを呼び求めよ。
わたしはおまえを救い、おまえはわたしをたたえる。
23感謝をささげる人は神をあがめる。
正しい道を歩む人を、神は確かに救われる。

福音朗読

マタイ23・1-12

わたしにはむかう心を捨てて、新しい霊と心を身につけよ。

マタイによる福音

そのとき、23・1イエスは群衆と弟子たちにお話しになった。2「律法学者たちやファリサイ派の人々は、モーセの座に着いている。3だから、彼らが言うことは、すべて行い、また守りなさい。しかし、彼らの行いは、見倣ってはならない。言うだけで、実行しないからである。4彼らは背負いきれない重荷をまとめ、人の肩に載せるが、自分ではそれを動かすために、指一本貸そうともしない。5そのすることは、すべて人に見せるためである。聖句の入った小箱を大きくしたり、衣服の房を長くしたりする。6宴会では上座、会堂では上席に座ることを好み、7また、広場で挨拶されたり、『先生』と呼ばれたりすることを好む。8だが、あなたがたは『先生』と呼ばれてはならない。あなたがたの師は一人だけで、あとは皆兄弟なのだ。9また、地上の者を『父』と呼んではならない。あなたがたの父は天の父おひとりだけだ。10『教師』と呼ばれてもいけない。あなたがたの教師はキリスト一人だけである。11あなたがたのうちでいちばん偉い人は、仕える者になりなさい。12だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」

四旬節第2水曜日 2月28日(水) 四旬節

第一朗読

エレミヤ18・18-20

悪をもって善に報いてもよいでしょうか。

エレミヤの預言

人々は言う。18・18「我々はエレミヤに対して計略をめぐらそう。祭司から律法が、賢者から助言が、預言者から御言葉が失われることはない。舌をもって彼を打とう。彼の告げる言葉には全く耳を傾けまい。」

19主よ、わたしに耳を傾け
わたしと争う者の声を聞いてください。
20悪をもって善に報いてもよいでしょうか。
彼らはわたしの命を奪おうとして
落とし穴を掘りました。
御前にわたしが立ち、彼らをかばい
あなたの怒りをなだめようとしたことを
御心に留めてください。

答唱詩編

詩編31・4+5、15+16a+17b

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編31

31・4神よ、あなたはわたしの岩、わたしの砦。
5あなたのいつくしみによってわたしを導き出し、
しかけられた網からわたしを助け出してください。
あなたはわたしの逃れ場。

15神よ、わたしはあなたにより頼む。
「あなたこそわたしの神。」
16aあなたの手にわたしの生涯をゆだねる。
17bいつくしみによって救ってください。

福音朗読

マタイ20・17-28

わたしは世の光。わたしに従う人はいのちの光をもっている。

マタイによる福音

20・17イエスはエルサレムへ上って行く途中、十二人の弟子だけを呼び寄せて言われた。18「今、わたしたちはエルサレムへ上って行く。人の子は、祭司長たちや律法学者たちに引き渡される。彼らは死刑を宣告して、19異邦人に引き渡す。人の子を侮辱し、鞭打ち、十字架につけるためである。そして、人の子は三日目に復活する。」

20そのとき、ゼベダイの息子たちの母が、その二人の息子と一緒にイエスのところに来て、ひれ伏し、何かを願おうとした。21イエスが、「何が望みか」と言われると、彼女は言った。「王座にお着きになるとき、この二人の息子が、一人はあなたの右に、もう一人は左に座れるとおっしゃってください。」22イエスはお答えになった。「あなたがたは、自分が何を願っているか、分かっていない。このわたしが飲もうとしている杯を飲むことができるか。」二人が、「できます」と言うと、23イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしの杯を飲むことになる。しかし、わたしの右と左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。それは、わたしの父によって定められた人々に許されるのだ。」24ほかの十人の者はこれを聞いて、この二人の兄弟のことで腹を立てた。25そこで、イエスは一同を呼び寄せて言われた。「あなたがたも知っているように、異邦人の間では支配者たちが民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。26しかし、あなたがたの間では、そうであってはならない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、27いちばん上になりたい者は、皆の僕になりなさい。28人の子が、仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのと同じように。」

四旬節第2木曜日 2月29日(木) 四旬節

第一朗読

エレミヤ17・5-10

それぞれの道、業の結ぶ実に従って報いる。

エレミヤの預言

17・5主はこう言われる。

呪われよ、人間に信頼し、肉なる者を頼みとし
その心が主を離れ去っている人は。
6彼は荒れ地の裸の木。
恵みの雨を見ることなく
人の住めない不毛の地
炎暑の荒れ野を住まいとする。
7祝福されよ、主に信頼する人は。
主がその人のよりどころとなられる。
8彼は水のほとりに植えられた木。
水路のほとりに根を張り
暑さが襲うのを見ることなく
その葉は青々としている。
干ばつの年にも憂いがなく
実を結ぶことをやめない。

9人の心は何にもまして、とらえ難く病んでいる。
誰がそれを知りえようか。
10心を探り、そのはらわたを究めるのは
主なるわたしである。
それぞれの道、業の結ぶ実に従って報いる。

答唱詩編

詩編1・1ac+2、3

流れのほとりの木のように、神に従う人は実を結ぶ。

詩編1

1・1acしあわせな人、
罪びとの道を歩むことなく、
2神のおきてを喜びとし、
昼も夜も教えを心に留める人。

3流れのほとりに植えられた木が、
季節になると豊かに実り、
葉もしおれることのないように、
この人の行いも実を結ぶ。

福音朗読

ルカ16・19-31

よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。

ルカによる福音

そのとき、イエスはファリサイ派の人々に言われた。16・19「ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。20この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、21その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた。22やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによって宴席にいるアブラハムのすぐそばに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。23そして、金持ちは陰府でさいなまれながら目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに見えた。24そこで、大声で言った。『父アブラハムよ、わたしを憐れんでください。ラザロをよこして、指先を水に浸し、わたしの舌を冷やさせてください。わたしはこの炎の中でもだえ苦しんでいます。』25しかし、アブラハムは言った。『子よ、思い出してみるがよい。お前は生きている間に良いものをもらっていたが、ラザロは反対に悪いものをもらっていた。今は、ここで彼は慰められ、お前はもだえ苦しむのだ。26そればかりか、わたしたちとお前たちの間には大きな淵があって、ここからお前たちの方へ渡ろうとしてもできないし、そこからわたしたちの方に越えて来ることもできない。』27金持ちは言った。『父よ、ではお願いです。わたしの父親の家にラザロを遣わしてください。28わたしには兄弟が五人います。あの者たちまで、こんな苦しい場所に来ることのないように、よく言い聞かせてください。』29しかし、アブラハムは言った。『お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい。』30金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ、もし、死んだ者の中からだれかが兄弟のところに行ってやれば、悔い改めるでしょう。』31アブラハムは言った。『もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう。』」

03月
四旬節第2金曜日 3月1日(金) 四旬節

第一朗読

創世記37・3-4、12-13a、17b-28

弟を殺して、その血を覆っても、何の得にもならない。

創世記

3イスラエルは、ヨセフが年寄り子であったので、どの息子よりもかわいがり、彼には裾の長い晴れ着を作ってやった。4兄たちは、父がどの兄弟よりもヨセフをかわいがるのを見て、ヨセフを憎み、穏やかに話すこともできなかった。

12兄たちが出かけて行き、シケムで父の羊の群れを飼っていたとき、13aイスラエルはヨセフに言った。

「兄さんたちはシケムで羊を飼っているはずだ。お前を彼らのところへやりたいのだが。」

17bヨセフは兄たちの後を追って行き、ドタンで一行を見つけた。

18兄たちは、はるか遠くの方にヨセフの姿を認めると、まだ近づいて来ないうちに、ヨセフを殺してしまおうとたくらみ、19相談した。

「おい、向こうから例の夢見るお方がやって来る。20さあ、今だ。あれを殺して、穴の一つに投げ込もう。後は、野獣に食われたと言えばよい。あれの夢がどうなるか、見てやろう。」

21ルべンはこれを聞いて、ヨセフを彼らの手から助け出そうとして、言った。

「命まで取るのはよそう。」

22ルべンは続けて言った。

「血を流してはならない。荒れ野のこの穴に投げ入れよう。手を下してはならない。」

ルべンは、ヨセフを彼らの手から助け出して、父のもとへ帰したかったのである。

23ヨセフがやって来ると、兄たちはヨセフが着ていた着物、裾の長い晴れ着をはぎ取り、24彼を捕らえて、穴に投げ込んだ。その穴は空で水はなかった。

25彼らはそれから、腰を下ろして食事を始めたが、ふと目を上げると、イシュマエル人の隊商がギレアドの方からやって来るのが見えた。らくだに樹脂、乳香、没薬を積んで、エジプトに下って行こうとしているところであった。26ユダは兄弟たちに言った。

「弟を殺して、その血を覆っても、何の得にもならない。27それより、あのイシュマエル人に売ろうではないか。弟に手をかけるのはよそう。あれだって、肉親の弟だから。」

兄弟たちは、これを聞き入れた。

28ところが、その間にミディアン人の商人たちが通りかかって、ヨセフを穴から引き上げ、銀二十枚でイシュマエル人に売ったので、彼らはヨセフをエジプトに連れて行ってしまった。

答唱詩編

詩編30・2b+4、11+12

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編30

30・2b神よ、あなたはわたしを救い、
死の力が勝ち誇るのを許されない。
4神よ、あなたは死の国からわたしを引き上げ、
危ういいのちを助けてくださった。

11神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、
わたしの助けとなってください、
12あなたは嘆きを喜びに変え、
あら布を晴れ着に替えてくださった。

福音朗読

マタイ21・33-43、45-46

神はひとり子をお与えになるほど、世を愛してくださった。神を信じる人は永遠の命に生きる。

マタイによる福音

そのとき、イエスは祭司長や民の長老たちに言われた。21・33「もう一つのたとえを聞きなさい。ある家の主人がぶどう園を作り、垣を巡らし、その中に搾り場を掘り、見張りのやぐらを立て、これを農夫たちに貸して旅に出た。34さて、収穫の時が近づいたとき、収穫を受け取るために、僕たちを農夫たちのところへ送った。35だが、農夫たちはこの僕たちを捕まえ、一人を袋だたきにし、一人を殺し、一人を石で打ち殺した。36また、他の僕たちを前よりも多く送ったが、農夫たちは同じ目に遭わせた。37そこで最後に、『わたしの息子なら敬ってくれるだろう』と言って、主人は自分の息子を送った。38農夫たちは、その息子を見て話し合った。『これは跡取りだ。さあ、殺して、彼の相続財産を我々のものにしよう。』39そして、息子を捕まえ、ぶどう園の外にほうり出して殺してしまった。40さて、ぶどう園の主人が帰って来たら、この農夫たちをどうするだろうか。」41彼らは言った。「その悪人どもをひどい目に遭わせて殺し、ぶどう園は、季節ごとに収穫を納めるほかの農夫たちに貸すにちがいない。」42イエスは言われた。「聖書にこう書いてあるのを、まだ読んだことがないのか。

『家を建てる者の捨てた石、
これが隅の親石となった。
これは、主がなさったことで、
わたしたちの目には不思議に見える。』

43だから、言っておくが、神の国はあなたたちから取り上げられ、それにふさわしい実を結ぶ民族に与えられる。」

45祭司長たちやファリサイ派の人々はこのたとえを聞いて、イエスが自分たちのことを言っておられると気づき、46イエスを捕らえようとしたが、群衆を恐れた。群衆はイエスを預言者だと思っていたからである。

四旬節第2土曜日 3月2日(土) 四旬節

第一朗読

ミカ7・14-15、18-20

主は再び我らを憐れみ、すべての罪を海の深みに投げ込まれる。

ミカの預言

主よ、7・14あなたの杖をもって
御自分の民を牧してください
あなたの嗣業である羊の群れを。
彼らが豊かな牧場の森にただひとり守られて住み
遠い昔のように、バシャンとギレアドで草をはむことができるように。
15お前がエジプトの地を出たときのように
彼らに驚くべき業をわたしは示す。
18あなたのような神がほかにあろうか
咎を除き、罪を赦される神が。
神は御自分の嗣業の民の残りの者に
いつまでも怒りを保たれることはない
神は慈しみを喜ばれるゆえに。
19主は再び我らを憐れみ
我らの咎を抑え
すべての罪を海の深みに投げ込まれる。
20どうか、ヤコブにまことを
アブラハムに慈しみを示してください
その昔、我らの父祖にお誓いになったように。

答唱詩編

詩編103・3+4、11+12

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編103

103・3神はわたしの罪をゆるし、
痛みをいやされる。
4わたしのいのちを危機から救い、
いつくしみ深く祝福される。

11天が地より高いように、
いつくしみは神をおそれる人の上にある。
12東と西が果てしなく遠いように、
神はわたしたちを罪から引き離される。

福音朗読

ルカ15・1-3、11-32

父のもとに帰って言おう。「わたしは神にもあなたにも罪を犯しました。」

ルカによる福音

そのとき、15・1徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄って来た。2すると、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を言いだした。3そこで、イエスは次のたとえを話された。

11「ある人に息子が二人いた。12弟の方が父親に、『お父さん、わたしが頂くことになっている財産の分け前をください』と言った。それで、父親は財産を二人に分けてやった。13何日もたたないうちに、下の息子は全部を金に換えて、遠い国に旅立ち、そこで放蕩の限りを尽くして、財産を無駄遣いしてしまった。14何もかも使い果たしたとき、その地方にひどい飢饉が起こって、彼は食べるにも困り始めた。15それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって豚の世話をさせた。16彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが、食べ物をくれる人はだれもいなかった。17そこで、彼は我に返って言った。『父のところでは、あんなに大勢の雇い人に、有り余るほどパンがあるのに、わたしはここで飢え死にしそうだ。18ここをたち、父のところに行って言おう。「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。19もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください」と。』20そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った。ところが、まだ遠く離れていたのに、父親は息子を見つけて、憐れに思い、走り寄って首を抱き、接吻した。21息子は言った。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』22しかし、父親は僕たちに言った。『急いでいちばん良い服を持って来て、この子に着せ、手に指輪をはめてやり、足に履物を履かせなさい。23それから、肥えた子牛を連れて来て屠りなさい。食べて祝おう。24この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。』そして、祝宴を始めた。

25ところで、兄の方は畑にいたが、家の近くに来ると、音楽や踊りのざわめきが聞こえてきた。26そこで、僕の一人を呼んで、これはいったい何事かと尋ねた。27僕は言った。『弟さんが帰って来られました。無事な姿で迎えたというので、お父上が肥えた子牛を屠られたのです。』28兄は怒って家に入ろうとはせず、父親が出て来てなだめた。29しかし、兄は父親に言った。『このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。言いつけに背いたことは一度もありません。それなのに、わたしが友達と宴会をするために、子山羊一匹すらくれなかったではありませんか。30ところが、あなたのあの息子が、娼婦どもと一緒にあなたの身上を食いつぶして帰って来ると、肥えた子牛を屠っておやりになる。』31すると、父親は言った。『子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。32だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。』」

四旬節第3主日 3月3日(日) 四旬節

第一朗読

出エジプト20・1-17

律法はモーセを通して与えられた。

出エジプト記

その日、20・1神はこれらすべての言葉を告げられた。

2「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。3あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。

4あなたはいかなる像も造ってはならない。上は天にあり、下は地にあり、また地の下の水の中にある、いかなるものの形も造ってはならない。5あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない。わたしは主、あなたの神。わたしは熱情の神である。わたしを否む者には、父祖の罪を子孫に三代、四代までも問うが、6わたしを愛し、わたしの戒めを守る者には、幾千代にも及ぶ慈しみを与える。

7あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。みだりにその名を唱える者を主は罰せずにはおかれない。

8安息日を心に留め、これを聖別せよ。9六日の間働いて、何であれあなたの仕事をし、10七日目は、あなたの神、主の安息日であるから、いかなる仕事もしてはならない。あなたも、息子も、娘も、男女の奴隷も、家畜も、あなたの町の門の中に寄留する人々も同様である。11六日の間に主は天と地と海とそこにあるすべてのものを造り、七日目に休まれたから、主は安息日を祝福して聖別されたのである。

12あなたの父母を敬え。そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生きることができる。

13殺してはならない。

14姦淫してはならない。

15盗んではならない。

16隣人に関して偽証してはならない。

17隣人の家を欲してはならない。隣人の妻、男女の奴隷、牛、ろばなど隣人のものを一切欲してはならない。」

答唱詩編

詩編19・8、9、10

主よ、あなたは永遠のいのちのことば。

詩編19

19・8神の教えは完全で、
魂を生き返らせ、
そのさとしは変わらず、
心に知恵をもたらす。

9神の定めは正しく、
心の喜びであり、
そのみ旨は清く、
目を開く。

10神のことばは正しく、
世々に及び、
そのさばきは真実で、
すべて正しい。

第二朗読

①コリント1・22-25

わたしたちは、十字架につけられたキリストを宣べ伝えている。キリストは、ある人々にはつまずかせるものだが、召された者には神の知恵である。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、1・22ユダヤ人はしるしを求め、ギリシア人は知恵を探しますが、23わたしたちは、十字架につけられたキリストを宣べ伝えています。すなわち、ユダヤ人にはつまずかせるもの、異邦人には愚かなものですが、24ユダヤ人であろうがギリシア人であろうが、召された者には、神の力、神の知恵であるキリストを宣べ伝えているのです。25神の愚かさは人よりも賢く、神の弱さは人よりも強いからです。

福音朗読

ヨハネ2・13-25

神はひとり子をお与えになるほど、世を愛してくださった。神を信じる人は永遠の命に生きる。

ヨハネによる福音

2・13ユダヤ人の過越祭が近づいたので、イエスはエルサレムヘ上って行かれた。14そして、神殿の境内で牛や羊や鳩を売っている者たちと、座って両替をしている者たちを御覧になった。15イエスは縄で鞭を作り、羊や牛をすべて境内から追い出し、両替人の金をまき散らし、その台を倒し、16鳩を売る者たちに言われた。「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家を商売の家としてはならない。」17弟子たちは、「あなたの家を思う熱意がわたしを食い尽くす」と書いてあるのを思い出した。18ユダヤ人たちはイエスに、「あなたは、こんなことをするからには、どんなしるしをわたしたちに見せるつもりか」と言った。19イエスは答えて言われた。「この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる。」20それでユダヤ人たちは、「この神殿は建てるのに四十六年もかかったのに、あなたは三日で建て直すのか」と言った。21イエスの言われる神殿とは、御自分の体のことだったのである。22イエスが死者の中から復活されたとき、弟子たちは、イエスがこう言われたのを思い出し、聖書とイエスの語られた言葉とを信じた。

23イエスは過越祭の間エルサレムにおられたが、そのなさったしるしを見て、多くの人がイエスの名を信じた。24しかし、イエス御自身は彼らを信用されなかった。それは、すべての人のことを知っておられ、25人間についてだれからも証ししてもらう必要がなかったからである。イエスは、何が人間の心の中にあるかをよく知っておられたのである。

四旬節第3月曜日 3月4日(月) 四旬節

第一朗読

列王記下5・1-15a

イスラエルのほか、この世界のどこにも神はおられないことが分かりました。

列王記

そのころ、5・1アラムの王の軍司令官ナアマンは、主君に重んじられ、気に入られていた。主がかつて彼を用いてアラムに勝利を与えられたからである。この人は勇士であったが、重い皮膚病を患っていた。2アラム人がかつて部隊を編成して出動したとき、彼らはイスラエルの地から一人の少女を捕虜として連れて来て、ナアマンの妻の召し使いにしていた。3少女は女主人に言った。「御主人様がサマリアの預言者のところにおいでになれば、その重い皮膚病をいやしてもらえるでしょうに。」4ナアマンが主君のもとに行き、「イスラエルの地から来た娘がこのようなことを言っています」と伝えると、5アラムの王は言った。「行くがよい。わたしもイスラエルの王に手紙を送ろう。」こうしてナアマンは銀十キカル、金六千シェケル、着替えの服十着を携えて出かけた。6彼はイスラエルの王に手紙を持って行った。そこには、こうしたためられていた。

「今、この手紙をお届けするとともに、家臣ナアマンを送り、あなたに託します。彼の重い皮膚病をいやしてくださいますように。」7イスラエルの王はこの手紙を読むと、衣を裂いて言った。「わたしが人を殺したり生かしたりする神だとでも言うのか。この人は皮膚病の男を送りつけていやせと言う。よく考えてみよ。彼はわたしに言いがかりをつけようとしているのだ。」

8神の人エリシャはイスラエルの王が衣を裂いたことを聞き、王のもとに人を遣わして言った。「なぜあなたは衣を裂いたりしたのですか。その男をわたしのところによこしてください。彼はイスラエルに預言者がいることを知るでしょう。」

9ナアマンは数頭の馬と共に戦車に乗ってエリシャの家に来て、その入り口に立った。10エリシャは使いの者をやってこう言わせた。「ヨルダン川に行って七度身を洗いなさい。そうすれば、あなたの体は元に戻り、清くなります。」11ナアマンは怒ってそこを去り、こう言った。「彼が自ら出て来て、わたしの前に立ち、彼の神、主の名を呼び、患部の上で手を動かし、皮膚病をいやしてくれるものと思っていた。12イスラエルのどの流れの水よりもダマスコの川アバナやパルパルの方が良いではないか。これらの川で洗って清くなれないというのか。」彼は身を翻して、憤慨しながら去って行った。13しかし、彼の家来たちが近づいて来ていさめた。「わが父よ、あの預言者が大変なことをあなたに命じたとしても、あなたはそのとおりなさったにちがいありません。あの預言者は、『身を洗え、そうすれば清くなる』と言っただけではありませんか。」14ナアマンは神の人の言葉どおりに下って行って、ヨルダンに七度身を浸した。彼の体は元に戻り、小さい子供の体のようになり、清くなった。

15彼は随員全員を連れて神の人のところに引き返し、その前に来て立った。「イスラエルのほか、この世界のどこにも神はおられないことが分かりました。」

答唱詩編

詩編42・3+4、5

谷川の水を求めて、あえぎさまよう鹿のように、神よ、わたしはあなたを慕う。

詩編42

42・3わたしの心はあなたを求め、
神のいのちをあこがれる。
わたしが行ってみ前にいたり、
み顔を仰げる日はいつか。
4わたしは日夜、神を問われて、
明け暮れ涙を食物とする。

5思い起こせば心は高鳴る。
喜び祝う人々の群れ。
感謝と賛美の歌声の中を、
わたしはみ前に進み出た。

福音朗読

ルカ4・24-30

わたしは神を待ち望み、その言葉に希望をおく。神はいつくしみと救いの恵みに満ちておられる。

ルカによる福音

そのとき、イエスは、ナザレの会堂で人々に言われた。4・24「はっきり言っておく。預言者は、自分の故郷では歓迎されないものだ。25確かに言っておく。エリヤの時代に三年六か月の間、雨が降らず、その地方一帯に大飢饉が起こったとき、イスラエルには多くのやもめがいたが、26エリヤはその中のだれのもとにも遣わされないで、シドン地方のサレプタのやもめのもとにだけ遣わされた。27また、預言者エリシャの時代に、イスラエルには重い皮膚病を患っている人が多くいたが、シリア人ナアマンのほかはだれも清くされなかった。」28これを聞いた会堂内の人々は皆憤慨し、29総立ちになって、イエスを町の外へ追い出し、町が建っている山の崖まで連れて行き、突き落とそうとした。30しかし、イエスは人々の間を通り抜けて立ち去られた。

四旬節第3火曜日 3月5日(火) 四旬節

第一朗読

ダニエル補遺・アザルヤ2、11-20

あなたに従う我らの歩みを全うさせてください。

ダニエルの預言

その日、アザルヤは、2火の中で、口を開いて次のように祈った。

「主よ、11あなたの御名のゆえに我らを決して見捨てることなく、
あなたの契約を取り消さないでください。
12あなたの愛されたアブラハムと
あなたの僕イサクと
あなたの聖なるイスラエルとに免じて、
あなたの憐れみを
我らから取り去らないでください。
13あなたはこの先祖たちに、
子孫を天の星のように、
海辺の砂のように増やす、と言われました。
14ところが、主よ、我らはどの民よりも少なくなり、
我らの罪のゆえに、今日、全地で卑しめられています。
15今や、高官も預言者も指導者もなく、
焼き尽くす献げ物もいけにえも供え物も香もなく、
憐れみを得るために献げ物を御前に供える所もありません。
16ただ、砕かれた魂とへりくだる心をもつ我らを受け入れてください。
17焼き尽くす献げ物の羊と牛のように、
幾万の肥えた小羊のように、
今日の我らのいけにえが、御前に受け入れられますように。
あなたに従う我らの歩みを全うさせてください。
あなたに信頼する者は辱められないからです。
18今や、我々は心からあなたに従い、あなたを畏れ、御顔を求めます。
19我らを辱めず、
むしろ、寛容と豊かな憐れみをもって
我らに臨んでください。
20驚くべき御業をもって、我らを救い、
主よ、御名の栄光を輝かせてください。」

答唱詩編

詩編25・4+5a、8+9

すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。

詩編25

25・4神よ、あなたの道を示し、
その小道を教えてください。
5aあなたの真理のうちに、
わたしを導き、さとしてください。

8神はあわれみ深く正義に満ち、
罪びとに道を示される。
9神は貧しい人を正義に導き、
へりくだる人にその道を教えられる。

福音朗読

マタイ18・21-35

心からわたしに立ち戻りなさい。わたしはいつくしみと恵みにあふれる神。

マタイによる福音

18・21そのとき、ペトロがイエスのところに来て言った。「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」22イエスは言われた。「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。23そこで、天の国は次のようにたとえられる。ある王が、家来たちに貸した金の決済をしようとした。24決済し始めたところ、一万タラントン借金している家来が、王の前に連れて来られた。25しかし、返済できなかったので、主君はこの家来に、自分も妻も子も、また持ち物も全部売って返済するように命じた。26家来はひれ伏し、『どうか待ってください。きっと全部お返しします』としきりに願った。27その家来の主君は憐れに思って、彼を赦し、その借金を帳消しにしてやった。28ところが、この家来は外に出て、自分に百デナリオンの借金をしている仲間に出会うと、捕まえて首を絞め、『借金を返せ』と言った。29仲間はひれ伏して、『どうか待ってくれ。返すから』としきりに頼んだ。30しかし、承知せず、その仲間を引っぱって行き、借金を返すまでと牢に入れた。31仲間たちは、事の次第を見て非常に心を痛め、主君の前に出て事件を残らず告げた。32そこで、主君はその家来を呼びつけて言った。『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。33わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』34そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。35あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」

四旬節第3水曜日 3月6日(水) 四旬節

第一朗読

申命記4・1、5-9

わたしが教える掟と法を忠実に行いなさい。

申命記

モーセは民に言った。4・1イスラエルよ、今、わたしが教える掟と法を忠実に行いなさい。そうすればあなたたちは命を得、あなたたちの先祖の神、主が与えられる土地に入って、それを得ることができるであろう。

5見よ、わたしがわたしの神、主から命じられたとおり、あなたたちに掟と法を教えたのは、あなたたちがこれから入って行って得る土地でそれを行うためである。6あなたたちはそれを忠実に守りなさい。そうすれば、諸国の民にあなたたちの知恵と良識が示され、彼らがこれらすべての掟を聞くとき、「この大いなる国民は確かに知恵があり、賢明な民である」と言うであろう。7いつ呼び求めても、近くにおられる我々の神、主のような神を持つ大いなる国民がどこにあるだろうか。8またわたしが今日あなたたちに授けるこのすべての律法のように、正しい掟と法を持つ大いなる国民がどこにいるだろうか。

9ただひたすら注意してあなた自身に十分気をつけ、目で見たことを忘れず、生涯心から離すことなく、子や孫たちにも語り伝えなさい。

答唱詩編

詩編147・12+13、20+12

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。

詩編147

147・12エルサレムよ、神をほめたたえよ。
シオンよ、神をたたえよ。
13神はおまえの門のかんぬきをかため、
その中に住む人を祝福される。

20神はほかの民にまだ示されず、
そのおきては知られていない。
12エルサレムよ、神をほめよ。
シオンよ、神をたたえよ。

福音朗読

マタイ5・17-19

主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・17「わたしが来たのは律法や預言者を廃止するためだ、と思ってはならない。廃止するためではなく、完成するためである。18はっきり言っておく。すべてのことが実現し、天地が消えうせるまで、律法の文字から一点一画も消え去ることはない。19だから、これらの最も小さな掟を一つでも破り、そうするようにと人に教える者は、天の国で最も小さい者と呼ばれる。しかし、それを守り、そうするように教える者は、天の国で大いなる者と呼ばれる。」

四旬節第3木曜日 3月7日(木) 四旬節

第一朗読

エレミヤ7・23-28

わたしの声に聞き従え。

エレミヤの預言

主は言われる。7・23わたしは次のことをわたしの民に命じた。「わたしの声に聞き従え。そうすれば、わたしはあなたたちの神となり、あなたたちはわたしの民となる。わたしが命じる道にのみ歩むならば、あなたたちは幸いを得る。」24しかし、彼らは聞き従わず、耳を傾けず、彼らのかたくなで悪い心のたくらみに従って歩み、わたしに背を向け、顔を向けなかった。25お前たちの先祖がエジプトの地から出たその日から、今日に至るまで、わたしの僕である預言者らを、常に繰り返しお前たちに遣わした。26それでも、わたしに聞き従わず、耳を傾けず、かえって、うなじを固くし、先祖よりも悪い者となった。

27あなたが彼らにこれらすべての言葉を語っても、彼らはあなたに聞き従わず、呼びかけても答えないであろう。28それゆえあなたは彼らに言うがよい。「これは、その神、主の声に聞き従わず、懲らしめを受け入れず、その口から真実が失われ、断たれている民だ。」

答唱詩編

詩編95・5+6、7+8

神に向かって喜びうたい、感謝の歌をささげよう。

詩編95

95・5海は神のもの、神に造られたもの。
陸も神のもの、神に形造られたもの。
6身を低くして伏し拝もう、
わたしたちを造られた神の前に。

7神は、わたしたちの神。
わたしたちは神の民、そのまきばの羊。
8きょう、神の声を聞くなら、
神に心を閉じてはならない。

福音朗読

ルカ11・14-23

心からわたしに立ち戻りなさい。わたしはいつくしみと恵みにあふれる神。

ルカによる福音

そのとき、11・14イエスは悪霊を追い出しておられたが、それは口を利けなくする悪霊であった。悪霊が出て行くと、口の利けない人がものを言い始めたので、群衆は驚嘆した。15しかし、中には、「あの男は悪霊の頭ベルゼブルの力で悪霊を追い出している」と言う者や、16イエスを試そうとして、天からのしるしを求める者がいた。17しかし、イエスは彼らの心を見抜いて言われた。「内輪で争えば、どんな国でも荒れ果て、家は重なり合って倒れてしまう。18あなたたちは、わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出していると言うけれども、サタンが内輪もめすれば、どうしてその国は成り立って行くだろうか。19わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出すのなら、あなたたちの仲間は何の力で追い出すのか。だから、彼ら自身があなたたちを裁く者となる。20しかし、わたしが神の指で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ。21強い人が武装して自分の屋敷を守っているときには、その持ち物は安全である。22しかし、もっと強い者が襲って来てこの人に勝つと、頼みの武具をすべて奪い取り、分捕り品を分配する。23わたしに味方しない者はわたしに敵対し、わたしと一緒に集めない者は散らしている。」

四旬節第3金曜日 3月8日(金) 四旬節

第一朗読

ホセア14・2-10

イスラエルよ、立ち帰れ、あなたの神、主のもとへ。

ホセアの預言

主は言われる。
14・2イスラエルよ、立ち帰れ
あなたの神、主のもとへ。
あなたは咎につまずき、悪の中にいる。
3誓いの言葉を携え

主に立ち帰って言え。
「すべての悪を取り去り
恵みをお与えください。
この唇をもって誓ったことを果たします。
4アッシリアはわたしたちの救いではありません。
わたしたちはもはや軍馬に乗りません。
自分の手が造ったものを再びわたしたちの神とは呼びません。
親を失った者は
あなたにこそ憐れみを見いだします。」

5わたしは背く彼らをいやし
喜んで彼らを愛する。
まことに、わたしの怒りは彼らを離れ去った。
6露のようにわたしはイスラエルに臨み
彼はゆりのように花咲き
レバノンの杉のように根を張る。
7その若枝は広がり
オリーブのように美しく
レバノンの杉のように香る。
8その陰に宿る人々は再び
麦のように育ち
ぶどうのように花咲く。
彼はレバノンのぶどう酒のようにたたえられる。

9ああエフライム
なおも、わたしを偶像と比べるのか。
彼の求めにこたえ
彼を見守るのはわたしではないか。
わたしは命に満ちた糸杉。あなたは、わたしによって実を結ぶ。

10知恵ある者はこれらのことをわきまえよ。
わきまえある者はそれを悟れ。
主の道は正しい。
神に従う者はその道に歩み
神に背く者はその道につまずく。

答唱詩編

詩編81・9+10、14+17

わたしが受けた神のことば。

詩編81

81・9「民よ、聞け、わたしの戒めを。
イスラエルよ、わたしのことばを守れ。
10おまえにほかの神があってはならない。
異国の神を拝んではならない。」

14「民がわたしのことばに従い、
イスラエルがわたしの道を歩むなら、
17わたしはイスラエルによい麦を与え、
岩から出るみつで喜ばせる。」

福音朗読

マルコ12・28b-34

「神に立ち戻りなさい。神の国は来ている」と主は仰せになる。

マルコによる福音

そのとき、一人の律法学者が進み出てイエスに訪ねた。12・28b「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」29イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。30心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』31第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」32律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。33そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」34イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。

四旬節第3土曜日 3月9日(土) 四旬節

第一朗読

ホセア6・1-6

わたしの行う裁きは光のように現れる。

ホセアの預言

6・1「さあ、我々は主のもとに帰ろう。
主は我々を引き裂かれたが、いやし
我々を打たれたが、傷を包んでくださる。
2二日の後、主は我々を生かし
三日目に、立ち上がらせてくださる。
我々は御前に生きる。
3我々は主を知ろう。
主を知ることを追い求めよう。
主は曙の光のように必ず現れ
降り注ぐ雨のように
大地を潤す春雨のように我々を訪れてくださる。」

4エフライムよわたしはお前をどうしたらよいのか。
ユダよ、お前をどうしたらよいのか。
お前たちの愛は朝の霧すぐに消えうせる露のようだ。
5それゆえ、わたしは彼らを預言者たちによって切り倒し
わたしの口の言葉をもって滅ぼす。
わたしの行う裁きは光のように現れる。
6わたしが喜ぶのは愛であっていけにえではなく
神を知ることであって焼き尽くす献げ物ではない。

答唱詩編

詩編51・18+19、20+21

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・18あなたはいけにえを望まれず、
はんさいをささげても喜ばれない。
19神よ、わたしのささげものは打ち砕かれた心。
あなたは悔い改める心を見捨てられない。

20み旨のままにシオンを恵みで潤し、
エルサレムの城壁を新たにしてください。
21その時、あなたは正しいささげものをみな喜ばれ、
わたしはあなたの祭壇で仕えるようになる。

福音朗読

ルカ18・9-14

神に心を閉じてはならない。きょうこそ神のことばを聞こう。

ルカによる福音

そのとき、18・9自分は正しい人間だとうぬぼれて、他人を見下している人々に対しても、イエスは次のたとえを話された。10「二人の人が祈るために神殿に上った。一人はファリサイ派の人で、もう一人は徴税人だった。11ファリサイ派の人は立って、心の中でこのように祈った。『神様、わたしはほかの人たちのように、奪い取る者、不正な者、姦通を犯す者でなく、また、この徴税人のような者でもないことを感謝します。12わたしは週に二度断食し、全収入の十分の一を献げています。』13ところが、徴税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら言った。『神様、罪人のわたしを憐れんでください。』14言っておくが、義とされて家に帰ったのは、この人であって、あのファリサイ派の人ではない。だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」

四旬節第4主日 3月10日(日) 四旬節

第一朗読

歴代誌下36・14-16、19-23

主の怒りと憐れみは、民の追放と解放によって明らかにされる。

歴代誌

そのころ、ユダの王ゼデキヤは主の目に悪とされることを行った。36・14祭司長たちのすべても民と共に諸国の民のあらゆる忌むべき行いに倣って罪に罪を重ね、主が聖別されたエルサレムの神殿を汚した。15先祖の神、主は御自分の民と御住まいを憐れみ、繰り返し御使いを彼らに遣わされたが、16彼らは神の御使いを潮笑い、その言葉を蔑み、預言者を愚弄した。それゆえ、ついにその民に向かって主の怒りが燃え上がり、もはや手の施しようがなくなった。

19神殿には火が放たれ、エルサレムの城壁は崩され、宮殿はすべて灰燼に帰し、貴重な品々はことごとく破壊された。20剣を免れて生き残った者は捕らえられ、バビロンに連れ去られた。彼らはペルシアの王国に覇権が移るまで、バビロンの王とその王子たちの僕となった。21こうして主がエレミヤの口を通して告げられた言葉が実現し、この地はついに安息を取り戻した。その荒廃の全期間を通じて地は安息を得、七十年の年月が満ちた。

22ペルシアの王キュロスの第一年のことである。主はかつてエレミヤの口を通して約束されたことを成就するため、ペルシアの王キュロスの心を動かされた。キュロスは文書にも記して、国中に次のような布告を行き渡らせた。

23「ペルシアの王キュロスはこう言う。
天にいます神、主は、地上のすべての国をわたしに賜った。この主がユダのエルサレムに御自分の神殿を建てることをわたしに命じられた。あななたちの中で主の民に属する者はだれでも、上って行くがよい。神なる主がその者と共にいてくださるように。」

答唱詩編

詩編137・1+2、3+4

エルサレムよ、おまえを忘れるよりは、わたしの右手がなえたほうがよい。エルサレムを思わず、最上の喜びとしないなら、わたしは口がきけなくなったほうがよい。

詩編137

137・1バビロンの流れのほとりにすわり、
柳にたて琴をかけ、
2シオンをおもい、すすり泣いた。

3わたしたちをとりこにしたものが、歌をもとめ、
しいたげる者がなぐさみに「シオンの歌をうたえ」と命じた。
4異国の地にあって、どうして主の歌がうたえよう。

第二朗読

エフェソ2・4-10

罪のために死んでいたとき、あなたがたは恵みによって救われた。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、2・4憐れみ豊かな神は、わたしたちをこの上なく愛してくださり、その愛によって、5罪のために死んでいたわたしたちをキリストと共に生かし、ーーあなたがたの救われたのは恵みによるのですーー6キリスト・イエスによって共に復活させ、共に天の王座に着かせてくださいました。7こうして、神は、キリスト・イエスにおいてわたしたちにお示しになった慈しみにより、その限りなく豊かな恵みを、来るべき世に現そうとされたのです。8事実、あなたがたは、恵みにより、信仰によって救われました。このことは、自らの力によるのではなく、神の賜物です。9行いによるのではありません。それは、だれも誇ることがないためなのです。10なぜなら、わたしたちは神に造られたものであり、しかも、神が前もって準備してくださった善い業のために、キリスト・イエスにおいて造られたからです。わたしたちは、その善い業を行って歩むのです。

福音朗読

ヨハネ3・14-21

神はひとり子をお与えになるほど、世を愛してくださった。神を信じる人は永遠の命に生きる。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはニコデモに言われた。3・14「モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。15それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。16神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。17神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。18御子を信じる者は裁かれない。信じない者は既に裁かれている。神の独り子の名を信じていないからである。19光が世に来たのに、人々はその行いが悪いので、光よりも闇の方を好んだ。それが、もう裁きになっている。20悪を行う者は皆、光を憎み、その行いが明るみに出されるのを恐れて、光の方に来ないからである。21しかし、真理を行う者は光の方に来る。その行いが神に導かれてなされたということが、明らかになるために。」

四旬節第4月曜日 3月11日(月) 四旬節

第一朗読

イザヤ65・17-21

わたしは新しい天と新しい地を創造する。

イザヤの預言

主は言われる。
65・17見よ、わたしは新しい天と新しい地を創造する。
初めからのことを思い起こす者はない。
それはだれの心にも上ることはない。
18代々とこしえに喜び楽しみ、喜び躍れ。
わたしは創造する。
見よ、わたしはエルサレムを喜び躍るものとして
その民を喜び楽しむものとして、創造する。
19わたしはエルサレムを喜びとし
わたしの民を楽しみとする。
泣く声、叫ぶ声は、再びその中に響くことがない。
20そこには、もはや若死にする者も
年老いて長寿を満たさない者もなくなる。
百歳で死ぬ者は若者とされ
百歳に達しない者は呪われた者とされる。

21彼らは家を建てて住み
ぶどうを植えてその実を食べる。

答唱詩編

詩編30・2b+4、13

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編30

30・2b神よ、あなたはわたしを救い、
死の力が勝ち誇るのを許されない。
4神よ、あなたは死の国からわたしを引きあげ、
危ういいのちを助けてくださった。

13わたしの心はあなたをたたえ、
黙っていることがない。
神よ、わたしの神よ、
あなたをとこしえにたたえよう。

福音朗読

ヨハネ4・43-54

生きるために悪ではなく善を求めなさい。主はあなたがたとともにおられる。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはサマリア4・43を出発して、ガリラヤへ行かれた。44イエスは自ら、「預言者は自分の故郷では敬われないものだ」とはっきり言われたことがある。45ガリラヤにお着きになると、ガリラヤの人たちはイエスを歓迎した。彼らも祭りに行ったので、そのときエルサレムでイエスがなさったことをすべて、見ていたからである。

46イエスは、再びガリラヤのカナに行かれた。そこは、前にイエスが水をぶどう酒に変えられた所である。さて、カファルナウムに王の役人がいて、その息子が病気であった。47この人は、イエスがユダヤからガリラヤに来られたと聞き、イエスのもとに行き、カファルナウムまで下って来て息子をいやしてくださるように頼んだ。息子が死にかかっていたからである。48イエスは役人に、「あなたがたは、しるしや不思議な業を見なければ、決して信じない」と言われた。49役人は、「主よ、子供が死なないうちに、おいでください」と言った。50イエスは言われた。「帰りなさい。あなたの息子は生きる。」その人は、イエスの言われた言葉を信じて帰って行った。51ところが、下って行く途中、僕たちが迎えに来て、その子が生きていることを告げた。52そこで、息子の病気が良くなった時刻を尋ねると、僕たちは、「きのうの午後一時に熱が下がりました」と言った。53それは、イエスが「あなたの息子は生きる」と言われたのと同じ時刻であることを、この父親は知った。そして、彼もその家族もこぞって信じた。54これは、イエスがユダヤからガリラヤに来てなされた、二回目のしるしである。

四旬節第4火曜日 3月12日(火) 四旬節

第一朗読

エゼキエル47・1-9、12

主の使いはわたしを神殿の入り口に連れ戻した。

エゼキエルの預言

その日、主の使いは47・1わたしを神殿の入り口に連れ戻した。すると見よ、水が神殿の敷居の下から湧き上がって、東の方へ流れていた。神殿の正面は東に向いていた。水は祭壇の南側から出て神殿の南壁の下を流れていた。2彼はわたしを北の門から外へ回らせ、東に向かう外の門に導いた。見よ、水は南壁から流れていた。3その人は、手に測り縄を持って東の方に出て行き、一千アンマを測り、わたしに水の中を渡らせると、水はくるぶしまであった。4更に一千アンマを測って、わたしに水を渡らせると、水は膝に達した。更に、一千アンマを測って、わたしに水を渡らせると、水は腰に達した。5更に彼が一千アンマを測ると、もはや渡ることのできない川になり、水は増えて、泳がなければ渡ることのできない川になった。6彼はわたしに、「人の子よ、見ましたか」と言って、わたしを川岸へ連れ戻した。7わたしが戻って来ると、川岸には、こちら側にもあちら側にも、非常に多くの木が生えていた。8彼はわたしに言った。「これらの水は東の地域へ流れ、アラバに下り、海、すなわち汚れた海に入って行く。すると、その水はきれいになる。9川が流れて行く所ではどこでも、群がるすべての生き物は生き返り、魚も非常に多くなる。この水が流れる所では、水がきれいになるからである。この川が流れる所では、すべてのものが生き返る。12川のほとり、その岸には、こちら側にもあちら側にも、あらゆる果樹が大きくなり、葉は枯れず、果実は絶えることなく、月ごとに実をつける。水が聖所から流れ出るからである。その果実は食用となり、葉は薬用となる。」

答唱詩編

イザヤ35・6cd+7ab、10

喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

イザヤ35

35・6cd荒れ野に水が湧き出て、砂漠に川が流れる。
7ab焼けた土地は池となり、乾いた地面を水が潤す。

10cd楽しみと喜びが彼らにあふれ、
悲しみと嘆きは消え去る。

福音朗読

ヨハネ5・1-3a、5-16

神よ、わたしのうちに清い心を造り、あなたの救いの喜びをわたしに返してください。

ヨハネによる福音

ユダヤ人の祭りの日に、5・1イエスはエルサレムに上られた。2エルサレムには羊の門の傍らに、ヘブライ語で「ベトザタ」と呼ばれる池があり、そこには五つの回廊があった。3この回廊には、病気の人、目の見えない人、足の不自由な人、体の麻痺した人などが、大勢横たわっていた。5さて、そこに三十八年も病気で苦しんでいる人がいた。6イエスは、その人が横たわっているのを見、また、もう長い間病気であるのを知って、「良くなりたいか」と言われた。7病人は答えた。「主よ、水が動くとき、わたしを池の中に入れてくれる人がいないのです。わたしが行くうちに、ほかの人が先に降りて行くのです。」8イエスは言われた。「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい。」9すると、その人はすぐに良くなって、床を担いで歩きだした。

その日は安息日であった。10そこで、ユダヤ人たちは病気をいやしていただいた人に言った。「今日は安息日だ。だから床を担ぐことは、律法で許されていない。」11しかし、その人は、「わたしをいやしてくださった方が、『床を担いで歩きなさい』と言われたのです」と答えた。12彼らは、「お前に『床を担いで歩きなさい』と言ったのはだれだ」と尋ねた。13しかし、病気をいやしていただいた人は、それがだれであるか知らなかった。イエスは、群衆がそこにいる間に、立ち去られたからである。14その後、イエスは、神殿の境内でこの人に出会って言われた。「あなたは良くなったのだ。もう、罪を犯してはいけない。さもないと、もっと悪いことが起こるかもしれない。」15この人は立ち去って、自分をいやしたのはイエスだと、ユダヤ人たちに知らせた。16そのために、ユダヤ人たちはイエスを迫害し始めた。イエスが、安息日にこのようなことをしておられたからである。

四旬節第4水曜日 3月13日(水) 四旬節

第一朗読

イザヤ49・8-15

見よ、人々が北から、西から、また、シニムの地から来る。

イザヤの預言

49・8主はこう言われる。
わたしは恵みの時にあなたに答え
救いの日にあなたを助けた。
わたしはあなたを形づくり、あなたを立てて
民の契約とし、国を再興して
荒廃した嗣業の地を継がせる。
9捕らわれ人には、出でよと
闇に住む者には身を現せ、と命じる。

彼らは家畜を飼いつつ道を行き
荒れ地はすべて牧草地となる。
10彼らは飢えることなく、渇くこともない。
太陽も熱風も彼らを打つことはない。
憐れみ深い方が彼らを導き
湧き出る水のほとりに彼らを伴って行かれる。

11わたしはすべての山に道をひらき
広い道を高く通す。
12見よ、遠くから来る
見よ、人々が北から、西から
また、シニムの地から来る。
13天よ、喜び歌え、地よ、喜び躍れ。
山々よ、歓声をあげよ。
主は御自分の民を慰め
その貧しい人々を憐れんでくださった。

14シオンは言う。
主はわたしを見捨てられた
わたしの主はわたしを忘れられた、と。
15女が自分の乳飲み子を忘れるであろうか。
母親が自分の産んだ子を憐れまないであろうか。
たとえ、女たちが忘れようとも
わたしがあなたを忘れることは決してない。

答唱詩編

詩編145・13cd+14、17+18

神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。

詩編145

145・13cd神のことばは正しく、
そのわざには偽りがない。
14神は悩みのうちにある者を支え、
倒れる者をすべて立たせてくださる。

17神の行われることはすべて正しく、
そのわざはいつくしみに満ちている。
18助けを求めるすべての人、
心から祈る人のそばに神はおられる。

福音朗読

ヨハネ5・17-30

わたしは復活であり、いのちである。わたしを信じる人は永遠に死ぬことはない。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはユダヤ人たちにお答えになった。5・17「わたしの父は今もなお働いておられる。だから、わたしも働くのだ。」18このために、ユダヤ人たちは、ますますイエスを殺そうとねらうようになった。イエスが安息日を破るだけでなく、神を御自分の父と呼んで、御自身を神と等しい者とされたからである。

19そこで、イエスは彼らに言われた。「はっきり言っておく。子は、父のなさることを見なければ、自分からは何事もできない。父がなさることはなんでも、子もそのとおりにする。20父は子を愛して、御自分のなさることをすべて子に示されるからである。また、これらのことよりも大きな業を子にお示しになって、あなたたちが驚くことになる。21すなわち、父が死者を復活させて命をお与えになるように、子も、与えたいと思う者に命を与える。22また、父はだれをも裁かず、裁きは一切子に任せておられる。23すべての人が、父を敬うように、子をも敬うようになるためである。子を敬わない者は、子をお遣わしになった父をも敬わない。24はっきり言っておく。わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている。25はっきり言っておく。死んだ者が神の子の声を聞く時が来る。今やその時である。その声を聞いた者は生きる。26父は、御自身の内に命を持っておられるように、子にも自分の内に命を持つようにしてくださったからである。27また、裁きを行う権能を子にお与えになった。子は人の子だからである。28驚いてはならない。時が来ると、墓の中にいる者は皆、人の子の声を聞き、29善を行った者は復活して命を受けるために、悪を行った者は復活して裁きを受けるために出て来るのだ。

30わたしは自分では何もできない。ただ、父から聞くままに裁く。わたしの裁きは正しい。わたしは自分の意志ではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行おうとするからである。」

四旬節第4木曜日 3月14日(木) 四旬節

第一朗読

出エジプト32・7-14

イスラエルよ、これこそあなたをエジプトの国から導き上った神々だ

出エジプト記

その日、32・7主はモーセに仰せになった。「直ちに下山せよ。あなたがエジプトの国から導き上った民は堕落し、8早くもわたしが命じた道からそれて、若い雄牛の鋳像を造り、それにひれ伏し、いけにえをささげて、『イスラエルよ、これこそあなたをエジプトの国から導き上った神々だ』と叫んでいる。」9主は更に、モーセに言われた。「わたしはこの民を見てきたが、実にかたくなな民である。10今は、わたしを引き止めるな。わたしの怒りは彼らに対して燃え上がっている。わたしは彼らを滅ぼし尽くし、あなたを大いなる民とする。」11モーセは主なる神をなだめて言った。「主よ、どうして御自分の民に向かって怒りを燃やされるのですか。あなたが大いなる御力と強い御手をもってエジプトの国から導き出された民ではありませんか。12どうしてエジプト人に、『あの神は、悪意をもって彼らを山で殺し、地上から滅ぼし尽くすために導き出した』と言わせてよいでしょうか。どうか、燃える怒りをやめ、御自分の民にくだす災いを思い直してください。13どうか、あなたの僕であるアブラハム、イサク、イスラエルを思い起こしてください。あなたは彼らに自ら誓って、『わたしはあなたたちの子孫を天の星のように増やし、わたしが与えると約束したこの土地をことごとくあなたたちの子孫に授け、永久にそれを継がせる』と言われたではありませんか。」14主は御自身の民にくだす、と告げられた災いを思い直された。

答唱詩編

詩編130・1+2+3、7+8

神はわたしの唯一の望み、わたしはあなたにより頼む。

詩編130

130・1神よ、深いふちからあなたに叫び、
嘆き祈るわたしの声を聞いてください。
2あなたが悪に目を留められるなら、
3主よ、だれがあなたの前に立てよう。

7イスラエルよ、神により頼め、
神は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。
8神はすべての罪から、
イスラエルを救われる。

福音朗読

ヨハネ5・31-47

神はひとり子をお与えになるほど、世を愛してくださった。神を信じる人は永遠の命に生きる。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはユダヤ人たちに言われた。5・31「もし、わたしが自分自身について証しをするなら、その証しは真実ではない。32わたしについて証しをなさる方は別におられる。そして、その方がわたしについてなさる証しは真実であることを、わたしは知っている。33あなたたちはヨハネのもとへ人を送ったが、彼は真理について証しをした。34わたしは、人間による証しは受けない。しかし、あなたたちが救われるために、これらのことを言っておく。35ヨハネは、燃えて輝くともし火であった。あなたたちは、しばらくの間その光のもとで喜び楽しもうとした。36しかし、わたしにはヨハネの証しにまさる証しがある。父がわたしに成し遂げるようにお与えになった業、つまり、わたしが行っている業そのものが、父がわたしをお遣わしになったことを証ししている。37また、わたしをお遣わしになった父が、わたしについて証しをしてくださる。あなたたちは、まだ父のお声を聞いたこともなければ、お姿を見たこともない。38また、あなたたちは、自分の内に父のお言葉をとどめていない。父がお遣わしになった者を、あなたたちは信じないからである。39あなたたちは聖書の中に永遠の命があると考えて、聖書を研究している。ところが、聖書はわたしについて証しをするものだ。40それなのに、あなたたちは、命を得るためにわたしのところへ来ようとしない。

41わたしは、人からの誉れは受けない。42しかし、あなたたちの内には神への愛がないことを、わたしは知っている。43わたしは父の名によって来たのに、あなたたちはわたしを受け入れない。もし、ほかの人が自分の名によって来れば、あなたたちは受け入れる。44互いに相手からの誉れは受けるのに、唯一の神からの誉れは求めようとしないあなたたちには、どうして信じることができようか。45わたしが父にあなたたちを訴えるなどと、考えてはならない。あなたたちを訴えるのは、あなたたちが頼りにしているモーセなのだ。46あなたたちは、モーセを信じたのであれば、わたしをも信じたはずだ。モーセは、わたしについて書いているからである。47しかし、モーセの書いたことを信じないのであれば、どうしてわたしが語ることを信じることができようか。」

四旬節第4金曜日 3月15日(金) 四旬節

第一朗読

知恵2・1a、12-22

神を信じない者はこのように考える。

知恵の書

神を信じない者は2・1こう言い合うが、その考えは誤っている。
12「神に従う人は邪魔だから、だまして陥れよう。
我々のすることに反対し、
律法に背くといって我々をとがめ
教訓に反するといって非難するのだから。
13神に従う人は、神を知っていると公言し、
自らを主の僕と呼んでいる。
14彼らの存在は我々の考えをとがめだてる。
だから、見るだけで気が重くなる。
15その生き方が他の者とは異なり、
その行動も変わっているからだ。
16我々を偽り者と見なし、
汚れを避けるかのように我々の道を遠ざかる。
神に従う人の最期は幸せだと言い、
神が自分の父であると豪語する。
17それなら彼の言葉が真実かどうか見てやろう。
生涯の終わりに何が起こるかを確かめよう。
18本当に彼が神の子なら、助けてもらえるはずだ。
敵の手から救い出されるはずだ。
19暴力と責め苦を加えて彼を試してみよう。
その寛容ぶりを知るために、
悪への忍耐ぶりを試みるために。
20彼を不名誉な死に追いやろう。
彼の言葉どおりなら、神の助けがあるはずだ。」
21神を信じない者はこのように考える。だが、それは間違っている。
悪に目がくらんでいるのだ。
22彼らは神の奥深い御旨を知らず、
清い生活がもたらす報いを期待せず、
汚れない魂の受ける誉れをも認めない。

答唱詩編

詩編34・16+18、19+23

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編34

34・16主のまなざしは正しい人に、
耳は彼らの叫びに。
18主は正しい人の声を聞き、
悩みの中から救ってくださる。

19主はしいたげにあう者のそばにおられ、
失意の人を支え、
23主はそのしもべの魂をあがない、
より頼む人を滅びから救われる。

福音朗読

ヨハネ7・1-2、10、25-30

人はパンによるだけではなく、神の言葉によって生きている。

ヨハネによる福音

そのとき、7・1イエスはガリラヤを巡っておられた。ユダヤ人が殺そうとねらっていたので、ユダヤを巡ろうとは思われなかった。2ときに、ユダヤ人の仮庵祭が近づいていた。

10兄弟たちが祭りに上って行ったとき、イエス御自身も、人目を避け、隠れるようにして上って行かれた。

25さて、エルサレムの人々の中には次のように言う者たちがいた。「これは、人々が殺そうとねらっている者ではないか。26あんなに公然と話しているのに、何も言われない。議員たちは、この人がメシアだということを、本当に認めたのではなかろうか。27しかし、わたしたちは、この人がどこの出身かを知っている。メシアが来られるときは、どこから来られるのか、だれも知らないはずだ。」28すると、神殿の境内で教えていたイエスは、大声で言われた。「あなたたちはわたしのことを知っており、また、どこの出身かも知っている。わたしは自分勝手に来たのではない。わたしをお遣わしになった方は真実であるが、あなたたちはその方を知らない。29わたしはその方を知っている。わたしはその方のもとから来た者であり、その方がわたしをお遣わしになったのである。」30人々はイエスを捕らえようとしたが、手をかける者はいなかった。イエスの時はまだ来ていなかったからである。

四旬節第4土曜日 3月16日(土) 四旬節

第一朗読

エレミヤ11・18-20

主が知らせてくださったのでわたしは知った。

エレミヤの預言

11・18主が知らせてくださったので
わたしは知った。
彼らが何をしているのか見せてくださった。
19わたしは、飼いならされた小羊が
屠り場に引かれて行くように、何も知らなかった。
彼らはわたしに対して悪だくみをしていた。
「木をその実の盛りに滅ぼし
生ける者の地から絶とう。
彼の名が再び口にされることはない。」
20万軍の主よ
人のはらわたと心を究め
正義をもって裁かれる主よ。
わたしに見させてください
あなたが彼らに復讐されるのを。
わたしは訴えをあなたに打ち明け
お任せします。

答唱詩編

詩編56・2+3、4+10

わたしは神により頼み、そのみことばをたたえよう。

詩編56

56・2神よ、あわれみを注いでください。
わたしは昼も夜もしいたげられ、
3はむかう者がいつもわたしに襲いかかり、
逆らう者はあとをたたない。

4恐れにとらえられるとき、
わたしはあなたにより頼む。
10わたしはあなたに助けを求め、
神がともにおられることを知るようになる。

福音朗読

ヨハネ7・40-53

よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスの7・40言葉を聞いて、群衆の中には、「この人は、本当にあの預言者だ」と言う者や、41「この人はメシアだ」と言う者がいたが、このように言う者もいた。「メシアはガリラヤから出るだろうか。42メシアはダビデの子孫で、ダビデのいた村ベツレヘムから出ると、聖書に書いてあるではないか。」43こうして、イエスのことで群衆の間に対立が生じた。44その中にはイエスを捕らえようと思う者もいたが、手をかける者はなかった。

45さて、祭司長たちやファリサイ派の人々は、下役たちが戻って来たとき、「どうして、あの男を連れて来なかったのか」と言った。46下役たちは、「今まで、あの人のように話した人はいません」と答えた。47すると、ファリサイ派の人々は言った。「お前たちまでも惑わされたのか。48議員やファリサイ派の人々の中に、あの男を信じた者がいるだろうか。49だが、律法を知らないこの群衆は、呪われている。」50彼らの中の一人で、以前イエスを訪ねたことのあるニコデモが言った。51「我々の律法によれば、まず本人から事情を聞き、何をしたかを確かめたうえでなければ、判決を下してはならないことになっているではないか。」52彼らは答えて言った。「あなたもガリラヤ出身なのか。よく調べてみなさい。ガリラヤからは預言者の出ないことが分かる。」

53人々はおのおの家へ帰って行った。

四旬節第5主日 3月17日(日) 四旬節

第一朗読

エレミヤ31・31-34

わたしはイスラエルの家と新しい契約を結び、彼らの罪に心を留めることはない。

エレミヤの預言

31・31見よ、わたしがイスラエルの家、ユダの家と新しい契約を結ぶ日が来る、と主は言われる。32この契約は、かつてわたしが彼らの先祖の手を取ってエジプトの地から導き出したときに結んだものではない。わたしが彼らの主人であったにもかかわらず、彼らはこの契約を破った、と主は言われる。33しかし、来るべき日に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこれである、と主は言われる。すなわち、わたしの律法を彼らの胸の中に授け、彼らの心にそれを記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。34そのとき、人々は隣人どうし、兄弟どうし、「主を知れ」と言って教えることはない。彼らはすべて、小さい者も大きい者もわたしを知るからである、と主は言われる。わたしは彼らの悪を赦し、再び彼らの罪に心を留めることはない。

答唱詩編

詩編51・3+4、12+13、14+15

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・3神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、
豊かなあわれみによってわたしのとがをゆるしてください。
4悪に染まったわたしを洗い、
罪深いわたしを清めてください。

12神よ、わたしのうちに清い心を造り、
あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。
13わたしをあなたのもとから退けず、
聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

14救いの喜びをわたしに返し、
あなたのいぶきを送って、喜び仕える心を支えてください。
15わたしはあなたへの道を教えよう、
罪びとがあなたのもとに帰るように。

第二朗読

ヘブライ5・7-9

キリストは従順を学び、永遠の救いの源となられた。

ヘブライ人への手紙

5・7キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。9そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となりました。

福音朗読

ヨハネ12・20-33

わたしに仕えたい人はわたしに従いなさい。わたしがいる所にわたしに使える人もいる。

ヨハネによる福音

12・20さて、祭りのとき礼拝するためにエルサレムに上って来た人々の中に、何人かのギリシア人がいた。21彼らは、ガリラヤのベトサイダ出身のフィリポのもとへ来て、「お願いです。イエスにお目にかかりたいのです」と頼んだ。22フィリポは行ってアンデレに話し、アンデレとフィリポは行って、イエスに話した。23イエスはこうお答えになった。「人の子が栄光を受ける時が来た。24はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。25自分の命を愛する者は、それを失うが、この世で自分の命を憎む人は、それを保って永遠の命に至る。26わたしに仕えようとする者は、わたしに従え。そうすれば、わたしのいるところに、わたしに仕える者もいることになる。わたしに仕える者がいれば、父はその人を大切にしてくださる。

27今、わたしは心騒ぐ。何と言おうか。『父よ、わたしをこの時から救ってください』と言おうか。しかし、わたしはまさにこの時のために来たのだ。28父よ、御名の栄光を現してください。」すると、天から声が聞こえた。「わたしは既に栄光を現した。再び栄光を現そう。」29そばにいた群衆は、これを聞いて、「雷が鳴った」と言い、ほかの者たちは「天使がこの人に話しかけたのだ」と言った。30イエスは答えて言われた。「この声が聞こえたのは、わたしのためではなく、あなたがたのためだ。31今こそ、この世が裁かれる時。今、この世の支配者が追放される。32わたしは地上から上げられるとき、すべての人を自分のもとへ引き寄せよう。」

33イエスは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、こう言われたのである。

四旬節第5月曜日 3月18日(月) 四旬節

第一朗読

ダニエル補遺・スザンナ1-9、15-17、19-30、33-62(長い形)

永遠の神、隠されたことを知り、あらゆることをその起こる前から知っておられる方よ。

ダニエルの預言

1バビロンにヨアキムという男が住んでいた。2男は妻をめとった。ケルキアの娘で、名をスザンナといい、大層美しく、主を畏れるひとであった。3また、彼女の両親も正しい人で、自分たちの娘をモーセの律法に従って教育した。4夫ヨアキムは、大変裕福で、その家の隣に美しい庭園を持っていた。ヨアキムは、この上なく評判の良い人であったので、ユダヤ人たちはよく彼の所に集まった。5さて、その年、民の中から裁判官として二人の長老が選ばれた。「バビロンで、民を治めるはずの裁判官である長老から不法が始まった」と主が語られたのは、この二人についてである。6二人はいつもヨアキムの家に詰めており、裁きを求める人々は皆、彼らのもとにやって来た。7正午になり人々が立ち去ると、スザンナは、夫の庭園に入り散策するのが常であった。8二人の長老は、彼女が毎日庭に入り散策するのを見て、彼女に欲情を抱くようになった。9二人は理性を失い、天から目を背けて仰ぎ見ることもせず、正しい裁きに心を用いることもしなくなった。

15彼らが、折をうかがっていると、彼女がいつものように侍女二人だけを伴って庭に出て来たが、非常に暑い日であったので、水浴びをしようと思った。16そこには、隠れてのぞいている二人の長老のほかは、だれもいなかった。17スザンナは侍女に、「オリーブ油と香油を持って来なさい。水浴びをしますから庭園の戸は閉めておきなさい」と言った。

19侍女たちが出て行くと、二人の長老は立ち上がり、スザンナのもとに走り寄った。20彼らは言った。「ごらん。庭園の戸は閉じている。だれも見ていません。わたしたちは、あなたが欲しくてたまりません。言うことを聞いて身を任せなさい。21さもなければ、わたしたちは、『あなたが、若い男と一緒にいたので、侍女たちを下がらせたのだ』と証言します。」22そこで、スザンナは嘆息して言った。「わたしには逃げ道がありません。もし身を任せれば、わたしは死を免れません。もしそうしなければ、今度はあなたたちの罠にかかることになります。23そんなことをして主の前に罪を犯すよりは、あなたたちの罠にかかる方がましです。」24こう言って、スザンナは大声で叫びたてた。すると二人の長老も彼女に負けじと叫びたて、25一人が走って行き、庭園の戸を開け放った。26庭園の叫び声を聞きつけて、家の者たちは彼女の身に何事が起きたのかと、わきの戸口から駆け込んで来た。27そこで、長老たちは自分らの作り話をしたが、召し使いたちは非常に恥ずかしい思いでこれを聞いた。そのようなことは、スザンナについて言われたことがなかったからである。28翌日、人々が彼女の夫ヨアキムの家に集まったとき、二人の長老らもやって来た。二人は、スザンナを死罪に定めようというよこしまな考えを抱いていたのである。人々を前にして彼らは言った。29「ケルキアの娘、ヨアキムの妻スザンナを呼んで来なさい。」人々は彼女を呼びにやった。30スザンナは、両親や子供たち、それに親族の者たち皆と一緒にやって来た。

33彼女の身内の者も、見ていた人たちも皆泣いた。34二人の長老は、人々の中央に立ち、彼女の頭に手を置いた。35彼女は泣きながら天を仰いだ。心から主を信頼していたからである。36長老は言った。「我々が庭園を歩いておりますと、この女が二人のはしためを伴って入って来て、庭園の戸を閉め、彼女らを下がらせました。37すると、隠れていた一人の若者が彼女に近づき、彼女と一緒に横たわりました。38我々は庭園の片隅にいたのですが、このよこしまな行為を見て、彼らの方に走って行きました。39我々は、二人が情を交わしているのを見ましたが、その男を取り押さえることはできませんでした。彼は我々より力が強く、戸を開けて逃げてしまったのです。40そこで、我々はこの女を捕らえて、あの若者がだれかと問いただしましたが、41答えようとしませんでした。我々は、この事実を証言します。」集まっていた人々は、二人が民の長老であり、裁判官であるゆえに、その言葉を信じ、彼女を死罪に定めた。42すると、スザンナは、大声で叫んだ。「ああ、永遠の神、隠されたことを知り、あらゆることをその起こる前から知っておられる方よ。43彼らがわたしについて偽証したことをあなたはご存じです。御覧ください。この人たちが悪意をもって作り上げたことをわたしは何一つしませんでした。それなのに死なねばなりません。」44主は彼女の声を聞かれた。45彼女が処刑のために引かれて行くとき、神はダニエルという若者の内にある、聖なる霊を呼び覚まされた。46彼は大声で、「わたしは、この婦人の血について責任はない」と叫んだ。47それで、人々は皆、ダニエルの方を向いて、「あなたが言ったことは、いったい、どういうことなのか」と言った。48ダニエルは人々の真ん中に立って言った。「イスラエルの子らよ、あなたがたは、それほど愚かなのですか。究明もせず、真実も知らずに、イスラエルの娘を断罪するのですか。49もう一度、裁きの場に戻りなさい。なぜならこの二人は彼女について偽証したからです。」50そこで、人々は皆、急いで戻った。ほかの長老たちはダニエルに言った。「こちらへ来て我々の真ん中に座りなさい。そしてわたしたちにはっきり言いなさい。神があなたに長老の特権を与えられたのだから。」51ダニエルは彼らに言った。「あの二人を遠く引き離してください。わたしが審問いたします。」52それで、二人が別々に引き離されると、ダニエルはそのうちの一人を呼んで言った。「悪の日々を重ねてきた老いぼれよ、今や、あなたが過去に犯した罪の報いがやってきた。53主が、『罪なき人、正しい人を殺してはならない』と言っておられるにもかかわらず、あなたは不正な裁きを行い、罪なき人を断罪し、責めある者を見逃した。54あなたが彼女を見たと言うのなら言っていただきましょう。二人が一緒にいたのはどんな木の下でしたか。」それで彼は、「乳香樹の下だ」と答えた。55ダニエルは言った。「まさしくあなたは致命的な偽証をしたのだ。今や、神の使いが、神の判決を受け取り、あなたを二つに裂く。」56次にダニエルは彼を去らせ、他の一人を連れて来るよう命じた。ダニエルは彼に言った。「カナンの末裔よ、あなたはユダ族の子孫である資格はない。あなたは美貌に目がくらみ、欲情に心を迷わせた。57あなたたちはいつもこのように、イスラエルの娘たちにしていたのだ。彼女らは恐ろしさのあまりあなたたちに身を任せた。しかし、ユダの娘の中に一人、あなたたちのよこしまなふるまいに、屈服しなかった者がいる。58さて、わたしに答えていただきましょう。二人が一緒のところをあなたが捕らえたのは、どんな木の下でしたか。」彼は、「かしわの木の下だ」と答えた。59ダニエルは言った。「まさしくあなたも致命的な偽証をした。神の使いが剣を持ち、あなたを真っ二つに切り裂こうと待ち構え、あなたたちを討ち滅ぼす。」60すると全会衆は大声で叫び、神を、すなわち御自分に望みを置く人々を救われる神を賛美した。61人々は二人の長老に対して立ち上がった。なぜなら、彼らが偽証人であったことをダニエルが彼ら自身の証言によって明らかにしたからである。人々は二人がその隣人を陥れようとしたのと同じことを彼らに対して行った。62すなわちモーセの律法に従って二人を死刑に処したのである。こうしてこの日、無実の人の血が流されずにすんだ。

答唱詩編

詩編23・2+3、4

主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。

詩編23

23・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、
いこいの水辺に伴われる。
3神はわたしを生き返らせ、
いつくしみによって正しい道に導かれる。

4たとえ死の陰の谷を歩んでも、
わたしはわざわいを恐れない。
あなたがわたしとともにおられ、
その鞭と杖はわたしを守る。

福音朗読

ヨハネ8・1-11

悪を行う人が死ぬことなく、神に立ち戻って生きることを神は望んでおられる。

ヨハネによる福音

そのとき、8・1イエスはオリーブ山へ行かれた。2朝早く、再び神殿の境内に入られると、民衆が皆、御自分のところにやって来たので、座って教え始められた。3そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、真ん中に立たせ、4イエスに言った。「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。5こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。」6イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。7しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」8そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。9これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。10イエスは、身を起こして言われた。「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」11女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」

聖ヨセフ 3月19日(火) 聖人の記念

第一朗読

サムエル下7・4-5a、12-14a、16

神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。

サムエル記

7・4その夜、ナタンに臨んだ主の言葉は次のとおりであった。

5a「わたしの僕ダビデのもとに行って告げよ。主はこう言われる。

12あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。13この者がわたしの名のために家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえに堅く据える。14わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。16あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。」

答唱詩編

詩編89・29+35、37+38

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編89

89・29わたしのいつくしみは永遠に変わることなく、
わたしの結んだ契約はとこしえに保たれる。
35わたしは契約を破らず、
約束したことばを変えない。

37ダビドの子孫はとこしえに続き、
その王座は太陽のようにわたしの前にある。
38大空を見まもる月のように
その王座はとこしえに続く。

第二朗読

ローマ4・13、16-18、22

彼は希望するすべもなかったときに、なおも望みを抱いて、信じた。

使徒パウロのローマの教会への手紙

皆さん、4・13神はアブラハムやその子孫に世界を受け継がせることを約束されたが、その約束は、律法に基づいてではなく、信仰による義に基づいてなされたのです。

16従って、信仰によってこそ世界を受け継ぐ者となるのです。恵みによって、アブラハムのすべての子孫、つまり、単に律法に頼る者だけでなく、彼の信仰に従う者も、確実に約束にあずかれるのです。彼はわたしたちすべての父です。17「わたしはあなたを多くの民の父と定めた」と書いてあるとおりです。死者に命を与え、存在していないものを呼び出して存在させる神を、アブラハムは信じ、その御前でわたしたちの父となったのです。18彼は希望するすべもなかったときに、なおも望みを抱いて、信じ、「あなたの子孫はこのようになる」と言われていたとおりに、多くの民の父となりました。22だからまた、それが彼の義と認められたわけです。

福音朗読

マタイ1・16、18-21、24a

幸せな人、あなたの家を住まいとし、絶えずあなたをたたえる人。

マタイによる福音

1・16ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。

18イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。19夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。20このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」24ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおりにした。

または

ルカ2・41-51a

幸せな人、あなたの家を住まいとし、絶えずあなたをたたえる人。

ルカによる福音

2・41イエスの両親は過越祭には毎年エルサレムへ旅をした。42イエスが十二歳になったときも、両親は祭りの慣習に従って都に上った。43祭りの期間が終わって帰路についたとき、少年イエスはエルサレムに残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。44イエスが道連れの中にいるものと思い、一日分の道のりを行ってしまい、それから、親類や知人の間を捜し回ったが、45見つからなかったので、捜しながらエルサレムに引き返した。46三日の後、イエスが神殿の境内で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。47聞いている人は皆、イエスの賢い受け答えに驚いていた。48両親はイエスを見て驚き、母が言った。「なぜこんなことをしてくれたのです。御覧なさい。お父さんもわたしも心配して捜していたのです。」49すると、イエスは言われた。「どうしてわたしを捜したのですか。わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか。」50しかし、両親にはイエスの言葉の意味が分からなかった。51aそれから、イエスは一緒に下って行き、ナザレに帰り、両親に仕えてお暮らしになった。

四旬節第5水曜日 3月20日(水) 四旬節

第一朗読

ダニエル3・14-20、24-25、28

お前たちがわたしの神に仕えず、わたしの建てた金の像を拝まないというのは本当か。

ダニエルの預言

その日、ネブカドネツァル王は言った。3・14「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、お前たちがわたしの神に仕えず、わたしの建てた金の像を拝まないというのは本当か。15今、角笛、横笛、六絃琴、竪琴、十三絃琴、風琴などあらゆる楽器の音楽が聞こえると同時にひれ伏し、わたしの建てた金の像を拝むつもりでいるなら、それでよい。もしも拝まないなら、直ちに燃え盛る炉に投げ込ませる。お前たちをわたしの手から救い出す神があろうか。」

16シャドラク、メシャク、アベド・ネゴはネブカドネツァル王に答えた。

「このお定めにつきまして、お答えする必要はございません。17わたしたちのお仕えする神は、その燃え盛る炉や王様の手からわたしたちを救うことができますし、必ず救ってくださいます。18そうでなくとも、御承知ください。わたしたちは王様の神々に仕えることも、お建てになった金の像を拝むことも、決していたしません。」

19ネブカドネツァル王はシャドラク、メシャク、アベド・ネゴに対して血相を変えて怒り、炉をいつもの七倍も熱く燃やすように命じた。20そして兵士の中でも特に強い者に命じて、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴを縛り上げ、燃え盛る炉に投げ込ませた。

24間もなく王は驚きの色を見せ、急に立ち上がり、側近たちに尋ねた。

「あの三人の男は、縛ったまま炉に投げ込んだはずではなかったか。」

彼らは答えた。

「王様、そのとおりでございます。」

25王は言った。

「だが、わたしには四人の者が火の中を自由に歩いているのが見える。そして何の害も受けていない。それに四人目の者は神の子のような姿をしている。」

28ネブカドネツァル王は言った。

「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をたたえよ。彼らは王の命令に背き、体を犠牲にしても自分の神に依り頼み、自分の神以外にはいかなる神にも仕えず、拝もうともしなかったので、この僕たちを、神は御使いを送って救われた。」

答唱詩編

ダニエル補遺・アザルヤ29、30+32

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

ダニエル補遺・アザルヤ

29わたしたちの先祖の神である主よ、あなたに賛美。
あなたは代々にたたえられ、あがめられる。
あなたの栄光の聖なる名に賛美。
その名は代々にたたえられ、あがめられる。

30あなたの栄光、聖なる神殿の中であなたに賛美。
すべてにまさりあなたは代々にたたえられ、あがめられる。
32玉座におられるあなたに賛美。
すべてにまさりあなたは代々にたたえられ、あがめられる。

福音朗読

ヨハネ8・31-42

よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。

ヨハネによる福音

そのとき、8・31イエスは、御自分を信じたユダヤ人たちに言われた。「わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本当にわたしの弟子である。32あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。」33すると、彼らは言った。「わたしたちはアブラハムの子孫です。今までだれかの奴隷になったことはありません。『あなたたちは自由になる』とどうして言われるのですか。」34イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。罪を犯す者はだれでも罪の奴隷である。35奴隷は家にいつまでもいるわけにはいかないが、子はいつまでもいる。36だから、もし子があなたたちを自由にすれば、あなたたちは本当に自由になる。37あなたたちがアブラハムの子孫だということは、分かっている。だが、あなたたちはわたしを殺そうとしている。わたしの言葉を受け入れないからである。38わたしは父のもとで見たことを話している。ところが、あなたたちは父から聞いたことを行っている。」

39彼らが答えて、「わたしたちの父はアブラハムです」と言うと、イエスは言われた。「アブラハムの子なら、アブラハムと同じ業をするはずだ。40ところが、今、あなたたちは、神から聞いた真理をあなたたちに語っているこのわたしを、殺そうとしている。アブラハムはそんなことはしなかった。41あなたたちは、自分の父と同じ業をしている。」そこで彼らが、「わたしたちは姦淫によって生まれたのではありません。わたしたちにはただひとりの父がいます。それは神です」と言うと、42イエスは言われた。「神があなたたちの父であれば、あなたたちはわたしを愛するはずである。なぜなら、わたしは神のもとから来て、ここにいるからだ。わたしは自分勝手に来たのではなく、神がわたしをお遣わしになったのである。」

四旬節第5木曜日 3月21日(木) 四旬節

第一朗読

創世記17・3-9

あなたは、もはやアブラムではなく、アブラハムと名乗りなさい。

創世記

その日、神は、ひれ伏しているアブラハムに17・3語りかけて言われた。

4「これがあなたと結ぶわたしの契約である。あなたは多くの国民の父となる。5あなたは、もはやアブラムではなく、アブラハムと名乗りなさい。あなたを多くの国民の父とするからである。

6わたしは、あなたをますます繁栄させ、諸国民の父とする。王となる者たちがあなたから出るであろう。7わたしは、あなたとの間に、また後に続く子孫との間に契約を立て、それを永遠の契約とする。そして、あなたとあなたの子孫の神となる。8わたしは、あなたが滞在しているこのカナンのすべての土地を、あなたとその子孫に、永久の所有地として与える。わたしは彼らの神となる。」

9神はまた、アブラハムに言われた。
「だからあなたも、わたしの契約を守りなさい、
あなたも後に続く子孫も。」

答唱詩編

詩編105・3b+4+5、6+7+8a+10b

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編105

105・3b神を捜し求める者よ、心から喜べ。
4神にその力を求め、いつもその顔を慕い求めよ。
5神が行われた不思議なわざを思い起こせ、
救いのしるしとさばきのことばを。

6神のしもべ、選ばれた者よ、
7神のさばきは世界に及ぶ。
8a神は契約をとこしえに守られる。
10bイスラエルのための永遠の契約。

福音朗読

ヨハネ8・51-59

神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはユダヤ人たちに言われた。8・51「はっきり言っておく。わたしの言葉を守るなら、その人は決して死ぬことがない。」52ユダヤ人たちは言った。「あなたが悪霊に取りつかれていることが、今はっきりした。アブラハムは死んだし、預言者たちも死んだ。ところが、あなたは、『わたしの言葉を守るなら、その人は決して死を味わうことがない』と言う。53わたしたちの父アブラハムよりも、あなたは偉大なのか。彼は死んだではないか。預言者たちも死んだ。いったい、あなたは自分を何者だと思っているのか。」54イエスはお答えになった。「わたしが自分自身のために栄光を求めようとしているのであれば、わたしの栄光はむなしい。わたしに栄光を与えてくださるのはわたしの父であって、あなたたちはこの方について、『我々の神だ』と言っている。55あなたたちはその方を知らないが、わたしは知っている。わたしがその方を知らないと言えば、あなたたちと同じくわたしも偽り者になる。しかし、わたしはその方を知っており、その言葉を守っている。56あなたたちの父アブラハムは、わたしの日を見るのを楽しみにしていた。そして、それを見て、喜んだのである。」57ユダヤ人たちが、「あなたは、まだ五十歳にもならないのに、アブラハムを見たのか」と言うと、58イエスは言われた。「はっきり言っておく。アブラハムが生まれる前から、『わたしはある。』」59すると、ユダヤ人たちは、石を取り上げ、イエスに投げつけようとした。しかし、イエスは身を隠して、神殿の境内から出て行かれた。

四旬節第5金曜日 3月22日(金) 四旬節

第一朗読

エレミヤ20・10-13

主に向かって歌い、主を賛美せよ。

エレミヤの預言

20・10わたしには聞こえています
多くの人の非難が。
「恐怖が四方から迫る」と彼らは言う。
「共に彼を弾劾しよう」と。
わたしの味方だった者も皆
わたしがつまずくのを待ち構えている。
「彼は惑わされて
我々は勝つことができる。
彼に復讐してやろう」と。

11しかし主は、恐るべき勇士として
わたしと共にいます。
それゆえ、わたしを迫害する者はつまずき
勝つことを得ず、成功することなく甚だしく辱めを受ける。
それは忘れられることのないとこしえの恥辱である。
12万軍の主よ
正義をもって人のはらわたと心を究め見抜かれる方よ。
わたしに見させてください
あなたが彼らに復讐されるのを。
わたしの訴えをあなたに打ち明け
お任せします。

13主に向かって歌い、主を賛美せよ。
主は貧しい人の魂を悪事を謀る者の手から助け出される。

答唱詩編

詩編18・3、33+37

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編18

18・3神はわたしのとりで、わたしの岩、
わたしの救い、身を避ける岩、
私の神、わたしのたて、
わたしのやぐら、救いの力。

33神はわたしに力を与え、
わたしの道を正しくされる。
37あなたはわたしの歩く道を広くされ、
わたしの歩みはゆるがない。

福音朗読

ヨハネ10・31-42

主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。

ヨハネによる福音

そのとき、10・31ユダヤ人たちは、イエスを石で打ち殺そうとして、また石を取り上げた。32すると、イエスは言われた。「わたしは、父が与えてくださった多くの善い業をあなたたちに示した。その中のどの業のために、石で打ち殺そうとするのか。」33ユダヤ人たちは答えた。「善い業のことで、石で打ち殺すのではない。神を冒涜したからだ。あなたは、人間なのに、自分を神としているからだ。」34そこで、イエスは言われた。「あなたたちの律法に、『わたしは言う。あなたたちは神々である』と書いてあるではないか。35神の言葉を受けた人たちが、『神々』と言われている。そして、聖書が廃れることはありえない。36それなら、父から聖なる者とされて世に遣わされたわたしが、『わたしは神の子である』と言ったからとて、どうして『神を冒涜している』と言うのか。37もし、わたしが父の業を行っていないのであれば、わたしを信じなくてもよい。38しかし、行っているのであれば、わたしを信じなくても、その業を信じなさい。そうすれば、父がわたしの内におられ、わたしが父の内にいることを、あなたたちは知り、また悟るだろう。」39そこで、ユダヤ人たちはまたイエスを捕らえようとしたが、イエスは彼らの手を逃れて、去って行かれた。

40イエスは、再びヨルダンの向こう側、ヨハネが最初に洗礼を授けていた所に行って、そこに滞在された。41多くの人がイエスのもとに来て言った。「ヨハネは何のしるしも行わなかったが、彼がこの方について話したことは、すべて本当だった。」42そこでは、多くの人がイエスを信じた。

四旬節第5土曜日 3月23日(土) 四旬節

第一朗読

エゼキエル37・21-28

わたしがイスラエルを聖別する主であることを知るようになる。

エゼキエル預言

37・21主なる神はこう言われる。「わたしはイスラエルの子らを、彼らが行っていた国々の中から取り、周囲から集め、彼らの土地に連れて行く。22わたしはわたしの地、イスラエルの山々で彼らを一つの国とする。一人の王が彼らすべての王となる。彼らは二度と二つの国となることなく、二度と二つの王国に分かれることはない。23彼らは二度と彼らの偶像や憎むべきもの、もろもろの背きによって汚されることはない。わたしは、彼らが過ちを犯したすべての背信から彼らを救い清める。そして、彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。24わたしの僕ダビデは彼らの王となり、一人の牧者が彼らすべての牧者となる。彼らはわたしの裁きに従って歩み、わたしの掟を守り行う。25彼らはわたしがわが僕ヤコブに与えた土地に住む。そこはお前たちの先祖が住んだ土地である。彼らも、その子らも、孫たちも、皆、永遠に至るまでそこに住む。そして、わが僕ダビデが永遠に彼らの支配者となる。26わたしは彼らと平和の契約を結ぶ。それは彼らとの永遠の契約となる。わたしは彼らの住居を定め、彼らを増し加える。わたしはまた、永遠に彼らの真ん中にわたしの聖所を置く。27わたしの住まいは彼らと共にあり、わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。28わたしの聖所が永遠に彼らの真ん中に置かれるとき、諸国民は、わたしがイスラエルを聖別する主であることを知るようになる。」

答唱詩編

詩編65・5、6

われらはシオンで神をたたえ、豊かな恵みを喜びうたう。

詩編65

65・5あなたの庭に住むように選ばれ、
招かれた人はしあわせ。
わたしたちはあふれる恵みに潤される、
あなたの家、神殿の中で。

6わたしたちの救い、わたしたちの神よ、
あなたは地の果ての望み、遠い島々の希望。
わたしたちに答えて救いを現し、
驚くべきしるしを行われる。

福音朗読

ヨハネ11・45-56

わたしにはむかう心を捨てて、新しい霊と心を身につけよ。

ヨハネによる福音

そのとき、11・45マリアのところに来て、イエスのなさったことを目撃したユダヤ人の多くは、イエスを信じた。46しかし、中には、ファリサイ派の人々のもとへ行き、イエスのなさったことを告げる者もいた。47そこで、祭司長たちとファリサイ派の人々は最高法院を召集して言った。「この男は多くのしるしを行っているが、どうすればよいか。48このままにしておけば、皆が彼を信じるようになる。そして、ローマ人が来て、我々の神殿も国民も滅ぼしてしまうだろう。」49彼らの中の一人で、その年の大祭司であったカイアファが言った。「あなたがたは何も分かっていない。50一人の人間が民の代わりに死に、国民全体が滅びないで済む方が、あなたがたに好都合だとは考えないのか。」51これは、カイアファが自分の考えから話したのではない。その年の大祭司であったので預言して、イエスが国民のために死ぬ、と言ったのである。52国民のためばかりでなく、散らされている神の子たちを一つに集めるためにも死ぬ、と言ったのである。53この日から、彼らはイエスを殺そうとたくらんだ。

54それで、イエスはもはや公然とユダヤ人たちの間を歩くことはなく、そこを去り、荒れ野に近い地方のエフライムという町に行き、弟子たちとそこに滞在された。

55さて、ユダヤ人の過越祭が近づいた。多くの人が身を清めるために、過越祭の前に地方からエルサレムへ上った。56彼らはイエスを捜し、神殿の境内で互いに言った。「どう思うか。あの人はこの祭りには来ないのだろうか。」

受難の主日[枝の主日] 3月24日(日) 四旬節

入城の福音

マルコ11・1-10

主の名によって来られる方に、祝福があるように。

マルコによる福音

11・1一行がエルサレムに近づいて、オリーブ山のふもとにあるベトファゲとベタニアにさしかかったとき、イエスは二人の弟子を使いに出そうとして、2言われた。「向こうの村へ行きなさい。村に入るとすぐ、まだだれも乗ったことのない子ろばのつないであるのが見つかる。それをほどいて、連れて来なさい。3もし、だれかが、『なぜ、そんなことをするのか』と言ったら、『主がお入り用なのです。すぐここにお返しになります』と言いなさい。」4二人は、出かけて行くと、表通りの戸口に子ろばのつないであるのを見つけたので、それをほどいた。5すると、そこに居合わせたある人々が、「その子ろばをほどいてどうするのか」と言った。6二人が、イエスの言われたとおり話すと、許してくれた。7二人が子ろばを連れてイエスのところに戻って来て、その上に自分の服をかけると、イエスはそれにお乗りになった。8多くの人が自分の服を道に敷き、また、ほかの人々は野原から葉の付いた枝を切って来て道に敷いた。9そして、前を行く者も後に従う者も叫んだ。「ホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。10我らの父ダビデの来るべき国に、祝福があるように。いと高きところにホサナ。」

第一朗読

イザヤ50・4-7

わたしは顔を隠さずに、嘲りを受けた。しかしわたしは知っている。わたしが辱められることはない、と。

イザヤの預言

50・4主なる神は、弟子としての舌をわたしに与え
疲れた人を励ますように
言葉を呼び覚ましてくださる。
朝ごとにわたしの耳を呼び覚まし
弟子として聞き従うようにしてくださる。
5主なる神はわたしの耳を開かれた。
わたしは逆らわず、退かなかった。
6打とうとする者には背中をまかせ
ひげを抜こうとする者には頬をまかせた。
顔を隠さずに、嘲りと唾を受けた。
7主なる神が助けてくださるから、
わたしはそれを嘲りとは思わない。
わたしは顔を硬い石のようにする。
わたしは知っている
わたしが辱められることはない、と。

答唱詩編

詩編22・8+9、17+18、19+20、23+24

わたしの神、わたしの神、どうしてわたしを見捨てられるのか。

詩編22

22・8わたしを見る者はみなあざ笑い、
わたしをののしって言う。
9「彼は神を頼みとした。神が救いに来ればよい。
神がかれを心にかけているのなら、救い出せばよい。」

17犬がわたしを取り囲み、
悪を行う者の群れが迫り、わたしの手足を引き裂いた。
18わたしはさらしものにされ、
かれらはわたしを見つめる。

19彼らはわたしの衣を分け合い、
着物をくじ引きにした。
20神よ、わたしから遠くはなれず、
急いで助けに来てください。

23わたしはあなたの名を兄弟に告げ、
その集いの中であなたをたたえる。
24神をおそれる者は神をたたえ、ヤコブの子孫はみな神をほめよ。
イスラエルの子孫はみな神をおそれよ。

第二朗読

フィリピ2・6-11

キリストはへりくだった。このため神はキリストを高く上げた。

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

2・6イエス・キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、7かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、8へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。9このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。10こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、11すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。

受難の朗読

マルコ15・1-39

「キリストは人間の姿で」

マルコによる主イエス・キリストの受難

C 15・1夜が明けるとすぐ、祭司長たちは、長老や律法学者たちと共に、つまり最高法院全体で相談した後、イエスを縛って引いて行き、ピラトに渡した。2ピラトはイエスに尋問した。

A 「お前がユダヤ人の王なのか。」

C イエスは答えられた。

十 「それは、あなたが言っていることです。」

C 3そこで祭司長たちが、いろいろとイエスを訴えた。4ピラトが再び尋問した。

A 「何も答えないのか。彼らがあのようにお前を訴えているのに。」

C 5しかし、イエスがもはや何もお答えにならなかったので、ピラトは不思議に思った。6ところで、祭りの度ごとに、ピラトは人々が願い出る囚人を一人釈放していた。7さて、暴動のとき人殺しをして投獄されていた暴徒たちの中に、バラバという男がいた。8群衆が押しかけて来て、いつものようにしてほしいと要求し始めた。9そこで、ピラトは言った。

A 「あのユダヤ人の王を釈放してほしいのか。」

C 10祭司長たちがイエスを引き渡したのは、ねたみのためだと分かっていたからである。11祭司長たちは、バラバの方を釈放してもらうように群衆を扇動した。12そこで、ピラトは改めて言った。

A 「それでは、ユダヤ人の王とお前たちが言っているあの者は、どうしてほしいのか。」

C 13群衆はまた叫んだ。

S 「十字架につけろ。」

C 14ピラトは言った。

A 「いったいどんな悪事を働いたというのか。」

C 群衆はますます激しく叫び立てた。

S 「十字架につけろ。」

C 15ピラトは群衆を満足させようと思って、バラバを釈放した。そして、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。16兵士たちは、官邸、すなわち総督官邸の中に、イエスを引いて行き、部隊の全員を呼び集めた。17そして、イエスに紫の服を着せ、茨の冠を編んでかぶらせ、

A 18「ユダヤ人の王、万歳」

C と言って敬礼し始めた。19また何度も、葦の棒で頭をたたき、唾を吐きかけ、ひざまずいて拝んだりした。20このようにイエスを侮辱したあげく、紫の服を脱がせて元の服を着せた。そして、十字架につけるために外へ引き出した。21そこへ、アレクサンドロとルフォスとの父でシモンというキレネ人が、田舎から出て来て通りかかったので、兵士たちはイエスの十字架を無理に担がせた。22そして、イエスをゴルゴタという所その意味は「されこうべの場所」に連れて行った。23没薬を混ぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはお受けにならなかった。24それから、兵士たちはイエスを十字架につけて、その服を分け合った、だれが何を取るかをくじ引きで決めてから。25イエスを十字架につけたのは、午前九時であった。26罪状書きには、「ユダヤ人の王」と書いてあった。27また、イエスと一緒に二人の強盗を、一人は右にもう一人は左に、十字架につけた。28-29そこを通りかかった人々は、頭を振りながらイエスをののしって言った。

A 「おやおや、神殿を打ち倒し、三日で建てる者、30十字架から降りて自分を救ってみろ。」

C 31同じように、祭司長たちも律法学者たちと一緒になって、代わる代わるイエスを侮辱して言った。

A 「他人は救ったのに、自分は救えない。32メシア、イスラエルの王、今すぐ十字架から降りるがいい。それを見たら、信じてやろう。」

C 一緒に十字架につけられた者たちも、イエスをののしった。33昼の十二時になると、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。34三時にイエスは大声で叫ばれた。

十 「エロイ、工ロイ、レマ、サバクタニ。」

C これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。35そばに居合わせた人々のうちには、これを聞いて、

A 「そら、エリヤを呼んでいる」

C と言う者がいた。36ある者が走り寄り、海綿に酸いぶどう酒を含ませて葦の棒に付け、

A 「待て、エリヤが彼を降ろしに来るかどうか、見ていよう」

C と言いながら、イエスに飲ませようとした。37しかし、イエスは大声を出して息を引き取られた。

38すると、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂けた。39百人隊長がイエスの方を向いて、そばに立っていた。そして、イエスがこのように息を引き取られたのを見て言った。

A 「本当に、この人は神の子だった。」

受難の月曜日 3月25日(月) 四旬節

第一朗読

イザヤ42・1-7

主であるわたしは、恵みをもってあなたを呼び、あなたの手を取った。

イザヤの預言

42・1見よ、わたしの僕、わたしが支える者を。
わたしが選び、喜び迎える者を。
彼の上にわたしの霊は置かれ
彼は国々の裁きを導き出す。
2彼は叫ばず、呼ばわらず、声を巷に響かせない。
3傷ついた葦を折ることなく
暗くなってゆく灯心を消すことなく
裁きを導き出して、確かなものとする。
4暗くなることも、傷つき果てることもない
この地に裁きを置くときまでは。
島々は彼の教えを待ち望む。

5主である神はこう言われる。
神は天を創造して、これを広げ
地とそこに生ずるものを繰り広げ
その上に住む人々に息を与え
そこを歩く者に霊を与えられる。
6主であるわたしは、恵みをもってあなたを呼び
あなたの手を取った。
民の契約、諸国の光として
あなたを形づくり、あなたを立てた。
7見ることのできない目を開き
捕らわれ人をその枷から
闇に住む人をその牢獄から救い出すために。

答唱詩編

詩編27・1、13+14

神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。

詩編27

27・1神はわたしの光、わたしの救い、
わたしはだれもおそれない。
神はわたしのいのちの砦、
わたしはだれをはばかろう。

13神に生きる人々の中で
わたしは神の美しさを仰ぎ見る。
14神を待ち望め、
強く、たくましく、神を待ち望め。

福音朗読

ヨハネ12・1-11

わたしたちの王である主よ、わたしたちの過ちをあわれんでくださったのはあなただけです。

ヨハネによる福音

12・1過越祭の六日前に、イエスはベタニアに行かれた。そこには、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロがいた。2イエスのためにそこで夕食が用意され、マルタは給仕をしていた。ラザロは、イエスと共に食事の席に着いた人々の中にいた。3そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった。4弟子の一人で、後にイエスを裏切るイスカリオテのユダが言った。5「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さなかったのか。」6彼がこう言ったのは、貧しい人々のことを心にかけていたからではない。彼は盗人であって、金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたからである。7イエスは言われた。「この人のするままにさせておきなさい。わたしの葬りの日のために、それを取って置いたのだから。8貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。」

9イエスがそこにおられるのを知って、ユダヤ人の大群衆がやって来た。それはイエスだけが目当てではなく、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロを見るためでもあった。10祭司長たちはラザロをも殺そうと謀った。11多くのユダヤ人がラザロのことで離れて行って、イエスを信じるようになったからである。

受難の火曜日 3月26日(火) 四旬節

第一朗読

イザヤ49・1-6

わたしはあなたを国々の光とする。

イザヤの預言

49・1島々よ、わたしに聞け
遠い国々よ、耳を傾けよ。
主は母の胎にあるわたしを呼び
母の腹にあるわたしの名を呼ばれた。
2わたしの口を鋭い剣として御手の陰に置き
わたしを尖らせた矢として矢筒の中に隠して
3わたしに言われた
あなたはわたしの僕、イスラエル
あなたによってわたしの輝きは現れる、と。
4わたしは思った
わたしはいたずらに骨折り
うつろに、空しく、力を使い果たした、と。
しかし、わたしを裁いてくださるのは主であり
働きに報いてくださるのもわたしの神である。
5主の御目にわたしは重んじられている。
わたしの神こそ、わたしの力。
今や、主は言われる。
ヤコブを御もとに立ち帰らせ
イスラエルを集めるために
母の胎にあったわたしを
御自分の僕として形づくられた主は
6こう言われる。
わたしはあなたを僕として
ヤコブの諸部族を立ち上がらせ
イスラエルの残りの者を連れ帰らせる。
だがそれにもまして
わたしはあなたを国々の光とし
わたしの救いを地の果てまで、もたらす者とする。

答唱詩編

詩編71・3b+4+5a、6b+15+16

父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。

詩編71

71・3b神よ、あなたはわたしの岩、わたしのとりで。
4あなたに逆らう者からわたしを救ってください。
神よ、あなたはわたしの希望、
5aわたしはいつもあなたをたたえる。

6b神よ、あなたの正義と救いのわざを
15わたしは昼も夜も告げ知らせる。
16神の力あるみわざを語り、
あなたのものである正義をわたしはほめ歌う。

福音朗読

ヨハネ13・21-33、36-38

わたしたちの王である主よ、父に従ってあなたは十字架につけられるため、子羊のように連れて行かれた。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは、弟子たちとともに食事の席についておられたが13・21心を騒がせ、断言された。「はっきり言っておく。あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」22弟子たちは、だれについて言っておられるのか察しかねて、顔を見合わせた。23イエスのすぐ隣には、弟子たちの一人で、イエスの愛しておられた者が食事の席に着いていた。24シモン・ペトロはこの弟子に、だれについて言っておられるのかと尋ねるように合図した。25その弟子が、イエスの胸もとに寄りかかったまま、「主よ、それはだれのことですか」と言うと、26イエスは、「わたしがパン切れを浸して与えるのがその人だ」と答えられた。それから、パン切れを浸して取り、イスカリオテのシモンの子ユダにお与えになった。27ユダがパン切れを受け取ると、サタンが彼の中に入った。そこでイエスは、「しようとしていることを、今すぐ、しなさい」と彼に言われた。28座に着いていた者はだれも、なぜユダにこう言われたのか分からなかった。29ある者は、ユダが金入れを預かっていたので、「祭りに必要な物を買いなさい」とか、貧しい人に何か施すようにと、イエスが言われたのだと思っていた。30ユダはパン切れを受け取ると、すぐ出て行った。夜であった。

31さて、ユダが出て行くと、イエスは言われた。「今や、人の子は栄光を受けた。神も人の子によって栄光をお受けになった。32神が人の子によって栄光をお受けになったのであれば、神も御自身によって人の子に栄光をお与えになる。しかも、すぐにお与えになる。33子たちよ、いましばらく、わたしはあなたがたと共にいる。あなたがたはわたしを捜すだろう。『わたしが行く所にあなたたちは来ることができない』とユダヤ人たちに言ったように、今、あなたがたにも同じことを言っておく。」

36シモン・ペトロがイエスに言った。「主よ、どこへ行かれるのですか。」イエスが答えられた。「わたしの行く所に、あなたは今ついて来ることはできないが、後でついて来ることになる。」37ペトロは言った。「主よ、なぜ今ついて行けないのですか。あなたのためなら命を捨てます。」38イエスは答えられた。「わたしのために命を捨てると言うのか。はっきり言っておく。鶏が鳴くまでに、あなたは三度わたしのことを知らないと言うだろう。」

受難の水曜日 3月27日(水) 四旬節

第一朗読

イザヤ50・4-9a

見よ、主なる神が助けてくださる。

イザヤの預言

50・4主なる神は、弟子としての舌をわたしに与え
疲れた人を励ますように
言葉を呼び覚ましてくださる。
朝ごとにわたしの耳を呼び覚まし
弟子として聞き従うようにしてくださる。
5主なる神はわたしの耳を開かれた。
わたしは逆らわず、退かなかった。
6打とうとする者には背中をまかせ
ひげを抜こうとする者には頬をまかせた。
顔を隠さずに、嘲りと唾を受けた。
7主なる神が助けてくださるから
わたしはそれを嘲りとは思わない。
わたしは顔を硬い石のようにする。
わたしは知っている
わたしが辱められることはない、と。
8わたしの正しさを認める方は近くいます。
誰がわたしと共に争ってくれるのかわれわれは共に立とう。
誰がわたしを訴えるのかわたしに向かって来るがよい。
9見よ、主なる神が助けてくださる。
誰がわたしを罪に定めえよう。

答唱詩編

詩編69・31+33、34+35

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編69

69・31神の名をたたえてわたしはうたい、
感謝して神をあがめよう。
33苦しむ人はこれを見て喜べ。
神を求める人は心に喜びを受けよ。

34神は貧しい人々に耳を傾け、
捕らわれびとをないがしろにされない。
35天と地は神をたたえよ。
海とその中に生きるすべてのものも。

福音朗読

マタイ26・14-25

わたしたちの王である主よ、わたしたちの過ちをあわれんでくださったのはあなただけです。

マタイによる福音

26・14そのとき、十二人の一人で、イスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところへ行き、15「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。16そのときから、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。

17除酵祭の第一日に、弟子たちがイエスのところに来て、「どこに、過越の食事をなさる用意をいたしましょうか」と言った。18イエスは言われた。「都のあの人のところに行ってこう言いなさい。『先生が、「わたしの時が近づいた。お宅で弟子たちと一緒に過越の食事をする」と言っています。』」19弟子たちは、イエスに命じられたとおりにして、過越の食事を準備した。20夕方になると、イエスは十二人と一緒に食事の席に着かれた。21一同が食事をしているとき、イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」22弟子たちは非常に心を痛めて、「主よ、まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めた。23イエスはお答えになった。「わたしと一緒に手で鉢に食べ物を浸した者が、わたしを裏切る。24人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。生まれなかった方が、その者のためによかった。」25イエスを裏切ろうとしていたユダが口をはさんで、「先生、まさかわたしのことでは」と言うと、イエスは言われた。「それはあなたの言ったことだ。」

聖木曜日・聖香油のミサ 3月28日(木) 四旬節

第一朗読

イザヤ61・1-3a、6a、8b-9

わたしを遣わして貧しい人に良い知らせを伝えさせるために。

イザヤの預言

61・1主はわたしに油を注ぎ
主なる神の霊がわたしをとらえた。
わたしを遣わして
貧しい人に良い知らせを伝えさせるために。
打ち砕かれた心を包み
捕らわれ人には自由を
つながれている人には解放を告知させるために。
2主が恵みをお与えになる年
わたしたちの神が報復される日を告知して
嘆いている人々を慰め
3シオンのゆえに嘆いている人々に
灰に代えて冠をかぶらせ
嘆きに代えて喜びの香油を
暗い心に代えて賛美の衣をまとわせるために。

6あなたたちは主の祭司と呼ばれ
わたしたちの神に仕える者とされる。

8主なるわたしはまことをもって彼らの労苦に報い
とこしえの契約を彼らと結ぶ。
9彼らの一族は国々に知られ
子孫は諸国の民に知られるようになる。
彼らを見る人はすべて認めるであろう
これこそ、主の祝福を受けた一族である、と。

答唱詩編

詩編詩編89・21+22、25+27

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編

89・21わたしはしもべダビドを選び、
とうとい油を彼に注いだ。
22わたしの手はいつも彼とともにあり、
わたしの腕は彼を強める。

25いつくしみとまことは彼とともにあり、
彼はわたしによって高められる。
27彼はわたしに呼びかける。
「わたしの父、わたしの神、わたしの救いの力。」

第二朗読

黙示録1・5-8

わたしはアルファであり、オメガである。

ヨハネの黙示

1・5証人であり、誠実な方、死者の中から最初に復活した方、地上の王たちの支配者、イエス・キリストから恵みと平和があなたがたにあるように。わたしたちを愛し、御自分の血によって罪から解放してくださった方に、6わたしたちを王とし、御自身の父である神に仕える祭司としてくださった方に、栄光と力が世々限りなくありますように、アーメン。

7見よ、その方が雲に乗って来られる。
すべての人の目が彼を仰ぎ見る、
ことに、彼を突き刺した者どもは。
地上の諸民族は皆、彼のために嘆き悲しむ。然り、アーメン。

8神である主、今おられ、かつておられ、やがて来られる方、全能者がこう言われる。「わたしはアルファであり、オメガである。」

福音朗読

ルカ4・16-21

神の霊はわたしの上にある。貧しい人に福音を告げるため、神はわたしを選ばれた。

ルカによる福音

そのとき、4・16イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった。17預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった。

18「主の霊がわたしの上におられる。
貧しい人に福音を告げ知らせるために、
主がわたしに油を注がれたからである。
主がわたしを遣わされたのは、
捕らわれている人に解放を、
目の見えない人に視力の回復を告げ、
圧迫されている人を自由にし、
19主の恵みの年を告げるためである。」

20イエスは巻物を巻き、係の者に返して席に座られた。会堂にいるすべての人の目がイエスに注がれていた。21そこでイエスは、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と話し始められた。

聖木曜日・主の晩餐の夕べのミサ 3月28日(木) 四旬節

第一朗読

出エジプト記12・1-8、11-14

過越の食事についての規定

出エジプト記

その日、12・1エジプトの国で、主はモーセとアロンに言われた。2「この月をあなたたちの正月とし、年の初めの月としなさい。3イスラエルの共同体全体に次のように告げなさい。『今月の十日、人はそれぞれ父の家ごとに、すなわち家族ごとに小羊を一匹用意しなければならない。4もし、家族が少人数で小羊一匹を食べきれない場合には、隣の家族と共に、人数に見合うものを用意し、めいめいの食べる量に見合う小羊を選ばねばならない。5その小羊は、傷のない一歳の雄でなければならない。用意するのは羊でも山羊でもよい。6それは、この月の十四日まで取り分けておき、イスラエルの共同体の会衆が皆で夕暮れにそれを屠り、7その血を取って、小羊を食べる家の入り口の二本の柱と鴨居に塗る。8そしてその夜、肉を火で焼いて食べる。また、酵母を入れないパンを苦菜を添えて食べる。

11それを食べるときは、腰帯を締め、靴を履き、杖を手にし、急いで食べる。これが主の過越である。12その夜、わたしはエジプトの国を巡り、人であれ、家畜であれ、エジプトの国のすべての初子を撃つ。また、エジプトのすべての神々に裁きを行う。わたしは主である。13あなたたちのいる家に塗った血は、あなたたちのしるしとなる。血を見たならば、わたしはあなたたちを過ぎ越す。わたしがエジプトの国を撃つとき、滅ぼす者の災いはあなたたちに及ばない。14この日は、あなたたちにとって記念すべき日となる。あなたたちは、この日を主の祭りとして祝い、代々にわたって守るべき不変の定めとして祝わねばならない。』」

答唱詩編

詩編116・12+13、15+16b、17+18

このパンを食べ、この杯を飲み、わたしは主の死を告げ知らせる。

詩編116

116・12神が与えてくださったすべての恵みに、
どのようにこたえようか。
13わたしは救いの杯をささげ、
神の名を呼び求めよう。

15神を敬う人の死は、
神の前にとうとい。
16b神よ、わたしはあなたに仕え、
あなたはわたしを救われる。

17わたしは感謝のいけにえをささげ、
神の名を呼び求めよう。
18すべての民の前に進み出て、
神に立てた誓いを果たそう。

第二朗読

①コリント11・23-26

あなたがたは食べ、飲むごとに主の死を告げ知らせるのである。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、11・23わたしがあなたがたに伝えたことは、わたし自身、主から受けたものです。すなわち、主イエスは、引き渡される夜、パンを取り、24感謝の祈りをささげてそれを裂き、「これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。25また、食事の後で、杯も同じようにして、「この杯は、わたしの血によって立てられる新しい契約である。飲む度に、わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。26だから、あなたがたは、このパンを食べこの杯を飲むごとに、主が来られるときまで、主の死を告げ知らせるのです。

福音朗読

ヨハネ13・1-15

新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。

ヨハネによる福音

13・1過越祭の前のことである。イエスは、この世から父のもとへ移る御自分の時が来たことを悟り、世にいる弟子たちを愛して、この上なく愛し抜かれた。2夕食のときであった。既に悪魔は、イスカリオテのシモンの子ユダに、イエスを裏切る考えを抱かせていた。3イエスは、父がすべてを御自分の手にゆだねられたこと、また、御自分が神のもとから来て、神のもとに帰ろうとしていることを悟り、4食事の席から立ち上がって上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰にまとわれた。5それから、たらいに水をくんで弟子たちの足を洗い、腰にまとった手ぬぐいでふき始められた。6シモン・ペトロのところに来ると、ペトロは、「主よ、あなたがわたしの足を洗ってくださるのですか」と言った。7イエスは答えて、「わたしのしていることは、今あなたには分かるまいが、後で、分かるようになる」と言われた。8ペトロが「わたしの足など、決して洗わないでください」と言うと、イエスは、「もしわたしがあなたを洗わないなら、あなたはわたしと何のかかわりもないことになる」と答えられた。9そこでシモン・ペトロが言った。「主よ、足だけでなく、手も頭も。」10イエスは言われた。「既に体を洗った者は、全身清いのだから、足だけ洗えばよい。あなたがたは清いのだが、皆が清いわけではない。」11イエスは、御自分を裏切ろうとしている者がだれであるかを知っておられた。それで、「皆が清いわけではない」と言われたのである。

12さて、イエスは、弟子たちの足を洗ってしまうと、上着を着て、再び席に着いて言われた。「わたしがあなたがたにしたことが分かるか。13あなたがたは、わたしを『先生』とか『主』とか呼ぶ。そのように言うのは正しい。わたしはそうである。14ところで、主であり、師であるわたしがあなたがたの足を洗ったのだから、あなたがたも互いに足を洗い合わなければならない。15わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするようにと、模範を示したのである。」

聖金曜日・主の受難 3月29日(金) 四旬節

第一朗読

イザヤ52・13-53・12

彼が刺し貫かれたのは、わたしたちの背きのためであった。

イザヤの預言

主は言われる。
52・13見よ、わたしの僕は栄える。
はるかに高く上げられ、あがめられる。
14かつて多くの人をおののかせたあなたの姿のように
彼の姿は損なわれ、人とは見えず、
もはや人の子の面影はない。
15それほどに、彼は多くの民を驚かせる。
彼を見て、王たちも口を閉ざす。
だれも物語らなかったことを見
一度も聞かされなかったことを悟ったからだ。

53・1わたしたちの聞いたことを、誰が信じえようか。
主は御腕の力を誰に示されたことがあろうか。
2乾いた地に埋もれた根から生え出た若枝のように
この人は主の前に育った。
見るべき面影はなく、
輝かしい風格も、好ましい容姿もない。
3彼は軽蔑され、人々に見捨てられ、
多くの痛みを負い、病を知っている。
彼はわたしたちに顔を隠し、
わたしたちは彼を軽蔑し、無視していた。
4彼が担ったのはわたしたちの病
彼が負ったのはわたしたちの痛みであったのに
わたしたちは思っていた
神の手にかかり、打たれたから
彼は苦しんでいるのだ、と。
5彼が刺し貫かれたのは
わたしたちの背きのためであり
彼が打ち砕かれたのは
わたしたちの咎のためであった。
彼の受けた懲らしめによってわたしたちに平和が与えられ
彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。
6わたしたちは羊の群れ
道を誤り、それぞれの方角に向かって行った。
そのわたしたちの罪をすべて主は彼に負わせられた。
7苦役を課せられて、かがみ込み
彼は口を開かなかった。
屠り場に引かれる小羊のように
毛を切る者の前に物を言わない羊のように
彼は口を開かなかった。
8捕らえられ、裁きを受けて、彼は命を取られた。
彼の時代の誰が思い巡らしたであろうか
わたしの民の背きのゆえに、彼が神の手にかかり
命ある者の地から断たれたことを。
9彼は不法を働かず
その口に偽りもなかったのに
その墓は神に逆らう者と共にされ
富める者と共に葬られた。
10病に苦しむこの人を打ち砕こうと主は望まれ
彼は自らを償いの献げ物とした。
彼は、子孫が末永く続くのを見る。
主の望まれることは彼の手によって成し遂げられる。
11彼は自らの苦しみの実りを見
それを知って満足する。
わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために
彼らの罪を自ら負った。
12それゆえ、わたしは多くの人を彼の取り分とし
彼は戦利品としておびただしい人を受ける。
彼が自らをなげうち、死んで
罪人のひとりに数えられたからだ。
多くの人の過ちを担い
背いた者のために執り成しをしたのは
この人であった。

答唱詩編

詩編31・2+6、12+13、15+16、24+25

父よ、あなたこそわたしの神。わたしのすべてをあなたに。

詩編31

31・2神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。
とこしえに恥を負わせず、正義によって救ってください。
6あなたの手にわたしの霊をゆだねる。
神よ、まことの神よ、わたしをあがなってください。

12敵はみなわたしをあざけり、まわりの人はわたしをのけものにする。
親しい友はわたしを恐れ、会う人は避けて背を向ける。
13わたしは死んだ人のように忘れられ、
こわれた器のようになった。

15神よ、わたしはあなたにより頼む。
「あなたこそわたしの神。」
16あなたの手にわたしの生涯をゆだねる。
わたしの敵から救い出してください。

24神を信じるすべての人よ、神を愛せ。
神は誠実に生きる人を守られ、思いあがる者にきびしい。
25神を待ち望むすべての人よ、
強くたくましく、生きよ。

第二朗読

ヘブライ4・14-16、5・7-9

キリストは従順を学ばれ、御自分に従順であるすべての人々に対して救いの源となった。

ヘブライ人の手紙

皆さん、4・14わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。15この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。16だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。

5・7キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。9そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となったのです。

受難の朗読

ヨハネ18・1-19・42

「キリストは人間の姿で」

ヨハネによる主イエス・キリストの受難

C 18・1夕食のあと、イエスは弟子たちと一緒に、キドロンの谷の向こうへ出て行かれた。そこには園があり、イエスは弟子たちとその中に入られた。2イエスを裏切ろうとしていたユダも、その場所を知っていた。イエスは、弟子たちと共に度々ここに集まっておられたからである。3それでユダは、一隊の兵士と、祭司長たちやファリサイ派の人々の遣わした下役たちを引き連れて、そこにやって来た。松明やともし火や武器を手にしていた。4イエスは御自分の身に起こることを何もかも知っておられ、進み出て、言われた。

十 「だれを捜しているのか。」

C 5彼らは答えた。

S 「ナザレのイエスだ。」

C イエスは言われた。

十 「わたしである。」

C イエスを裏切ろうとしていたユダも彼らと一緒にいた。6イエスが「わたしである」と言われたとき、彼らは後ずさりして、地に倒れた。7そこで、イエスは重ねてお尋ねになった。

十 「だれを捜しているのか。」

C 彼らは言った。

S 「ナザレのイエスだ。」

C 8すると、イエスは言われた。

十 「『わたしである』と言ったではないか。わたしを捜しているのなら、この人々は去らせなさい。」

C 9それは、「あなたが与えてくださった人を、わたしは一人も失いませんでした」と言われたイエスの言葉が実現するためであった。10シモン・ペトロは剣を持っていたので、それを抜いて大祭司の手下に打ってかかり、その右の耳を切り落とした。手下の名はマルコスであった。11イエスはペトロに言われた。

十 「剣をさやに納めなさい。父がお与えになった杯は、飲むべきではないか。」

C 12そこで一隊の兵士と千人隊長、およびユダヤ人の下役たちは、イエスを捕らえて縛り、13まず、アンナスのところへ連れて行った。彼が、その年の大祭司カイアファのしゅうとだったからである。14一人の人間が民の代わりに死ぬ方が好都合だと、ユダヤ人たちに助言したのは、このカイアファであった。

15シモン・ペトロともう一人の弟子は、イエスに従った。この弟子は大祭司の知り合いだったので、イエスと一緒に大祭司の屋敷の中庭に入ったが、16ペトロは門の外に立っていた。大祭司の知り合いである、そのもう一人の弟子は、出て来て門番の女に話し、ペトロを中に入れた。17門番の女中はペトロに言った。

A 「あなたも、あの人の弟子の一人ではありませんか。」

C ペトロは言った。

A 「違う。」

C 18僕や下役たちは、寒かったので炭火をおこし、そこに立って火にあたっていた。ペトロも彼らと一緒に立って、火にあたっていた。19大祭司はイエスに弟子のことや教えについて尋ねた。20イエスは答えられた。

十 「わたしは、世に向かって公然と話した。わたしはいつも、ユダヤ人が皆集まる会堂や神殿の境内で教えた。ひそかに話したことは何もない。21なぜ、わたしを尋問するのか。わたしが何を話したかは、それを聞いた人々に尋ねるがよい。その人々がわたしの話したことを知っている。」

C 22イエスがこう言われると、そばにいた下役の一人が、イエスを平手で打って言った。

A 「大祭司に向かって、そんな返事のしかたがあるか。」

C 23イエスは答えられた。

十 「何か悪いことをわたしが言ったのなら、その悪いところを証明しなさい。正しいことを言ったのなら、なぜわたしを打つのか。」

C 24アンナスは、イエスを縛ったまま、大祭司カイアファのもとに送った。25シモン・ペトロは立って火にあたっていた。人々は言った。

A 「お前もあの男の弟子の一人ではないのか。」

C ペトロは打ち消して、言った。

A 「違う。」

C 26大祭司の僕の一人で、ペトロに片方の耳を切り落とされた人の身内の者が言った。

A 「園であの男と一緒にいるのを、わたしに見られたではないか。」

C 27ペトロは、再び打ち消した。するとすぐ、鶏が鳴いた。

28人々は、イエスをカイアファのところから総督官邸に連れて行った。明け方であった。しかし、彼らは自分では官邸に入らなかった。汚れないで過越の食事をするためである。29そこで、ピラトが彼らのところへ出て来て、言った。

A 「どういう罪でこの男を訴えるのか。」

C 30彼らは答えて、言った。

S 「この男が悪いことをしていなかったら、あなたに引き渡しはしなかったでしょう。」

C 31ピラトは言った。

A 「あなたたちが引き取って、自分たちの律法に従って裁け。」

C ユダヤ人たちは言った。

S 「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません。」

C 32それは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、イエスの言われた言葉が実現するためであった。33そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、言った。

A 「お前がユダヤ人の王なのか。」

C 34イエスはお答えになった。

十 「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」

C 35ピラトは言い返した。

A 「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」

C 36イエスはお答えになった。

十 「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」

C 37そこでピラトが言った。

A 「それでは、やはり王なのか。」

C イエスはお答えになった。

十 「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」

C 38ピラトは言った。

A 「真理とは何か。」

C ピラトは、こう言ってからもう一度、ユダヤ人たちの前に出て来て言った。

A 「わたしはあの男に何の罪も見いだせない。39ところで、過越祭にはだれか一人をあなたたちに釈放するのが慣例になっている。あのユダヤ人の王を釈放してほしいか。」

C 40すると、彼らは、大声で言い返した。

S 「その男ではない。バラバを。」

C バラバは強盗であった。19・1そこで・ピラトはイエスを捕らえ、鞭で打たせた。2兵士たちは茨で冠を編んでイエスの頭に載せ、紫の服をまとわせ、3そばにやって来ては、平手で打って言った。

A 「ユダヤ人の王、万歳。」

C 4ピラトはまた出て来て、言った。

A 「見よ、あの男をあなたたちのところへ引き出そう。そうすれば、わたしが彼に何の罪も見いだせないわけが分かるだろう。」

C 5イエスは茨の冠をかぶり、紫の服を着けて出て来られた。ピラトは言った。

A 「見よ、この男だ。」

C 6祭司長たちや下役たちは、イエスを見ると叫んだ。

S 「十字架につけろ。十字架につけろ。」

C ピラトは言った。

A 「あなたたちが引き取って、十字架につけるがよい。わたしはこの男に罪を見いだせない。」

C 7ユダヤ人たちは答えた。

S 「わたしたちには律法があります。律法によれば、この男は死罪に当たります。神の子と自称したからです。」

C 8ピラトは、この言葉を聞いてますます恐れ、9再び総督官邸の中に入って、イエスに言った。

A 「お前はどこから来たのか。」

C しかし、イエスは答えようとされなかった。10そこで、ピラトは言った。

A 「わたしに答えないのか。お前を釈放する権限も、十字架につける権限も、このわたしにあることを知らないのか。」

C 11イエスは答えられた。

十 「神から与えられていなければ、わたしに対して何の権限もないはずだ。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪はもっと重い。」

C 12そこで、ピラトはイエスを釈放しようと努めた。しかし、ユダヤ人たちは叫んだ。

S 「もし、この男を釈放するなら、あなたは皇帝の友ではない。王と自称する者は皆、皇帝に背いています。」

C 13ピラトは、これらの言葉を聞くと、イエスを外に連れ出し、ヘブライ語でガバタ、すなわち「敷石」という場所で、裁判の席に着かせた。14それは過越祭の準備の日の、正午ごろであった。ピラトはユダヤ人たちに言った。

A 「見よ、あなたたちの王だ。」

C 15彼らは叫んだ。

S 「殺せ。殺せ。十字架につけろ。」

C ピラトは言った。

A 「あなたたちの王をわたしが十字架につけるのか。」

C 祭司長たちは答えた。

S 「わたしたちには、皇帝のほかに王はありません。」

C 16そこで、ピラトは、十字架につけるために、イエスを彼らに引き渡した。こうして、彼らはイエスを引き取った。17イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。18そこで、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。19ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。20イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がその罪状書きを読んだ。それは、ヘブライ語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。21ユダヤ人の祭司長たちはピラトに言った。

A 「『ユダヤ人の王』と書かず、『この男は「ユダヤ人の王」と自称した』と書いてください。」

C 22しかし、ピラトは答えた。

A 「わたしが書いたものは、書いたままにしておけ。」

C 23兵士たちは、イエスを十字架につけてから、その服を取り、四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。24そこで、話し合った。

A 「これは裂かないで、だれのものになるか、くじ引きで決めよう。」

C それは、「彼らはわたしの服を分け合い、わたしの衣服のことでくじを引いた」という聖書の言葉が実現するためであった。兵士たちはこのとおりにしたのである。25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に言われた。

十 「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です。」

C 27それから弟子に言われた。

十 「見なさい。あなたの母です。」

C そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。28この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、言われた。

十 「渇く。」

C こうして、聖書の言葉が実現した。29そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。30イエスは、このぶどう酒を受けると、言われた。

十 「成し遂げられた。」

C そして、頭を垂れて息を引き取られた。

 

31その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。32そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。33イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。34しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。35それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている。36これらのことが起こったのは、「その骨は一つも砕かれない」という聖書の言葉が実現するためであった。37また、聖書の別の所に、「彼らは、自分たちの突き刺した者を見る」とも書いてある。38その後、イエスの弟子でありながら、ユダヤ人たちを恐れて、そのことを隠していたアリマタヤ出身のヨセフが、イエスの遺体を取り降ろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトが許したので、ヨセフは行って遺体を取り降ろした。39そこへ、かつてある夜、イエスのもとに来たことのあるニコデモも、没薬と沈香を混ぜた物を百リトラばかり持って来た。40彼らはイエスの遺体を受け取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、香料を添えて亜麻布で包んだ。41イエスが十字架につけられた所には園があり、そこには、だれもまだ葬られたことのない新しい墓があった。42その日はユダヤ人の準備の日であり、この墓が近かったので、そこにイエスを納めた。

復活祭・復活の聖なる徹夜祭 3月30日(土) 復活節

第一朗読

創世記1・1-2・2

神は、お造りになったすべてのものを御覧になった。それは極めて良かった。

創世記

1・1初めに、神は天地を創造された。2地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。3神は言われた。

「光あれ。」

こうして、光があった。4神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、5光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。

6神は言われた。

「水の中に大空あれ。水と水を分けよ。」

7神は大空を造り、大空の下と大空の上に水を分けさせられた。そのようになった。8神は大空を天と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第二の日である。

9神は言われた。

「天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ。」

そのようになった。10神は乾いた所を地と呼び、水の集まった所を海と呼ばれた。神はこれを見て、良しとされた。

11神は言われた。

「地は草を芽生えさせよ。種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける果樹を、地に芽生えさせよ。」そのようになった。12地は草を芽生えさせ、それぞれの種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける木を芽生えさせた。神はこれを見て、良しとされた。13夕べがあり、朝があった。第三の日である。

14神は言われた。

「天の大空に光る物があって、昼と夜を分け、季節のしるし、日や年のしるしとなれ。15天の大空に光る物があって、地を照らせ。」

そのようになった。16神は二つの大きな光る物と星を造り、大きな方に昼を治めさせ、小さな方に夜を治めさせられた。17神はそれらを天の大空に置いて、地を照らさせ、18昼と夜を治めさせ、光と闇を分けさせられた。神はこれを見て、良しとされた。19夕べがあり、朝があった。第四の日である。

20神は言われた。

「生き物が水の中に群がれ。鳥は地の上、天の大空の面を飛べ。」21神は水に群がるもの、すなわち大きな怪物、うごめく生き物をそれぞれに、また、翼ある鳥をそれぞれに創造された。神はこれを見て、良しとされた。

22神はそれらのものを祝福して言われた。

「産めよ、増えよ、海の水に満ちよ。鳥は地の上に増えよ。」

23夕べがあり、朝があった。第五の日である。

24神は言われた。

「地は、それぞれの生き物を産み出せ。家畜、適うもの、地の獣をそれぞれに産み出せ。」

そのようになった。25神はそれぞれの地の獣、それぞれの家畜、それぞれの土を這うものを造られた。神はこれを見て、良しとされた。

26神は言われた。

「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」

27神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。28神は彼らを祝福して言われた。

「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」

29神は言われた。

「見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる。30地の獣、空の鳥、地を這うものなど、すべて命あるものにはあらゆる青草を食べさせよう。」

そのようになった。31神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった。第六の日である。

2・1天地万物は完成された。2第七の日に、神は御自分の仕事を完成され、第七の日に、神は御自分の仕事を離れ、安息なさった。

答唱詩編

詩編104・1+2a、24+33

神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。

詩編104

104・1心を尽くして神をたたえよう。
神よ、あなたはまことに偉大なかた。
2a誉れと輝きを身に帯びて、
衣のように光をまとわれる。

24神よ、あなたが造られたものは数えきれない。
英知によって形造られたものは地に満ちている。
33わたしは生涯、神に向かって歌い、
いのちのある限り神をたたえよう。

第二朗読

創世記22・1-18

先祖アブラハムの献げ物

創世記

その日、22・1神はアブラハムを試された。神が、「アブラハムよ」と呼びかけ、彼が、「はい」と答えると、2神は命じられた。「あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。」

3次の朝早く、アブラハムはろばに鞍を置き、献げ物に用いる薪を割り、二人の若者と息子イサクを連れ、神の命じられた所に向かって行った。4三日目になって、アブラハムが目を凝らすと、遠くにその場所が見えたので、5アブラハムは若者に言った。「お前たちは、ろばと一緒にここで待っていなさい。わたしと息子はあそこへ行って、礼拝をして、また戻ってくる。」6アブラハムは、焼き尽くす献げ物に用いる薪を取って、息子イサクに背負わせ、自分は火と刃物を手に持った。二人は一緒に歩いて行った。7イサクは父アブラハムに、「わたしのお父さん」と呼びかけた。彼が、「ここにいる。わたしの子よ」と答えると、イサクは言った。「火と薪はここにありますが、焼き尽くす献げ物にする小羊はどこにいるのですか。」8アブラハムは答えた。「わたしの子よ、焼き尽くす献げ物の小羊はきっと神が備えてくださる。」二人は一緒に歩いて行った。

9神が命じられた場所に着くと、アブラハムはそこに祭壇を築き、薪を並べ、息子イサクを織って祭壇の薪の上に載せた。10そしてアブラハムは、手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。11そのとき、天から主の御使いが、「アブラハム、アブラハム」と呼びかけた。彼が、「はい」と答えると、12御使いは言った。「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった。」13アブラハムは目を凝らして見回した。すると、後ろの木の茂みに一匹の雄羊が角をとられていた。アブラハムは行ってその雄羊を捕まえ、息子の代わりに焼き尽くす献げ物としてささげた。

14アブラハムはその場所を主・イルエ(主は備えてくださる)と名付けた。そこで、人々は今日でも「主の山に、備えあり(イエラエ)」と言っている。

15主の御使いは、再び天からアブラハムに呼びかけた。16御使いは言った。

「わたしは自らにかけて誓う、と主は言われる。あなたがこの事を行い、自分の独り子である息子すら惜しまなかったので、17あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。あなたの子孫は敵の城門を勝ち取る。18地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」

答唱詩編

詩編16・5、8、11

しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。

詩編16

16・5神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、
わたしの受ける杯。わたしの道を開くかた。

8わたしは絶えず神を思う。
神はわたしのそばにおられ、わたしはけっしてゆるがない。

11あなたはいのちの道を示してくださる。
あなたの前にはあふれる喜び、あなたのもとには永遠の楽しみ。

第三朗読

出エジプト14・15-15・1a

イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んで行った。

出エジプト記

その日、追い迫るエジプト軍を見て、イスラエルの人々が非常に恐れたとき、14・15主はモーセに言われた。「なぜ、わたしに向かって叫ぶのか。イスラエルの人々に命じて出発させなさい。16杖を高く上げ、手を海に向かって差し伸べて、海を二つに分けなさい。そうすれば、イスラエルの民は海の中の乾いた所を通ることができる。17しかし、わたしはエジプト人の心をかたくなにするから、彼らはお前たちの後を追って来る。そのとき、18わたしはファラオとその全軍、戦車と騎兵を破って栄光を現す。わたしがファラオとその戦車、騎兵を破って栄光を現すとき、エジプト人は、わたしが主であることを知るようになる。」19イスラエルの部隊に先立って進んでいた神の御使いは、移動して彼らの後ろを行き、彼らの前にあった雲の柱も移動して後ろに立ち、20エジプトの陣とイスラエルの陣との間に入った。真っ黒な雲が立ちこめ、光が闇夜を貫いた。両軍は、一晩中、互いに近づくことはなかった。21モーセが手を海に向かって差し伸べると、主は夜もすがら激しい東風をもって海を押し返されたので、海は乾いた地に変わり、水は分かれた。22イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んで行き、水は彼らの右と左に壁のようになった。23エジプト軍は彼らを追い、ファラオの馬、戦車、騎兵がことごとく彼らに従って海の中に入って来た。24朝の見張りのころ、主は火と雲の柱からエジプト軍を見下ろし、エジプト軍をかき乱された。25戦車の車輪をはずし、進みにくくされた。エジプト人は言った。「イスラエルの前から退却しよう。主が彼らのためにエジプトと戦っておられる。」

26主はモーセに言われた。「海に向かって手を差し伸べなさい。水がエジプト軍の上に、戦車、騎兵の上に流れ返るであろう。」27モーセが手を海に向かって差し伸べると、夜が明ける前に海は元の場所へ流れ返った。エジプト軍は水の流れに逆らって逃げたが、主は彼らを海の中に投げ込まれた。28水は元に戻り、戦車と騎兵、彼らの後を追って海に入ったファラオの全軍を覆い、一人も残らなかった。29イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んだが、そのとき、水は彼らの右と左に壁となった。30主はこうして、その日、イスラエルをエジプト人の手から救われた。イスラエルはエジプト人が海辺で死んでいるのを見た。31イスラエルは、主がエジプト人に行われた大いなる御業を見た。民は主を畏れ、主とその僕モーセを信じた。15・1aモーセとイスラエルの民は主を賛美して、歌をうたった。

答唱詩編

出エジプト15・1b+2b、3+4+5、6+16bc

神よ、あなたはわたしの力、わたしの守り、救い。

出エジプト15

15・1b神をたたえよう、神は栄光を現し、
馬と戦車を海に投げ入れられた。
2b神よ、あなたはわたしの神、わたしの先祖の神、
わたしはあなたをあがめる。

3神は勇者、その名は主。
4ファラオの戦車と軍勢を海に投げ入れ、
そのえりぬきの士官は紅海に沈んだ。
5水は彼らを覆い、かれらは石のように深みにしずんだ。

6神よ、あなたの右の手には力がみなぎり、
あなたの右の手は敵を押さえる。
16bc神よ、こうしてあなたの民は通り過ぎ、
あなたのものとされた民は過ぎ越す。

第四朗読

イザヤ54・5-14

あなたを贖う主は、とこしえの慈しみをもってあなたを憐れむ。

イザヤの預言

54・5エルサレムよ、
あなたの造り主があなたの夫となられる。
その御名は万軍の主。
あなたを贖う方、イスラエルの聖なる神、
全地の神と呼ばれる方。
6捨てられて、苦悩する妻を呼ぶように
主はあなたを呼ばれる。
若いときの妻を見放せようかと
あなたの神は言われる。
7わずかの間、わたしはあなたを捨てたが
深い憐れみをもってわたしはあなたを引き寄せる。
8ひととき、激しく怒って顔をあなたから隠したが
とこしえの慈しみをもってあなたを憐れむとあなたを贖う主は言われる。
9これは、わたしにとってノアの洪水に等しい。
再び地上にノアの洪水を起こすことはないとあのとき誓い、
今またわたしは誓う
再びあなたを怒り、責めることはない、と。
10山が移り、丘が揺らぐこともあろう。
しかし、わたしの慈しみはあなたから移らず
わたしの結ぶ平和の契約が揺らぐことはないとあなたを憐れむ主は言われる。

11苦しめられ、嵐にもてあそばれ
慰める者もない都よ
見よ、わたしはアンチモンを使ってあなたの石を積む。
サファイアであなたの基を固め
12赤めのうであなたの塔を
エメラルドであなたの門を飾り
地境に沿って美しい石を連ねる。
13あなたの子らは皆、主について教えを受け
あなたの子らには平和が豊かにある。
14あなたは恵みの業によって堅く立てられる。
虐げる者から遠く離れよもはや恐れることはない。
破壊する者から遠く離れよもはやそれがあなたに近づくことはない。

答唱詩編

詩編30・2b+4、13

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編30

30・2b神よ、あなたはわたしを救い、
死の力が勝ち誇るのを許されない。
4神よ、あなたは死の国からわたしを引きあげ、
危ういいのちを助けてくださった。

13わたしの心はあなたをたたえ、
黙っていることがない。
神よ、わたしの神よ、
あなたをとこしえにたたえよう。

第五朗読

イザヤ55・1-11

わたしのもとに来るがよい。魂に命を得よ。わたしはあなたたちととこしえの契約を結ぶ。

イザヤの預言

55・1主は言われる。
渇きを覚えている者は皆、水のところに来るがよい。
銀を持たない者も来るがよい。
穀物を求めて、食べよ。
来て、銀を払うことなく穀物を求め
価を払うことなく、ぶどう酒と乳を得よ。
2なぜ、糧にならぬもののために銀を載って払い
飢えを満たさぬもののために労するのか。
わたしに聞き従えば
良いものを食べることができる。
あなたたちの魂はその豊かさを楽しむであろう。
3耳を傾けて聞き、わたしのもとに来るがよい。
聞き従って、魂に命を得よ。
わたしはあなたたちととこしえの契約を結ぶ。
ダビデに約束した真実の慈しみのゆえに。
4見よ
かつてわたしは彼を立てて諸国民への証人とし
諸国民の指導者、統治者とした。
5今、あなたは知らなかった国に呼びかける。
あなたを知らなかった国は
あなたのもとに馳せ参じるであろう。
あなたの神である主
あなたに輝きを与えられるイスラエルの聖なる神のゆえに。

6主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。
呼び求めよ、近くにいますうちに。
7神に逆らう者はその道を離れ
悪を行う者はそのたくらみを捨てよ。
主に立ち帰るならば、主は憐れんでくださる。
わたしたちの神に立ち帰るならば豊かに赦してくださる。
8わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり
わたしの道はあなたたちの道と異なると主は言われる。
9天が地を高く超えているように
わたしの道は、あなたたちの道を
わたしの思いはあなたたちの思いを、高く超えている。
10雨も雪も、ひとたび天から降れば
むなしく天に戻ることはない。それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ
種蒔く人には種を与え
食べる人には糧を与える。
11そのように、わたしの口から出るわたしの言葉もむなしくは、わたしのもとに戻らない。
それはわたしの望むことを成し遂げ
わたしが与えた使命を必ず果たす。

答唱詩編

イザヤ12・2、4、5

喜びに心をはずませ、救いの泉から水を汲む。

イザヤ12

12・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。
神はわたしの力、わたしの歌、わたしの救い。

4神をたたえ、その名を呼ぼう。
神のわざをすべての民に伝え、その名の誉れを語り告げよう。

5神は不思議なわざをなしとげられた。
神をほめ歌い、そのわざを世界にのべ伝えよう。

第六朗読

バルク3・9-15、32-4・4

主の輝きに向かって歩め。

バルクの預言

3・9聞け、イスラエルよ、命をもたらす戒めを。
耳を傾けて、悟りを得よ。
10イスラエルよ、なぜなのか。
なぜお前は敵の地におり、
異国の地で年を重ね、
11死者と汚れを共にし、
陰府に下る者の中に数えられたのか。
12お前は知恵の泉を見捨てた。
13神の定めた道を歩んでいたなら、
永遠に平和のうちに暮らしていたであろう。
14学べ、どこに悟りがあるかを。
またどこに力があり、どこに知識があるかを。
そして知れ、どこに長寿と命があり、
どこに目の輝きと平和があるかを。

15いったいだれが知恵の在りかを見いだしただろうか。
だれがその宝庫に入っただろうか。
32すべてを知る方だけが知恵を知り、
御自分の力でそれを悟り、見いだされたのだ。
33その方はあらゆる時代に備えて全地を整え、
それを四足の獣で満たした。
その方が光を放つと、光は走り、
ひと声命ずると、光はおののいて従う。
34星はおのおの持ち場で喜びにあふれて輝き、
35その方が命ずると、「ここにいます」と答え、
喜々として、自分の造り主のために光を放つ。
36この方こそわたしたちの神であり、
他に比ぶべきものはない。
37この方は知識の道をすべて見いだし、
それを僕ヤコブと愛するイスラエルに与えた。
38その後、知恵は地上に現れ、人々の中に住んだ。
4・1知恵は神の命令の書、永遠に続く律法である。
これを保つ者は皆生き、これを捨てる者は死ぬ。
2ヤコブよ、立ち帰ってこれをつかみ、
知恵の光に目を注ぎ、その輝きに向かって歩め。
3あなたの栄光をほかの者に、あなたの特権を異国の民に渡してはならない。
4イスラエルよ、わたしたちは幸いだ。
神の御心に適うことを知っているのだから。

答唱詩編

詩編19・8、9

主よ、あなたは永遠のいのちのことば。

詩編19

19・8神の教えは完全で、魂を生き返らせ、
そのさとしは変わらず、心に知恵をもたらす。

9神の定めは正しく、心の喜びであり、
そのみ旨は清く、目を開く。

第七朗読

エゼキエル36・16-17a、18-28

わたしは清い水をお前たちの上に振りかけ、新しい心を与える。

エゼキエルの預言

36・16主の言葉がわたしに臨んだ。17「人の子よ、イスラエルの家は自分の土地に住んでいたとき、それを自分の歩みと行いによって汚した。18それゆえ、わたしは憤りを彼らの上に注いだ。彼らが地の上に血を流し、偶像によってそれを汚したからである。19わたしは彼らを国々の中に散らし、諸国に追いやり、その歩みと行いに応じて裁いた。20彼らはその行く先の国々に行って、わが聖なる名を汚した。事実、人々は彼らについて、『これは主の民だ、彼らは自分の土地から追われて来たのだ』と言った。21そこでわたしは、イスラエルの家がその行った先の国々で汚したわが聖なる名を惜しんだ。

22それゆえ、イスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。イスラエルの家よ、わたしはお前たちのためではなく、お前たちが行った先の国々で汚したわが聖なる名のために行う。23わたしは、お前たちが国々で汚したため、彼らの間で汚されたわが大いなる名を聖なるものとする。わたしが彼らの目の前で、お前たちを通して聖なるものとされるとき、諸国民は、わたしが主であることを知るようになる、と主なる神は言われる。24わたしはお前たちを国々の間から取り、すべての地から集め、お前たちの土地に導き入れる。

25わたしが清い水をお前たちの上に振りかけるとき、お前たちは清められる。わたしはお前たちを、すべての汚れとすべての偶像から清める。26わたしはお前たちに新しい心を与え、お前たちの中に新しい霊を置く。わたしはお前たちの体から石の心を取り除き、肉の心を与える。27また、わたしの霊をお前たちの中に置き、わたしの掟に従って歩ませ、わたしの裁きを守り行わせる。28お前たちは、わたしが先祖に与えた地に住むようになる。お前たちはわたしの民となりわたしはお前たちの神となる。」

答唱詩編

詩編51・12+13、18+19

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、
あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。
13わたしをあなたのもとから退けず、
聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

18あなたはいけにえを望まれず、
はんさいをささげても喜ばれない。
19神よ、わたしのささげものは打ち砕かれた心。
あなたは悔い改める心を見捨てられない。

使徒書の朗読

ローマ6・3-11

死者の中から復活させられたキリストはもはや死ぬことがない。

使徒パウロのローマの教会への手紙

皆さん、6・3あなたがたは知らないのですか。キリスト・イエスに結ばれるために洗礼を受けたわたしたちが皆、またその死にあずかるために洗礼を受けたことを。4わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりました。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、わたしたちも新しい命に生きるためなのです。5もし、わたしたちがキリストと一体になってその死の姿にあやかるならば、その復活の姿にもあやかれるでしょう。6わたしたちの古い自分がキリストと共に十字架につけられたのは、罪に支配された体が滅ぼされ、もはや罪の奴隷にならないためであると知っています。7死んだ者は、罪から解放されています。8わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きることにもなると信じます。9そして、死者の中から復活させられたキリストはもはや死ぬことがない、と知っています。死は、もはやキリストを支配しません。10キリストが死なれたのは、ただ一度罪に対して死なれたのであり、生きておられるのは、神に対して生きておられるのです。11このように、あなたがたも自分は罪に対して死んでいるが、キリスト・イエスに結ばれて、神に対して生きているのだと考えなさい。

福音朗読

マルコ16・1-7

アレルヤ、アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

16・1安息日が終わると、マグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメは、イエスに油を塗りに行くために香料を買った。2そして、週の初めの日の朝ごく早く、日が出るとすぐ墓に行った。3彼女たちは、「だれが墓の入り口からあの石を転がしてくれるでしょうか」と話し合っていた。4ところが、目を上げて見ると、石は既にわきへ転がしてあった。石は非常に大きかったのである。5墓の中に入ると、白い長い衣を着た若者が右手に座っているのが見えたので、婦人たちはひどく驚いた。6若者は言った。「驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを捜しているが、あの方は復活なさって、ここにはおられない。御覧なさい。お納めした場所である。7さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。『あの方は、あなたがたより先にガリラヤヘ行かれる。かねて言われたとおり、そこでお目にかかれる』と。」

復活の主日・日中のミサ 3月31日(日) 復活節

第一朗読

使徒言行録10・34a、37-43

イエスが死者の中から復活した後、わたしたちはイエスと一緒に食事をした。

使徒たちの宣教

その日、10・34aペトロは口を開きこう言った。37「あなたがたはこのことをご存じでしょう。ヨハネが洗礼を宣べ伝えた後に、ガリラヤから始まってユダヤ全土に起きた出来事です。38つまり、ナザレのイエスのことです。神は、聖霊と力によってこの方を油注がれた者となさいました。イエスは、方々を巡り歩いて人々を助け、悪魔に苦しめられている人たちをすべていやされたのですが、それは、神が御一緒だったからです。39わたしたちは、イエスがユダヤ人の住む地方、特にエルサレムでなさったことすべての証人です。人々はイエスを木にかけて殺してしまいましたが、40神はこのイエスを三日目に復活させ、人々の前に現してくださいました。41しかし、それは民全体に対してではなく、前もって神に選ばれた証人、つまり、イエスが死者の中から復活した後、御一緒に食事をしたわたしたちに対してです。42そしてイエスは、御自分が生きている者と死んだ者との審判者として神から定められた者であることを、民に宣べ伝え、力強く証しするようにと、わたしたちにお命じになりました。43また預言者も皆、イエスについて、この方を信じる者はだれでもその名によって罪の赦しが受けられる、と証ししています。」

答唱詩編

詩編118・1+2、16+17、22+23

きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。

詩編118

118・1恵み深い神に感謝せよ。
そのあわれみは永遠。
2イスラエルよ、叫べ。
神のいつくしみは絶えることがない。

16神の右の手は高く上がり、
その右の手は力を示す。
17わたしは死なず、わたしは生きる。
神のわざを告げるために。

22家造りの捨てた石が、
隅の親石となった。
23これは神のわざ、
人の目には不思議なこと。

第二朗読

コロサイ3・1-4

上にあるものを求めなさい。そこにはキリストがおられる。

使徒パウロのコロサイの教会への手紙

皆さん、3・1あなたがたは、キリストと共に復活させられたのですから、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座に着いておられます。2上にあるものに心を留め、地上のものに心を引かれないようにしなさい。3あなたがたは死んだのであって、あなたがたの命は、キリストと共に神の内に隠されているのです。4あなたがたの命であるキリストが現れるとき、あなたがたも、キリストと共に栄光に包まれて現れるでしょう。

または

①コリント5・6b-8

新しい練り粉のままでいられるように、古いパン種をきれいに取り除きなさい。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、5・6bわずかなパン種が練り粉全体を膨らませることを、知らないのですか。7いつも新しい練り粉のままでいられるように、古いパン種をきれいに取り除きなさい。現に、あなたがたはパン種の入っていない者なのです。キリストが、わたしたちの過越の小羊として屠られたからです。8だから、古いパン種や悪意と邪悪のパン種を用いないで、パン種の入っていない、純粋で真実のパンで過越祭を祝おうではありませんか。

福音朗読

ヨハネ20・1-9

アレルヤ、アレルヤ。わたしの過越、キリストはほふられた。主のうちにともに喜び楽しもう。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

20・1週の初めの日、朝早く、まだ暗いうちに、マグダラのマリアは墓に行った。そして、墓から石が取りのけてあるのを見た。2そこで、シモン・ペトロのところへ、また、イエスが愛しておられたもう一人の弟子のところへ走って行って彼らに告げた。「主が墓から取り去られました。どこに置かれているのか、わたしたちには分かりません。」3そこで、ペトロとそのもう一人の弟子は、外に出て墓へ行った。4二人は一緒に走ったが、もう一人の弟子の方が、ペトロより速く走って、先に墓に着いた。5身をかがめて中をのぞくと、亜麻布が置いてあった。しかし、彼は中には入らなかった。6続いて、シモン・ペトロも着いた。彼は墓に入り、亜麻布が置いてあるのを見た。7イエスの頭を包んでいた覆いは、亜麻布と同じ所には置いてなく、離れた所に丸めてあった。8それから、先に墓に着いたもう一人の弟子も入って来て、見て、信じた。9イエスは必ず死者の中から復活されることになっているという聖書の言葉を、二人はまだ理解していなかったのである。

または、ミサが、夕刻の場合

ルカ24・13-35

アレルヤ、アレルヤ。わたしの過越、キリストはほふられた。主のうちにともに喜び楽しもう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

24・13この日、すなわち週の初めの日、二人の弟子が、エルサレムから六十スタディオン離れたエマオという村へ向かって歩きながら、14この一切の出来事について話し合っていた。15話し合い論じ合っていると、イエス御自身が近づいて来て、一緒に歩き始められた。16しかし、二人の目は遮られていて、イエスだとは分からなかった。17イエスは、「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」と言われた。二人は暗い顔をして立ち止まった。18その一人のクレオパという人が答えた。「エルサレムに滞在していながら、この数日そこで起こったことを、あなただけはご存じなかったのですか。」19イエスが、「どんなことですか」と言われると、二人は言った。「ナザレのイエスのことです。この方は、神と民全体の前で、行いにも言葉にも力のある預言者でした。20それなのに、わたしたちの祭司長たちや議員たちは、死刑にするため引き渡して、十字架につけてしまったのです。21わたしたちは、あの方こそイスラエルを解放してくださると望みをかけていました。しかも、そのことがあってから、もう今日で三日目になります。22ところが、仲間の婦人たちがわたしたちを驚かせました。婦人たちは朝早く墓へ行きましたが、23遺体を見つけずに戻って来ました。そして、天使たちが現れ、『イエスは生きておられる』と告げたと言うのです。24仲間の者が何人か墓へ行ってみたのですが、婦人たちが言ったとおりで、あの方は見当たりませんでした。」25そこで、イエスは言われた。「ああ、物分かりが悪く、心が鈍く預言者たちの言ったことすべてを信じられない者たち、26メシアはこういう苦しみを受けて、栄光に入るはずだったのではないか。」27そして、モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、御自分について書かれていることを説明された。

28一行は目指す村に近づいたが、イエスはなおも先へ行こうとされる様子だった。29二人が、「一緒にお泊まりください。そろそろ夕方になりますし、もう日も傾いていますから」と言って、無理に引き止めたので、イエスは共に泊まるため家に入られた。30一緒に食事の席に着いたとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いてお渡しになった。31すると、二人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。32二人は、「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」と語り合った。33そして、時を移さず出発して、エルサレムに戻ってみると、十一人とその仲間が集まって、34本当に主は復活して、シモンに現れたと言っていた。35二人も、道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。

04月
復活の月曜日 4月1日(月) 復活節

第一朗読

使徒言行録2・14、22-32

神はこのイエスを死の苦しみから解放して、復活させられました。

使徒たちの宣教

五旬祭の日に、2・14ペトロは十一人と共に立って、声を張り上げ、話し始めた。「ユダヤの方々、またエルサレムに住むすべての人たち、知っていただきたいことがあります。わたしの言葉に耳を傾けてください。22イスラエルの人たち、これから話すことを聞いてください。ナザレの人イエスこそ、神から遣わされた方です。神は、イエスを通してあなたがたの間で行われた奇跡と、不思議な業と、しるしとによって、そのことをあなたがたに証明なさいました。あなたがた自身が既に知っているとおりです。23このイエスを神は、お定めになった計画により、あらかじめご存じのうえで、あなたがたに引き渡されたのですが、あなたがたは律法を知らない者たちの手を借りて、十字架につけて殺してしまったのです。24しかし、神はこのイエスを死の苦しみから解放して、復活させられました。イエスが死に支配されたままでおられるなどということは、ありえなかったからです。25ダビデは、イエスについてこう言っています。

『わたしは、いつも目の前に主を見ていた。
主がわたしの右におられるので、わたしは決して動揺しない。
26だから、わたしの心は楽しみ、舌は喜びたたえる。
体も希望のうちに生きるであろう。
27あなたは、わたしの魂を陰府に捨てておかず、
あなたの聖なる者を朽ち果てるままにしておかれない。
28あなたは、命に至る道をわたしに示し、
御前にいるわたしを喜びで満たしてくださる。』

29兄弟たち、先祖ダビデについては、彼は死んで葬られ、その墓は今でもわたしたちのところにあると、はっきり言えます。30ダビデは預言者だったので、彼から生まれる子孫の一人をその王座に着かせると、神がはっきり誓ってくださったことを知っていました。31そして、キリストの復活について前もって知り、『彼は陰府に捨てておかれず、その体は朽ち果てることがない』と語りました。32神はこのイエスを復活させられたのです。わたしたちは皆、そのことの証人です。」

答唱詩編

詩編16・10、11

しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。

詩編16

16・10あなたはわたしを死の国に見捨てられず、
あなたを敬う人が朽ち果てるのを望まれない。

11あなたはいのちの道を示してくださる。
あなたの前にはあふれる喜び、あなたのもとには永遠の楽しみ。

福音朗読

マタイ28・8-15

アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、28・8婦人たちは、恐れながらも大いに喜び、急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行った。9すると、イエスが行く手に立っていて、「おはよう」と言われたので、婦人たちは近寄り、イエスの足を抱き、その前にひれ伏した。10イエスは言われた。「恐れることはない。行って、わたしの兄弟たちにガリラヤへ行くように言いなさい。そこでわたしに会うことになる。」

11婦人たちが行き着かないうちに、数人の番兵は都に帰り、この出来事をすべて祭司長たちに報告した。12そこで、祭司長たちは長老たちと集まって相談し、兵士たちに多額の金を与えて、13言った。「『弟子たちが夜中にやって来て、我々の寝ている間に死体を盗んで行った』と言いなさい。14もしこのことが総督の耳に入っても、うまく総督を説得して、あなたがたには心配をかけないようにしよう。」15兵士たちは金を受け取って、教えられたとおりにした。この話は、今日に至るまでユダヤ人の間に広まっている。

復活の火曜日 4月2日(火) 復活節

第一朗読

使徒言行録2・36-41

あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。

使徒たちの宣教

五旬祭の日に、ペトロはユダヤ人たちに言った。2・36イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。」

37人々はこれを聞いて大いに心を打たれ、ペトロとほかの使徒たちに、「兄弟たち、わたしたちはどうしたらよいのですか」と言った。38すると、ペトロは彼らに言った。「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。39この約束は、あなたがたにも、あなたがたの子供にも、遠くにいるすべての人にも、つまり、わたしたちの神である主が招いてくださる者ならだれにでも、与えられているものなのです。」40ペトロは、このほかにもいろいろ話をして、力強く証しをし、「邪悪なこの時代から救われなさい」と勧めていた。41ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼を受け、その日に三千人ほどが仲間に加わった。

答唱詩編

詩編33・4+5、20+21

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・4神のことばはただしく、
そのわざにはいつわりがない。
5神は正義と公平を愛し、
いつくしみは地に満ちている。

20神はたて、神はすくい、
わたしたちは神を待ち望む。
21心は神のうちにあってよろこび、
尊いその名により頼む。

福音朗読

ヨハネ20・11-18

アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、20・11マリアは墓の外に立って泣いていた。泣きながら身をかがめて墓の中を見ると、12イエスの遺体の置いてあった所に、白い衣を着た二人の天使が見えた。一人は頭の方に、もう一人は足の方に座っていた。13天使たちが、「婦人よ、なぜ泣いているのか」と言うと、マリアは言った。「わたしの主が取り去られました。どこに置かれているのか、わたしには分かりません。」14こう言いながら後ろを振り向くと、イエスの立っておられるのが見えた。しかし、それがイエスだとは分からなかった。15イエスは言われた。「婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか。」マリアは、園丁だと思って言った。「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのか教えてください。わたしが、あの方を引き取ります。」16イエスが、「マリア」と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で、「ラボニ」と言った。「先生」という意味である。17イエスは言われた。「わたしにすがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへ上っていないのだから。わたしの兄弟たちのところへ行って、こう言いなさい。『わたしの父であり、あなたがたの父である方、また、わたしの神であり、あなたがたの神である方のところへわたしは上る』と。」18マグダラのマリアは弟子たちのところへ行って、「わたしは主を見ました」と告げ、また、主から言われたことを伝えた。

復活の水曜日 4月3日(水) 復活節

第一朗読

使徒言行録3・1-10

わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。

使徒たちの宣教

その日、3・1ペトロとヨハネが、午後三時の祈りの時に神殿に上って行った。2すると、生まれながら足の不自由な男が運ばれて来た。神殿の境内に入る人に施しを乞うため、毎日「美しい門」という神殿の門のそばに置いてもらっていたのである。3彼はペトロとヨハネが境内に入ろうとするのを見て、施しを乞うた。4ペトロはヨハネと一緒に彼をじっと見て、「わたしたちを見なさい」と言った。5その男が、何かもらえると思って二人を見つめていると、6ペトロは言った。「わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。」7そして、右手を取って彼を立ち上がらせた。すると、たちまち、その男は足やくるぶしがしっかりして、8躍り上がって立ち、歩きだした。そして、歩き回ったり躍ったりして神を賛美し、二人と一緒に境内に入って行った。9民衆は皆、彼が歩き回り、神を賛美しているのを見た。10彼らは、それが神殿の「美しい門」のそばに座って施しを乞うていた者だと気づき、その身に起こったことに我を忘れるほど驚いた。

答唱詩編

詩編105・1+2、3+4

わたしの心は神のうちに喜び、その救いに喜びおどる。

詩編105

105・1神に感謝してその名をたたえよ。
諸国の民に神のわざを告げ知らせよ。
2賛美の歌を神にうたい、
そのすべての不思議なわざを語れ。

3尊いその名をたたえよ。
神を捜し求める者よ、心から喜べ。
4神にその力を求め、
いつも、その顔を慕い求めよ。

福音朗読

ルカ24・13-35

アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

ちょうどこの日は週の初めの日であったが、24・13二人の弟子が、エルサレムから六十スタディオン離れたエマオという村へ向かって歩きながら、14この一切の出来事について話し合っていた。15話し合い論じ合っていると、イエス御自身が近づいて来て、一緒に歩き始められた。16しかし、二人の目は遮られていて、イエスだとは分からなかった。17イエスは、「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」と言われた。二人は暗い顔をして立ち止まった。18その一人のクレオパという人が答えた。「エルサレムに滞在していながら、この数日そこで起こったことを、あなただけはご存じなかったのですか。」19イエスが、「どんなことですか」と言われると、二人は言った。「ナザレのイエスのことです。この方は、神と民全体の前で、行いにも言葉にも力のある預言者でした。20それなのに、わたしたちの祭司長たちや議員たちは、死刑にするため引き渡して、十字架につけてしまったのです。21わたしたちは、あの方こそイスラエルを解放してくださると望みをかけていました。しかも、そのことがあってから、もう今日で三日目になります。22ところが、仲間の婦人たちがわたしたちを驚かせました。婦人たちは朝早く墓へ行きましたが、23遺体を見つけずに戻って来ました。そして、天使たちが現れ、『イエスは生きておられる』と告げたと言うのです。24仲間の者が何人か墓へ行ってみたのですが、婦人たちが言ったとおりで、あの方は見当たりませんでした。」25そこで、イエスは言われた。「ああ、物分かりが悪く、心が鈍く預言者たちの言ったことすべてを信じられない者たち、26メシアはこういう苦しみを受けて、栄光に入るはずだったのではないか。」27そして、モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、御自分について書かれていることを説明された。

28一行は目指す村に近づいたが、イエスはなおも先へ行こうとされる様子だった。29二人が、「一緒にお泊まりください。そろそろ夕方になりますし、もう日も傾いていますから」と言って、無理に引き止めたので、イエスは共に泊まるため家に入られた。30一緒に食事の席に着いたとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いてお渡しになった。31すると、二人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。32二人は、「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」と語り合った。33そして、時を移さず出発して、エルサレムに戻ってみると、十一人とその仲間が集まって、34本当に主は復活して、シモンに現れたと言っていた。35二人も、道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。

復活の木曜日 4月4日(木) 復活節

第一朗読

使徒言行録3・11-26

あなたがたは預言者の子孫であり、神があなたがたの先祖と結ばれた契約の子です。

使徒たちの宣教

その日、いやされて歩けるようになった3・11男がペトロとヨハネに付きまとっていると、民衆は皆非常に驚いて、「ソロモンの回廊」と呼ばれる所にいる彼らの方へ、一斉に集まって来た。12これを見たペトロは、民衆に言った。「イスラエルの人たち、なぜこのことに驚くのですか。また、わたしたちがまるで自分の力や信心によって、この人を歩かせたかのように、なぜ、わたしたちを見つめるのですか。13アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神、わたしたちの先祖の神は、その僕イエスに栄光をお与えになりました。ところが、あなたがたはこのイエスを引き渡し、ピラトが釈放しようと決めていたのに、その面前でこの方を拒みました。14聖なる正しい方を拒んで、人殺しの男を赦すように要求したのです。15あなたがたは、命への導き手である方を殺してしまいましたが、神はこの方を死者の中から復活させてくださいました。わたしたちは、このことの証人です。16あなたがたの見て知っているこの人を、イエスの名が強くしました。それは、その名を信じる信仰によるものです。イエスによる信仰が、あなたがた一同の前でこの人を完全にいやしたのです。17ところで、兄弟たち、あなたがたがあんなことをしてしまったのは、指導者たちと同様に無知のためであったと、わたしには分かっています。18しかし、神はすべての預言者の口を通して予告しておられたメシアの苦しみを、このようにして実現なさったのです。19だから、自分の罪が消し去られるように、悔い改めて立ち帰りなさい。20こうして、主のもとから慰めの時が訪れ、主はあなたがたのために前もって決めておられた、メシアであるイエスを遣わしてくださるのです。21このイエスは、神が聖なる預言者たちの口を通して昔から語られた、万物が新しくなるその時まで、必ず天にとどまることになっています。22モーセは言いました。『あなたがたの神である主は、あなたがたの同胞の中から、わたしのような預言者をあなたがたのために立てられる。彼が語りかけることには、何でも聞き従え。23この預言者に耳を傾けない者は皆、民の中から滅ぼし絶やされる。』24預言者は皆、サムエルをはじめその後に預言した者も、今の時について告げています。25あなたがたは預言者の子孫であり、神があなたがたの先祖と結ばれた契約の子です。『地上のすべての民族は、あなたから生まれる者によって祝福を受ける』と、神はアブラハムに言われました。26それで、神は御自分の僕を立て、まず、あなたがたのもとに遣わしてくださったのです。それは、あなたがた一人一人を悪から離れさせ、その祝福にあずからせるためでした。」

答唱詩編

詩編8・4+5・6+7

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

詩編8

8・4あなたの指のわざである天を仰ぎ、
あなたが造られた月と星とを眺めて思う。
5なぜ人に心を留め、
人の子を顧みられるのか。

6あなたは人を神の使いに近い者として造り、
栄えと誉れの冠を授け、
7あなたが造られたものを治めさせ、
すべてをその知恵にゆだねられた。

福音朗読

ルカ24・35-48

アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、エルサレムに戻った二人の弟子は、24・35道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。

36こういうことを話していると、イエス御自身が彼らの真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。37彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。38そこで、イエスは言われた。「なぜ、うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。39わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」40こう言って、イエスは手と足をお見せになった。41彼らが喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物があるか」と言われた。42そこで、焼いた魚を一切れ差し出すと、43イエスはそれを取って、彼らの前で食べられた。

44イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」45そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、46言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。47また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、48あなたがたはこれらのことの証人となる。」

復活の金曜日 4月5日(金) 復活節

第一朗読

使徒言行録4・1-12

この方こそ、『あなたがた家を建てる者に捨てられたが、隅の親石となった石』です。

使徒たちの宣教

その日、4・1ペトロとヨハネが民衆に話をしていると、祭司たち、神殿守衛長、サドカイ派の人々が近づいて来た。2二人が民衆に教え、イエスに起こった死者の中からの復活を宣べ伝えているので、彼らはいらだち、3二人を捕らえて翌日まで牢に入れた。既に日暮れだったからである。4しかし、二人の語った言葉を聞いて信じた人は多く、男の数が五千人ほどになった。

5次の日、議員、長老、律法学者たちがエルサレムに集まった。6大祭司アンナスとカイアファとヨハネとアレクサンドロと大祭司一族が集まった。7そして、使徒たちを真ん中に立たせて、「お前たちは何の権威によって、だれの名によってああいうことをしたのか」と尋問した。8そのとき、ペトロは聖霊に満たされて言った。「民の議員、また長老の方々、9今日わたしたちが取り調べを受けているのは、病人に対する善い行いと、その人が何によっていやされたかということについてであるならば、10あなたがたもイスラエルの民全体も知っていただきたい。この人が良くなって、皆さんの前に立っているのは、あなたがたが十字架につけて殺し、神が死者の中から復活させられたあのナザレの人、イエス・キリストの名によるものです。11この方こそ、
『あなたがた家を建てる者に捨てられたが、
隅の親石となった石』
です。12ほかのだれによっても、救いは得られません。わたしたちが救われるべき名は、天下にこの名のほか、人間には与えられていないのです。」

答唱詩編

詩編118・1+2、22+23

きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。

詩編118

118・1恵み深い神に感謝せよ。
そのあわれみは永遠。
2イスラエルよ、叫べ。
神のいつくしみは絶えることがない。

22家造りの捨てた石が、
隅の親石となった。
23これは神のわざ、
人の目には不思議なこと。

福音朗読

ヨハネ21・1-14

アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

21・1その後、イエスはティベリアス湖畔で、また弟子たちに御自身を現された。その次第はこうである。2シモン・ペトロ、ディディモと呼ばれるトマス、ガリラヤのカナ出身のナタナエル、ゼベダイの子たち、それに、ほかの二人の弟子が一緒にいた。3シモン・ペトロが、「わたしは漁に行く」と言うと、彼らは、「わたしたちも一緒に行こう」と言った。彼らは出て行って、舟に乗り込んだ。しかし、その夜は何もとれなかった。4既に夜が明けたころ、イエスが岸に立っておられた。だが、弟子たちは、それがイエスだとは分からなかった。5イエスが、「子たちよ、何か食べる物があるか」と言われると、彼らは、「ありません」と答えた。6イエスは言われた。「舟の右側に網を打ちなさい。そうすればとれるはずだ。」そこで、網を打ってみると、魚があまり多くて、もはや網を引き上げることができなかった。7イエスの愛しておられたあの弟子がペトロに、「主だ」と言った。シモン・ペトロは「主だ」と聞くと、裸同然だったので、上着をまとって湖に飛び込んだ。8ほかの弟子たちは魚のかかった網を引いて、舟で戻って来た。陸から二百ペキスばかりしか離れていなかったのである。9さて、陸に上がってみると、炭火がおこしてあった。その上に魚がのせてあり、パンもあった。10イエスが、「今とった魚を何匹か持って来なさい」と言われた。11シモン・ペトロが舟に乗り込んで網を陸に引き上げると、百五十三匹もの大きな魚でいっぱいであった。それほど多くとれたのに、網は破れていなかった。12イエスは、「さあ、来て、朝の食事をしなさい」と言われた。弟子たちはだれも、「あなたはどなたですか」と問いただそうとはしなかった。主であることを知っていたからである。13イエスは来て、パンを取って弟子たちに与えられた。魚も同じようにされた。14イエスが死者の中から復活した後、弟子たちに現れたのは、これでもう三度目である。

復活の土曜日 4月6日(土) 復活節

第一朗読

使徒言行録4・13-21

わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです。

使徒たちの宣教

その日、4・13議員や他の者たちは、ペトロとヨハネの大胆な態度を見、しかも二人が無学な普通の人であることを知って驚き、また、イエスと一緒にいた者であるということも分かった。14しかし、足をいやしていただいた人がそばに立っているのを見ては、ひと言も言い返せなかった。15そこで、二人に議場を去るように命じてから、相談して、16言った。「あの者たちをどうしたらよいだろう。彼らが行った目覚ましいしるしは、エルサレムに住むすべての人に知れ渡っており、それを否定することはできない。17しかし、このことがこれ以上民衆の間に広まらないように、今後あの名によってだれにも話すなと脅しておこう。」18そして、二人を呼び戻し、決してイエスの名によって話したり、教えたりしないようにと命令した。19しかし、ペトロとヨハネは答えた。「神に従わないであなたがたに従うことが、神の前に正しいかどうか、考えてください。20わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです。」21議員や他の者たちは、二人を更に脅してから釈放した。皆の者がこの出来事について神を賛美していたので、民衆を恐れて、どう処罰してよいか分からなかったからである。

答唱詩編

詩編118・1+2、16+17

きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。

詩編118

118・1恵み深い神に感謝せよ。
そのあわれみは永遠。
2イスラエルよ、叫べ。
神のいつくしみは絶えることがない。

16神の右の手は高く上がり、
その右の手は力を示す。
17わたしは死なず、わたしは生きる。
神のわざを告げるために。

福音朗読

マルコ16・9-15

アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

16・9イエスは週の初めの日の朝早く、復活して、まずマグダラのマリアに御自身を現された。このマリアは、以前イエスに七つの悪霊を追い出していただいた婦人である。10マリアは、イエスと一緒にいた人々が泣き悲しんでいるところへ行って、このことを知らせた。11しかし彼らは、イエスが生きておられること、そしてマリアがそのイエスを見たことを聞いても、信じなかった。

12その後、彼らのうちの二人が田舎の方へ歩いて行く途中、イエスが別の姿で御自身を現された。13この二人も行って残りの人たちに知らせたが、彼らは二人の言うことも信じなかった。

14その後、十一人が食事をしているとき、イエスが現れ、その不信仰とかたくなな心をおとがめになった。復活されたイエスを見た人々の言うことを、信じなかったからである。15それから、イエスは言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」

復活節第2主日 4月7日(日) 復活節

第一朗読

使徒言行録4・32-35

その金は必要に応じて、おのおのに分配された。

使徒たちの宣教

4・32信じた人々の群れは心も思いも一つにし、一人として持ち物を自分のものだと言う者はなく、すべてを共有していた。33使徒たちは、大いなる力をもって主イエスの復活を証しし、皆、人々から非常に好意を持たれていた。34信者の中には、一人も貧しい人がいなかった。土地や家を持っている人が皆、それを売っては代金を持ち寄り、35使徒たちの足もとに置き、その金は必要に応じて、おのおのに分配されたからである。

答唱詩編

詩編118・1+2、16+17、22+23

きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。

詩編118

118・1恵み深い神に感謝せよ。
そのあわれみは永遠。
2イスラエルよ、叫べ。
神のいつくしみは絶えることがない。

16神の右の手は高くあがり、
その右の手は力を示す。
17わたしは死なず、わたしは生きる。
神のわざを告げるために。

22家造りの捨てた石が、
隅の親石となった。
23これは神のわざ、
人の目には不思議なこと。

第二朗読

①ヨハネ5・1-6

神から生まれた人は皆、世に打ち勝つ

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、5・1イエスがメシアであると信じる人は皆、神から生まれた者です。そして、生んでくださった方を愛する人は皆、その方から生まれた者をも愛します。2このことから明らかなように、わたしたちが神を愛し、その掟を守るときはいつも、神の子供たちを愛します。3神を愛するとは、神の掟を守ることです。神の掟は難しいものではありません。4神から生まれた人は皆、世に打ち勝つからです。世に打ち勝つ勝利、それはわたしたちの信仰です。5だれが世に打ち勝つか。イエスが神の子であると信じる者ではありませんか。6この方は、水と血を通って来られた方、イエス・キリストです。水だけではなく、水と血によって来られたのです。そして、〝霊〟はこのことを証しする方です。〝霊〟は真理だからです。

福音朗読

ヨハネ20・19-31

アレルヤ、アレルヤ。トマよ、あなたはわたしを見たので信じた。見ないで信じる人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

20・19その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。20そう言って、手とわき腹とをお見せになった。弟子たちは、主を見て喜んだ。21イエスは重ねて言われた。「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。」22そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。23だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」

24十二人の一人でディディモと呼ばれるトマスは、イエスが来られたとき、彼らと一緒にいなかった。25そこで、ほかの弟子たちが、「わたしたちは主を見た」と言うと、トマスは言った。「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない。」26さて八日の後、弟子たちはまた家の中におり、トマスも一緒にいた。戸にはみな鍵がかけてあったのに、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。27それから、トマスに言われた。「あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」28トマスは答えて、「わたしの主、わたしの神よ」と言った。29イエスはトマスに言われた。「わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである。」

30このほかにも、イエスは弟子たちの前で、多くのしるしをなさったが、それはこの書物に書かれていない。31これらのことが書かれたのは、あなたがたが、イエスは神の子メシアであると信じるためであり、また、信じてイエスの名により命を受けるためである。

神のお告げ 4月8日(月) 年間の主の祝祭日

第一朗読

イザヤ7・10-14、8・10c

見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み、その名をインマヌエルと呼ぶ。

イザヤの預言

その日、7・10主はアハズに向かって言われた。
11「主なるあなたの神に、しるしを求めよ。深く陰府の方に、あるいは高く天の方に。」
12しかし、アハズは言った。
「わたしは求めない。主を試すようなことはしない。」
13イザヤは言った。
「ダビデの家よ聞け。
あなたたちは人間にもどかしい思いをさせるだけでは足りず
わたしの神にも、もどかしい思いをさせるのか。
14それゆえ、わたしの主が御自らあなたたちにしるしを与えられる。
見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み
その名をインマヌエルと呼ぶ。
8・10c神が我らと共におられるのだから。

答唱詩編

詩編40・6、10

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編40

40・6神よ、あなたの不思議なわざは数えきれず、
そのはからいはたぐいなく、
私がそれを告げ知らせても、
すべてを語り尽くすことはできない。

10わたしは人々のつどいの中で、
あなたの救いのわざを告げ知らせ、
けっして口を閉じることがない。
神よ、あなたはそれを知っておられる。

第二朗読

ヘブライ10・4-10

わたしは来ました。神よ、御心を行うために。

ヘブライ人への手紙

皆さん、10・4雄牛や雄山羊の血は、罪を取り除くことができません。
5それで、キリストは世に来られたときに、次のように言われたのです。
「あなたは、いけにえや献げ物を望まず、
むしろ、わたしのために体を備えてくださいました。
6あなたは、焼き尽くす献げ物や罪を贖うためのいけにえを好まれませんでした。
7そこで、わたしは言いました。
『御覧ください。わたしは来ました。
聖書の巻物にわたしについて書いてあるとおり、
神よ、御心を行うために。』」
8ここで、まず、「あなたはいけにえ、献げ物、焼き尽くす献げ物、罪を贖うためのいけにえ、つまり律法に従って献げられるものを望みもせず、好まれもしなかった」と言われ、9次いで、「御覧ください。わたしは来ました。御心を行うために」と言われています。第二のものを立てるために、最初のものを廃止されるのです。10この御心に基づいて、ただ一度イエス・キリストの体が献げられたことにより、わたしたちは聖なる者とされたのです。

福音朗読

ルカ1・26-38

(アレルヤ、アレルヤ。)みことばは人となり、わたしたちのうちにお住みになった。わたしたちはその栄光を見た。(アレルヤ、アレルヤ。)

ルカによる福音

そのとき、1・26天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。27ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。28天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」29マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。30すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。31あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。32その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。33彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」34マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」35天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。36あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。37神にできないことは何一つない。」38マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。

復活節第2火曜日 4月9日(火) 復活節

第一朗読

使徒言行録4・32-37

ヨセフも、持っていた畑を売り、その代金を持って来て使徒たちの足もとに置いた。

使徒たちの宣教

4・32信じた人々の群れは心も思いも一つにし、一人として持ち物を自分のものだと言う者はなく、すべてを共有していた。33使徒たちは、大いなる力をもって主イエスの復活を証しし、皆、人々から非常に好意を持たれていた。34信者の中には、一人も貧しい人がいなかった。土地や家を持っている人が皆、それを売っては代金を持ち寄り、35使徒たちの足もとに置き、その金は必要に応じて、おのおのに分配されたからである。36たとえば、レビ族の人で、使徒たちからバルナバ――「慰めの子」という意味――と呼ばれていた、キプロス島生まれのヨセフも、37持っていた畑を売り、その代金を持って来て使徒たちの足もとに置いた。

答唱詩編

詩編93・1+2、5+栄唱

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編93

93・1神は王。栄光に満ち、
偉大な力を身に帯びておられる。
2神は世界をゆるぎなく建て、
とこしえに王座をすえ、永遠に座しておられる。

5神よ、あなたのことばは変わることなく、
あなたの家はとこしえにとうとい。
栄唱栄光は父と子と聖霊に。
初めのように今もいつも世々に。アーメン。

福音朗読

ヨハネ3・7a、8-15

アレルヤ、アレルヤ。主はわたしたちのために十字架の木にかかり、墓の中から復活された。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはニコデモに言われた。3・7「あなたがたは新たに生まれねばならない。8風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである。」9するとニコデモは、「どうして、そんなことがありえましょうか」と言った。10イエスは答えて言われた。「あなたはイスラエルの教師でありながら、こんなことが分からないのか。11はっきり言っておく。わたしたちは知っていることを語り、見たことを証ししているのに、あなたがたはわたしたちの証しを受け入れない。12わたしが地上のことを話しても信じないとすれば、天上のことを話したところで、どうして信じるだろう。13天から降って来た者、すなわち人の子のほかには、天に上った者はだれもいない。14そして、モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。15それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。」

復活節第2水曜日 4月10日(水) 復活節

第一朗読

使徒言行録5・17-26

行って神殿の境内に立ち、この命の言葉を残らず民衆に告げなさい

使徒たちの宣教

その日、5・17大祭司とその仲間のサドカイ派の人々は皆立ち上がり、ねたみに燃えて、18使徒たちを捕らえて公の牢に入れた。19ところが、夜中に主の天使が牢の戸を開け、彼らを外に連れ出し、20「行って神殿の境内に立ち、この命の言葉を残らず民衆に告げなさい」と言った。21これを聞いた使徒たちは、夜明けごろ境内に入って教え始めた。一方、大祭司とその仲間が集まり、最高法院、すなわちイスラエルの子らの長老会全体を召集し、使徒たちを引き出すために、人を牢に差し向けた。22下役たちが行ってみると、使徒たちは牢にいなかった。彼らは戻って来て報告した。23「牢にはしっかり鍵がかかっていたうえに、戸の前には番兵が立っていました。ところが、開けてみると、中にはだれもいませんでした。」24この報告を聞いた神殿守衛長と祭司長たちは、どうなることかと、使徒たちのことで思い惑った。25そのとき、人が来て、「御覧ください。あなたがたが牢に入れた者たちが、境内にいて民衆に教えています」と告げた。26そこで、守衛長は下役を率いて出て行き、使徒たちを引き立てて来た。しかし、民衆に石を投げつけられるのを恐れて、手荒なことはしなかった。

答唱詩編

詩編34・2+3、4+5

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編34

34・2主をたたえよう、
明け暮れ賛美をくちにして。
3主はわたしたちの口のほこり、
苦しむときの心のよろこび。

4心を合わせて主をあがめ、
ともにその名をたたえよう。
5主はわたしたちの祈りに心を留め、
すべての恐れを遠ざけてくださる。

福音朗読

ヨハネ3・16-21

アレルヤ、アレルヤ。神はひとり子をお与えになるほど世を愛された。神を信じるすべての人が永遠のいのちを得るために。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

3・16神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。17神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。18御子を信じる者は裁かれない。信じない者は既に裁かれている。神の独り子の名を信じていないからである。19光が世に来たのに、人々はその行いが悪いので、光よりも闇の方を好んだ。それが、もう裁きになっている。20悪を行う者は皆、光を憎み、その行いが明るみに出されるのを恐れて、光の方に来ないからである。21しかし、真理を行う者は光の方に来る。その行いが神に導かれてなされたということが、明らかになるために。

聖スタニスラオ 司教殉教者 4月11日(木) 記念日

第一朗読

使徒言行録5・27-33

人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。

使徒たちの宣教

その日、神殿守衛長と下役たちが5・27使徒たちを引いて来て最高法院の中に立たせると、大祭司が尋問した。28「あの名によって教えてはならないと、厳しく命じておいたではないか。それなのに、お前たちはエルサレム中に自分の教えを広め、あの男の血を流した責任を我々に負わせようとしている。」29ペトロとほかの使徒たちは答えた。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。30わたしたちの先祖の神は、あなたがたが木につけて殺したイエスを復活させられました。31神はイスラエルを悔い改めさせ、その罪を赦すために、この方を導き手とし、救い主として、御自分の右に上げられました。32わたしたちはこの事実の証人であり、また、神が御自分に従う人々にお与えになった聖霊も、このことを証ししておられます。」

33これを聞いた者たちは激しく怒り、使徒たちを殺そうと考えた。

答唱詩編

詩編34・9+10、16+18

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編34

34・9主により頼む人はしあわせ。
彼はその恵みを深く味わう。
10主をおそれよう。
主をおそれる者は乏しさを知らない。

16主のまなざしは正しい人に、
耳は彼らの叫びに。
18主は正しい人の声を聞き、
悩みの中から救ってくださる。

福音朗読

ヨハネ3・31-36

アレルヤ、アレルヤ。トマよ、あなたはわたしを見たので信じた。見ないで信じる人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

3・31上から来られる方は、すべてのものの上におられる。地から出る者は地に属し、地に属する者として語る。天から来られる方は、すべてのものの上におられる。32この方は、見たこと、聞いたことを証しされるが、だれもその証しを受け入れない。33その証しを受け入れる者は、神が真実であることを確認したことになる。34神がお遣わしになった方は、神の言葉を話される。神が〝霊〟を限りなくお与えになるからである。35御父は御子を愛して、その手にすべてをゆだねられた。36御子を信じる人は永遠の命を得ているが、御子に従わない者は、命にあずかることがないばかりか、神の怒りがその上にとどまる。

復活節第2金曜日 4月12日(金) 復活節

第一朗読

使徒言行録5・34-42

毎日、神殿の境内や家々で絶えず教え、メシア・イエスについて福音を告げ知らせていた。

使徒たちの宣教

その日、5・34民衆全体から尊敬されている律法の教師で、ファリサイ派に属するガマリエルという人が、議場に立って、使徒たちをしばらく外に出すように命じ、35それから、議員たちにこう言った。「イスラエルの人たち、あの者たちの取り扱いは慎重にしなさい。36以前にもテウダが、自分を何か偉い者のように言って立ち上がり、その数四百人くらいの男が彼に従ったことがあった。彼は殺され、従っていた者は皆散らされて、跡形もなくなった。37その後、住民登録の時、ガリラヤのユダが立ち上がり、民衆を率いて反乱を起こしたが、彼も滅び、つき従った者も皆、ちりぢりにさせられた。38そこで今、申し上げたい。あの者たちから手を引きなさい。ほうっておくがよい。あの計画や行動が人間から出たものなら、自滅するだろうし、39神から出たものであれば、彼らを滅ぼすことはできない。もしかしたら、諸君は神に逆らう者となるかもしれないのだ。」一同はこの意見に従い、40使徒たちを呼び入れて鞭で打ち、イエスの名によって話してはならないと命じたうえ、釈放した。41それで使徒たちは、イエスの名のために辱めを受けるほどの者にされたことを喜び、最高法院から出て行き、42毎日、神殿の境内や家々で絶えず教え、メシア・イエスについて福音を告げ知らせていた。

答唱詩編

詩編27・1、13+14

神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。

詩編27

27・1神はわたしの光、わたしの救い、
わたしはだれもおそれない。
神はわたしのいのちの砦、
わたしはだれをはばかろう。

13神に生きる人々の中で
わたしは神の美しさを仰ぎ見る。
14神を待ち望め、
強く、たくましく、神を待ち望め。

福音朗読

ヨハネ6・1-15

アレルヤ、アレルヤ。人はパンだけではなく、神の言葉によって生きている。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、6・1イエスはガリラヤ湖、すなわちティベリアス湖の向こう岸に渡られた。2大勢の群衆が後を追った。イエスが病人たちになさったしるしを見たからである。3イエスは山に登り、弟子たちと一緒にそこにお座りになった。4ユダヤ人の祭りである過越祭が近づいていた。5イエスは目を上げ、大勢の群衆が御自分の方へ来るのを見て、フィリポに、「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」と言われたが、6こう言ったのはフィリポを試みるためであって、御自分では何をしようとしているか知っておられたのである。7フィリポは、「めいめいが少しずつ食べるためにも、二百デナリオン分のパンでは足りないでしょう」と答えた。8弟子の一人で、シモン・ペトロの兄弟アンデレが、イエスに言った。9「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」10イエスは、「人々を座らせなさい」と言われた。そこには草がたくさん生えていた。男たちはそこに座ったが、その数はおよそ五千人であった。11さて、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられた。また、魚も同じようにして、欲しいだけ分け与えられた。12人々が満腹したとき、イエスは弟子たちに、「少しも無駄にならないように、残ったパンの屑を集めなさい」と言われた。13集めると、人々が五つの大麦パンを食べて、なお残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになった。14そこで、人々はイエスのなさったしるしを見て、「まさにこの人こそ、世に来られる預言者である」と言った。15イエスは、人々が来て、自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り、ひとりでまた山に退かれた。

復活節第2土曜日 4月13日(土) 復活節

第一朗読

使徒言行録6・1-7

〝霊〟と知恵に満ちた評判の良い人を七人選びなさい。

使徒たちの宣教

6・1そのころ、弟子の数が増えてきて、ギリシア語を話すユダヤ人から、ヘブライ語を話すユダヤ人に対して苦情が出た。それは、日々の分配のことで、仲間のやもめたちが軽んじられていたからである。2そこで、十二人は弟子をすべて呼び集めて言った。「わたしたちが、神の言葉をないがしろにして、食事の世話をするのは好ましくない。3それで、兄弟たち、あなたがたの中から、〝霊〟と知恵に満ちた評判の良い人を七人選びなさい。彼らにその仕事を任せよう。4わたしたちは、祈りと御言葉の奉仕に専念することにします。」5一同はこの提案に賛成し、信仰と聖霊に満ちている人ステファノと、ほかにフィリポ、プロコロ、ニカノル、ティモン、パルメナ、アンティオキア出身の改宗者ニコラオを選んで、6使徒たちの前に立たせた。使徒たちは、祈って彼らの上に手を置いた。

7こうして、神の言葉はますます広まり、弟子の数はエルサレムで非常に増えていき、祭司も大勢この信仰に入った。

答唱詩編

詩編33・4+5、20+21

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・4神のことばはただしく、
そのわざにはいつわりがない。
5神は正義と公平を愛し、
いつくしみは地に満ちている。

20神はたて、神はすくい、
わたしたちは神を待ち望む。
21心は神のうちにあってよろこび、
とうといその名により頼む。

福音朗読

ヨハネ6・16-21

アレルヤ、アレルヤ。すべてのものを造られたキリストは復活し、人類にあわれみをかけられる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

6・16夕方になったので、弟子たちは湖畔へ下りて行った。17そして、舟に乗り、湖の向こう岸のカファルナウムに行こうとした。既に暗くなっていたが、イエスはまだ彼らのところには来ておられなかった。18強い風が吹いて、湖は荒れ始めた。19二十五ないし三十スタディオンばかり漕ぎ出したころ、イエスが湖の上を歩いて舟に近づいて来られるのを見て、彼らは恐れた。20イエスは言われた。「わたしだ。恐れることはない。」21そこで、彼らはイエスを舟に迎え入れようとした。すると間もなく、舟は目指す地に着いた。

復活節第3主日 4月14日(日) 復活節

第一朗読

使徒言行録3・13-15、17-19

あなたがたは命への導き手である方を殺してしまったが、神はこの方を死者の中から復活させてくださった。

使徒たちの宣教

その日、3・13ペトロは民衆に言った。「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神、わたしたちの先祖の神は、その僕イエスに栄光をお与えになりました。ところが、あなたがたはこのイエスを引き渡し、ピラトが釈放しようと決めていたのに、その面前でこの方を拒みました。14聖なる正しい方を拒んで、人殺しの男を赦すように要求したのです。15あなたがたは、命への導き手である方を殺してしまいましたが、神はこの方を死者の中から復活させてくださいました。わたしたちは、このことの証人です。17ところで、兄弟たち、あなたがたがあんなことをしてしまったのは、指導者たちと同様に無知のためであったと、わたしには分かっています。18しかし、神はすべての預言者の口を通して予告しておられたメシアの苦しみを、このようにして実現なさったのです。19だから、自分の罪が消し去られるように、悔い改めて立ち帰りなさい。」

答唱詩編

詩編4・2、3+4、8+9

神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。

詩編4

4・2正しさを守ってくださる神、
わたしの叫びにこたえ、
悩みの中にもいこいをあたえ、
わたしをあわれみ、心に留めてください。

3人よ、いつまで心をとざし、むなしいことを追い、
見せかけをもとめるのか。
4神はわたしを選び、ご自分のものとされた。
神は、わたしの叫びに耳を傾けてくださる。

8あなたがわたしの心に与えてくださるよろこびは、
小麦とぶどうの豊かな実りにまさるもの。
9神よ、わたしの平和はあなたのうちにある。
わたしは床につき、心静かに眠る。

第二朗読

①ヨハネ2・1-5a

イエス・キリストこそ、わたしたちの罪ばかりでなく、全世界の罪を償ういけにえである。

使徒ヨハネの手紙

2・1わたしの子たちよ、これらのことを書くのは、あなたがたが罪を犯さないようになるためです。たとえ罪を犯しても、御父のもとに弁護者、正しい方、イエス・キリストがおられます。2この方こそ、わたしたちの罪、いや、わたしたちの罪ばかりでなく、全世界の罪を償ういけにえです。3わたしたちは、神の掟を守るなら、それによって、神を知っていることが分かります。4「神を知っている」と言いながら、神の掟を守らない者は、偽り者で、その人の内には真理はありません。5しかし、神の言葉を守るなら、まことにその人の内には神の愛が実現しています。

福音朗読

ルカ24・35-48

アレルヤ、アレルヤ。主イエスよ、聖書を開いて私たちに話し、心を燃やしてください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、エルサレムに戻った24・35二人の弟子は、道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。36こういうことを話していると、イエス御自身が彼らの真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。37彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。38そこで、イエスは言われた。「なぜ、うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。39わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」40こう言って、イエスは手と足をお見せになった。41彼らが喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物があるか」と言われた。42そこで、焼いた魚を一切れ差し出すと、43イエスはそれを取って、彼らの前で食べられた。

44イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」45そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、46言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。47また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、48あなたがたはこれらのことの証人となる。」

復活節第3月曜日 4月15日(月) 復活節

第一朗読

使徒言行録6・8-15

ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行っていた。

使徒たちの宣教

そのころ、6・8ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行っていた。9ところが、キレネとアレクサンドリアの出身者で、いわゆる「解放された奴隷の会堂」に属する人々、またキリキア州とアジア州出身の人々などのある者たちが立ち上がり、ステファノと議論した。10しかし、彼が知恵と〝霊〟とによって語るので、歯が立たなかった。11そこで、彼らは人々を唆して、「わたしたちは、あの男がモーセと神を冒涜する言葉を吐くのを聞いた」と言わせた。12また、民衆、長老たち、律法学者たちを扇動して、ステファノを襲って捕らえ、最高法院に引いて行った。13そして、偽証人を立てて、次のように訴えさせた。「この男は、この聖なる場所と律法をけなして、一向にやめようとしません。14わたしたちは、彼がこう言っているのを聞いています。『あのナザレの人イエスは、この場所を破壊し、モーセが我々に伝えた慣習を変えるだろう。』」15最高法院の席に着いていた者は皆、ステファノに注目したが、その顔はさながら天使の顔のように見えた。

答唱詩編

詩編119・57+58、29+30

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編119

119・57神よ、あなたはわたしのすべて。
あなたのことばをわたしは守る。
58わたしは心をこめて祈る。
仰せのとおり、いつくしみを示してください。

29偽りの道からわたしを退け、
教えを授けてください。
30わたしは真実の道を志し、
あなたのさばきを心におさめる。

福音朗読

ヨハネ6・22-29

アレルヤ、アレルヤ。人はパンだけではなく、神の言葉によって生きている。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

イエスが五千人の人々に食べ物をお与えになった後、弟子たちはイエスが湖の上を歩いておられるのを見た。6・22その翌日、湖の向こう岸に残っていた群衆は、そこには小舟が一そうしかなかったこと、また、イエスは弟子たちと一緒に舟に乗り込まれず、弟子たちだけが出かけたことに気づいた。23ところが、ほかの小舟が数そうティベリアスから、主が感謝の祈りを唱えられた後に人々がパンを食べた場所へ近づいて来た。24群衆は、イエスも弟子たちもそこにいないと知ると、自分たちもそれらの小舟に乗り、イエスを捜し求めてカファルナウムに来た。25そして、湖の向こう岸でイエスを見つけると、「ラビ、いつ、ここにおいでになったのですか」と言った。26イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。あなたがたがわたしを捜しているのは、しるしを見たからではなく、パンを食べて満腹したからだ。27朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。これこそ、人の子があなたがたに与える食べ物である。父である神が、人の子を認証されたからである。」28そこで彼らが、「神の業を行うためには、何をしたらよいでしょうか」と言うと、29イエスは答えて言われた。「神がお遣わしになった者を信じること、それが神の業である。」

復活節第3火曜日 4月16日(火) 復活節

第一朗読

使徒言行録7・51-8・1a

主よ、この罪を彼らに負わせないでください

使徒たちの宣教

その日、ステファノは、民衆、長老たち、律法学者たちに言った。7・51「かたくなで、心と耳に割礼を受けていない人たち、あなたがたは、いつも聖霊に逆らっています。あなたがたの先祖が逆らったように、あなたがたもそうしているのです。52いったい、あなたがたの先祖が迫害しなかった預言者が、一人でもいたでしょうか。彼らは、正しい方が来られることを預言した人々を殺しました。そして今や、あなたがたがその方を裏切る者、殺す者となった。53天使たちを通して律法を受けた者なのに、それを守りませんでした。」

54人々はこれを聞いて激しく怒り、ステファノに向かって歯ぎしりした。55ステファノは聖霊に満たされ、天を見つめ、神の栄光と神の右に立っておられるイエスとを見て、56「天が開いて、人の子が神の右に立っておられるのが見える」と言った。57人々は大声で叫びながら耳を手でふさぎ、ステファノ目がけて一斉に襲いかかり、58都の外に引きずり出して石を投げ始めた。証人たちは、自分の着ている物をサウロという若者の足もとに置いた。59人々が石を投げつけている間、ステファノは主に呼びかけて、「主イエスよ、わたしの霊をお受けください」と言った。60それから、ひざまずいて、「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」と大声で叫んだ。ステファノはこう言って、眠りについた。8・1サウロは、ステファノの殺害に賛成していた。

答唱詩編

詩編31・6+7、15+16a+17b

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編31

31・6神よ、あなたの手にわたしの霊をゆだねる。
あなたは約束を守られるかた、わたしをあがなってください。
7空しい偶像に走る者を避け、
わたしはあなたにより頼み、いつくしみを喜びうたう。

15神よ、わたしはあなたにより頼む。
「あなたこそわたしの神。」
16aあなたの手にわたしの生涯をゆだねる。
17bいつくしみによって救ってください。

福音朗読

ヨハネ6・30-35

アレルヤ、アレルヤ。わたしは天から下ったいのちの糧。このパンを食べる人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、群衆はイエスに言った。6・30「それでは、わたしたちが見てあなたを信じることができるように、どんなしるしを行ってくださいますか。どのようなことをしてくださいますか。31わたしたちの先祖は、荒れ野でマンナを食べました。『天からのパンを彼らに与えて食べさせた』と書いてあるとおりです。」32すると、イエスは言われた。「はっきり言っておく。モーセが天からのパンをあなたがたに与えたのではなく、わたしの父が天からのまことのパンをお与えになる。33神のパンは、天から降って来て、世に命を与えるものである。」

34そこで、彼らが、「主よ、そのパンをいつもわたしたちにください」と言うと、35イエスは言われた。「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」

復活節第3水曜日 4月17日(水) 復活節

第一朗読

使徒言行録8・1b-8

散って行った人々は、福音を告げ知らせながら巡り歩いた。

使徒たちの宣教

その日、エルサレムの教会に対して大迫害が起こり、使徒たちのほかは皆、ユダヤとサマリアの地方に散って行った。2しかし、信仰深い人々がステファノを葬り、彼のことを思って大変悲しんだ。3一方、サウロは家から家へと押し入って教会を荒らし、男女を問わず引き出して牢に送っていた。

4さて、散って行った人々は、福音を告げ知らせながら巡り歩いた。5フィリポはサマリアの町に下って、人々にキリストを宣べ伝えた。6群衆は、フィリポの行うしるしを見聞きしていたので、こぞってその話に聞き入った。7実際、汚れた霊に取りつかれた多くの人たちからは、その霊が大声で叫びながら出て行き、多くの中風患者や足の不自由な人もいやしてもらった。8町の人々は大変喜んだ。

答唱詩編

詩編66・1+2+4、5+9

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。

詩編66

66・1すべての人よ、神に向かって喜びの声をあげよ。
2神の栄えをほめうたい、その栄光を賛美せよ。
4「すべての人はあなたを伏し拝み、
み名をたたえて喜びうたう。」

5神のわざを仰ぎ見よ、
人々に行われたおそるべきわざを。
9神はわたしたちにいのちを与え、
足をゆるぎなく支えられる。

福音朗読

ヨハネ6・35-40

アレルヤ、アレルヤ。わたしの父の意志は、子を見て信じる者が永遠のいのちを保ち、終わりの日に復活することである。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。6・35「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。36しかし、前にも言ったように、あなたがたはわたしを見ているのに、信じない。37父がわたしにお与えになる人は皆、わたしのところに来る。わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない。38わたしが天から降って来たのは、自分の意志を行うためではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行うためである。39わたしをお遣わしになった方の御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである。40わたしの父の御心は、子を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。」

復活節第3木曜日 4月18日(木) 復活節

第一朗読

使徒言行録8・26-40

ここに水があります。洗礼を受けるのに、何か妨げがあるでしょうか。

使徒たちの宣教

その日、8・26主の天使はフィリポに、「ここをたって南に向かい、エルサレムからガザへ下る道に行け」と言った。そこは寂しい道である。27フィリポはすぐ出かけて行った。折から、エチオピアの女王カンダケの高官で、女王の全財産の管理をしていたエチオピア人の宦官が、エルサレムに礼拝に来て、28帰る途中であった。彼は、馬車に乗って預言者イザヤの書を朗読していた。29すると、〝霊〟がフィリポに、「追いかけて、あの馬車と一緒に行け」と言った。30フィリポが走り寄ると、預言者イザヤの書を朗読しているのが聞こえたので、「読んでいることがお分かりになりますか」と言った。31宦官は、「手引きしてくれる人がなければ、どうして分かりましょう」と言い、馬車に乗ってそばに座るようにフィリポに頼んだ。32彼が朗読していた聖書の個所はこれである。

「彼は、羊のように屠り場に引かれて行った。
毛を刈る者の前で黙している小羊のように、口を開かない。
33卑しめられて、その裁きも行われなかった。
だれが、その子孫について語れるだろう。
彼の命は地上から取り去られるからだ。」

34宦官はフィリポに言った。「どうぞ教えてください。預言者は、だれについてこう言っているのでしょうか。自分についてですか。だれかほかの人についてですか。」35そこで、フィリポは口を開き、聖書のこの個所から説きおこして、イエスについて福音を告げ知らせた。36道を進んで行くうちに、彼らは水のある所に来た。宦官は言った。「ここに水があります。洗礼を受けるのに、何か妨げがあるでしょうか。」38そして、車を止めさせた。フィリポと宦官は二人とも水の中に入って行き、フィリポは宦官に洗礼を授けた。39彼らが水の中から上がると、主の霊がフィリポを連れ去った。宦官はもはやフィリポの姿を見なかったが、喜びにあふれて旅を続けた。40フィリポはアゾトに姿を現した。そして、すべての町を巡りながら福音を告げ知らせ、カイサリアまで行った。

答唱詩編

詩編66・16+17、1+8b+20

神の栄えをほめうたい、その栄光を賛美せよ。

詩編66

66・16神をおそれる者は耳を傾けよ。
神のわざを語ろう、わたしの上に行われたことを。
17わたしは神を呼び求め、
賛美の歌がロにあふれる。

1すべての人よ、神に向かって喜びの声をあげ、
賛美の歌を響かせよ。
8b神をたたえよう。
20神は祈りを退けず、恵みを拒まれなかった。

福音朗読

ヨハネ6・44-41

アレルヤ、アレルヤ。わたしは天から下ったいのちの糧。このパンを食べる人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。6・44「わたしをお遣わしになった父が引き寄せてくださらなければ、だれもわたしのもとへ来ることはできない。わたしはその人を終わりの日に復活させる。45預言者の書に、『彼らは皆、神によって教えられる』と書いてある。父から聞いて学んだ者は皆、わたしのもとに来る。46父を見た者は一人もいない。神のもとから来た者だけが父を見たのである。47はっきり言っておく。信じる者は永遠の命を得ている。48わたしは命のパンである。49あなたたちの先祖は荒れ野でマンナを食べたが、死んでしまった。50しかし、これは、天から降って来たパンであり、これを食べる者は死なない。51わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる。わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである。」

復活節第3金曜日 4月19日(金) 復活節

第一朗読

使徒言行録9・1-20

わたしは、あなたが迫害しているイエスである。

使徒たちの宣教

その日、9・1サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、大祭司のところへ行き、2ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行するためであった。3ところが、サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。4サウロは地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。5「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、答えがあった。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。6起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」7同行していた人たちは、声は聞こえても、だれの姿も見えないので、ものも言えず立っていた。8サウロは地面から起き上がって、目を開けたが、何も見えなかった。人々は彼の手を引いてダマスコに連れて行った。9サウロは三日間、目が見えず、食べも飲みもしなかった。

10ところで、ダマスコにアナニアという弟子がいた。幻の中で主が、「アナニア」と呼びかけると、アナニアは、「主よ、ここにおります」と言った。11すると、主は言われた。「立って、『直線通り』と呼ばれる通りへ行き、ユダの家にいるサウロという名の、タルソス出身の者を訪ねよ。今、彼は祈っている。12アナニアという人が入って来て自分の上に手を置き、元どおり目が見えるようにしてくれるのを、幻で見たのだ。」13しかし、アナニアは答えた。「主よ、わたしは、その人がエルサレムで、あなたの聖なる者たちに対してどんな悪事を働いたか、大勢の人から聞きました。14ここでも、御名を呼び求める人をすべて捕らえるため、祭司長たちから権限を受けています。」15すると、主は言われた。「行け。あの者は、異邦人や王たち、またイスラエルの子らにわたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。16わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、わたしは彼に示そう。」17そこで、アナニアは出かけて行ってユダの家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウル、あなたがここへ来る途中に現れてくださった主イエスは、あなたが元どおり目が見えるようになり、また、聖霊で満たされるようにと、わたしをお遣わしになったのです。」18すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。そこで、身を起こして洗礼を受け、19食事をして元気を取り戻した。

サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちと一緒にいて、20すぐあちこちの会堂で、「この人こそ神の子である」と、イエスのことを宣べ伝えた。

答唱詩編

詩編117・1+2、栄唱

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。

詩編117

117・1すべての国よ、神をたたえ、
すべての民よ、神をほめよ。
2神の愛はちから強く、
そのまことは世々に及ぶ。

栄唱栄光は父と子と聖霊に。
初めのように
今もいつも
世々に。アーメン。

福音朗読

ヨハネ6・52-59

アレルヤ、アレルヤ。わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む人は、わたしのうちに留まり、わたしもその人のうちにいる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、6・52ユダヤ人たちは、「どうしてこの人は自分の肉を我々に食べさせることができるのか」と、互いに激しく議論し始めた。53イエスは言われた。「はっきり言っておく。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたたちの内に命はない。54わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。55わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物だからである。56わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、いつもわたしの内におり、わたしもまたいつもその人の内にいる。57生きておられる父がわたしをお遣わしになり、またわたしが父によって生きるように、わたしを食べる者もわたしによって生きる。58これは天から降って来たパンである。先祖が食べたのに死んでしまったようなものとは違う。このパンを食べる者は永遠に生きる。」59これらは、イエスがカファルナウムの会堂で教えていたときに話されたことである。

復活節第3土曜日 4月20日(土) 復活節

第一朗読

使徒言行録9・31-42

「タビタ、起きなさい」

使徒たちの宣教

そのころ、9・31教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えていった。

32ペトロは方々を巡り歩き、リダに住んでいる聖なる者たちのところへも下って行った。33そしてそこで、中風で八年前から床についていたアイネアという人に会った。34ペトロが、「アイネア、イエス・キリストがいやしてくださる。起きなさい。自分で床を整えなさい」と言うと、アイネアはすぐ起き上がった。35リダとシャロンに住む人は皆アイネアを見て、主に立ち帰った。

36ヤッファにタビタ――訳して言えばドルカス、すなわち「かもしか」――と呼ばれる婦人の弟子がいた。彼女はたくさんの善い行いや施しをしていた。37ところが、そのころ病気になって死んだので、人々は遺体を清めて階上の部屋に安置した。38リダはヤッファに近かったので、弟子たちはペトロがリダにいると聞いて、二人の人を送り、「急いでわたしたちのところへ来てください」と頼んだ。39ペトロはそこをたって、その二人と一緒に出かけた。人々はペトロが到着すると、階上の部屋に案内した。やもめたちは皆そばに寄って来て、泣きながら、ドルカスが一緒にいたときに作ってくれた数々の下着や上着を見せた。40ペトロが皆を外に出し、ひざまずいて祈り、遺体に向かって、「タビタ、起きなさい」と言うと、彼女は目を開き、ペトロを見て起き上がった。41ペトロは彼女に手を貸して立たせた。そして、聖なる者たちとやもめたちを呼び、生き返ったタビタを見せた。42このことはヤッファ中に知れ渡り、多くの人が主を信じた。

答唱詩編

詩編116・12+13、15+16b

このパンを食べ、この杯を飲み、わたしは主の死を告げ知らせる。

詩編116

116・12神が与えてくださったすべての恵みに、
どのようにこたえようか。
13わたしは救いの杯をささげ、
神の名を呼び求めよう。

15神を敬う人の死は、
神の前にとうとい。
16b神よ、わたしはあなたに仕え、
あなたはわたしを救われる。

福音朗読

ヨハネ6・60-69

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、6・60イエスの弟子たちの多くの者は言った。「実にひどい話だ。だれが、こんな話を聞いていられようか。」61イエスは、弟子たちがこのことについてつぶやいているのに気づいて言われた。「あなたがたはこのことにつまずくのか。62それでは、人の子がもといた所に上るのを見るならば……。63命を与えるのは〝霊〟である。肉は何の役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、命である。64しかし、あなたがたのうちには信じない者たちもいる。」イエスは最初から、信じない者たちがだれであるか、また、御自分を裏切る者がだれであるかを知っておられたのである。65そして、言われた。「こういうわけで、わたしはあなたがたに、『父からお許しがなければ、だれもわたしのもとに来ることはできない』と言ったのだ。」

66このために、弟子たちの多くが離れ去り、もはやイエスと共に歩まなくなった。67そこで、イエスは十二人に、「あなたがたも離れて行きたいか」と言われた。68シモン・ペトロが答えた。「主よ、わたしたちはだれのところへ行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉を持っておられます。69あなたこそ神の聖者であると、わたしたちは信じ、また知っています。」

復活節第4主日 4月21日(日) 復活節

第一朗読

使徒言行録4・8-12

ほかのだれによっても、救いは得られない。

使徒たちの宣教

4・8そのとき、ペトロは聖霊に満たされて言った。「民の議員、また長老の方々、9今日わたしたちが取り調べを受けているのは、病人に対する善い行いと、その人が何によっていやされたかということについてであるならば、10あなたがたもイスラエルの民全体も知っていただきたい。この人が良くなって、皆さんの前に立っているのは、あなたがたが十字架につけて殺し、神が死者の中から復活させられたあのナザレの人、イエス・キリストの名によるものです。11この方こそ、『あなたがた家を建てる者に捨てられたが、隅の親石となった石』です。12ほかのだれによっても、救いは得られません。わたしたちが救われるべき名は、天下にこの名のほか、人間には与えられていないのです。」

答唱詩編

詩編118・1+2、16+17、22+23

きょうこそ、神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。

詩編118

118・1恵み深い神に感謝せよ。
そのあわれみは永遠。
2イスラエルよ、叫べ。
「神のいつくしみは絶えることがない。」

16「神の右の手は高く上がり、
その右の手は力を示す。」
17わたしは死なず、わたしは生きる、
神のわざを告げるために。

22家造りの捨てた石が、
隅の親石となった。
23これは神のわざ、
人の目には不思議なこと。

第二朗読

①ヨハネ3・1-2

わたしたちは御子をありのままに見る。

使徒ヨハネの手紙

3・1愛する皆さん、御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたちが神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです。2愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。しかし、御子が現れるとき、御子に似た者となるということを知っています。なぜなら、そのとき御子をありのままに見るからです。

福音朗読

ヨハネ10・11-18

アレルヤ、アレルヤ。わたしはよい牧者。わたしは羊を知り、羊はわたしを知っている。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは言われた。10・11「わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。12羊飼いでなく、自分の羊を持たない雇い人は、狼が来るのを見ると、羊を置き去りにして逃げる。(狼は羊を奪い、また追い散らす。)13彼は雇い人で、羊のことを心にかけていないからである。14わたしは良い羊飼いである。わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている。15それは、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じである。わたしは羊のために命を捨てる。16わたしには、この囲いに入っていないほかの羊もいる。その羊をも導かなければならない。その羊もわたしの声を聞き分ける。こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる。17わたしは命を、再び受けるために、捨てる。それゆえ、父はわたしを愛してくださる。18だれもわたしから命を奪い取ることはできない。わたしは自分でそれを捨てる。わたしは命を捨てることもでき、それを再び受けることもできる。これは、わたしが父から受けた掟である。」

復活節第4月曜日 4月22日(月) 復活節

第一朗読

使徒言行録11・1-18

神は異邦人をも悔い改めさせ、命を与えてくださった

使徒たちの宣教

その日、11・1使徒たちとユダヤにいる兄弟たちは、異邦人も神の言葉を受け入れたことを耳にした。2ペトロがエルサレムに上って来たとき、割礼を受けている者たちは彼を非難して、3「あなたは割礼を受けていない者たちのところへ行き、一緒に食事をした」と言った。4そこで、ペトロは事の次第を順序正しく説明し始めた。5「わたしがヤッファの町にいて祈っていると、我を忘れたようになって幻を見ました。大きな布のような入れ物が、四隅でつるされて、天からわたしのところまで下りて来たのです。6その中をよく見ると、地上の獣、野獣、這うもの、空の鳥などが入っていました。7そして、『ペトロよ、身を起こし、屠って食べなさい』と言う声を聞きましたが、8わたしは言いました。『主よ、とんでもないことです。清くない物、汚れた物は口にしたことがありません。』9すると、『神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない』と、再び天から声が返って来ました。10こういうことが三度あって、また全部の物が天に引き上げられてしまいました。11そのとき、カイサリアからわたしのところに差し向けられた三人の人が、わたしたちのいた家に到着しました。12すると、“霊”がわたしに、『ためらわないで一緒に行きなさい』と言われました。ここにいる六人の兄弟も一緒に来て、わたしたちはその人の家に入ったのです。13彼は、自分の家に天使が立っているのを見たこと、また、その天使が、こう告げたことを話してくれました。『ヤッファに人を送って、ペトロと呼ばれるシモンを招きなさい。14あなたと家族の者すべてを救う言葉をあなたに話してくれる。』15わたしが話しだすと、聖霊が最初わたしたちの上に降ったように、彼らの上にも降ったのです。16そのとき、わたしは、『ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは聖霊によって洗礼を受ける』と言っておられた主の言葉を思い出しました。17こうして、主イエス・キリストを信じるようになったわたしたちに与えてくださったのと同じ賜物を、神が彼らにもお与えになったのなら、わたしのような者が、神がそうなさるのをどうして妨げることができたでしょうか。」18この言葉を聞いて人々は静まり、「それでは、神は異邦人をも悔い改めさせ、命を与えてくださったのだ」と言って、神を賛美した。

答唱詩編

詩編42・3+4、6

谷川の水を求めて、あえぎさまよう鹿のように、神よ、わたしはあなたを慕う。

詩編42

42・3わたしの心はあなたを求め、
神のいのちをあこがれる。
わたしが行ってみ前にいたり、
み顔を仰げる日はいつか。
4わたしは日夜神を問われて
明け暮れ涙を食物とする。

6わたしの心はなぜ、うちしずみ、
思い乱して嘆くのか。
救いの神に希望をいだき、
かつてのようにみ前に進み、
賛美の祭りをささげよう、
わたしの救い、わたしの神に。

福音朗読

ヨハネ10・1-10

アレルヤ、アレルヤ。わたしはよい牧者。わたしは羊を知り、羊はわたしを知っている。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは言われた。10・1「はっきり言っておく。羊の囲いに入るのに、門を通らないでほかの所を乗り越えて来る者は、盗人であり、強盗である。2門から入る者が羊飼いである。3門番は羊飼いには門を開き、羊はその声を聞き分ける。羊飼いは自分の羊の名を呼んで連れ出す。4自分の羊をすべて連れ出すと、先頭に立って行く。羊はその声を知っているので、ついて行く。5しかし、ほかの者には決してついて行かず、逃げ去る。ほかの者たちの声を知らないからである。」6イエスは、このたとえをファリサイ派の人々に話されたが、彼らはその話が何のことか分からなかった。

7イエスはまた言われた。「はっきり言っておく。わたしは良い羊飼いである。8わたしより前に来た者は皆、盗人であり、強盗である。しかし、羊は彼らの言うことを聞かなかった。9わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。その人は、門を出入りして牧草を見つける。10盗人が来るのは、盗んだり、屠ったり、滅ぼしたりするためにほかならない。わたしが来たのは、羊が命を受けるため、しかも豊かに受けるためである。」

復活節第4火曜日 4月23日(火) 復活節

第一朗読

使徒言行録11・19-26

このアンティオキアで、弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。

使徒たちの宣教

その日、11・19ステファノの事件をきっかけにして起こった迫害のために散らされた人々は、フェニキア、キプロス、アンティオキアまで行ったが、ユダヤ人以外のだれにも御言葉を語らなかった。20しかし、彼らの中にキプロス島やキレネから来た者がいて、アンティオキアへ行き、ギリシア語を話す人々にも語りかけ、主イエスについて福音を告げ知らせた。21主がこの人々を助けられたので、信じて主に立ち帰った者の数は多かった。22このうわさがエルサレムにある教会にも聞こえてきたので、教会はバルナバをアンティオキアへ行くように派遣した。23バルナバはそこに到着すると、神の恵みが与えられた有様を見て喜び、そして、固い決意をもって主から離れることのないようにと、皆に勧めた。24バルナバは立派な人物で、聖霊と信仰とに満ちていたからである。こうして、多くの人が主へと導かれた。25それから、バルナバはサウロを捜しにタルソスへ行き、26見つけ出してアンティオキアに連れ帰った。二人は、丸一年の間そこの教会に一緒にいて多くの人を教えた。このアンティオキアで、弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。

答唱詩編

詩編100・1+2、3ab

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編100

100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、
歓呼の歌をささげつつ、
2み前に進み、
神に仕えよ。

3ab神こそ
主であると悟れ。
神はわたしたちを造られた。

福音朗読

ヨハネ10・22-30

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

10・22そのころ、エルサレムで神殿奉献記念祭が行われた。冬であった。23イエスは、神殿の境内でソロモンの回廊を歩いておられた。24すると、ユダヤ人たちがイエスを取り囲んで言った。「いつまで、わたしたちに気をもませるのか。もしメシアなら、はっきりそう言いなさい。」25イエスは答えられた。「わたしは言ったが、あなたたちは信じない。わたしが父の名によって行う業が、わたしについて証しをしている。26しかし、あなたたちは信じない。わたしの羊ではないからである。27わたしの羊はわたしの声を聞き分ける。わたしは彼らを知っており、彼らはわたしに従う。28わたしは彼らに永遠の命を与える。彼らは決して滅びず、だれも彼らをわたしの手から奪うことはできない。29わたしの父がわたしにくださったものは、すべてのものより偉大であり、だれも父の手から奪うことはできない。30わたしと父とは一つである。」

復活節第4水曜日 4月24日(水) 復活節

第一朗読

使徒言行録12・24-13・5a

神の言葉はますます栄え、広がって行った。

使徒たちの宣教

そのころ、12・24神の言葉はますます栄え、広がって行った。25バルナバとサウロはエルサレムのための任務を果たし、マルコと呼ばれるヨハネを連れて帰って行った。

13・1アンティオキアでは、そこの教会にバルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、キレネ人のルキオ、領主ヘロデと一緒に育ったマナエン、サウロなど、預言する者や教師たちがいた。2彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた。「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために。」3そこで、彼らは断食して祈り、二人の上に手を置いて出発させた。

4聖霊によって送り出されたバルナバとサウロは、セレウキアに下り、そこからキプロス島に向け船出し、5サラミスに着くと、ユダヤ人の諸会堂で神の言葉を告げ知らせた。

答唱詩編

詩編67・2+3、4+5

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編67

67・2神よ、あわれみと祝福をわたしたちに。
あなたの顔の光をわたしたちの上に照らしてください。
3あなたのわざが世界に知られ、
救いがすべての国に知られるように。

4諸国の民はあなたをたたえ、
すべての民はあなたを賛美せよ。
5すべての国は喜びうたえ。
あなたは民を正しくさばき、諸国の民を導かれる。

福音朗読

ヨハネ12・44-50

アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、12・44イエスは叫んで、こう言われた。「わたしを信じる者は、わたしを信じるのではなくて、わたしを遣わされた方を信じるのである。45わたしを見る者は、わたしを遣わされた方を見るのである。46わたしを信じる者が、だれも暗闇の中にとどまることのないように、わたしは光として世に来た。47わたしの言葉を聞いて、それを守らない者がいても、わたしはその者を裁かない。わたしは、世を裁くためではなく、世を救うために来たからである。48わたしを拒み、わたしの言葉を受け入れない者に対しては、裁くものがある。わたしの語った言葉が、終わりの日にその者を裁く。49なぜなら、わたしは自分勝手に語ったのではなく、わたしをお遣わしになった父が、わたしの言うべきこと、語るべきことをお命じになったからである。50父の命令は永遠の命であることを、わたしは知っている。だから、わたしが語ることは、父がわたしに命じられたままに語っているのである。」

聖マルコ福音記者 4月25日(木) 聖人の記念

第一朗読

①ペトロ5・5b-14

神は、高慢な者を敵とし、謙遜な者には恵みをお与えになる

使徒ペトロの手紙

愛する皆さん、5・5b皆互いに謙遜を身に着けなさい。なぜなら、
「神は、高慢な者を敵とし、
謙遜な者には恵みをお与えになる」
からです。

6だから、神の力強い御手の下で自分を低くしなさい。そうすれば、かの時には高めていただけます。7思い煩いは、何もかも神にお任せしなさい。神が、あなたがたのことを心にかけていてくださるからです。

8身を慎んで目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています。9信仰にしっかり踏みとどまって、悪魔に抵抗しなさい。あなたがたと信仰を同じくする兄弟たちも、この世で同じ苦しみに遭っているのです。それはあなたがたも知っているとおりです。10しかし、あらゆる恵みの源である神、すなわち、キリスト・イエスを通してあなたがたを永遠の栄光へ招いてくださった神御自身が、しばらくの間苦しんだあなたがたを完全な者とし、強め、力づけ、揺らぐことがないようにしてくださいます。11力が世々限りなく神にありますように、アーメン。

12わたしは、忠実な兄弟と認めているシルワノによって、あなたがたにこのように短く手紙を書き、勧告をし、これこそ神のまことの恵みであることを証ししました。この恵みにしっかり踏みとどまりなさい。13共に選ばれてバビロンにいる人々と、わたしの子マルコが、よろしくと言っています。14愛の口づけによって互いに挨拶を交わしなさい。キリストと結ばれているあなたがた一同に、平和があるように。

答唱詩編

詩編89・6+8、16+17

神のいつくしみをとこしえにうたい、そのまことを代々に告げよう。

詩編89

89・6神よ、大空はあなたの不思議なわざをたたえ、
天のつどいは、あなたのまことを賛美する。
8あなたは天のつどいであがめられ、
すべての者の中でおそれ敬われる。

16神よ、あなたの輝きを知り、
その光の中を歩む民はしあわせ。
17あなたの名をいつも喜び、
あなたの正義によって高くあげられる。

福音朗読

マルコ16・15-20

アレルヤ、アレルヤ。十字架につけられたキリストを私は告げ知らせる。キリストは神の力、神の知恵。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは十一人の弟子に現れて、16・15言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。16信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。17信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。18手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」

19主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。20一方、弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった。

復活節第4金曜日 4月26日(金) 復活節

第一朗読

使徒言行録13・26-33

神はイエスを死者の中から復活させてくださったのです。

使徒たちの宣教

その日、パウロはピシディア州のアンティオキアに到着し、会堂で語った。13・26「兄弟たち、アブラハムの子孫の方々、ならびにあなたがたの中にいて神を畏れる人たち、この救いの言葉はわたしたちに送られました。27エルサレムに住む人々やその指導者たちは、イエスを認めず、また、安息日ごとに読まれる預言者の言葉を理解せず、イエスを罪に定めることによって、その言葉を実現させたのです。28そして、死に当たる理由は何も見いだせなかったのに、イエスを死刑にするようにとピラトに求めました。29こうして、イエスについて書かれていることがすべて実現した後、人々はイエスを木から降ろし、墓に葬りました。30しかし、神はイエスを死者の中から復活させてくださったのです。31このイエスは、御自分と一緒にガリラヤからエルサレムに上った人々に、幾日にもわたって姿を現されました。その人たちは、今、民に対してイエスの証人となっています。32わたしたちも、先祖に与えられた約束について、あなたがたに福音を告げ知らせています。33つまり、神はイエスを復活させて、わたしたち子孫のためにその約束を果たしてくださったのです。それは詩編の第二編にも、
『あなたはわたしの子、
わたしは今日あなたを産んだ』
と書いてあるとおりです。」

答唱詩編

詩編2・7、11+12d

神は王を立てたもう、聖なるシオンの山のうえに。

詩編2

2・7これこそ神の定め。
神はわたしに告げられた。
「あなたはわが子、
きょうあなたを生んだ。」

11恐れをもって神に仕え、
その足もとにひれ伏せ。
12d祝福はその民の上に。
神に従う者はしあわせ。

福音朗読

ヨハネ14・1-6

アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・1「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。2わたしの父の家には住む所がたくさんある。もしなければ、あなたがたのために場所を用意しに行くと言ったであろうか。3行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える。こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる。4わたしがどこへ行くのか、その道をあなたがたは知っている。」5トマスが言った。「主よ、どこへ行かれるのか、わたしたちには分かりません。どうして、その道を知ることができるでしょうか。」6イエスは言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。」

復活節第4土曜日 4月27日(土) 復活節

第一朗読

使徒言行録13・44-52

永遠の命を得るように定められている人は皆、信仰に入った。

使徒たちの宣教

13・44次の安息日になると、ほとんど町中の人が主の言葉を聞こうとして集まって来た。45しかし、ユダヤ人はこの群衆を見てひどくねたみ、口汚くののしって、パウロの話すことに反対した。46そこで、パウロとバルナバは勇敢に語った。「神の言葉は、まずあなたがたに語られるはずでした。だがあなたがたはそれを拒み、自分自身を永遠の命を得るに値しない者にしている。見なさい、わたしたちは異邦人の方に行く。47主はわたしたちにこう命じておられるからです。
『わたしは、あなたを異邦人の光と定めた、
あなたが、地の果てにまでも救いをもたらすために。』」
48異邦人たちはこれを聞いて喜び、主の言葉を賛美した。そして、永遠の命を得るように定められている人は皆、信仰に入った。49こうして、主の言葉はその地方全体に広まった。50ところが、ユダヤ人は、神をあがめる貴婦人たちや町のおもだった人々を扇動して、パウロとバルナバを迫害させ、その地方から二人を追い出した。51それで、二人は彼らに対して足の塵を払い落とし、イコニオンに行った。52他方、弟子たちは喜びと聖霊に満たされていた。

答唱詩編

詩編98・1、4+5

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
そのとうとい腕は救いの力。

4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、
賛美の歌で神をほめよ。
5たて琴をかなでて神をたたえ、
その調べに合わせてほめ歌え。

福音朗読

ヨハネ14・7-14

アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・7「あなたがたがわたしを知っているなら、わたしの父をも知ることになる。今から、あなたがたは父を知る。いや、既に父を見ている。」8フィリポが「主よ、わたしたちに御父をお示しください。そうすれば満足できます」と言うと、9イエスは言われた。「フィリポ、こんなに長い間一緒にいるのに、わたしが分かっていないのか。わたしを見た者は、父を見たのだ。なぜ、『わたしたちに御父をお示しください』と言うのか。10わたしが父の内におり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っておられるのである。11わたしが父の内におり、父がわたしの内におられると、わたしが言うのを信じなさい。もしそれを信じないなら、業そのものによって信じなさい。12はっきり言っておく。わたしを信じる者は、わたしが行う業を行い、また、もっと大きな業を行うようになる。わたしが父のもとへ行くからである。13わたしの名によって願うことは、何でもかなえてあげよう。こうして、父は子によって栄光をお受けになる。14わたしの名によってわたしに何かを願うならば、わたしがかなえてあげよう。」

復活節第5主日 4月28日(日) 復活節

第一朗読

使徒言行録9・26-31

バルナバは、サウロが旅の途中で主に出会ったことを説明した。

使徒たちの宣教

その日、9・26サウロはエルサレムに着き、弟子の仲間に加わろうとしたが、皆は彼を弟子だとは信じないで恐れた。27しかしバルナバは、サウロを連れて使徒たちのところへ案内し、サウロが旅の途中で主に出会い、主に語りかけられ、ダマスコでイエスの名によって大胆に宣教した次第を説明した。28それで、サウロはエルサレムで使徒たちと自由に行き来し、主の名によって恐れずに教えるようになった。29また、ギリシア語を話すユダヤ人と語り、議論もしたが、彼らはサウロを殺そうとねらっていた。30それを知った兄弟たちは、サウロを連れてカイサリアに下り、そこからタルソスヘ出発させた。31こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えていった。

答唱詩編

詩編22・26+27a、28a+27b+28b+29、31b+32

神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。

詩編22

22・26神の恵みによって、民のつどいで賛美をささげ、
神をおそれる人々の前で、わたしは誓いを果たす。
27a貧しい人はかてに恵まれ、
神を求める人は賛美をささげる。

28a遠く地の果てまで、すべての者が神にたち帰り、
27b生きる喜びで彼らの心はいつも満たされる。
28b諸国の民は神の前にひざをかがめる。
29わたしたちの国は神のもの、神は諸国を治められる。

31b彼らは主のわざを次の世代にかたり継ぎ、
あとから生まれてくる民に、
32神のわざ、
その救いを告げ知らせる。

第二朗読

①ヨハネ3・18-24

神の掟とは、わたしたちが信じ、愛し合うことである。

使徒ヨハネの手紙

3・18子たちよ、言葉や口先だけではなく、行いをもって誠実に愛し合おう。

19これによって、わたしたちは自分が真理に属していることを知り、神の御前で安心できます、20心に責められることがあろうとも。神は、わたしたちの心よりも大きく、すべてをご存じだからです。21愛する者たち、わたしたちは心に責められることがなければ、神の御前で確信を持つことができ、22神に願うことは何でもかなえられます。わたしたちが神の掟を守り、御心に適うことを行っているからです。23その掟とは、神の子イエス・キリストの名を信じ、この方がわたしたちに命じられたように、互いに愛し合うことです。24神の掟を守る人は、神の内にいつもとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。神がわたしたちの内にとどまってくださることは、神が与えてくださった〝霊〟によって分かります。

福音朗読

ヨハネ15・1-8

アレルヤ、アレルヤ。わたしのうちに留まりなさい。わたしもあなたがたのうちにいる。わたしに留まる人は多くの実を結ぶ。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・1「わたしはまことのぶどうの木、わたしの父は農夫である。2わたしにつながっていながら、実を結ばない枝はみな、父が取り除かれる。しかし、実を結ぶものはみな、いよいよ豊かに実を結ぶように手入れをなさる。3わたしの話した言葉によって、あなたがたは既に清くなっている。4わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている。ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないように、あなたがたも、わたしにつながっていなければ、実を結ぶことができない。5わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。6わたしにつながっていない人がいれば、枝のように外に投げ捨てられて枯れる。そして、集められ、火に投げ入れられて焼かれてしまう。7あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉があなたがたの内にいつもあるならば、望むものを何でも願いなさい。そうすればかなえられる。8あなたがたが豊かに実を結び、わたしの弟子となるなら、それによって、わたしの父は栄光をお受けになる。」

聖カタリナ(シエナ) おとめ教会博士 4月29日(月) 記念日

第一朗読

使徒言行録14・5-18

生ける神に立ち帰るように、わたしたちは福音を告げ知らせているのです。

使徒たちの宣教

その日、イコニヨンで14・5異邦人とユダヤ人が、指導者と一緒になってパウロとバルナバに乱暴を働き、石を投げつけようとしたとき、6二人はこれに気づいて、リカオニア州の町であるリストラとデルベ、またその近くの地方に難を避けた。7そして、そこでも福音を告げ知らせていた。

8リストラに、足の不自由な男が座っていた。生まれつき足が悪く、まだ一度も歩いたことがなかった。9この人が、パウロの話すのを聞いていた。パウロは彼を見つめ、いやされるのにふさわしい信仰があるのを認め、10「自分の足でまっすぐに立ちなさい」と大声で言った。すると、その人は躍り上がって歩きだした。11群衆はパウロの行ったことを見て声を張り上げ、リカオニアの方言で、「神々が人間の姿をとって、わたしたちのところにお降りになった」と言った。12そして、バルナバを「ゼウス」と呼び、またおもに話す者であることから、パウロを「ヘルメス」と呼んだ。13町の外にあったゼウスの神殿の祭司が、家の門の所まで雄牛数頭と花輪を運んで来て、群衆と一緒になって二人にいけにえを献げようとした。14使徒たち、すなわちバルナバとパウロはこのことを聞くと、服を裂いて群衆の中へ飛び込んで行き、叫んで15言った。「皆さん、なぜ、こんなことをするのですか。わたしたちも、あなたがたと同じ人間にすぎません。あなたがたが、このような偶像を離れて、生ける神に立ち帰るように、わたしたちは福音を告げ知らせているのです。この神こそ、天と地と海と、そしてその中にあるすべてのものを造られた方です。16神は過ぎ去った時代には、すべての国の人が思い思いの道を行くままにしておかれました。17しかし、神は御自分のことを証ししないでおられたわけではありません。恵みをくださり、天からの雨を降らせて実りの季節を与え、食物を施して、あなたがたの心を喜びで満たしてくださっているのです。」18こう言って、二人は、群衆が自分たちにいけにえを献げようとするのを、やっとやめさせることができた。

答唱詩編

詩編97・1+2、6+9

栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。

詩編97

97・1神は王。世界よ、喜びおどれ。
島々は叫びをあげよ。
2神は雲と霧を従え、
正義とさばきが王座を支える。

6天は神の正義を告げ、
諸国の民はその栄光を仰ぐ。
9神よ、あなたは世界の上に高く立ち、
すべての神々を越えて偉大なかた。

福音朗読

ヨハネ14・21-26

アレルヤ、アレルヤ。聖霊はあなたがたにすべてを教え、話したことをわからせてくださる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・21「わたしの掟を受け入れ、それを守る人は、わたしを愛する者である。わたしを愛する人は、わたしの父に愛される。わたしもその人を愛して、その人にわたし自身を現す。」22イスカリオテでない方のユダが、「主よ、わたしたちには御自分を現そうとなさるのに、世にはそうなさらないのは、なぜでしょうか」と言った。23イエスはこう答えて言われた。「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。24わたしを愛さない者は、わたしの言葉を守らない。あなたがたが聞いている言葉はわたしのものではなく、わたしをお遣わしになった父のものである。

25わたしは、あなたがたといたときに、これらのことを話した。26しかし、弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。」

復活節第5火曜日 4月30日(火) 復活節

第一朗読

使徒言行録14・19-28

弟子たちのため教会ごとに長老たちを任命し、断食して祈り、彼らをその信ずる主に任せた。

使徒たちの宣教

その日、14・19ユダヤ人たちがアンティオキアとイコニオンからやって来て、群衆を抱き込み、パウロに石を投げつけ、死んでしまったものと思って、町の外へ引きずり出した。20しかし、弟子たちが周りを取り囲むと、パウロは起き上がって町に入って行った。そして翌日、バルナバと一緒にデルベへ向かった。

21二人はこの町で福音を告げ知らせ、多くの人を弟子にしてから、リストラ、イコニオン、アンティオキアへと引き返しながら、22弟子たちを力づけ、「わたしたちが神の国に入るには、多くの苦しみを経なくてはならない」と言って、信仰に踏みとどまるように励ました。23また、弟子たちのため教会ごとに長老たちを任命し、断食して祈り、彼らをその信ずる主に任せた。24それから、二人はピシディア州を通り、パンフィリア州に至り、25ペルゲで御言葉を語った後、アタリアに下り、26そこからアンティオキアへ向かって船出した。そこは、二人が今成し遂げた働きのために神の恵みにゆだねられて送り出された所である。27到着するとすぐ教会の人々を集めて、神が自分たちと共にいて行われたすべてのことと、異邦人に信仰の門を開いてくださったことを報告した。28そして、しばらくの間、弟子たちと共に過ごした。

答唱詩編

詩編145・7+9、10+11

神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。

詩編145

145・7あなたの豊かな恵みを思い、
喜んであなたの正義をうたう。
9その恵みはすべてのものに及び、
いつくしみは造られたすべてのものの上にある。

10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝してうたう。
11彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるわざを告げ知らせる。

福音朗読

ヨハネ14・27-31a

アレルヤ、アレルヤ。キリストは苦しみを受けて死者のうちから復活し、栄光に入る方。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・27「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。28『わたしは去って行くが、また、あなたがたのところへ戻って来る』と言ったのをあなたがたは聞いた。わたしを愛しているなら、わたしが父のもとに行くのを喜んでくれるはずだ。父はわたしよりも偉大な方だからである。29事が起こったときに、あなたがたが信じるようにと、今、その事の起こる前に話しておく。30もはや、あなたがたと多くを語るまい。世の支配者が来るからである。だが、彼はわたしをどうすることもできない。31わたしが父を愛し、父がお命じになったとおりに行っていることを、世は知るべきである。」

05月
復活節第5水曜日 5月1日(水) 復活節

第一朗読

使徒言行録15・1-6

使徒たちと長老たちは、この問題について協議するために集まった。

使徒たちの宣教

その日、15・1ある人々がユダヤから下って来て、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と兄弟たちに教えていた。2それで、パウロやバルナバとその人たちとの間に、激しい意見の対立と論争が生じた。この件について使徒や長老たちと協議するために、パウロとバルナバ、そのほか数名の者がエルサレムへ上ることに決まった。3さて、一行は教会の人々から送り出されて、フェニキアとサマリア地方を通り、道すがら、兄弟たちに異邦人が改宗した次第を詳しく伝え、皆を大いに喜ばせた。4エルサレムに到着すると、彼らは教会の人々、使徒たち、長老たちに歓迎され、神が自分たちと共にいて行われたことを、ことごとく報告した。5ところが、ファリサイ派から信者になった人が数名立って、「異邦人にも割礼を受けさせて、モーセの律法を守るように命じるべきだ」と言った。

6そこで、使徒たちと長老たちは、この問題について協議するために集まった。

答唱詩編

詩編122・1+2、3+4ab

私たちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編122

122・1「神の家に行こう」と言われて、
わたしの心は喜びにはずんだ。
2エルサレムよ、わたしたちは今、
お前の門のうちに立っている。

3しげく連なる町、エルサレム、
すべての民の都。
4abそこにはイスラエルの部族、
神の民がのぼって来る。

福音朗読

ヨハネ15・1-8

アレルヤ、アレルヤ。わたしのうちに留まりなさい。わたしもあなたがたのうちにいる。わたしに留まる人は多くの実を結ぶ。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・1「わたしはまことのぶどうの木、わたしの父は農夫である。2わたしにつながっていながら、実を結ばない枝はみな、父が取り除かれる。しかし、実を結ぶものはみな、いよいよ豊かに実を結ぶように手入れをなさる。3わたしの話した言葉によって、あなたがたは既に清くなっている。4わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている。ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないように、あなたがたも、わたしにつながっていなければ、実を結ぶことができない。5わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。6わたしにつながっていない人がいれば、枝のように外に投げ捨てられて枯れる。そして、集められ、火に投げ入れられて焼かれてしまう。7あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉があなたがたの内にいつもあるならば、望むものを何でも願いなさい。そうすればかなえられる。8あなたがたが豊かに実を結び、わたしの弟子となるなら、それによって、わたしの父は栄光をお受けになる。」

聖アタナシオ 司教教会博士 5月2日(木) 記念日

第一朗読

使徒言行録15・7-21

主イエスの恵みによって救われると信じているのですが、これは、彼ら異邦人も同じことです。

使徒たちの宣教

その日、15・7議論を重ねた後、ペトロが立って使徒たちと長老たちに言った。「兄弟たち、ご存じのとおり、ずっと以前に、神はあなたがたの間でわたしをお選びになりました。それは、異邦人が、わたしの口から福音の言葉を聞いて信じるようになるためです。8人の心をお見通しになる神は、わたしたちに与えてくださったように異邦人にも聖霊を与えて、彼らをも受け入れられたことを証明なさったのです。9また、彼らの心を信仰によって清め、わたしたちと彼らとの間に何の差別をもなさいませんでした。10それなのに、なぜ今あなたがたは、先祖もわたしたちも負いきれなかった軛を、あの弟子たちの首に懸けて、神を試みようとするのですか。11わたしたちは、主イエスの恵みによって救われると信じているのですが、これは、彼ら異邦人も同じことです。」

12すると全会衆は静かになり、バルナバとパウロが、自分たちを通して神が異邦人の間で行われた、あらゆるしるしと不思議な業について話すのを聞いていた。13二人が話を終えると、ヤコブが答えた。「兄弟たち、聞いてください。14神が初めに心を配られ、異邦人の中から御自分の名を信じる民を選び出そうとなさった次第については、シメオンが話してくれました。15預言者たちの言ったことも、これと一致しています。次のように書いてあるとおりです。
16『「その後、わたしは戻って来て、
倒れたダビデの幕屋を建て直す。
その破壊された所を建て直して、
元どおりにする。
17-18それは、人々のうちの残った者や、
わたしの名で呼ばれる異邦人が皆、
主を求めるようになるためだ。」
昔から知らされていたことを行う主は、こう言われる。』
19それで、わたしはこう判断します。神に立ち帰る異邦人を悩ませてはなりません。20ただ、偶像に供えて汚れた肉と、みだらな行いと、絞め殺した動物の肉と、血とを避けるようにと、手紙を書くべきです。21モーセの律法は、昔からどの町にも告げ知らせる人がいて、安息日ごとに会堂で読まれているからです。」

答唱詩編

詩編96・1+2、3+4

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・1新しい歌を神にうたえ。
世界よ、神に向かって喜びうたえ。
2神の名をたたえてうたい、
日ごとに救いを告げ知らせよ。

3すべての国にその栄光をかたり、
すべての民に不思議なわざを伝えよ。
4神は偉大、ほむべきかた、
すべてを越えておそるべきかた。

福音朗読

ヨハネ15・9-11

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・9「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛してきた。わたしの愛にとどまりなさい。10わたしが父の掟を守り、その愛にとどまっているように、あなたがたも、わたしの掟を守るなら、わたしの愛にとどまっていることになる。

11これらのことを話したのは、わたしの喜びがあなたがたの内にあり、あなたがたの喜びが満たされるためである。」

聖フィリポ、聖ヤコブ使徒 5月3日(金) 聖人の記念

第一朗読

①コリント15・1-8

キリストが、わたしたちの罪のために死んで、三日目に復活した。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

15・1兄弟たち、わたしがあなたがたに告げ知らせた福音を、ここでもう一度知らせます。これは、あなたがたが受け入れ、生活のよりどころとしている福音にほかなりません。2どんな言葉でわたしが福音を告げ知らせたか、しっかり覚えていれば、あなたがたはこの福音によって救われます。さもないと、あなたがたが信じたこと自体が、無駄になってしまうでしょう。3最も大切なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、4葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、5ケファに現れ、その後十二人に現れたことです。6次いで、五百人以上もの兄弟たちに同時に現れました。そのうちの何人かは既に眠りについたにしろ、大部分は今なお生き残っています。7次いで、ヤコブに現れ、その後すべての使徒に現れ、8そして最後に、月足らずで生まれたようなわたしにも現れました。

答唱詩編

詩編19・2+3、4+5

天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。

詩編19

19・2天は神の栄光を語り、
大空はみ手のわざを告げる。
3日は日にことばを語り継ぎ、
夜は夜に知識を伝える。

4ことばでもなく、話でもなく、
その声も聞こえないが、
その響きは地を覆い、その知らせは世界に及ぶ。
5神は天に太陽の幕屋をすえられた。

福音朗読

ヨハネ14・6-14

アレルヤ、アレルヤ。わたしは道であり、真理であり、命。フィリポよ、私を見るものは父を見る。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはトマスに14・6言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。7あなたがたがわたしを知っているなら、わたしの父をも知ることになる。今から、あなたがたは父を知る。いや、既に父を見ている。」8フィリポが「主よ、わたしたちに御父をお示しください。そうすれば満足できます」と言うと、9イエスは言われた。「フィリポ、こんなに長い間一緒にいるのに、わたしが分かっていないのか。わたしを見た者は、父を見たのだ。なぜ、『わたしたちに御父をお示しください』と言うのか。10わたしが父の内におり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っておられるのである。11わたしが父の内におり、父がわたしの内におられると、わたしが言うのを信じなさい。もしそれを信じないなら、業そのものによって信じなさい。12はっきり言っておく。わたしを信じる者は、わたしが行う業を行い、また、もっと大きな業を行うようになる。わたしが父のもとへ行くからである。13わたしの名によって願うことは、何でもかなえてあげよう。こうして、父は子によって栄光をお受けになる。14わたしの名によってわたしに何かを願うならば、わたしがかなえてあげよう。」

復活節第5土曜日 5月4日(土) 復活節

第一朗読

使徒言行録16・1-10

マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください

使徒たちの宣教

そのころ、16・1パウロは、デルベにもリストラにも行った。そこに、信者のユダヤ婦人の子で、ギリシア人を父親に持つ、テモテという弟子がいた。2彼は、リストラとイコニオンの兄弟の間で評判の良い人であった。3パウロは、このテモテを一緒に連れて行きたかったので、その地方に住むユダヤ人の手前、彼に割礼を授けた。父親がギリシア人であることを、皆が知っていたからである。4彼らは方々の町を巡回して、エルサレムの使徒と長老たちが決めた規定を守るようにと、人々に伝えた。5こうして、教会は信仰を強められ、日ごとに人数が増えていった。

6さて、彼らはアジア州で御言葉を語ることを聖霊から禁じられたので、フリギア・ガラテヤ地方を通って行った。7ミシア地方の近くまで行き、ビティニア州に入ろうとしたが、イエスの霊がそれを許さなかった。8それで、ミシア地方を通ってトロアスに下った。9その夜、パウロは幻を見た。その中で一人のマケドニア人が立って、「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」と言ってパウロに願った。10パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアへ向けて出発することにした。マケドニア人に福音を告げ知らせるために、神がわたしたちを召されているのだと、確信するに至ったからである。

答唱詩編

詩編100・1+2、3ab

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編100

100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、
歓呼の歌をささげつつ、
2み前に進み、
神に仕えよ。

3ab神こそ
主であると悟れ。
神はわたしたちを造られた。

福音朗読

ヨハネ15・18-21

アレルヤ、アレルヤ。キリストとともに復活したなら上のことを求めよう。キリストは神の右に座しておられる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・18「世があなたがたを憎むなら、あなたがたを憎む前にわたしを憎んでいたことを覚えなさい。19あなたがたが世に属していたなら、世はあなたがたを身内として愛したはずである。だが、あなたがたは世に属していない。わたしがあなたがたを世から選び出した。だから、世はあなたがたを憎むのである。20『僕は主人にまさりはしない』と、わたしが言った言葉を思い出しなさい。人々がわたしを迫害したのであれば、あなたがたをも迫害するだろう。わたしの言葉を守ったのであれば、あなたがたの言葉をも守るだろう。21しかし人々は、わたしの名のゆえに、これらのことをみな、あなたがたにするようになる。わたしをお遣わしになった方を知らないからである。」

復活節第6主日 5月5日(日) 復活節

第一朗読

使徒言行録10・25-26、34-35、44-48

聖霊の賜物が異邦人の上にも注がれた。

使徒たちの宣教

10・25ペトロがカイサリアに来ると、コルネリウスは迎えに出て、足もとにひれ伏して拝んだ。26ペトロは彼を起こして言った。「お立ちください。わたしもただの人間です。」

34そして、ペトロは口を開きこう言った。「神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました。35どんな国の人でも、神を畏れて正しいことを行う人は、神に受け入れられるのです。」

44ペトロが話し続けていると、御言葉を聞いている一同の上に聖霊が降った。45割礼を受けている信者で、ペトロと一緒に来た人は皆、聖霊の賜物が異邦人の上にも注がれるのを見て、大いに驚いた。46異邦人が異言を話し、また神を賛美しているのを、聞いたからである。そこでペトロは、47「わたしたちと同様に聖霊を受けたこの人たちが、水で洗礼を受けるのを、いったいだれが妨げることができますか」と言った。48そして、イエス・キリストの名によって洗礼を受けるようにと、その人たちに命じた。それから、コルネリウスたちは、ペトロになお数日滞在するようにと願った。

答唱詩編

詩編98・1、2+3a、6+7b+8b

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
そのとうとい腕は救いの力。

2神は救いをしめし、
諸国の民に正義を現された。
3aいつくしみとまことをもって、
イスラエルに心を留められる。

6ラッパと角笛を吹き、
神の前で喜びの声をあげよ。
7b世界とそこに住む者は、
8b神の前に喜び歌え。

第二朗読

①ヨハネ4・7-10

神は愛である。

使徒ヨハネの手紙

4・7愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。8愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。9神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。10わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。

福音朗読

ヨハネ15・9-17

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・9「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛してきた。わたしの愛にとどまりなさい。10わたしが父の掟を守り、その愛にとどまっているように、あなたがたも、わたしの掟を守るなら、わたしの愛にとどまっていることになる。

11これらのことを話したのは、わたしの喜びがあなたがたの内にあり、あなたがたの喜びが満たされるためである。12わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。13友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。14わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。15もはや、わたしはあなたがたを僕とは呼ばない。僕は主人が何をしているか知らないからである。わたしはあなたがたを友と呼ぶ。父から聞いたことをすべてあなたがたに知らせたからである。16あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。あなたがたが出かけて行って実を結び、その実が残るようにと、また、わたしの名によって父に願うものは何でも与えられるようにと、わたしがあなたがたを任命したのである。17互いに愛し合いなさい。これがわたしの命令である。」

復活節第6月曜日 5月6日(月) 復活節

第一朗読

使徒言行録16・11-15

私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください

使徒たちの宣教

16・11わたしたちはトロアスから船出してサモトラケ島に直航し、翌日ネアポリスの港に着き、12そこから、マケドニア州第一区の都市で、ローマの植民都市であるフィリピに行った。そして、この町に数日間滞在した。13安息日に町の門を出て、祈りの場所があると思われる川岸に行った。そして、わたしたちもそこに座って、集まっていた婦人たちに話をした。14ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという婦人も話を聞いていたが、主が彼女の心を開かれたので、彼女はパウロの話を注意深く聞いた。15そして、彼女も家族の者も洗礼を受けたが、そのとき、「私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください」と言ってわたしたちを招待し、無理に承知させた。

答唱詩編

詩編149・3+4、5+6a+9b

シオンよ、喜べ。エルサレムよ、うたえ。見よ、わたしたちの王、主が来られる。

詩編149

149・3舞をささげて神の名をほめ、
鼓と琴に合わせて神をたたえよ。
4神はその民を心に留め、
貧しい人を勝利で飾られる。

5栄光をあびて神の民は喜び、
6a神に仕え、高らかにうたう。
9b彼らの口には神への賛美、
これは神を敬う人の誉れ。

福音朗読

ヨハネ15・26-16・4a

アレルヤ、アレルヤ。真理の霊はわたしについて証しする。あなたがたもわたしを証しする。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・26「わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。27あなたがたも、初めからわたしと一緒にいたのだから、証しをするのである。

16・1これらのことを話したのは、あなたがたをつまずかせないためである。2人々はあなたがたを会堂から追放するだろう。しかも、あなたがたを殺す者が皆、自分は神に奉仕していると考える時が来る。3彼らがこういうことをするのは、父をもわたしをも知らないからである。4しかし、これらのことを話したのは、その時が来たときに、わたしが語ったということをあなたがたに思い出させるためである。」

復活節第6火曜日 5月7日(火) 復活節

第一朗読

使徒言行録16・22-34

主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。

使徒たちの宣教

その日、フィリピの町の群衆も一緒になってパウロとシラス16・22を責め立てたので、高官たちは二人の衣服をはぎ取り、「鞭で打て」と命じた。23そして、何度も鞭で打ってから二人を牢に投げ込み、看守に厳重に見張るように命じた。24この命令を受けた看守は、二人をいちばん奥の牢に入れて、足には木の足枷をはめておいた。

25真夜中ごろ、パウロとシラスが賛美の歌をうたって神に祈っていると、ほかの囚人たちはこれに聞き入っていた。26突然、大地震が起こり、牢の土台が揺れ動いた。たちまち牢の戸がみな開き、すべての囚人の鎖も外れてしまった。27目を覚ました看守は、牢の戸が開いているのを見て、囚人たちが逃げてしまったと思い込み、剣を抜いて自殺しようとした。28パウロは大声で叫んだ。「自害してはいけない。わたしたちは皆ここにいる。」29看守は、明かりを持って来させて牢の中に飛び込み、パウロとシラスの前に震えながらひれ伏し、30二人を外へ連れ出して言った。「先生方、救われるためにはどうすべきでしょうか。」31二人は言った。「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。」32そして、看守とその家の人たち全部に主の言葉を語った。33まだ真夜中であったが、看守は二人を連れて行って打ち傷を洗ってやり、自分も家族の者も皆すぐに洗礼を受けた。34この後、二人を自分の家に案内して食事を出し、神を信じる者になったことを家族ともども喜んだ。

答唱詩編

詩編138・1+2ab、8

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。

詩編138

138・1神よ、わたしは心を尽くしてあなたに感謝し、
神の使いの前であなたをたたえる。
2abあなたの神殿に向かってひれ伏し、
いつくしみとまことのゆえにあなたに感謝をささげる。

8神はわたしに約束されたことを、
すべて成しとげられる。
神よ、あなたのいつくしみは永遠。
造られたすべてのものを見捨てないでください。

福音朗読

ヨハネ16・5-11

アレルヤ、アレルヤ。すべての真理を教えてくださる真理の霊を遣わそう。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・5「今わたしは、わたしをお遣わしになった方のもとに行こうとしているが、あなたがたはだれも、『どこへ行くのか』と尋ねない。6むしろ、わたしがこれらのことを話したので、あなたがたの心は悲しみで満たされている。7しかし、実を言うと、わたしが去って行くのは、あなたがたのためになる。わたしが去って行かなければ、弁護者はあなたがたのところに来ないからである。わたしが行けば、弁護者をあなたがたのところに送る。8その方が来れば、罪について、義について、また、裁きについて、世の誤りを明らかにする。9罪についてとは、彼らがわたしを信じないこと、10義についてとは、わたしが父のもとに行き、あなたがたがもはやわたしを見なくなること、11また、裁きについてとは、この世の支配者が断罪されることである。」

復活節第6水曜日 5月8日(水) 復活節

第一朗読

使徒言行録17・15、22-18・1

知られざる神に

使徒たちの宣教

その日、17・15パウロに付き添った人々は、彼をアテネまで連れて行った。そしてできるだけ早く来るようにという、シラスとテモテに対するパウロの指示を受けて帰って行った。

22パウロは、アレオパゴスの真ん中に立って言った。「アテネの皆さん、あらゆる点においてあなたがたが信仰のあつい方であることを、わたしは認めます。23道を歩きながら、あなたがたが拝むいろいろなものを見ていると、『知られざる神に』と刻まれている祭壇さえ見つけたからです。それで、あなたがたが知らずに拝んでいるもの、それをわたしはお知らせしましょう。24世界とその中の万物とを造られた神が、その方です。この神は天地の主ですから、手で造った神殿などにはお住みになりません。25また、何か足りないことでもあるかのように、人の手によって仕えてもらう必要もありません。すべての人に命と息と、その他すべてのものを与えてくださるのは、この神だからです。26神は、一人の人からすべての民族を造り出して、地上の至るところに住まわせ、季節を決め、彼らの居住地の境界をお決めになりました。27これは、人に神を求めさせるためであり、また、彼らが探し求めさえすれば、神を見いだすことができるようにということなのです。実際、神はわたしたち一人一人から遠く離れてはおられません。28皆さんのうちのある詩人たちも、
『我らは神の中に生き、動き、存在する』
『我らもその子孫である』と、
言っているとおりです。29わたしたちは神の子孫なのですから、神である方を、人間の技や考えで造った金、銀、石などの像と同じものと考えてはなりません。30さて、神はこのような無知な時代を、大目に見てくださいましたが、今はどこにいる人でも皆悔い改めるようにと、命じておられます。31それは、先にお選びになった一人の方によって、この世を正しく裁く日をお決めになったからです。神はこの方を死者の中から復活させて、すべての人にそのことの確証をお与えになったのです。」

32死者の復活ということを聞くと、ある者はあざ笑い、ある者は、「それについては、いずれまた聞かせてもらうことにしよう」と言った。33それで、パウロはその場を立ち去った。34しかし、彼について行って信仰に入った者も、何人かいた。その中にはアレオパゴスの議員ディオニシオ、またダマリスという婦人やその他の人々もいた。

18・1その後、パウロはアテネを去ってコリントへ行った。

答唱詩編

詩編148・11+12、13+14

いのちあるすベてのものは、神をたたえよ。

詩編148

148・11地を治める王、すべての民は神をたたえよ。
すべての支配者は神をたたえよ。
12若者とおとめたちは神をたたえよ。
年老いた者も、子どもたちも神をたたえよ。

13すべての者は神の名をたたえよ。
神は偉大。その栄光は天地を覆う。
14神は、その民を高められた。
神に選ばれた民、イスラエルは賛美の声をあげる。

福音朗読

ヨハネ16・12-15

アレルヤ、アレルヤ。わたしは父に願い父が与える証しの霊は永遠に、あなたがたとともにとどまってくださる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・12「言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。13しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。14その方はわたしに栄光を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告げるからである。15父が持っておられるものはすべて、わたしのものである。だから、わたしは、『その方がわたしのものを受けて、あなたがたに告げる』と言ったのである。」

復活節第6木曜日 5月9日(木) 復活節

第一朗読

使徒言行録18・1-8

コリントの多くの人々も、パウロの言葉を聞いて信じ、洗礼を受けた。

使徒たちの宣教

その日、18・1パウロはアテネを去ってコリントへ行った。2ここで、ポントス州出身のアキラというユダヤ人とその妻プリスキラに出会った。クラウディウス帝が全ユダヤ人をローマから退去させるようにと命令したので、最近イタリアから来たのである。パウロはこの二人を訪ね、3職業が同じであったので、彼らの家に住み込んで、一緒に仕事をした。その職業はテント造りであった。4パウロは安息日ごとに会堂で論じ、ユダヤ人やギリシア人の説得に努めていた。

5シラスとテモテがマケドニア州からやって来ると、パウロは御言葉を語ることに専念し、ユダヤ人に対してメシアはイエスであると力強く証しした。6しかし、彼らが反抗し、口汚くののしったので、パウロは服の塵を振り払って言った。「あなたたちの血は、あなたたちの頭に降りかかれ。わたしには責任がない。今後、わたしは異邦人の方へ行く。」7パウロはそこを去り、神をあがめるティティオ・ユストという人の家に移った。彼の家は会堂の隣にあった。8会堂長のクリスポは、一家をあげて主を信じるようになった。また、コリントの多くの人々も、パウロの言葉を聞いて信じ、洗礼を受けた。

答唱詩編

詩編98・1、4+5

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
そのとうとい腕は救いの力。

4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、
賛美の歌で神をほめよ。
5たて琴をかなでて神をたたえ、
その調べに合わせてほめ歌え。

福音朗読

ヨハネ16・16-20

アレルヤ、アレルヤ。わたしはあなたがたを孤児にはしない。今は行くが、また帰って来てあなたがたの喜びとなる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・16「しばらくすると、あなたがたはもうわたしを見なくなるが、またしばらくすると、わたしを見るようになる。」17そこで、弟子たちのある者は互いに言った。「『しばらくすると、あなたがたはわたしを見なくなるが、またしばらくすると、わたしを見るようになる』とか、『父のもとに行く』とか言っておられるのは、何のことだろう。」18また、言った。「『しばらくすると』と言っておられるのは、何のことだろう。何を話しておられるのか分からない。」19イエスは、彼らが尋ねたがっているのを知って言われた。「『しばらくすると、あなたがたはわたしを見なくなるが、またしばらくすると、わたしを見るようになる』と、わたしが言ったことについて、論じ合っているのか。20はっきり言っておく。あなたがたは泣いて悲嘆に暮れるが、世は喜ぶ。あなたがたは悲しむが、その悲しみは喜びに変わる。」

復活節第6金曜日 5月10日(金) 復活節

第一朗読

使徒言行録18・9-18

恐れるな。語り続けよ。黙っているな。わたしがあなたと共にいる。

使徒たちの宣教

パウロがコリントに滞在していた18・9ある夜のこと、主は幻の中でパウロにこう言われた。「恐れるな。語り続けよ。黙っているな。10わたしがあなたと共にいる。だから、あなたを襲って危害を加える者はない。この町には、わたしの民が大勢いるからだ。」11パウロは一年六か月の間ここにとどまって、人々に神の言葉を教えた。

12ガリオンがアカイア州の地方総督であったときのことである。ユダヤ人たちが一団となってパウロを襲い、法廷に引き立てて行って、13「この男は、律法に違反するようなしかたで神をあがめるようにと、人々を唆しております」と言った。14パウロが話し始めようとしたとき、ガリオンはユダヤ人に向かって言った。「ユダヤ人諸君、これが不正な行為とか悪質な犯罪とかであるならば、当然諸君の訴えを受理するが、15問題が教えとか名称とか諸君の律法に関するものならば、自分たちで解決するがよい。わたしは、そんなことの審判者になるつもりはない。」16そして、彼らを法廷から追い出した。17すると、群衆は会堂長のソステネを捕まえて、法廷の前で殴りつけた。しかし、ガリオンはそれに全く心を留めなかった。

18パウロは、なおしばらくの間ここに滞在したが、やがて兄弟たちに別れを告げて、船でシリア州へ旅立った。プリスキラとアキラも同行した。パウロは誓願を立てていたので、ケンクレアイで髪を切った。

答唱詩編

詩編47・2+3、7+8

神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。

詩編47

47・2すべての民よ、手を打ち鳴らし、
神に喜びの叫びをあげよ。
3すべてを越える神、おそるべきかた、
世界を治める偉大な王。

7神をたたえてほめ歌え。
わたしたちの王をほめ歌え。
8まことに神は世界の王。
力の限りほめ歌え。

福音朗読

ヨハネ16・20-23a

アレルヤ、アレルヤ。キリストは苦しみを受けて死者のうちから復活し、栄光に入る方。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・20「はっきり言っておく。あなたがたは泣いて悲嘆に暮れるが、世は喜ぶ。あなたがたは悲しむが、その悲しみは喜びに変わる。21女は子供を産むとき、苦しむものだ。自分の時が来たからである。しかし、子供が生まれると、一人の人間が世に生まれ出た喜びのために、もはやその苦痛を思い出さない。22ところで、今はあなたがたも、悲しんでいる。しかし、わたしは再びあなたがたと会い、あなたがたは心から喜ぶことになる。その喜びをあなたがたから奪い去る者はいない。23その日には、あなたがたはもはや、わたしに何も尋ねない。」

復活節第6土曜日 5月11日(土) 復活節

第一朗読

使徒言行録18・23-28

彼が聖書に基づいて、メシアはイエスであると公然と立証した。

使徒たちの宣教

23パウロはしばらくアンティオキアで過ごした後、また旅に出て、ガラテヤやフリギアの地方を次々に巡回し、すべての弟子たちを力づけた。

24さて、アレクサンドリア生まれのユダヤ人で、聖書に詳しいアポロという雄弁家が、エフェソに来た。25彼は主の道を受け入れており、イエスのことについて熱心に語り、正確に教えていたが、ヨハネの洗礼しか知らなかった。26このアポロが会堂で大胆に教え始めた。これを聞いたプリスキラとアキラは、彼を招いて、もっと正確に神の道を説明した。27それから、アポロがアカイア州に渡ることを望んでいたので、兄弟たちはアポロを励まし、かの地の弟子たちに彼を歓迎してくれるようにと手紙を書いた。アポロはそこへ着くと、既に恵みによって信じていた人々を大いに助けた。28彼が聖書に基づいて、メシアはイエスであると公然と立証し、激しい語調でユダヤ人たちを説き伏せたからである。

答唱詩編

詩編47・7+8、9+10b

神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。

詩編47

47・7神をたたえてほめ歌え。
わたしたちの王をほめ歌え。
8まことに神は世界の王。
力の限りほめ歌え。

9神は諸国の民を導き、
とうとい座についておられる。
10b神は宇宙の作り主、
すべての人にあがめられる。

福音朗読

ヨハネ16・23b-28

アレルヤ、アレルヤ。わたしは父から出て、世に来たが、世を去って父のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・23「はっきり言っておく。あなたがたがわたしの名によって何かを父に願うならば、父はお与えになる。24今までは、あなたがたはわたしの名によっては何も願わなかった。願いなさい。そうすれば与えられ、あなたがたは喜びで満たされる。」

25「わたしはこれらのことを、たとえを用いて話してきた。もはやたとえによらず、はっきり父について知らせる時が来る。26その日には、あなたがたはわたしの名によって願うことになる。わたしがあなたがたのために父に願ってあげる、とは言わない。27父御自身が、あなたがたを愛しておられるのである。あなたがたが、わたしを愛し、わたしが神のもとから出て来たことを信じたからである。28わたしは父のもとから出て、世に来たが、今、世を去って、父のもとに行く。」

主の昇天 5月12日(日) 復活節

第一朗読

使徒言行録1・1-11

イエスは彼らが見ているうちに天に上げられた。

使徒たちの宣教

1・1-2テオフィロさま、わたしは先に第一巻を著して、イエスが行い、また教え始めてから、お選びになった使徒たちに聖霊を通して指図を与え、天に上げられた日までのすべてのことについて書き記しました。

3イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。4そして、彼らと食事を共にしていたとき、こう命じられた。「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。5ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである。」

6さて、使徒たちは集まって、「主よ、イスラエルのために国を建て直してくださるのは、この時ですか」と尋ねた。7イエスは言われた。「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない。8あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」9こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。10イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、11言った。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる。」

答唱詩編

詩編47・2+3、6+7、8+9

主はのぼられた、喜びの叫びのうちに。

詩編47

47・2すべての民よ、手を打ち鳴らし、
神に喜びの叫びをあげよ。
3すべてを越える神、おそるべきかた、
世界を治める偉大な王。

6主は喜びの叫びのうちに、
角笛の響きとともにのぼられた。
7神をたたえてほめ歌え。
わたしたちの王をほめ歌え。

8まことに神は世界の王。
力の限りほめ歌え。
9神は諸国の民を導き、
とうとい座についておられる。

第二朗読

エフェソ4・1-13

わたしたちは、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長する。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

4・1皆さん、主に結ばれて囚人となっているわたしはあなたがたに勧めます。神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩み、2一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、3平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。4体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。5主は一人、信仰は一つ、洗礼は一つ、6すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます。

7しかし、わたしたち一人一人に、キリストの賜物のはかりに従って、恵みが与えられています。

8そこで、
「高い所に昇るとき、捕らわれ人を連れて行き、
人々に賜物を分け与えられた」
と言われています。

9「昇った」というのですから、低い所、地上に降りておられたのではないでしょうか。10この降りて来られた方が、すべてのものを満たすために、もろもろの天よりも更に高く昇られたのです。

11そして、キリストはある人を使徒、ある人を預言者、ある人を福音宣教者、ある人を牧者、教師とされたのです。12こうして、聖なる者たちは奉仕の業に適した者とされ、キリストの体を造り上げてゆき、13ついには、わたしたちは皆、神の子に対する信仰と知識において一つのものとなり、成熟した人間になり、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長するのです。

または

エフェソ1・17-23

神はキリストを天において御自分の右の座に着かせた。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

1・17皆さん、どうか、わたしたちの主イエス・キリストの神、栄光の源である御父が、あなたがたに知恵と啓示との霊を与え、神を深く知ることができるようにし、18心の目を開いてくださるように。そして、神の招きによってどのような希望が与えられているか、聖なる者たちの受け継ぐものがどれほど豊かな栄光に輝いているか悟らせてくださるように。19また、わたしたち信仰者に対して絶大な働きをなさる神の力が、どれほど大きなものであるか、悟らせてくださるように。20神は、この力をキリストに働かせて、キリストを死者の中から復活させ、天において御自分の右の座に着かせ、21すべての支配、権威、勢力、主権の上に置き、今の世ばかりでなく、来るべき世にも唱えられるあらゆる名の上に置かれました。22神はまた、すべてのものをキリストの足もとに従わせ、キリストをすべてのものの上にある頭として教会にお与えになりました。23教会はキリストの体であり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられる場です。

福音朗読

マルコ16・15-20

アレルヤ、アレルヤ。全世界に行き、すべての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは十一人の弟子に現れて、言われた。16・15「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。16信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受る。17信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。18手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」

19主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。20一方、弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった。

復活節第7月曜日 5月13日(月) 復活節

第一朗読

使徒言行録19・1-8

信仰に入ったとき、聖霊を受けましたか

使徒たちの宣教

19・1アポロがコリントにいたときのことである。パウロは、内陸の地方を通ってエフェソに下って来て、何人かの弟子に出会い、2彼らに、「信仰に入ったとき、聖霊を受けましたか」と言うと、彼らは、「いいえ、聖霊があるかどうか、聞いたこともありません」と言った。3パウロが、「それなら、どんな洗礼を受けたのですか」と言うと、「ヨハネの洗礼です」と言った。4そこで、パウロは言った。「ヨハネは、自分の後から来る方、つまりイエスを信じるようにと、民に告げて、悔い改めの洗礼を授けたのです。」5人々はこれを聞いて主イエスの名によって洗礼を受けた。

6パウロが彼らの上に手を置くと、聖霊が降り、その人たちは異言を話したり、預言をしたりした。7この人たちは、皆で十二人ほどであった。

7パウロは会堂に入って、三か月間、神の国のことについて大胆に論じ、人々を説得しようとした。

答唱詩編

詩編68・4+5ab、6+7bc

神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。

詩編68

68・4神に従う人は喜びおどり、
神の前で喜びたのしむ。
5ab神に向かって歌い、
その名をたたえて歌え。

6みなしごの父、やもめのたすけ、
神はとうとい住まいにおられる。
7bc捕らわれびとを解き放ち、
彼らをしあわせにされる。

福音朗読

ヨハネ16・29-33

アレルヤ、アレルヤ。キリストとともに復活したなら上のことを求めよう。キリストは神の右に座しておられる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、弟子たちはイエスに言った。16・29「今は、はっきりとお話しになり、少しもたとえを用いられません。30あなたが何でもご存じで、だれもお尋ねする必要のないことが、今、分かりました。これによって、あなたが神のもとから来られたと、わたしたちは信じます。」31イエスはお答えになった。「今ようやく、信じるようになったのか。32だが、あなたがたが散らされて自分の家に帰ってしまい、わたしをひとりきりにする時が来る。いや、既に来ている。しかし、わたしはひとりではない。父が、共にいてくださるからだ。33これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」

聖マチヤ使徒 5月14日(火) 聖人の記念

第一朗読

使徒言行録1・15-17、20-26

二人のことでくじを引くと、マティアに当たった

使徒たちの宣教

その日、1・15ペトロは兄弟たちの中に立って言った。百二十人ほどの人々が一つになっていた。16「兄弟たち、イエスを捕らえた者たちの手引きをしたあのユダについては、聖霊がダビデの口を通して預言しています。この聖書の言葉は、実現しなければならなかったのです。17ユダはわたしたちの仲間の一人であり、同じ任務を割り当てられていました。20詩編にはこう書いてあります。
『その住まいは荒れ果てよ、
そこに住む者はいなくなれ。』
また、
『その務めは、ほかの人が引き受けるがよい。』
21‐22そこで、主イエスがわたしたちと共に生活されていた間、つまり、ヨハネの洗礼のときから始まって、わたしたちを離れて天に上げられた日まで、いつも一緒にいた者の中からだれか一人が、わたしたちに加わって、主の復活の証人になるべきです。」23そこで人々は、バルサバと呼ばれ、ユストともいうヨセフと、マティアの二人を立てて、24次のように祈った。「すべての人の心をご存じである主よ、この二人のうちのどちらをお選びになったかを、お示しください。25ユダが自分の行くべき所に行くために離れてしまった、使徒としてのこの任務を継がせるためです。」26二人のことでくじを引くと、マティアに当たったので、この人が十一人の使徒の仲間に加えられることになった。

答唱詩編

詩編113・1+2、7+8

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

詩編113

113・1ほめよ、神に仕える者よ、
神の名をほめたたえよ。
2神の名に賛美、
今よりとこしえに。

7神は貧しい人を立ち上がらせ、
恵まれない人を高く上げ、
5支配者とともにすわらせ、
民のかしらとともに並ばせる。

福音朗読

ヨハネ15・9-17

アレルヤ、アレルヤ。あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだのである。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・9「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛してきた。わたしの愛にとどまりなさい。10わたしが父の掟を守り、その愛にとどまっているように、あなたがたも、わたしの掟を守るなら、わたしの愛にとどまっていることになる。

11これらのことを話したのは、わたしの喜びがあなたがたの内にあり、あなたがたの喜びが満たされるためである。12わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。13友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。14わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。15もはや、わたしはあなたがたを僕とは呼ばない。僕は主人が何をしているか知らないからである。わたしはあなたがたを友と呼ぶ。父から聞いたことをすべてあなたがたに知らせたからである。16あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。あなたがたが出かけて行って実を結び、その実が残るようにと、また、わたしの名によって父に願うものは何でも与えられるようにと、わたしがあなたがたを任命したのである。17互いに愛し合いなさい。これがわたしの命令である。」

復活節第7水曜日 5月15日(水) 復活節

第一朗読

使徒言行録20・28-38

受けるよりは与える方が幸いである

使徒たちの宣教

その日、パウロはエフェソの教会の長老たちに言った。20・28「どうか、あなたがた自身と群れ全体とに気を配ってください。聖霊は、神が御子の血によって御自分のものとなさった神の教会の世話をさせるために、あなたがたをこの群れの監督者に任命なさったのです。29わたしが去った後に、残忍な狼どもがあなたがたのところへ入り込んで来て群れを荒らすことが、わたしには分かっています。30また、あなたがた自身の中からも、邪説を唱えて弟子たちを従わせようとする者が現れます。31だから、わたしが三年間、あなたがた一人一人に夜も昼も涙を流して教えてきたことを思い起こして、目を覚ましていなさい。32そして今、神とその恵みの言葉とにあなたがたをゆだねます。この言葉は、あなたがたを造り上げ、聖なる者とされたすべての人々と共に恵みを受け継がせることができるのです。33わたしは、他人の金銀や衣服をむさぼったことはありません。34ご存じのとおり、わたしはこの手で、わたし自身の生活のためにも、共にいた人々のためにも働いたのです。35あなたがたもこのように働いて弱い者を助けるように、また、主イエス御自身が『受けるよりは与える方が幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、わたしはいつも身をもって示してきました。」

36このように話してから、パウロは皆と一緒にひざまずいて祈った。37人々は皆激しく泣き、パウロの首を抱いて接吻した。38特に、自分の顔をもう二度と見ることはあるまいとパウロが言ったので、非常に悲しんだ。人々はパウロを船まで見送りに行った。

答唱詩編

詩編68・29+33、34b+35a+36b

神に向かって喜びうたい、感謝の歌をささげよう。

詩編68

68・29神よ、あなたの力を現し、
あなたが建てられたものを強めてください。
33世界の国々よ、神に向かってうたえ。
主をたたえてうたえ。

34b神の声を聞け、
力みなぎる声を。
35a神の力をたたえよ。
36b勝利を授けられる神に賛美。

福音朗読

ヨハネ17・11b-19

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは天を仰ぎ、祈って言われた。17・11b「聖なる父よ、わたしに与えてくださった御名によって彼らを守ってください。わたしたちのように、彼らも一つとなるためです。12わたしは彼らと一緒にいる間、あなたが与えてくださった御名によって彼らを守りました。わたしが保護したので、滅びの子のほかは、だれも滅びませんでした。聖書が実現するためです。13しかし、今、わたしはみもとに参ります。世にいる間に、これらのことを語るのは、わたしの喜びが彼らの内に満ちあふれるようになるためです。14わたしは彼らに御言葉を伝えましたが、世は彼らを憎みました。わたしが世に属していないように、彼らも世に属していないからです。15わたしがお願いするのは、彼らを世から取り去ることではなく、悪い者から守ってくださることです。16わたしが世に属していないように、彼らも世に属していないのです。17真理によって、彼らを聖なる者としてください。あなたの御言葉は真理です。18わたしを世にお遣わしになったように、わたしも彼らを世に遣わしました。19彼らのために、わたしは自分自身をささげます。彼らも、真理によってささげられた者となるためです。」

復活節第7木曜日 5月16日(木) 復活節

第一朗読

使徒言行録22・30、23・6-11

勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない。

使徒たちの宣教

その日、22・30千人隊長は、なぜパウロがユダヤ人から訴えられているのか、確かなことを知りたいと思い、彼の鎖を外した。そして、祭司長たちと最高法院全体の召集を命じ、パウロを連れ出して彼らの前に立たせた。

6パウロは、議員の一部がサドカイ派、一部がファリサイ派であることを知って、議場で声を高めて言った。「兄弟たち、わたしは生まれながらのファリサイ派です。死者が復活するという望みを抱いていることで、わたしは裁判にかけられているのです。」7パウロがこう言ったので、ファリサイ派とサドカイ派との間に論争が生じ、最高法院は分裂した。8サドカイ派は復活も天使も霊もないと言い、ファリサイ派はこのいずれをも認めているからである。9そこで、騒ぎは大きくなった。ファリサイ派の数人の律法学者が立ち上がって激しく論じ、「この人には何の悪い点も見いだせない。霊か天使かが彼に話しかけたのだろうか」と言った。10こうして、論争が激しくなったので、千人隊長は、パウロが彼らに引き裂かれてしまうのではないかと心配し、兵士たちに、下りていって人々の中からパウロを力ずくで助け出し、兵営に連れて行くように命じた。

11その夜、主はパウロのそばに立って言われた。「勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない。」

答唱詩編

詩編16・5、8

しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。

詩編16

16・5神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、わたしの受ける杯、
わたしの道を開くかた。

8わたしは絶えず神を思う。
神はわたしのそばにおられ、わたしは決してゆるがない。

福音朗読

ヨハネ17・20-26

アレルヤ、アレルヤ。わたしは父から出て、世に来たが、世を去って父のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは天を仰ぎ、祈って言われた。17・20「彼らのためだけでなく、彼らの言葉によってわたしを信じる人々のためにも、お願いします。21父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。22あなたがくださった栄光を、わたしは彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためです。23わたしが彼らの内におり、あなたがわたしの内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです。こうして、あなたがわたしをお遣わしになったこと、また、わたしを愛しておられたように、彼らをも愛しておられたことを、世が知るようになります。24父よ、わたしに与えてくださった人々を、わたしのいる所に、共におらせてください。それは、天地創造の前からわたしを愛して、与えてくださったわたしの栄光を、彼らに見せるためです。25正しい父よ、世はあなたを知りませんが、わたしはあなたを知っており、この人々はあなたがわたしを遣わされたことを知っています。26わたしは御名を彼らに知らせました。また、これからも知らせます。わたしに対するあなたの愛が彼らの内にあり、わたしも彼らの内にいるようになるためです。」

復活節第7金曜日 5月17日(金) 復活節

第一朗読

使徒言行録25・13-21

イエスが生きていると、パウロは主張しているのです。

使徒たちの宣教

その日、25・13アグリッパ王とベルニケが、フェストゥスに敬意を表するためにカイサリアに来た。14彼らが幾日もそこに滞在していたので、フェストゥスはパウロの件を王に持ち出して言った。「ここに、フェリクスが囚人として残していった男がいます。15わたしがエルサレムに行ったときに、祭司長たちやユダヤ人の長老たちがこの男を訴え出て、有罪の判決を下すように要求したのです。16わたしは彼らに答えました。『被告が告発されたことについて、原告の面前で弁明する機会も与えられず、引き渡されるのはローマ人の慣習ではない』と。17それで、彼らが連れ立って当地へ来ましたから、わたしはすぐにその翌日、裁判の席に着き、その男を出廷させるように命令しました。18告発者たちは立ち上がりましたが、彼について、わたしが予想していたような罪状は何一つ指摘できませんでした。19パウロと言い争っている問題は、彼ら自身の宗教に関することと、死んでしまったイエスとかいう者のことです。このイエスが生きていると、パウロは主張しているのです。20わたしは、これらのことの調査の方法が分からなかったので、『エルサレムへ行き、そこでこれらの件に関して裁判を受けたくはないか』と言いました。21しかしパウロは、皇帝陛下の判決を受けるときまで、ここにとどめておいてほしいと願い出ましたので、皇帝のもとに護送するまで、彼をとどめておくように命令しました。」

答唱詩編

詩編103・11+12、20+21

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編103

103・11天が地より高いように、
いつくしみは神をおそれる人の上にある。
12東と西が果てしなく遠いように、
神はわたしたちを罪から引き離される。

20神の使いよ、神をたたえよ。
みことばを聞き、これを行う者よ、神をたたえよ。
21天にあるものよ、神をたたえよ。
み旨を行うしもべたちよ、神をたたえよ。

福音朗読

ヨハネ21・15-19

アレルヤ、アレルヤ。聖霊はあなたがたにすべてを教え、話したことをわからせてくださる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

イエスは、弟子たちにご自身を表され、食事を共にされた。21・15食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。16二度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。17三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。18はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。」19ペトロがどのような死に方で、神の栄光を現すようになるかを示そうとして、イエスはこう言われたのである。このように話してから、ペトロに、「わたしに従いなさい」と言われた。

復活節第7土曜日 5月18日(土) 復活節

第一朗読

使徒言行録28・16-20、30-31

イスラエルが希望していることのために、わたしはこのように鎖でつながれているのです。

使徒たちの宣教

28・16わたしたちがローマに入ったとき、パウロは番兵を一人つけられたが、自分だけで住むことを許された。

17三日の後、パウロはおもだったユダヤ人たちを招いた。彼らが集まって来たとき、こう言った。「兄弟たち、わたしは、民に対しても先祖の慣習に対しても、背くようなことは何一つしていないのに、エルサレムで囚人としてローマ人の手に引き渡されてしまいました。18ローマ人はわたしを取り調べたのですが、死刑に相当する理由が何も無かったので、釈放しようと思ったのです。19しかし、ユダヤ人たちが反対したので、わたしは皇帝に上訴せざるをえませんでした。これは、決して同胞を告発するためではありません。20だからこそ、お会いして話し合いたいと、あなたがたにお願いしたのです。イスラエルが希望していることのために、わたしはこのように鎖でつながれているのです。」

30パウロは、自費で借りた家に丸二年間住んで、訪問する者はだれかれとなく歓迎し、31全く自由に何の妨げもなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストについて教え続けた。

答唱詩編

詩編33・12+13、14+15

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・12神を王としていただく国、
神のものとして選ばれた民はしあわせ。
13神は天から目を注ぎ、
人々をすベて見ておられる。

14神はその住まいから、
地に住むすべての人に目を注がれる。
15神はひとりひとりの心を造り、
そのわざを見抜かれる。

福音朗読

ヨハネ21・20-25

アレルヤ、アレルヤ。すべての真理を教えてくださる真理の霊を遣わそう。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、21・20ペトロが振り向くと、イエスの愛しておられた弟子がついて来るのが見えた。この弟子は、あの夕食のとき、イエスの胸もとに寄りかかったまま、「主よ、裏切るのはだれですか」と言った人である。21ペトロは彼を見て、「主よ、この人はどうなるのでしょうか」と言った。22イエスは言われた。「わたしの来るときまで彼が生きていることを、わたしが望んだとしても、あなたに何の関係があるか。あなたは、わたしに従いなさい。」23それで、この弟子は死なないといううわさが兄弟たちの間に広まった。しかし、イエスは、彼は死なないと言われたのではない。ただ、「わたしの来るときまで彼が生きていることを、わたしが望んだとしても、あなたに何の関係があるか」と言われたのである。

24これらのことについて証しをし、それを書いたのは、この弟子である。わたしたちは、彼の証しが真実であることを知っている。

25イエスのなさったことは、このほかにも、まだたくさんある。わたしは思う。その一つ一つを書くならば、世界もその書かれた書物を収めきれないであろう。

聖霊降臨・前晩のミサ 5月18日(土) 復活節

第一朗読

創世記11・1-9

我々は、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。

創世記

そのころ、11・1世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた。2東の方から移動してきた人々は、シンアルの地に平野を見つけ、そこに住み着いた。

3彼らは、「れんがを作り、それをよく焼こう」と話し合った。石の代わりにれんがを、しっくいの代わりにアスファルトを用いた。4彼らは、「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」と言った。

5主は降って来て、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、6言われた。

「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない。7我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」

8主は彼らをそこから全地に散らされたので、彼らはこの町の建設をやめた。9こういうわけで、この町の名はバべルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を混乱(バラル)させ、また、主がそこから彼らを全地に散らされたからである。

または

出エジプト記19・3-8a、16-20b

主はモーセに語りかけて言われた。「イスラエルの人々に告げなさい…」

出エジプト記

その日、19・3モーセが神のもとに登って行くと、山から主は彼に語りかけて言われた。
「ヤコブの家にこのように語り
イスラエルの人々に告げなさい。
4あなたたちは見た
わたしがエジプト人にしたこと
また、あなたたちを鷲の翼に乗せてわたしのもとに連れて来たことを。
5今、もしわたしの声に聞き従い
わたしの契約を守るならば
あなたたちはすべての民の間にあってわたしの宝となる。
世界はすべてわたしのものである。
6あなたたちは、わたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。
これが、イスラエルの人々に語るべき言葉である。」

7モーセは戻って、民の長老たちを呼び集め、主が命じられた言葉をすべて彼らの前で語った。8民は皆、一斉に答えて、「わたしたちは、主が語られたことをすべて、行います」と言った。

16三日目の朝になると、雷鳴と稲妻と厚い雲が山に臨み、角笛の音が鋭く鳴り響いたので、宿営にいた民は皆、震えた。17しかし、モーセが民を神に会わせるために宿営から連れ出したので、彼らは山のふもとに立った。18シナイ山は全山煙に包まれた。主が火の中を山の上に降られたからである。煙は炉の煙のように立ち上り、山全体が激しく震えた。19角笛の音がますます鋭く鳴り響いたとき、モーセが語りかけると、神は雷鳴をもって答えられた。

20主はシナイ山の頂に降り、モーセを山の頂に呼び寄せられた。

または

エゼキエル37・1-14

わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。

エゼキエルの預言

その日、37・1主の手がわたしの上に臨んだ。わたしは主の霊によって連れ出され、ある谷の真ん中に降ろされた。そこは骨でいっぱいであった。2主はわたしに、その周囲を行き巡らせた。見ると、谷の上には非常に多くの骨があり、また見ると、それらは甚だしく枯れていた。3そのとき、主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨は生き返ることができるか。」わたしは答えた。「主なる神よ、あなたのみがご存じです。」4そこで、主はわたしに言われた。「これらの骨に向かって預言し、彼らに言いなさい。枯れた骨よ、主の言葉を聞け。5これらの骨に向かって、主なる神はこう言われる。見よ、わたしはお前たちの中に霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。6わたしは、お前たちの上に筋をおき、肉を付け、皮膚で覆い、霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。そして、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。」

7わたしは命じられたように預言した。わたしが預言していると、音がした。見よ、カタカタと音を立てて、骨と骨とが近づいた。8わたしが見ていると、見よ、それらの骨の上に筋と肉が生じ、皮膚がその上をすっかり覆った。しかし、その中に霊はなかった。9主はわたしに言われた。「霊に預言せよ。人の子よ、預言して霊に言いなさい。主なる神はこう言われる。霊よ、四方から吹き来れ。霊よ、これらの殺されたものの上に吹きつけよ。そうすれば彼らは生き返る。」

10わたしは命じられたように預言した。すると、霊が彼らの中に入り、彼らは生き返って自分の足で立った。彼らは非常に大きな集団となった。

11主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。彼らは言っている。『我々の骨は枯れた。我々の望みはうせ、我々は滅びる』と。12それゆえ、預言して彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。わたしはお前たちの墓を開く。わが民よ、わたしはお前たちを墓から引き上げ、イスラエルの地へ連れて行く。13わたしが墓を開いて、お前たちを墓から引き上げるとき、わが民よ、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。14また、わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。わたしはお前たちを自分の土地に住まわせる。そのとき、お前たちは主であるわたしがこれを語り、行ったことを知るようになる」と主は言われる。

または

ヨエル3・1-5

わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。

ヨエルの預言

主は言われる。
3・1わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。
あなたたちの息子や娘は預言し
老人は夢を見、若者は幻を見る。
2その日、わたしは
奴隷となっている男女にもわが霊を注ぐ。
3天と地に、しるしを示す。
それは、血と火と煙の柱である。
4主の日、大いなる恐るべき日が来る前に
太陽は闇に、月は血に変わる。
5しかし、主の御名を呼ぶ者は皆、救われる。
主が言われたように
シオンの山、エルサレムには逃れ場があり
主が呼ばれる残りの者はそこにいる。

答唱詩編

詩編104・1+2a、24+33

神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。

詩編104

104・1心を尽くして神をたたえよう。

神よ、あなたはまことに偉大なかた。
2a誉れと輝きを身に帯びて、

衣のように光をまとわれる。

24神よ、あなたが造られたものは数えきれない。

英知によって形造られたものは地に満ちている。
33わたしは生涯、神に向かって歌い、

いのちのある限り神をたたえよう。

第ニ朗読

ローマ8・22-27

〝霊〟の初穂をいただいているわたしたちぱ、神の子とされる。

使徒パウロのローマ教会への手紙

皆さん、8・22被造物がすべて今日まで、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっていることを、わたしたちは知っています。23被造物だけでなく、〝霊〟の初穂をいただいているわたしたちも、神の子とされること、つまり、体の贖われることを、心の中でうめきながら待ち望んでいます。24わたしたちは、このような希望によって救われているのです。見えるものに対する希望は希望ではありません。現に見ているものをだれがなお望むでしょうか。25わたしたちは、目に見えないものを望んでいるなら、忍耐して待ち望むのです。

26同様に、〝霊〟も弱いわたしたちを助けてくださいます。わたしたちはどう祈るべきかを知りませんが、〝霊〟自らが、言葉に表せないうめきをもって執り成してくださるからです。27人の心を見抜く方は、〝霊〟の思いが何であるかを知っておられます。〝霊〟は、神の御心に従って、聖なる者たちのために執り成してくださるからです。

福音朗読

ヨハネ7・37-39

アレルヤ、アレルヤ。聖霊来てください。信じる人の心を満たし、あなたの愛の火を燃やしたください。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

7・37祭りが最も盛大に祝われる終わりの日に、イエスは立ち上がって大声で言われた。「渇いている人はだれでも、わたしのところに来て飲みなさい。38わたしを信じる者は、聖書に書いてあるとおり、その人の内から生きた水が川となって流れ出るようになる。」39イエスは、御自分を信じる人々が受けようとしている〝霊〟について言われたのである。イエスはまだ栄光を受けておられなかったので、〝霊〟がまだ降っていなかったからである。

聖霊降臨 5月19日(日) 復活節

第一朗読

使徒言行録2・1-11

一同は聖霊に満たされ、話しだした。

使徒たちの宣教

2・1五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、2突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。3そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。4すると、一同は聖霊に満たされ、〝霊〟が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。

5さて、エルサレムには天下のあらゆる国から帰って来た、信心深いユダヤ人が住んでいたが、6この物音に大勢の人が集まって来た。そして、だれもかれも、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いて、あっけにとられてしまった。7人々は驚き怪しんで言った。「話をしているこの人たちは、皆ガリラヤの人ではないか。8どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろうか。9わたしたちの中には、パルティア、メディア、エラムからの者がおり、また、メソポタミア、ユダヤ、カパドキア、ポントス、アジア、10フリギァ、パンフィリア、エジプト、キレネに接するリビア地方などに住む者もいる。また、ローマから来て滞在中の者、11ユダヤ人もいれば、ユダヤ教への改宗者もおり、クレタ、アラビアから来た者もいるのに、彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは。」

答唱詩編

詩編104・1b+24、29+30、31+34

神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。

詩編104

104・1b主なる神、
あなたはまことに偉大なかた。
24あなたは数えきれぬほどのものを、
英知に満ちて造られた。

29あなたがいぶきを取り去られると、
死が訪れてちりにもどる。
30あなたは霊を送ってすべてを造り、
地上を新たにしてくださる。

31神にとわの栄えあれ。
神がみわざを喜ばれますように。
34わたしの思いが神の喜びとなりますように。
わたしは神を喜びとする。

第二朗読

ガラテヤ5・16-25

霊の結ぶ実

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、5・16霊の導きに従って歩みなさい。そうすれば、決して肉の欲望を満足させるようなことはありません。17肉の望むところは、霊に反し、霊の望むところは、肉に反するからです。肉と霊とが対立し合っているので、あなたがたは、自分のしたいと思うことができないのです。18しかし、霊に導かれているなら、あなたがたは、律法の下にはいません。19肉の業は明らかです。それは、姦淫、わいせつ、好色、20偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、怒り、利己心、不和、仲間争い、21ねたみ、泥酔、酒宴、その他このたぐいのものです。以前言っておいたように、ここでも前もって言いますが、このようなことを行う者は、神の国を受け継ぐことはできません。

22これに対して、霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、23柔和、節制です。これらを禁じる掟はありません。24キリスト・イエスのものとなった人たちは、肉を欲情や欲望もろとも十字架につけてしまったのです。25わたしたちは、霊の導きに従って生きているなら、霊の導きに従ってまた前進しましょう。

または

①コリント12・3b-7、12-13

皆一つの体となるために、一つの霊によって洗礼を受けた。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、12・3b聖霊によらなければ、だれも「イエスは主である」とは言えないのです。4賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です。5務めにはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ主です。6働きにはいろいろありますが、すべての場合にすべてのことをなさるのは同じ神です。7一人一人に〝霊〟の働きが現れるのは、全体の益となるためです。

12体は一つでも、多くの部分から成り、体のすべての部分の数は多くても、体は一つであるように、キリストの場合も同様である。13つまり、一つの霊によって、わたしたちは、ユダヤ人であろうとギリシア人であろうと、奴隷であろうと自由な身分の者であろうと、皆一つの体となるために洗礼を受け、皆一つの霊をのませてもらったのです。

福音朗読

ヨハネ15・26-27、16・12-15

アレルヤ、アレルヤ。聖霊来てください。信じる人の心を満たし、あなたの愛の火を燃やしたください。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・26「わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。27あなたがたも、初めからわたしと一緒にいたのだから、証しをするのである。

16・12言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。13しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。14その方はわたしに栄光を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告げるからである。15父が持っておられるものはすべて、わたしのものである。だから、わたしは、『その方がわたしのものを受けて、あなたがたに告げる』と言ったのである。」

または

ヨハネ20・19-23

アレルヤ、アレルヤ。聖霊来てください。信じる人の心を満たし、あなたの愛の火を燃やしたください。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

20・19その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。20そう言って、手とわき腹とをお見せになった。弟子たちは、主を見て喜んだ。21イエスは重ねて言われた。「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。」22そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。23だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」

教会の母聖マリア 5月20日(月) 年間の主の祝祭日

第一朗読

創世記3・9-15、20

命あるすべてのものの母

創世記

アダムが木の実を食べた後に、3・9主なる神は彼を呼ばれた。

「どこにいるのか。」

10彼は答えた。

「あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。」

11神は言われた。

「お前が裸であることを誰が告げたのか。取って食べるなと命じた木から食べたのか。」

12アダムは答えた。

「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」

13主なる神は女に向かって言われた。

「何ということをしたのか。」

女は答えた。

「蛇がだましたので、食べてしまいました。」

14主なる神は、蛇に向かって言われた。

「このようなことをしたお前は
あらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で
呪われるものとなった。
お前は、生涯這いまわり、塵を食らう。
15お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に
わたしは敵意を置く。
彼はお前の頭を砕き
お前は彼のかかとを砕く。」

20アダムは女をエバ(命)と名付けた。彼女がすべて命あるものの母となったからである。

または

使徒言行録1・12-14

彼らはイエスの母マリアと熱心に祈っていた。

使徒たちの宣教

イエスが天に昇られた後、1・12使徒たちは、「オリーブ畑」と呼ばれる山からエルサレムに戻って来た。この山はエルサレムに近く、安息日にも歩くことが許される距離の所にある。13彼らは都に入ると、泊まっていた家の上の部屋に上がった。それは、ペトロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ、フィリポ、トマス、バルトロマイ、マタイ、アルファイの子ヤコブ、熱心党のシモン、ヤコブの子ユダであった。14彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた。

答唱詩編

詩編87・1+2、3+5、6+7

神の町シオンよ、お前に示された神のことばはすばらしい。

詩編87

87・1神はシオンの町をとうとい山の上に建て、
2ヤコブのすべての住まいより愛される。

3神の町シオンよ、お前に示された神のことばはすばらしい。
5シオンはすべての者の母と言われ、すべてを越えるかたに支えられる。

6神は民を数えられる時、すべての人をシオンの民に加えられる。
7彼らは踊りながら歌う。「シオンはわたしたちの泉。」

歌う場合

詩編65・3+4、5、6

われらはシオンで神をたたえ、豊かな恵みを喜び歌う。

詩編65

65・3祈りを聞いてくださる神、罪に苦しむ人はみな、あなたのもとをたずねる。
4罪の重荷にうちひしがれても、あなたはすべてをゆるしてくださる。

5あなたの庭に住むように選ばれ、招かれた人はしあわせ。
わたしたちはあふれる恵みに潤される、あなたの家、神殿の中で。

6わたしたちの救い、わたしたちの神よ、あなたは地の果ての望み、遠い島々の希望。
わたしたちにこたえて救いを現し、驚くべきしるしを行われる。

福音朗読

ヨハネ19・25-34

アレルヤ、アレルヤ。幸せなかた、主を産んだおとめ、教会の母よ。あなたはわたしたちのうちにイエス・キリストの霊をはぐくんでくださる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、19・25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。27それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。

28この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、「渇く」と言われた。こうして、聖書の言葉が実現した。29そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。30イエスは、このぶどう酒を受けると、「成し遂げられた」と言い、頭を垂れて息を引き取られた。

31その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。32そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。33イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。34しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。

年間第7火曜日 5月21日(火) 年間

第一朗読

ヤコブ4・1-10

主の前にへりくだりなさい。そうすれば、主があなたがたを高めてくださいます。

使徒ヤコブの手紙

愛する皆さん、4・1何が原因で、あなたがたの間に戦いや争いが起こるのですか。あなたがた自身の内部で争い合う欲望が、その原因ではありませんか。2あなたがたは、欲しても得られず、人を殺します。また、熱望しても手に入れることができず、争ったり戦ったりします。得られないのは、願い求めないからで、3願い求めても、与えられないのは、自分の楽しみのために使おうと、間違った動機で願い求めるからです。4神に背いた者たち、世の友となることが、神の敵となることだとは知らないのか。世の友になりたいと願う人はだれでも、神の敵になるのです。5それとも、聖書に次のように書かれているのは意味がないと思うのですか。「神はわたしたちの内に住まわせた霊を、ねたむほどに深く愛しておられ、6もっと豊かな恵みをくださる。」それで、こう書かれています。
「神は、高慢な者を敵とし、
謙遜な者には恵みをお与えになる。」
7だから、神に服従し、悪魔に反抗しなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げて行きます。8神に近づきなさい。そうすれば、神は近づいてくださいます。罪人たち、手を清めなさい。心の定まらない者たち、心を清めなさい。9悲しみ、嘆き、泣きなさい。笑いを悲しみに変え、喜びを愁いに変えなさい。10主の前にへりくだりなさい。そうすれば、主があなたがたを高めてくださいます。

答唱詩編

詩編1・4+5、6

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編1

1・4神に逆らう者の行いは、
風に飛ばされるもみがらのよう。
5彼らはさばきに耐えられず、
罪びとは神に従う人の集いに入れない。

6神に従う人の集いは
神のもとにあり、
神に逆らう者の道は
滅びへと続く。

福音朗読

マルコ9・30-37

アレルヤ、アレルヤ。わたしには主の十字架のほかに誇るものはない。世はわたしにとって、わたしも世にとって十字架に付けられている。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスと弟子たちは9・30ガリラヤを通って行った。しかし、イエスは人に気づかれるのを好まれなかった。31それは弟子たちに、「人の子は、人々の手に引き渡され、殺される。殺されて三日の後に復活する」と言っておられたからである。32弟子たちはこの言葉が分からなかったが、怖くて尋ねられなかった。

33一行はカファルナウムに来た。家に着いてから、イエスは弟子たちに、「途中で何を議論していたのか」とお尋ねになった。34彼らは黙っていた。途中でだれがいちばん偉いかと議論し合っていたからである。35イエスが座り、十二人を呼び寄せて言われた。「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい。」36そして、一人の子供の手を取って彼らの真ん中に立たせ、抱き上げて言われた。37「わたしの名のためにこのような子供の一人を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしではなくて、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。」

年間第7水曜日 5月22日(水) 年間

第一朗読

ヤコブ4・13-17

人がなすべき善を知りながら、それを行わないのは、その人にとって罪です。

使徒ヤコブの手紙

愛する皆さん、4・13よく聞きなさい。「今日か明日、これこれの町へ行って一年間滞在し、商売をして金もうけをしよう」と言う人たち、14あなたがたには自分の命がどうなるか、明日のことは分からないのです。あなたがたは、わずかの間現れて、やがて消えて行く霧にすぎません。15むしろ、あなたがたは、「主の御心であれば、生き永らえて、あのことやこのことをしよう」と言うべきです。16ところが、実際は、誇り高ぶっています。そのような誇りはすべて、悪いことです。17人がなすべき善を知りながら、それを行わないのは、その人にとって罪です。

答唱詩編

詩編90・3+5ab、11+12

神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。

詩編90

90・3あなたは人に「元に戻れ」と仰せになり、
人はちりに戻される。
5abあなたがいのちを断たれると、
人は眠りにおちいる。

11だれがあなたの怒りの力を悟り、
憤りの恐ろしさを知っているのか。
12残された日々を数えることを教え、
知恵に向かう心を与えてください。

福音朗読

マルコ9・38-40

アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行かれない。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、9・38ヨハネがイエスに言った。「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちに従わないので、やめさせようとしました。」39イエスは言われた。「やめさせてはならない。わたしの名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、わたしの悪口は言えまい。40わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである。」

年間第7木曜日 5月23日(木) 年間

第一朗読

ヤコブ5・1-6

富んでいる人たち、よく聞きなさい。

使徒ヤコブの手紙

5・1富んでいる人たち、よく聞きなさい。自分にふりかかってくる不幸を思って、泣きわめきなさい。2あなたがたの富は朽ち果て、衣服には虫が付き、3金銀もさびてしまいます。このさびこそが、あなたがたの罪の証拠となり、あなたがたの肉を火のように食い尽くすでしょう。あなたがたは、この終わりの時のために宝を蓄えたのでした。4御覧なさい。畑を刈り入れた労働者にあなたがたが支払わなかった賃金が、叫び声をあげています。刈り入れをした人々の叫びは、万軍の主の耳に達しました。5あなたがたは、地上でぜいたくに暮らして、快楽にふけり、屠られる日に備え、自分の心を太らせ、6正しい人を罪に定めて、殺した。その人は、あなたがたに抵抗していません。

答唱詩編

詩編103・3+4、6+7

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編103

103・3神はわたしの罪をゆるし、
痛みをいやされる。
4わたしのいのちを危機から救い、
いつくしみ深く祝福される。

6神は正義のわざを行い、
しいたげられている人を守られる。
7神はその道をモーセに示し、
そのわざをイスラエルの子らに告げられた。

福音朗読

マルコ9・41-50

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたにのべ伝えられた福音は永遠にとどまる神のことば。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。9・41「はっきり言っておく。キリストの弟子だという理由で、あなたがたに一杯の水を飲ませてくれる者は、必ずその報いを受ける。

42わたしを信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる者は、大きな石臼を首に懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がはるかによい。43もし片方の手があなたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。両手がそろったまま地獄の消えない火の中に落ちるよりは、片手になっても命にあずかる方がよい。†45もし片方の足があなたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。両足がそろったままで地獄に投げ込まれるよりは、片足になっても命にあずかる方がよい。†47もし片方の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出しなさい。両方の目がそろったまま地獄に投げ込まれるよりは、一つの目になっても神の国に入る方がよい。48地獄では蛆が尽きることも、火が消えることもない。49人は皆、火で塩味を付けられる。50塩は良いものである。だが、塩に塩気がなくなれば、あなたがたは何によって塩に味を付けるのか。自分自身の内に塩を持ちなさい。そして、互いに平和に過ごしなさい。」

年間第7金曜日 5月24日(金) 年間

第一朗読

ヤコブ5・9-12

兄弟たち、裁きを受けないようにするためには、互いに不平を言わぬことです。

使徒ヤコブの手紙

5・9兄弟たち、裁きを受けないようにするためには、互いに不平を言わぬことです。裁く方が戸口に立っておられます。10兄弟たち、主の名によって語った預言者たちを、辛抱と忍耐の模範としなさい。11忍耐した人たちは幸せだと、わたしたちは思います。あなたがたは、ヨブの忍耐について聞き、主が最後にどのようにしてくださったかを知っています。主は慈しみ深く、憐れみに満ちた方だからです。

12わたしの兄弟たち、何よりもまず、誓いを立ててはなりません。天や地を指して、あるいは、そのほかどんな誓い方によってであろうと。裁きを受けないようにするために、あなたがたは「然り」は「然り」とし、「否」は「否」としなさい。

答唱詩編

詩編103・8+13、11+12

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編103

103・8神は恵み豊かに、あわれみ深く、
怒るに遅く、いつくしみ深い。
13父が子どもをいつくしむように、
神の愛は、神をおそれる人の上にある。

11天が地より高いように、
いつくしみは神を恐れる人の上にある。
12東と西が果てしなく遠いように、
神は私たちを罪から引き離される。

福音朗読

マルコ10・1-12

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、10・1イエスはユダヤ地方とヨルダン川の向こう側に行かれた。群衆がまた集まって来たので、イエスは再びいつものように教えておられた。2ファリサイ派の人々が近寄って、「夫が妻を離縁することは、律法に適っているでしょうか」と尋ねた。イエスを試そうとしたのである。3イエスは、「モーセはあなたたちに何と命じたか」と問い返された。4彼らは、「モーセは、離縁状を書いて離縁することを許しました」と言った。5イエスは言われた。「あなたたちの心が頑固なので、このような掟をモーセは書いたのだ。6しかし、天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった。7それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、8二人は一体となる。だから二人はもはや別々ではなく、一体である。9従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」10家に戻ってから、弟子たちがまたこのことについて尋ねた。11イエスは言われた。「妻を離縁して他の女を妻にする者は、妻に対して姦通の罪を犯すことになる。12夫を離縁して他の男を夫にする者も、姦通の罪を犯すことになる。」

年間第7土曜日 5月25日(土) 年間

第一朗読

ヤコブ5・13-20

あなたがたの中で苦しんでいる人は、祈りなさい。喜んでいる人は、賛美の歌をうたいなさい。

使徒ヤコブの手紙

愛する皆さん、5・13あなたがたの中で苦しんでいる人は、祈りなさい。喜んでいる人は、賛美の歌をうたいなさい。14あなたがたの中で病気の人は、教会の長老を招いて、主の名によってオリーブ油を塗り、祈ってもらいなさい。15信仰に基づく祈りは、病人を救い、主がその人を起き上がらせてくださいます。その人が罪を犯したのであれば、主が赦してくださいます。16だから、主にいやしていただくために、罪を告白し合い、互いのために祈りなさい。正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします。17エリヤは、わたしたちと同じような人間でしたが、雨が降らないようにと熱心に祈ったところ、三年半にわたって地上に雨が降りませんでした。18しかし、再び祈ったところ、天から雨が降り、地は実をみのらせました。

19わたしの兄弟たち、あなたがたの中に真理から迷い出た者がいて、だれかがその人を真理へ連れ戻すならば、20罪人を迷いの道から連れ戻す人は、その罪人の魂を死から救い出し、多くの罪を覆うことになると、知るべきです。

答唱詩編

詩編40・10、17

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編40

40・10わたしは人々のつどいの中で、
あなたの救いのわざを告げ知らせ、
けっして口を閉じることがない。
神よ、あなたはそれを知っておられる。

17あなたを求めるすべての人は、
あなたのうちにあって喜び楽しみ、
救いの力を尊ぶ人は、
「神は偉大なかた」といつもたたえる。

福音朗読

マルコ10・13-16

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、10・13イエスに触れていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った。14しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。15はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」16そして、子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された。

三位一体 5月26日(日) 年間の主の祝祭日

第一朗読

申命記4・32-34、39-40

上の天においても下の地においても主こそ神であり、ほかに神はいない。

申命記

モーセは民に言った。4・32あなたに先立つ遠い昔、神が地上に人間を創造された最初の時代にさかのぼり、また天の果てから果てまで尋ねてみるがよい。これほど大いなることがかつて起こったであろうか。あるいは、そのようなことを聞いたことがあろうか。33火の中から語られる神の声を聞いて、なお生きている、あなたと同じような民があったであろうか。34あるいは、あなたたちの神、主がエジプトにおいてあなたの目の前でなさったように、さまざまな試みとしるしと奇跡を行い、戦いと力ある御手と伸ばした御腕と大いなる恐るべき行為をもって、あえて一つの国民を他の国民の中から選び出し、御自身のものとされた神があったであろうか。39あなたは、今日、上の天においても下の地においても主こそ神であり、ほかに神のいないことをわきまえ、心に留め、40今日、わたしが命じる主の掟と戒めを守りなさい。そうすれば、あなたもあなたに続く子孫も幸いを得、あなたの神、主がとこしえに与えられる土地で長く生きる。

答唱詩編

詩編33・4+5、6+11、20+21

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・4神のことばはただしく、
そのわざにはいつわりがない。
5神は正義と公平を愛し、
いつくしみは地に満ちている。

6天は神のことばによってつくられ、
星座はそのいぶきによってすえられた。
11神のはからいはとこしえに、
み心の思いは世々に及ぶ。

20神はたて、神はすくい、
わたしたちは神を待ち望む。
21心は神のうちにあってよろこび、
とうといその名により頼む。

第二朗読

ローマ8・14-17

神の子とする霊を受け、この霊によってわたしたちは、「アッバ、父よ」と呼ぶ。

使徒パウロのローマの教会への手紙

皆さん、8・14神の霊によって導かれる者は皆、神の子なのです。15あなたがたは、人を奴隷として再び恐れに陥れる霊ではなく、神の子とする霊を受けたのです。この霊によってわたしたちは、「アッバ、父よ」と呼ぶのです。16この霊こそは、わたしたちが神の子供であることを、わたしたちの霊と一緒になって証ししてくださいます。17もし子供であれば、相続人でもあります。神の相続人、しかもキリストと共同の相続人です。キリストと共に苦しむなら、共にその栄光をも受けるからです。

福音朗読

マタイ28・16-20

アレルヤ、アレルヤ。栄光は父と子と聖霊に。神は今あり、かつてあり、また来られる方。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、28・16十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。17そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。18イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。19だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、20あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」

年間第8月曜日 5月27日(月) 年間

第一朗読

①ペトロ1・3-9

あなたがたは、キリストを見たことがないのに愛し、今見なくても信じており、言葉では言い尽くせないすばらしい喜びに満ちあふれています。

使徒ペトロの手紙

1・3わたしたちの主イエス・キリストの父である神が、ほめたたえられますように。神は豊かな憐れみにより、わたしたちを新たに生まれさせ、死者の中からのイエス・キリストの復活によって、生き生きとした希望を与え、4また、あなたがたのために天に蓄えられている、朽ちず、汚れず、しぼまない財産を受け継ぐ者としてくださいました。5あなたがたは、終わりの時に現されるように準備されている救いを受けるために、神の力により、信仰によって守られています。6それゆえ、あなたがたは、心から喜んでいるのです。今しばらくの間、いろいろな試練に悩まねばならないかもしれませんが、7あなたがたの信仰は、その試練によって本物と証明され、火で精錬されながらも朽ちるほかない金よりはるかに尊くて、イエス・キリストが現れるときには、称賛と光栄と誉れとをもたらすのです。8あなたがたは、キリストを見たことがないのに愛し、今見なくても信じており、言葉では言い尽くせないすばらしい喜びに満ちあふれています。9それは、あなたがたが信仰の実りとして魂の救いを受けているからです。

答唱詩編

詩編111・1+2、9c+10

神は残された、不思議なわざの記念を。

詩編111

111・1心を尽くして神に感謝しよう、
神をたたえる人の集いの中で。
2神のわざは偉大。
人はそのわざを尋ね求めて喜ぶ。

9c神の名は尊く、おそるべきもの。
神をおそれることは知恵のはじめ。
10これを行うものはすべてをわきまえる。
神への賛美は世々、とこしえに。

福音朗読

マルコ10・17-27

アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは富んでおられたのに、貧しくなられた。あなたがたがキリストの貧しさによって富むように。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、10・17イエスが旅に出ようとされると、ある人が走り寄って、ひざまずいて尋ねた。「善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか。」18イエスは言われた。「なぜ、わたしを『善い』と言うのか。神おひとりのほかに、善い者はだれもいない。19『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、奪い取るな、父母を敬え』という掟をあなたは知っているはずだ。」20すると彼は、「先生、そういうことはみな、子供の時から守ってきました」と言った。21イエスは彼を見つめ、慈しんで言われた。「あなたに欠けているものが一つある。行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」22その人はこの言葉に気を落とし、悲しみながら立ち去った。たくさんの財産を持っていたからである。

23イエスは弟子たちを見回して言われた。「財産のある者が神の国に入るのは、なんと難しいことか。」24弟子たちはこの言葉を聞いて驚いた。イエスは更に言葉を続けられた。「子たちよ、神の国に入るのは、なんと難しいことか。25金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」26弟子たちはますます驚いて、「それでは、だれが救われるのだろうか」と互いに言った。27イエスは彼らを見つめて言われた。「人間にできることではないが、神にはできる。神は何でもできるからだ。」

年間第8火曜日 5月28日(火) 年間

第一朗読

①ペトロ1・10-16

あなたがたは聖なる者となれ。わたしは聖なる者だからである

使徒ペトロの手紙

愛する皆さん、1・10この救いについては、あなたがたに与えられる恵みのことをあらかじめ語った預言者たちも、探求し、注意深く調べました。11預言者たちは、自分たちの内におられるキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光についてあらかじめ証しされた際、それがだれを、あるいは、どの時期を指すのか調べたのです。12彼らは、それらのことが、自分たちのためではなく、あなたがたのためであるとの啓示を受けました。それらのことは、天から遣わされた聖霊に導かれて福音をあなたがたに告げ知らせた人たちが、今、あなたがたに告げ知らせており、天使たちも見て確かめたいと願っているものなのです。

13だから、いつでも心を引き締め、身を慎んで、イエス・キリストが現れるときに与えられる恵みを、ひたすら待ち望みなさい。14無知であったころの欲望に引きずられることなく、従順な子となり、15召し出してくださった聖なる方に倣って、あなたがた自身も生活のすべての面で聖なる者となりなさい。16「あなたがたは聖なる者となれ。わたしは聖なる者だからである」と書いてあるからです。

答唱詩編

詩編98・1、2+3a

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
その尊い腕は救いの力。

2神は救いを示し、
諸国の民に正義を現された。
3aいつくしみとまことをもって、
イスラエルに心を留められる。

福音朗読

マルコ10・28-31

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、10・28ペトロがイエスに、「このとおり、わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました」と言いだした。29イエスは言われた。「はっきり言っておく。わたしのためまた福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子供、畑を捨てた者はだれでも、30今この世で、迫害も受けるが、家、兄弟、姉妹、母、子供、畑も百倍受け、後の世では永遠の命を受ける。31しかし、先にいる多くの者が後になり、後にいる多くの者が先になる。」

年間第8水曜日 5月29日(水) 年間

第一朗読

①ペトロ1・18-25

主の言葉は永遠に変わることがない。

使徒ペトロの手紙

愛する皆さん、1・18知ってのとおり、あなたがたが先祖伝来のむなしい生活から贖われたのは、金や銀のような朽ち果てるものにはよらず、19きずや汚れのない小羊のようなキリストの尊い血によるのです。20キリストは、天地創造の前からあらかじめ知られていましたが、この終わりの時代に、あなたがたのために現れてくださいました。21あなたがたは、キリストを死者の中から復活させて栄光をお与えになった神を、キリストによって信じています。従って、あなたがたの信仰と希望とは神にかかっているのです。

22あなたがたは、真理を受け入れて、魂を清め、偽りのない兄弟愛を抱くようになったのですから、清い心で深く愛し合いなさい。23あなたがたは、朽ちる種からではなく、朽ちない種から、すなわち、神の変わることのない生きた言葉によって新たに生まれたのです。24こう言われているからです。
「人は皆、草のようで、
その華やかさはすべて、草の花のようだ。
草は枯れ、
花は散る。
25しかし、主の言葉は永遠に変わることがない。」
これこそ、あなたがたに福音として告げ知らされた言葉なのです。

答唱詩編

詩編147・12+13、14+15

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは、水遠。

詩編147

147・12エルサレムよ、神をほめたたえよ、
シオンよ、神をたたえよ。
13神はおまえの門のかんぬきをかため、
その中に住む人を祝福される。

14神は国ざかいに平和をもたらし、
よい麦でおまえを養われる。
15神は地に向かって仰せになり、
そのことばは、すばやく走る。

福音朗読

マルコ10・32-45

アレルヤ、アレルヤ。人の子は来たのは仕えるため、多くの人の贖いとして自分の命を与えるため。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

イエスと弟子たちが10・32エルサレムへ上って行く途中、イエスは先頭に立って進んで行かれた。それを見て、弟子たちは驚き、従う者たちは恐れた。イエスは再び十二人を呼び寄せて、自分の身に起ころうとしていることを話し始められた。33「今、わたしたちはエルサレムへ上って行く。人の子は祭司長たちや律法学者たちに引き渡される。彼らは死刑を宣告して異邦人に引き渡す。34異邦人は人の子を侮辱し、唾をかけ、鞭打ったうえで殺す。そして、人の子は三日の後に復活する。」

35ゼベダイの子ヤコブとヨハネが進み出て、イエスに言った。「先生、お願いすることをかなえていただきたいのですが。」36イエスが、「何をしてほしいのか」と言われると、37二人は言った。「栄光をお受けになるとき、わたしどもの一人をあなたの右に、もう一人を左に座らせてください。」38イエスは言われた。「あなたがたは、自分が何を願っているか、分かっていない。このわたしが飲む杯を飲み、このわたしが受ける洗礼を受けることができるか。」39彼らが、「できます」と言うと、イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしが飲む杯を飲み、わたしが受ける洗礼を受けることになる。40しかし、わたしの右や左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。それは、定められた人々に許されるのだ。」41ほかの十人の者はこれを聞いて、ヤコブとヨハネのことで腹を立て始めた。42そこで、イエスは一同を呼び寄せて言われた。「あなたがたも知っているように、異邦人の間では、支配者と見なされている人々が民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。43しかし、あなたがたの間では、そうではない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、44いちばん上になりたい者は、すべての人の僕になりなさい。45人の子は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。」

年間第8木曜日 5月30日(木) 年間

第一朗読

①ペトロ2・2-5、9-12

あなたがたは、選ばれた民、王の系統を引く祭司、聖なる国民、神のものとなった民です。

使徒ペトロの手紙

愛する皆さん、2・2生まれたばかりの乳飲み子のように、混じりけのない霊の乳を慕い求めなさい。これを飲んで成長し、救われるようになるためです。3あなたがたは、主が恵み深い方だということを味わいました。4この主のもとに来なさい。主は、人々からは見捨てられたのですが、神にとっては選ばれた、尊い、生きた石なのです。5あなたがた自身も生きた石として用いられ、霊的な家に造り上げられるようにしなさい。そして聖なる祭司となって神に喜ばれる霊的ないけにえを、イエス・キリストを通して献げなさい。

9しかし、あなたがたは、選ばれた民、王の系統を引く祭司、聖なる国民、神のものとなった民です。それは、あなたがたを暗闇の中から驚くべき光の中へと招き入れてくださった方の力ある業を、あなたがたが広く伝えるためなのです。10あなたがたは、
「かつては神の民ではなかったが、
今は神の民であり、
憐れみを受けなかったが、
今は憐れみを受けている」
のです。

11愛する人たち、あなたがたに勧めます。いわば旅人であり、仮住まいの身なのですから、魂に戦いを挑む肉の欲を避けなさい。12また、異教徒の間で立派に生活しなさい。そうすれば、彼らはあなたがたを悪人呼ばわりしてはいても、あなたがたの立派な行いをよく見て、訪れの日に神をあがめるようになります。

答唱詩編

詩編100・1+2、3ab

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編100

100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、
歓呼の歌をささげつつ、
2み前に進み、
神に仕えよ。

3ab神こそ
主であると悟れ。
神はわたしたちを造られた。

福音朗読

マルコ10・46-52

アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

10・46イエスが弟子たちや大勢の群衆と一緒に、エリコを出て行こうとされたとき、ティマイの子で、バルティマイという盲人が道端に座って物乞いをしていた。47ナザレのイエスだと聞くと、叫んで、「ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください」と言い始めた。48多くの人々が叱りつけて黙らせようとしたが、彼はますます、「ダビデの子よ、わたしを憐れんでください」と叫び続けた。49イエスは立ち止まって、「あの男を呼んで来なさい」と言われた。人々は盲人を呼んで言った。「安心しなさい。立ちなさい。お呼びだ。」50盲人は上着を脱ぎ捨て、躍り上がってイエスのところに来た。51イエスは、「何をしてほしいのか」と言われた。盲人は、「先生、目が見えるようになりたいのです」と言った。52そこで、イエスは言われた。「行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」盲人は、すぐ見えるようになり、なお道を進まれるイエスに従った。

聖母の訪問 5月31日(金) 聖人の記念

第一朗読

セファニヤ3・14-18

娘シオンよ、喜び叫べ。イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。

セファニヤの宣教

3・14娘シオンよ、喜び叫べ。
イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。
娘エルサレムよ、心の底から喜び躍れ。
15主はお前に対する裁きを退け
お前の敵を追い払われた。
イスラエルの王なる主はお前の中におられる。
お前はもはや、災いを恐れることはない。

16その日、人々はエルサレムに向かって言う。
「シオンよ、恐れるな
力なく手を垂れるな。
17お前の主なる神はお前のただ中におられ
勇士であって勝利を与えられる。
主はお前のゆえに喜び楽しみ
愛によってお前を新たにし
お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。」
18わたしは
祭りを祝えず苦しめられていた者を集める。
彼らはお前から遠く離れ
お前の重い恥となっていた。

または

ローマ12・9-16a

兄弟愛をもって互いに愛しなさい。

使徒パウロのローマの教会への手紙

皆さん、12・9愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、10兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。11怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい。12希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。13聖なる者たちの貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすよう努めなさい。14あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません。15喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。16互いに思いを一つにし、高ぶらず、身分の低い人々と交わりなさい。

答唱詩編

イザヤ12・2、5

喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

イザヤ12

12・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。
神はわたしの力、わたしの歌、わたしの救い。

5神は不思議なわざをなしとげられた。
神をほめ歌い、そのわざを世界にのべ伝えよう。

福音朗読

ルカ1・39-56

アレルヤ、アレルヤ。おとめマリア、信じたあなたは幸い。神からあなたに言われたことは成就される。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」

46そこで、マリアは言った。

「わたしの魂は主をあがめ、
47わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。
48身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださったからです。
今から後、いつの世の人もわたしを幸いな者と言うでしょう、
49力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。
その御名は尊く、
50その憐れみは代々に限りなく、
主を畏れる者に及びます。
51主はその腕で力を振るい、
思い上がる者を打ち散らし、
52権力ある者をその座から引き降ろし、
身分の低い者を高く上げ、
53飢えた人を良い物で満たし、
富める者を空腹のまま追い返されます。
54その僕イスラエルを受け入れて、
憐れみをお忘れになりません、
55わたしたちの先祖におっしゃったとおり、
アブラハムとその子孫に対してとこしえに。」

56マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。

06月
聖ユスチノ 殉教者 6月1日(土) 記念日

第一朗読

ユダ17、20b-25

最も聖なる信仰をよりどころとして生活しなさい。

使徒ユダの手紙

17愛する人たち、わたしたちの主イエス・キリストの使徒たちが前もって語った言葉を思い出しなさい。最も聖なる信仰をよりどころとして生活しなさい。聖霊の導きの下に祈りなさい。21神の愛によって自分を守り、永遠の命へ導いてくださる、わたしたちの主イエス・キリストの憐れみを待ち望みなさい。22疑いを抱いている人たちを憐れみなさい。23ほかの人たちを火の中から引き出して助けなさい。また、ほかの人たちを用心しながら憐れみなさい。肉によって汚れてしまった彼らの下着さえも忌み嫌いなさい。

24あなたがたを罪に陥らないように守り、また、喜びにあふれて非のうちどころのない者として、栄光に輝く御前に立たせることができる方、25わたしたちの救い主である唯一の神に、わたしたちの主イエス・キリストを通して、栄光、威厳、力、権威が永遠の昔から、今も、永遠にいつまでもありますように、アーメン。

答唱詩編

詩編63・2、3+4

わが心、喜びに満ちあふれ、主を待ち望む。

詩編63

63・2神よ、わたしの神よ、わたしはあなたを慕う。
水のない荒れ果てた土地のように、
わたしの心はあなたを慕い、
からだはあなたをかわき求める。

3あなたの力と栄えにあこがれて、
聖所であなたを仰ぎ見る。
4あなたの恵みはいのちにまさり、
わたしの口はあなたをたたえる。

福音朗読

マルコ11・27-33

アレルヤ、アレルヤ。キリストの平和があなたがたの心を満たし、キリストのことばが豊かに宿りますように。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスと弟子たちは11・27またエルサレムに来た。イエスが神殿の境内を歩いておられると、祭司長、律法学者、長老たちがやって来て、28言った。「何の権威で、このようなことをしているのか。だれが、そうする権威を与えたのか。」29イエスは言われた。「では、一つ尋ねるから、それに答えなさい。そうしたら、何の権威でこのようなことをするのか、あなたたちに言おう。30ヨハネの洗礼は天からのものだったか、それとも、人からのものだったか。答えなさい。」31彼らは論じ合った。「『天からのものだ』と言えば、『では、なぜヨハネを信じなかったのか』と言うだろう。32しかし、『人からのものだ』と言えば……。」彼らは群衆が怖かった。皆が、ヨハネは本当に預言者だと思っていたからである。33そこで、彼らはイエスに、「分からない」と答えた。すると、イエスは言われた。「それなら、何の権威でこのようなことをするのか、わたしも言うまい。」

キリストの聖体 6月2日(日) 年間の主の祝祭日

第一朗読

出エジプト24・3-8

これは主があなたたちと結ばれた契約の血である。

出エジプト記

その日、24・3モーセは山から戻って、主のすべての言葉とすべての法を民に読み聞かせると、民は皆、声を一つにして答え、「わたしたちは、主が語られた言葉をすべて行います」と言った。4モーセは主の言葉をすべて書き記し、朝早く起きて、山のふもとに祭壇を築き、十二の石の柱をイスラエルの十二部族のために建てた。5彼はイスラエルの人々の若者を遣わし、焼き尽くす献げ物をささげさせ、更に和解の献げ物として主に雄牛をささげさせた。6モーセは血の半分を取って鉢に入れて、残りの半分を祭壇に振りかけると、7契約の書を取り、民に読んで聞かせた。彼らが、「わたしたちは主が語られたことをすべて行い、守ります」と言うと、8モーセは血を取り、民に振りかけて言った。「見よ、これは主がこれらの言葉に基づいてあなたたちと結ばれた契約の血である。」

答唱詩編

詩編116・12+13、15+16b、17+18

このパンを食べ、この杯を飲み、わたしは主の死を告げ知らせる。

詩編116

116・12神が与えてくださったすべての恵みに
どのようにこたえようか。
13わたしは救いの杯をささげ、
神の名を呼び求めよう。

15神を敬う人の死は
神の前にとうとい。
16b神よ、わたしはあなたに仕え、
あなたはわたしを救われる。

17わたしは感謝のいけにえをささげ、
神の名を呼び求めよう。
18すべての民の前に進み出て、
神に立てた誓いを果たそう。

第二朗読

ヘブライ9・11-15

キリストの血は、わたしたちの良心を清めるだろう。

ヘブライ人への手紙

皆さん、9・11キリストは、既に実現している恵みの大祭司としておいでになったのですから、人間の手で造られたのではない、すなわち、この世のものではない、更に大きく、更に完全な幕屋を通り、12雄山羊と若い雄牛の血によらないで、御自身の血によって、ただ一度聖所に入って永遠の贖いを成し遂げられたのです。13なぜなら、もし、雄山羊と雄牛の血、また雌牛の灰が、汚れた者たちに振りかけられて、彼らを聖なる者とし、その身を清めるならば、14まして、永遠の〝霊〟によって、御自身をきずのないものとして神に献げられたキリストの血は、わたしたちの良心を死んだ業から清めて、生ける神を礼拝するようにさせないでしょうか。

15こういうわけで、キリストは新しい契約の仲介者なのです。それは、最初の契約の下で犯された罪の贖いとして、キリストが死んでくださったので、召された者たちが、既に約束されている永遠の財産を受け継ぐためにほかなりません。

福音朗読

マルコ14・12-16、22-26

アレルヤ、アレルヤ。わたしは天から下ったいのちの糧。このパンを食べる人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

14・12除酵祭の第一日、すなわち過越の小羊を屠る日、弟子たちがイエスに、「過越の食事をなさるのに、どこへ行って用意いたしましょうか」と言った。13そこで、イエスは次のように言って、二人の弟子を使いに出された。「都へ行きなさい。すると、水がめを運んでいる男に出会う。その人について行きなさい。14その人が入って行く家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をするわたしの部屋はどこか」と言っています。』15すると、席が整って用意のできた二階の広間を見せてくれるから、そこにわたしたちのために準備をしておきなさい。」16弟子たちは出かけて都に行ってみると、イエスが言われたとおりだったので、過越の食事を準備した。

22一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えて言われた。「取りなさい。これはわたしの体である。」23また、杯を取り、感謝の祈りを唱えて、彼らにお渡しになった。彼らは皆その杯から飲んだ。24そして、イエスは言われた。「これは、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。25はっきり言っておく。神の国で新たに飲むその日まで、ぶどうの実から作ったものを飲むことはもう決してあるまい。」26一同は賛美の歌をうたってから、オリーブ山へ出かけた。

聖カロロ・ルワンガと同志 殉教者 6月3日(月) 記念日

第一朗読

②ペトロ1・2-7

主イエスは、命と信心とにかかわるすべてのものを、わたしたちに与えてくださいました。

使徒ペトロの手紙

愛する皆さん、1・2神とわたしたちの主イエスを知ることによって、恵みと平和が、あなたがたにますます豊かに与えられるように。

3主イエスは、御自分の持つ神の力によって、命と信心とにかかわるすべてのものを、わたしたちに与えてくださいました。それは、わたしたちを御自身の栄光と力ある業とで召し出してくださった方を認識させることによるのです。4この栄光と力ある業とによって、わたしたちは尊くすばらしい約束を与えられています。それは、あなたがたがこれらによって、情欲に染まったこの世の退廃を免れ、神の本性にあずからせていただくようになるためです。5だから、あなたがたは、力を尽くして信仰には徳を、徳には知識を、6知識には自制を、自制には忍耐を、忍耐には信心を、7信心には兄弟愛を、兄弟愛には愛を加えなさい。

答唱詩編

詩編91・2+4ab、14+15

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編91

91・2「神はわたしののがれ場、わたしのとりで、
わたしは神により頼む。」
4ab神はその羽であなたをおおい、
翼のもとにあなたはのがれる。

14神は仰せになる。「わたしに頼る者をわたしはすくい、
わたしを知っている者をまもる。
15呼び求める者にわたしはこたえ、
悩みの時ともにいて救いと誉れをあたえよう。」

福音朗読

マルコ12・1-12

アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリスト、まことの証を立てた人、死者の初穂。わたしたちを愛し、ご自分の血で罪を清めてくださったかた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、12・1イエスは、たとえで祭司長、律法学者、長老たちに話し始められた。「ある人がぶどう園を作り、垣を巡らし、搾り場を掘り、見張りのやぐらを立て、これを農夫たちに貸して旅に出た。2収穫の時になったので、ぶどう園の収穫を受け取るために、僕を農夫たちのところへ送った。3だが、農夫たちは、この僕を捕まえて袋だたきにし、何も持たせないで帰した。4そこでまた、他の僕を送ったが、農夫たちはその頭を殴り、侮辱した。5更に、もう一人を送ったが、今度は殺した。そのほかに多くの僕を送ったが、ある者は殴られ、ある者は殺された。6まだ一人、愛する息子がいた。『わたしの息子なら敬ってくれるだろう』と言って、最後に息子を送った。7農夫たちは話し合った。『これは跡取りだ。さあ、殺してしまおう。そうすれば、相続財産は我々のものになる。』8そして、息子を捕まえて殺し、ぶどう園の外にほうり出してしまった。9さて、このぶどう園の主人は、どうするだろうか。戻って来て農夫たちを殺し、ぶどう園をほかの人たちに与えるにちがいない。10聖書にこう書いてあるのを読んだことがないのか。
『家を建てる者の捨てた石、
これが隅の親石となった。
11これは、主がなさったことで、
わたしたちの目には不思議に見える。』」

12彼らは、イエスが自分たちに当てつけてこのたとえを話されたと気づいたので、イエスを捕らえようとしたが、群衆を恐れた。それで、イエスをその場に残して立ち去った。

年間第9火曜日 6月4日(火) 年間

第一朗読

②ペトロ3・12-15a、17-18

わたしたちの主、救い主イエス・キリストの恵みと知識において、成長しなさい。

使徒ペトロの手紙

愛する皆さん、3・12神の日の来るのを待ち望み、また、それが来るのを早めるようにすべきです。その日、天は焼け崩れ、自然界の諸要素は燃え尽き、熔け去ることでしょう。13しかしわたしたちは、義の宿る新しい天と新しい地とを、神の約束に従って待ち望んでいるのです。

14だから、愛する人たち、このことを待ち望みながら、きずや汚れが何一つなく、平和に過ごしていると神に認めていただけるように励みなさい。15また、わたしたちの主の忍耐深さを、救いと考えなさい。

17それで、愛する人たち、あなたがたはこのことをあらかじめ知っているのですから、不道徳な者たちに唆されて、堅固な足場を失わないように注意しなさい。18わたしたちの主、救い主イエス・キリストの恵みと知識において、成長しなさい。このイエス・キリストに、今も、また永遠に栄光がありますように、アーメン。

答唱詩編

詩編90・1+2+14、16+17

神のはからいは限りなく、生涯、私はその中に生きる。

詩編90

90・1主よ、あなたは代々にわたってわたしたちの住まい。
2世界が造られる前から、永遠にあなたは神。
14朝ごとにあなたのいつくしみを注ぎ、
日々わたしたちに、喜びの歌を歌わせてください。

16あなたのわざをわたしたちの上に、
あなたの輝きを子孫にあらわしてください。
17わたしたちの神、主がその恵みを注がれ、
わたしたちの手のわざが実りの豊かな者となるように。

福音朗読

マルコ12・13-17

アレルヤ、アレルヤ。主イエス・キリストの父がわたしたちの心の目を開き、わたしたちがどんな希望に召されているかを示してくださる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、12・13人々は、イエスの言葉じりをとらえて陥れようとして、ファリサイ派やヘロデ派の人を数人イエスのところに遣わした。14彼らは来て、イエスに言った。「先生、わたしたちは、あなたが真実な方で、だれをもはばからない方であることを知っています。人々を分け隔てせず、真理に基づいて神の道を教えておられるからです。ところで、皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。納めるべきでしょうか、納めてはならないのでしょうか。」15イエスは、彼らの下心を見抜いて言われた。「なぜ、わたしを試そうとするのか。デナリオン銀貨を持って来て見せなさい。」16彼らがそれを持って来ると、イエスは、「これは、だれの肖像と銘か」と言われた。彼らが、「皇帝のものです」と言うと、17イエスは言われた。「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」彼らは、イエスの答えに驚き入った。

聖ボニファチオ 司教殉教者 6月5日(水) 記念日

第一朗読

②テモテ1・1-3、6-12

わたしたちの救い主キリスト・イエスの出現によって明らかにされたものです。

使徒パウロのテモテへの手紙

1・1キリスト・イエスによって与えられる命の約束を宣べ伝えるために、神の御心によってキリスト・イエスの使徒とされたパウロから、2愛する子テモテへ。父である神とわたしたちの主キリスト・イエスからの恵み、憐れみ、そして平和があるように。

3わたしは、昼も夜も祈りの中で絶えずあなたを思い起こし、先祖に倣い清い良心をもって仕えている神に、感謝しています。6わたしが手を置いたことによってあなたに与えられている神の賜物を、再び燃えたたせるように勧めます。7神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださったのです。8だから、わたしたちの主を証しすることも、わたしが主の囚人であることも恥じてはなりません。むしろ、神の力に支えられて、福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。9神がわたしたちを救い、聖なる招きによって呼び出してくださったのは、わたしたちの行いによるのではなく、御自身の計画と恵みによるのです。この恵みは、永遠の昔にキリスト・イエスにおいてわたしたちのために与えられ、10今や、わたしたちの救い主キリスト・イエスの出現によって明らかにされたものです。キリストは死を滅ぼし、福音を通して不滅の命を現してくださいました。11この福音のために、わたしは宣教者、使徒、教師に任命されました。12そのために、わたしはこのように苦しみを受けているのですが、それを恥じていません。というのは、わたしは自分が信頼している方を知っており、わたしにゆだねられているものを、その方がかの日まで守ることがおできになると確信しているからです。

答唱詩編

詩編123・1+2ad、栄唱

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編123

123・1神よ、わたしは目をあげてあなたを仰ぐ。
あなたの住まいは天にある。
2ad主人の手に目を注ぐしもべのように、
そのあわれみをわたしたちは待つ。

栄唱栄光は父と子と聖霊に。
初めのように
今もいつも
世々に。アーメン。

福音朗読

マルコ12・18-27

アレルヤ、アレルヤ。わたしは復活であり、いのちである。わたしを信じる人は永遠に死ぬことはない。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、12・18復活はないと言っているサドカイ派の人々が、イエスのところへ来て尋ねた。19「先生、モーセはわたしたちのために書いています。『ある人の兄が死に、妻を後に残して子がない場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない』と。20ところで、七人の兄弟がいました。長男が妻を迎えましたが、跡継ぎを残さないで死にました。21次男がその女を妻にしましたが、跡継ぎを残さないで死に、三男も同様でした。22こうして、七人とも跡継ぎを残しませんでした。最後にその女も死にました。23復活の時、彼らが復活すると、その女はだれの妻になるのでしょうか。七人ともその女を妻にしたのです。」24イエスは言われた。「あなたたちは聖書も神の力も知らないから、そんな思い違いをしているのではないか。25死者の中から復活するときには、めとることも嫁ぐこともなく、天使のようになるのだ。26死者が復活することについては、モーセの書の『柴』の個所で、神がモーセにどう言われたか、読んだことがないのか。『わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である』とあるではないか。27神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。あなたたちは大変な思い違いをしている。」

年間第9木曜日 6月6日(木) 年間

第一朗読

②テモテ2・8-15

真理の言葉を正しく伝える者となるように努めなさい。

使徒パウロのテモテへの手紙

愛するものよ、2・8イエス・キリストのことを思い起こしなさい。わたしの宣べ伝える福音によれば、この方は、ダビデの子孫で、死者の中から復活されたのです。9この福音のためにわたしは苦しみを受け、ついに犯罪人のように鎖につながれています。しかし、神の言葉はつながれていません。10だから、わたしは、選ばれた人々のために、あらゆることを耐え忍んでいます。彼らもキリスト・イエスによる救いを永遠の栄光と共に得るためです。11次の言葉は真実です。

「わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きるようになる。12耐え忍ぶなら、キリストと共に支配するようになる。キリストを否むなら、キリストもわたしたちを否まれる。13わたしたちが誠実でなくても、キリストは常に真実であられる。キリストは御自身を否むことができないからである。」

14これらのことを人々に思い起こさせ、言葉をあげつらわないようにと、神の御前で厳かに命じなさい。そのようなことは、何の役にも立たず、聞く者を破滅させるのです。15あなたは、適格者と認められて神の前に立つ者、恥じるところのない働き手、真理の言葉を正しく伝える者となるように努めなさい。

答唱詩編

詩編25・4+5a、8+9

すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。

詩編25

25・4神よ、あなたの道を示し、
その小道を教えてください。
5aあなたの真理のうちに、
わたしを導き、さとしてください。

8神はあわれみ深く正義に満ち、
罪びとに道を示される。
9神は貧しい人を正義に導き、
へりくだる人にその道を教えられる。

福音朗読

マルコ12・28b-34

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、一人の律法学者が進み出て、イエスに尋ねた。12・28b「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」29イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。30心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』31第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」32律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。33そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」34イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。

イエスのみ心 6月7日(金) 年間の主の祝祭日

第一朗読

ホセア11・1、3-4、8c-9

わたしは激しく心を動かされる。

ホセアの預言

主は言われる。11・1まだ幼かったイスラエルをわたしは愛した。エジプトから彼を呼び出し、わが子とした。3エフライムの腕を支えて歩くことを教えたのは、わたしだ。しかし、わたしが彼らをいやしたことを彼らは知らなかった。4わたしは人間の綱、愛のきずなで彼らを導き彼らの顎から軛を取り去り身をかがめて食べさせた。

8cわたしは激しく心を動かされ憐れみに胸を焼かれる。わたしは、もはや怒りに燃えることなく、エフライムを再び滅ぼすことはしない。わたしは神であり、人間ではない。お前たちのうちにあって聖なる者。9怒りをもって臨みはしない。

答唱詩編

イザヤ12・2、4、5

喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

イザヤ12

12・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。
神はわたしの力、わたしの歌、わたしの救い。

4神をたたえ、その名を呼ぼう。
神のわざをすべての民に伝え、その名の誉れを語り告げよう。

5神は不思議なわざを成しとげられた。
神をほめ歌い、そのわざを世界にのべ伝えよう。

第二朗読

エフェソ3・8-12、14-19

人の知識をはるかに超えるキリストの愛を知るようになる。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、異邦人が神の約束にあずかるという福音に仕える3・8恵みは、聖なる者たちすべての中で最もつまらない者であるわたしに与えられました。わたしは、この恵みにより、キリストの計り知れない富について、異邦人に福音を告げ知らせており、9すべてのものをお造りになった神の内に世の初めから隠されていた秘められた計画が、どのように実現されるのかを、すべての人々に説き明かしています。10こうして、いろいろの働きをする神の知恵は、今や教会によって、天上の支配や権威に知らされるようになったのですが、11これは、神がわたしたちの主キリスト・イエスによって実現された永遠の計画に沿うものです。12わたしたちは主キリストに結ばれており、キリストに対する信仰により、確信をもって、大胆に神に近づくことができます。

14こういうわけで、わたしは御父の前にひざまずいて祈ります。15御父から、天と地にあるすべての家族がその名を与えられています。16どうか、御父が、その豊かな栄光に従い、その霊により、力をもってあなたがたの内なる人を強めて、17信仰によってあなたがたの心の内にキリストを住まわせ、あなたがたを愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者としてくださるように。18また、あなたがたがすべての聖なる者たちと共に、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解し、19人の知識をはるかに超えるこの愛を知るようになり、そしてついには、神の満ちあふれる豊かさのすべてにあずかり、それによって満たされるように。

福音朗読

ヨハネ19・31-37

アレルヤ、アレルヤ。神は先にわたしたちを愛し、わたしたちの罪のゆるしのためにひとり子を遣わされた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

19・31その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。32そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。33イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。34しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。35それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている。36これらのことが起こったのは、「その骨は一つも砕かれない」という聖書の言葉が実現するためであった。37また、聖書の別の所に、「彼らは、自分たちの突き刺した者を見る」とも書いてある。

聖母のみ心 6月8日(土)

第一朗読

イザヤ61・9-11

わたしの魂はわたしの神にあって喜び躍る。

イザヤの預言

9彼らの一族は国々に知られ
子孫は諸国の民に知られるようになる。
彼らを見る人はすべて認めるであろう
これこそ、主の祝福を受けた一族である、と。

10わたしは主によって喜び楽しみ
わたしの魂はわたしの神にあって喜び躍る。
主は救いの衣をわたしに着せ
恵みの晴れ着をまとわせてくださる。
花婿のように輝きの冠をかぶらせ
花嫁のように宝石で飾ってくださる。
11大地が草の芽を萌えいでさせ
園が蒔かれた種を芽生えさせるように
主なる神はすべての民の前で
恵みと栄誉を芽生えさせてくださる。

答唱詩編

詩編105・1+2、3+4

わたしの心は神のうちに喜び、その救いに喜びおどる。

詩編105

105・1神に感謝してその名をたたえよ。
諸国の民に神のわざを告げ知らせよ。
2賛美の歌を神にうたい、
そのすべての不思議なわざを語れ。

3尊いその名をたたえよ。
神を捜し求める者よ、心から喜べ。
4神にその力を求め、
いつも、その顔を慕い求めよ。

福音朗読

ルカ2・41-51

わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか。

ルカによる福音

イエスの2・41両親は過越祭には毎年エルサレムへ旅をした。42イエスが十二歳になったときも、両親は祭りの慣習に従って都に上った。43祭りの期間が終わって帰路についたとき、少年イエスはエルサレムに残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。44イエスが道連れの中にいるものと思い、一日分の道のりを行ってしまい、それから、親類や知人の間を捜し回ったが、45見つからなかったので、捜しながらエルサレムに引き返した。46三日の後、イエスが神殿の境内で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。47聞いている人は皆、イエスの賢い受け答えに驚いていた。48両親はイエスを見て驚き、母が言った。「なぜこんなことをしてくれたのです。御覧なさい。お父さんもわたしも心配して捜していたのです。」49すると、イエスは言われた。「どうしてわたしを捜したのですか。わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか。」50しかし、両親にはイエスの言葉の意味が分からなかった。51それから、イエスは一緒に下って行き、ナザレに帰り、両親に仕えてお暮らしになった。母はこれらのことをすべて心に納めていた。52イエスは知恵が増し、背丈も伸び、神と人とに愛された。

年間第10主日 6月9日(日) 年間

第一朗読

創世記3・9-15

主なる神はアダムを呼ばれた。「どこにいるのか。」

創世記

アダムが木の実を食べた後に、9主なる神は彼を呼ばれた。

「どこにいるのか。」

10彼は答えた。

「あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。」

11神は言われた。

「お前が裸であることを誰が告げたのか。取って食べるなと命じた木から食べたのか。」

12アダムは答えた。

「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」

13主なる神は女に向かって言われた。

「何ということをしたのか。」

女は答えた。

「蛇がだましたので、食べてしまいました。」

14主なる神は、蛇に向かって言われた。

「このようなことをしたお前は
あらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で
呪われるものとなった。
お前は、生涯這いまわり、塵を食らう。
15お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に
わたしは敵意を置く。
彼はお前の頭を砕き
お前は彼のかかとを砕く。」

答唱詩編

詩編130・1+2、3+4、5+6

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編130

130・1神よ、深い淵から、
あなたに叫び、
2嘆き祈る私の声を
聞いてください。

3あなたが悪に目を留められるなら、
だれがみ前に立てよう。
4しかし、あなたのゆるしのために、
人はあなたをおそれ尊ぶ。

5神はわたしの希望、心の望み。
わたしはみことばを待ち望む。
6夜明けを待ちわびる人にもまして、
わたしの心は主を待ち望む。

第二朗読

②コリント4・13-5・1

主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、4・13「わたしは信じた。それで、わたしは語った」と書いてあるとおり、それと同じ信仰の霊を持っているので、わたしたちも信じ、それだからこそ語ってもいます。14主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。15すべてこれらのことは、あなたがたのためであり、多くの人々が豊かに恵みを受け、感謝の念に満ちて神に栄光を帰すようになるためです。

16だから、わたしたちは落胆しません。たとえわたしたちの「外なる人」は衰えていくとしても、わたしたちの「内なる人」は日々新たにされていきます。17わたしたちの一時の軽い艱難は、比べものにならないほど重みのある永遠の栄光をもたらしてくれます。18わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。

5・1わたしたちの地上の住みかである幕屋が滅びても、神によって建物が備えられていることを、わたしたちは知っています。人の手で造られたものではない天にある永遠の住みかです。

福音朗読

マルコ3・20-35

アレルヤ、アレルヤ。今この世のかしらが追い出される。わたしが地上から上げられるとき、すべての人をわたしのもとに引き寄せる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・20イエスが家に帰られると、群衆がまた集まって来て、一同は食事をする暇もないほどであった。21身内の人たちはイエスのことを聞いて取り押さえに来た。「あの男は気が変になっている」と言われていたからである。22エルサレムから下って来た律法学者たちも、「あの男はベルゼブルに取りつかれている」と言い、また、「悪霊の頭の力で悪霊を追い出している」と言っていた。23そこで、イエスは彼らを呼び寄せて、たとえを用いて語られた。「どうして、サタンがサタンを追い出せよう。24国が内輪で争えば、その国は成り立たない。25家が内輪で争えば、その家は成り立たない。26同じように、サタンが内輪もめして争えば、立ち行かず、滅びてしまう。27また、まず強い人を縛り上げなければ、だれも、その人の家に押し入って、家財道具を奪い取ることはできない。まず縛ってから、その家を略奪するものだ。28はっきり言っておく。人の子らが犯す罪やどんな冒涜の言葉も、すべて赦される。29しかし、聖霊を冒涜する者は永遠に赦されず、永遠に罪の責めを負う。」30イエスがこう言われたのは、「彼は汚れた霊に取りつかれている」と人々が言っていたからである。

31イエスの母と兄弟たちが来て外に立ち、人をやってイエスを呼ばせた。32大勢の人が、イエスの周りに座っていた。「御覧なさい。母上と兄弟姉妹がたが外であなたを捜しておられます」と知らされると、33イエスは、「わたしの母、わたしの兄弟とはだれか」と答え、34周りに座っている人々を見回して言われた。「見なさい。ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。35神の御心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ。」

年間第10月曜日 6月10日(月) 年間

第一朗読

列王記上17・1-6

ここを去り、東に向かい、ヨルダンの東にあるケリトの川のほとりに身を隠せ。

列王記

その日、17・1ギレアドの住民である、ティシュベ人エリヤはアハブに言った。「わたしの仕えているイスラエルの神、主は生きておられる。わたしが告げるまで、数年の間、露も降りず、雨も降らないであろう。」

2主の言葉がエリヤに臨んだ。3「ここを去り、東に向かい、ヨルダンの東にあるケリトの川のほとりに身を隠せ。4その川の水を飲むがよい。わたしは烏に命じて、そこであなたを養わせる。」5エリヤは主が言われたように直ちに行動し、ヨルダンの東にあるケリトの川のほとりに行き、そこにとどまった。6数羽の烏が彼に、朝、パンと肉を、また夕べにも、パンと肉を運んで来た。水はその川から飲んだ。

答唱詩編

詩編121・1+2、7+8

神よ、あなたの顔の光をわたしたちの上に照らしてください。

詩編121

121・1目をあげてわたしは山々を仰ぐ。
わたしの助けはどこから来るのか。
2助けは神のもとから、
天地を造られた神から来る。

7神はすべての悪からおまえをまもり、
いのちをささえられる。
8神はおまえの旅路をまもられる、
今より、とこしえに。

福音朗読

マタイ5・1-12

アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、5・1イエスはこの群衆を見て、山に登られた。腰を下ろされると、弟子たちが近くに寄って来た。2そこで、イエスは口を開き、教えられた。

3「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。
4悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。
5柔和な人々は、幸いである、その人たちは地を受け継ぐ。
6義に飢え渇く人々は、幸いである、その人たちは満たされる。
7憐れみ深い人々は、幸いである、その人たちは憐れみを受ける。
8心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る。
9平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。
10義のために迫害される人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。
11わたしのためにののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。12喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである。」

聖バルナバ使徒 6月11日(火) 聖人の記念

第一朗読

使徒言行録11・21b-26、13・1-3

教会はバルナバをアンティオキアへ行くように派遣した。

使徒たちの宣教

その日、11・21信じて主に立ち帰った者の数は多かった。22このうわさがエルサレムにある教会にも聞こえてきたので、教会はバルナバをアンティオキアへ行くように派遣した。23バルナバはそこに到着すると、神の恵みが与えられた有様を見て喜び、そして、固い決意をもって主から離れることのないようにと、皆に勧めた。24バルナバは立派な人物で、聖霊と信仰とに満ちていたからである。こうして、多くの人が主へと導かれた。25それから、バルナバはサウロを捜しにタルソスへ行き、26見つけ出してアンティオキアに連れ帰った。二人は、丸一年の間そこの教会に一緒にいて多くの人を教えた。このアンティオキアで、弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。

13・1アンティオキアでは、そこの教会にバルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、キレネ人のルキオ、領主ヘロデと一緒に育ったマナエン、サウロなど、預言する者や教師たちがいた。2彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた。「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために。」3そこで、彼らは断食して祈り、二人の上に手を置いて出発させた。

答唱詩編

詩編98・1、2+3a

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
その尊い腕は救いの力。

2神は救いを示し、
諸国の民に正義を現された。
3aいつくしみとまことをもって、
イスラエルに心を留められる。

福音朗読

マタイ10・7-13

アレルヤ、アレルヤ。全世界に行き、すべての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・7「行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。8病人をいやし、死者を生き返らせ、重い皮膚病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。9帯の中に金貨も銀貨も銅貨も入れて行ってはならない。10旅には袋も二枚の下着も、履物も杖も持って行ってはならない。働く者が食べ物を受けるのは当然である。11町や村に入ったら、そこで、ふさわしい人はだれかをよく調べ、旅立つときまで、その人のもとにとどまりなさい。12その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。13家の人々がそれを受けるにふさわしければ、あなたがたの願う平和は彼らに与えられる。もし、ふさわしくなければ、その平和はあなたがたに返ってくる。」

年間第10水曜日 6月12日(水) 年間

第一朗読

列王記上18・20-39

「あなたたちは、いつまでどっちつかずに迷っているのか。もし主が神であるなら、主に従え。もしバアルが神であるなら、バアルに従え。」

列王記

その日、18・20アハブはイスラエルのすべての人々に使いを送り、預言者たちをカルメル山に集めた。21エリヤはすべての民に近づいて言った。「あなたたちは、いつまでどっちつかずに迷っているのか。もし主が神であるなら、主に従え。もしバアルが神であるなら、バアルに従え。」民はひと言も答えなかった。22エリヤは更に民に向かって言った。「わたしはただ一人、主の預言者として残った。バアルの預言者は四百五十人もいる。23我々に二頭の雄牛を用意してもらいたい。彼らに一頭の雄牛を選ばせて、裂いて薪の上に載せ、火をつけずにおかせなさい。わたしも一頭の雄牛を同じようにして、薪の上に載せ、火をつけずにおく。24そこであなたたちはあなたたちの神の名を呼び、わたしは主の御名を呼ぶことにしよう。火をもって答える神こそ神であるはずだ。」民は皆、「それがいい」と答えた。

25エリヤはバアルの預言者たちに言った。「あなたたちは大勢だから、まずあなたたちが一頭の雄牛を選んで準備し、あなたたちの神の名を呼びなさい。火をつけてはならない。」26彼らは与えられた雄牛を取って準備し、朝から真昼までバアルの名を呼び、「バアルよ、我々に答えてください」と祈った。しかし、声もなく答える者もなかった。彼らは築いた祭壇の周りを跳び回った。27真昼ごろ、エリヤは彼らを嘲って言った。「大声で呼ぶがいい。バアルは神なのだから。神は不満なのか、それとも人目を避けているのか、旅にでも出ているのか。恐らく眠っていて、起こしてもらわなければならないのだろう。」28彼らは大声を張り上げ、彼らのならわしに従って剣や槍で体を傷つけ、血を流すまでに至った。29真昼を過ぎても、彼らは狂ったように叫び続け、献げ物をささげる時刻になった。しかし、声もなく答える者もなく、何の兆候もなかった。

30エリヤはすべての民に向かって、「わたしの近くに来なさい」と言った。すべての民が彼の近くに来ると、彼は壊された主の祭壇を修復した。31エリヤは、主がかつて、「あなたの名はイスラエルである」と告げられたヤコブの子孫の部族の数に従って、十二の石を取り、32その石を用いて主の御名のために祭壇を築き、祭壇の周りに種二セアを入れることのできるほどの溝を掘った。33次に薪を並べ、雄牛を切り裂き、それを薪の上に載せ、34「四つの瓶に水を満たして、いけにえと薪の上にその水を注げ」と命じた。彼が「もう一度」と言うと、彼らはもう一度そうした。彼が更に「三度目を」と言うと、彼らは三度同じようにした。35水は祭壇の周りに流れ出し、溝にも満ちた。36献げ物をささげる時刻に、預言者エリヤは近くに来て言った。「アブラハム、イサク、イスラエルの神、主よ、あなたがイスラエルにおいて神であられること、またわたしがあなたの僕であって、これらすべてのことをあなたの御言葉によって行ったことが、今日明らかになりますように。37わたしに答えてください。主よ、わたしに答えてください。そうすればこの民は、主よ、あなたが神であり、彼らの心を元に返したのは、あなたであることを知るでしょう。」

38すると、主の火が降って、焼き尽くす献げ物と薪、石、塵を焼き、溝にあった水をもなめ尽くした。39これを見たすべての民はひれ伏し、「主こそ神です。主こそ神です」と言った。

答唱詩編

詩編16・8、11

しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。

詩編16

16・8わたしは絶えず神を思う。
神はわたしのそばにおられ、
わたしはけっしてゆるがない。

11あなたはいのちの道を示してくださる。
あなたの前にはあふれる喜び、
あなたのもとには永遠の楽しみ。

福音朗読

マタイ5・17-19

アレルヤ、アレルヤ。主よ、話してください。しもべは聞きます。あなたは永遠のいのちのことばをもっておられます。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・17「わたしが来たのは律法や預言者を廃止するためだ、と思ってはならない。廃止するためではなく、完成するためである。18はっきり言っておく。すべてのことが実現し、天地が消えうせるまで、律法の文字から一点一画も消え去ることはない。19だから、これらの最も小さな掟を一つでも破り、そうするようにと人に教える者は、天の国で最も小さい者と呼ばれる。しかし、それを守り、そうするように教える者は、天の国で大いなる者と呼ばれる。」

聖アントニオ(パドバ) 司祭教会博士 6月13日(木) 記念日

第一朗読

列王記上18・41-46

上って行って飲み食いしなさい。激しい雨の音が聞こえる。

列王記

その日、18・41エリヤはアハブに言った。「上って行って飲み食いしなさい。激しい雨の音が聞こえる。」42アハブは飲み食いするために上って行き、エリヤはカルメルの頂上に上って行った。エリヤは地にうずくまり、顔を膝の間にうずめた。43「上って来て、海の方をよく見なさい」と彼は従者に言った。従者は上って来て、よく見てから、「何もありません」と答えた。エリヤは、「もう一度」と命じ、それを七度繰り返した。44七度目に、従者は言った。「御覧ください。手のひらほどの小さい雲が海のかなたから上って来ます。」エリヤは言った。「アハブのところに上って行き、激しい雨に閉じ込められないうちに、馬を車につないで下って行くように伝えなさい。」

45そうするうちに、空は厚い雲に覆われて暗くなり、風も出て来て、激しい雨になった。アハブは車に乗ってイズレエルに向かった。46主の御手がエリヤに臨んだので、エリヤは裾をからげてイズレエルの境までアハブの先を走って行った。

答唱詩編

詩編65・10、13+14

われらはシオンで神をたたえ、豊かな恵みを喜びうたう。

詩編65

65・10あなたは地を訪れて喜ばせ、
豊かな実りでおおわれる。
大空に水を蓄え、
地に水を注いで麦をあたえられる。

13荒れ野のまきばも若草にもえ、
丘一面に喜びがこだまする。
14野山は羊の群れに満ち、谷は小麦におおわれ、
人々は喜びにあふれてうたう。

福音朗読

マタイ5・20-26

アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・20「言っておくが、あなたがたの義が律法学者やファリサイ派の人々の義にまさっていなければ、あなたがたは決して天の国に入ることができない。」

21「あなたがたも聞いているとおり、昔の人は『殺すな。人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。22しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。23だから、あなたが祭壇に供え物を献げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、24その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい。25あなたを訴える人と一緒に道を行く場合、途中で早く和解しなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官に引き渡し、裁判官は下役に引き渡し、あなたは牢に投げ込まれるにちがいない。26はっきり言っておく。最後の一クァドランスを返すまで、決してそこから出ることはできない。」

年間第10金曜日 6月14日(金) 年間

第一朗読

列王記上19・9a、11-16

「そこを出て、山の中で主の前に立ちなさい」

列王記

その日、エリヤは神の山ホレプに着き、19・9そこにあった洞穴に入り、夜を過ごした。見よ、そのとき、主の言葉があった。11主は、「そこを出て、山の中で主の前に立ちなさい」と言われた。見よ、そのとき主が通り過ぎて行かれた。主の御前には非常に激しい風が起こり、山を裂き、岩を砕いた。しかし、風の中に主はおられなかった。風の後に地震が起こった。しかし、地震の中にも主はおられなかった。12地震の後に火が起こった。しかし、火の中にも主はおられなかった。火の後に、静かにささやく声が聞こえた。13それを聞くと、エリヤは外套で顔を覆い、出て来て、洞穴の入り口に立った。そのとき、声はエリヤにこう告げた。「エリヤよ、ここで何をしているのか。」14エリヤは答えた。「わたしは万軍の神、主に情熱を傾けて仕えてきました。ところが、イスラエルの人々はあなたとの契約を捨て、祭壇を破壊し、預言者たちを剣にかけて殺したのです。わたし一人だけが残り、彼らはこのわたしの命をも奪おうとねらっています。」15主はエリヤに言われた。「行け、あなたの来た道を引き返し、ダマスコの荒れ野に向かえ。そこに着いたなら、ハザエルに油を注いで彼をアラムの王とせよ。16ニムシの子イエフにも油を注いでイスラエルの王とせよ。またアベル・メホラのシャファトの子エリシャにも油を注ぎ、あなたに代わる預言者とせよ。」

答唱詩編

詩編27・7+8、13+14

神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。

詩編27

27・7神よ、わたしの声を聞き、
わたしをあわれみ、答えてください。
8わたしの心はささやく、「神の顔を尋ね求めよ。」
神よ、あなたの顔をわたしは慕い求める。

13神に生きる人々の中で
わたしは神の美しさを仰ぎ見る。
14神を待ち望め、強く、
たくましく、神を待ち望め。

福音朗読

マタイ5・27-32

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたはいのちのことばを保ち、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・27「あなたがたも聞いているとおり、『姦淫するな』と命じられている。28しかし、わたしは言っておく。みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでも、既に心の中でその女を犯したのである。29もし、右の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出して捨ててしまいなさい。体の一部がなくなっても、全身が地獄に投げ込まれない方がましである。30もし、右の手があなたをつまずかせるなら、切り取って捨ててしまいなさい。体の一部がなくなっても、全身が地獄に落ちない方がましである。

31『妻を離縁する者は、離縁状を渡せ』と命じられている。32しかし、わたしは言っておく。不法な結婚でもないのに妻を離縁する者はだれでも、その女に姦通の罪を犯させることになる。離縁された女を妻にする者も、姦通の罪を犯すことになる。」

年間第10土曜日 6月15日(土) 年間

第一朗読

列王記上19・19-21

それから彼は立ってエリヤに従い、彼に仕えた。

列王記

その日、エリヤは山を下り、19・19十二軛の牛を前に行かせて畑を耕しているシャファトの子エリシャに出会った。エリシャは、その十二番目の牛と共にいた。エリヤはそのそばを通り過ぎるとき、自分の外套を彼に投げかけた。20エリシャは牛を捨てて、エリヤの後を追い、「わたしの父、わたしの母に別れの接吻をさせてください。それからあなたに従います」と言った。エリヤは答えた。「行って来なさい。わたしがあなたに何をしたというのか」と。

21エリシャはエリヤを残して帰ると、一軛の牛を取って屠り、牛の装具を燃やしてその肉を煮、人々に振る舞って食べさせた。それから彼は立ってエリヤに従い、彼に仕えた。

答唱詩編

詩編16・5、8

しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。

詩編16

16・5神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、
わたしの受ける杯、わたしの道を開くかた。

8わたしは絶えず神を思う。
神はわたしのそばにおられ、わたしは決してゆるがない。

福音朗読

マタイ5・33-37

アレルヤ、アレルヤ。あなたの顔をわたしの上に輝かせ、掟を授けてください。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・33「あなたがたも聞いているとおり、昔の人は、『偽りの誓いを立てるな。主に対して誓ったことは、必ず果たせ』と命じられている。34しかし、わたしは言っておく。一切誓いを立ててはならない。天にかけて誓ってはならない。そこは神の玉座である。35地にかけて誓ってはならない。そこは神の足台である。エルサレムにかけて誓ってはならない。そこは大王の都である。36また、あなたの頭にかけて誓ってはならない。髪の毛一本すら、あなたは白くも黒くもできないからである。37あなたがたは、『然り、然り』『否、否』と言いなさい。それ以上のことは、悪い者から出るのである。」

年間第11主日 6月16日(日) 年間

第一朗読

エゼキエル17・22-24

主であるわたしがこれを語り、実行する。

エゼキエルの預言

17・22主なる神はこう言われる。「わたしは高いレバノン杉の梢を切り取って植え、その柔らかい若枝を折って、高くそびえる山の上に移し植える。23イスラエルの高い山にそれを移し植えると、それは枝を伸ばし実をつけ、うっそうとしたレバノン杉となり、あらゆる鳥がそのもとに宿り、翼のあるものはすべてその枝の陰に住むようになる。24そのとき、野のすべての木々は、主であるわたしが、高い木を低くし、低い木を高くし、また生き生きとした木を枯らし、枯れた木を茂らせることを知るようになる。」主であるわたしがこれを語り、実行する。

答唱詩編

詩編92・2+3+4、13+14+15

たて琴をかなで、楽の音に合わせて、わたしは神をほめうたう。

詩編92

92・2神よ、すべてを超えるあなたの名をたたえ、
あなたに感謝をささげることはすばらしい。
3あしたにあなたのいつくしみを、
夕べにまことをのべ伝え、
4たて琴をかなで、楽の音に合わせて、
わたしはあなたをほめうたう。

13神に従う人はなつめなしのように栄え、
レバノンの杉のようにそびえる。
14神の家に植えられた人は、
わたしたちの神の庭で栄える。
15年を経てもなお実を結び、
いつもいきいきと生い茂る。

第二朗読

②コリント5・6-10

目に見えるものによらず、信仰によって歩んでいるからです。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、わたしたちは、天に永遠の住みかが備えられていることを知っています。5・6それで、わたしたちはいつも心強いのですが、体を住みかとしているかぎり、主から離れていることも知っています。7目に見えるものによらず、信仰によって歩んでいるからです。8わたしたちは、心強い。そして、体を離れて、主のもとに住むことをむしろ望んでいます。9だから、体を住みかとしていても、体を離れているにしても、ひたすら主に喜ばれる者でありたい。10なぜなら、わたしたちは皆、キリストの裁きの座の前に立ち、善であれ悪であれ、めいめい体を住みかとしていたときに行ったことに応じて、報いを受けねばならないからです。

福音朗読

マルコ4・26-34

アレルヤ、アレルヤ。種は神のことば、蒔く人はキリスト。キリストを見いだす人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

その時、4・26イエスは人々に言われた。「神の国は次のようなものである。人が土に種を蒔いて、27夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。28土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる。29実が熟すと、早速、鎌を入れる。収穫の時が来たからである。」

30更に、イエスは言われた。「神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。31それは、からし種のようなものである。土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、32蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」

33イエスは、人々の聞く力に応じて、このように多くのたとえで御言葉を語られた。34たとえを用いずに語ることはなかったが、御自分の弟子たちにはひそかにすべてを説明された。

年間第11月曜日 6月17日(月) 年間

第一朗読

列王記上21・1-16

お前のぶどう畑を譲ってくれ。わたしの宮殿のすぐ隣にあるので、それをわたしの菜園にしたい。

列王記

そのころ、21・1イズレエルの人ナボトは、イズレエルにぶどう畑を持っていた。畑はサマリアの王アハブの宮殿のそばにあった。2アハブはナボトに話を持ちかけた。「お前のぶどう畑を譲ってくれ。わたしの宮殿のすぐ隣にあるので、それをわたしの菜園にしたい。その代わり、お前にはもっと良いぶどう畑を与えよう。もし望むなら、それに相当する代金を銀で支払ってもよい。」3ナボトはアハブに、「先祖から伝わる嗣業の土地を譲ることなど、主にかけてわたしにはできません」と言った。4アハブは、イズレエルの人ナボトが、「先祖から伝わる嗣業の土地を譲ることはできない」と言ったその言葉に機嫌を損ね、腹を立てて宮殿に帰って行った。寝台に横たわった彼は顔を背け、食事も取らなかった。5妻のイゼベルが来て、「どうしてそんなに御機嫌が悪く、食事もなさらないのですか」と尋ねると、6彼は妻に語った。「イズレエルの人ナボトに、彼のぶどう畑をわたしに銀で買い取らせるか、あるいは望むなら代わりの畑と取り替えさせるか、いずれにしても譲ってくれと申し入れたが、畑は譲れないと言うのだ。」7妻のイゼベルは王に言った。「今イスラエルを支配しているのはあなたです。起きて食事をし、元気を出してください。わたしがイズレエルの人ナボトのぶどう畑を手に入れてあげましょう。」8イゼベルはアハブの名で手紙を書き、アハブの印を押して封をし、その手紙をナボトのいる町に住む長老と貴族に送った。9その手紙にはこう書かれていた。「断食を布告し、ナボトを民の最前列に座らせよ。10ならず者を二人彼に向かって座らせ、ナボトが神と王とを呪った、と証言させよ。こうしてナボトを引き出し、石で打ち殺せ。」11その町の人々、その町に住む長老と貴族たちはイゼベルが命じたとおり、すなわち彼女が手紙で彼らに書き送ったとおりに行った。12彼らは断食を布告し、ナボトを民の最前列に座らせた。13ならず者も二人来てナボトに向かって座った。ならず者たちは民の前でナボトに対して証言し、「ナボトは神と王とを呪った」と言った。人々は彼を町の外に引き出し、石で打ち殺した。14彼らはイゼベルに使いを送って、ナボトが石で打ち殺されたと伝えた。15イゼベルはナボトが石で打ち殺されたと聞くと、アハブに言った。「イズレエルの人ナボトが、銀と引き換えにあなたに譲るのを拒んだあのぶどう畑を、直ちに自分のものにしてください。ナボトはもう生きていません。死んだのです。」16アハブはナボトが死んだと聞くと、直ちにイズレエルの人ナボトのぶどう畑を自分のものにしようと下って行った。

答唱詩編

詩編17・6+7、13ab+15

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編17

17・6神よ、あなたに叫ぶわたしに答え、
耳を傾けて願いを聞いてください。
7あなたのもとに逃れる者を力強く救い、
いつくしみのわざを現してください。

13ab神よ、力を現し、
彼らに立ち向かってください。
15正しいさばきが現され、夜明けにあなたを仰ぐとき、
わたしはあなたに満たされる。

福音朗読

マタイ5・38-42

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたはいのちのことばを保ち、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・38「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。39しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。40あなたを訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい。41だれかが、一ミリオン行くように強いるなら、一緒に二ミリオン行きなさい。42求める者には与えなさい。あなたから借りようとする者に、背を向けてはならない。」

年間第11火曜日 6月18日(火) 年間

第一朗読

列王記上21・17-29

主の言葉がティシュベ人エリヤに臨んだ。

列王記

ナボトが死んだ後、21・17主の言葉がティシュベ人エリヤに臨んだ。18「直ちに下って行き、サマリアに住むイスラエルの王アハブに会え。彼はナボトのぶどう畑を自分のものにしようと下って来て、そこにいる。19彼に告げよ。『主はこう言われる。あなたは人を殺したうえに、その人の所有物を自分のものにしようとするのか。』また彼に告げよ。『主はこう言われる。犬の群れがナボトの血をなめたその場所で、あなたの血を犬の群れがなめることになる。』」20アハブがエリヤに、「わたしの敵よ、わたしを見つけたのか」と言うと、エリヤは答えた。「そうだ。あなたは自分を売り渡して主の目に悪とされることに身をゆだねたからだ。21『見よ、わたしはあなたに災いをくだし、あなたの子孫を除き去る。イスラエルにおいてアハブに属する男子を、つながれている者も解き放たれている者もすべて絶ち滅ぼす。22わたしはあなたが招いた怒りのため、またイスラエルの人々に罪を犯させたため、あなたの家をネバトの子ヤロブアムの家と同じように、またアヒヤの子バシャの家と同じようにする。』23主はイゼベルにもこう告げられる。『イゼベルはイズレエルの塁壁の中で犬の群れの餌食になる。24アハブに属する者は、町で死ねば犬に食われ、野で死ねば空の鳥の餌食になる。』」

25アハブのように、主の目に悪とされることに身をゆだねた者はいなかった。彼は、その妻イゼベルに唆されたのである。26彼は、主がイスラエルの人々の前から追い払われたアモリ人と全く同じように偶像に仕え、甚だしく忌まわしいことを行った。

27アハブはこれらの言葉を聞くと、衣を裂き、粗布を身にまとって断食した。彼は粗布の上に横たわり、打ちひしがれて歩いた。28そこで主の言葉がティシュベ人エリヤに臨んだ。29「アハブがわたしの前にへりくだったのを見たか。彼がわたしの前にへりくだったので、わたしは彼が生きている間は災いをくださない。その子の時代になってから、彼の家に災いをくだす。」

答唱詩編

詩編51・3+4、5+6cd

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・3神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、
豊かなあわれみによってわたしのとがをゆるしてください。
4悪に染まったわたしを洗い、
罪深いわたしを清めてください。

5わたしは自分のあやまちを認め、
罪はわたしの目の前にある。
6cdあなたがわたしをさばかれるとき、
そのさばきはいつも正しい。

福音朗読

マタイ5・43-48

アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・43「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。44しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。45あなたがたの天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。46自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。47自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。異邦人でさえ、同じことをしているではないか。48だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」

年間第11水曜日 6月19日(水) 年間

第一朗読

列王記下2・1、6-14

エリヤの神、主はどこにおられますか

列王記

2・1主が嵐を起こしてエリヤを天に上げられたときのことである。エリヤはエリシャを連れてギルガルを出た。

二人がエリコに来たとき、6エリヤはエリシャに、「主はわたしをヨルダンへお遣わしになるが、あなたはここにとどまっていなさい」と言った。しかしエリシャは、「主は生きておられ、あなた御自身も生きておられます。わたしはあなたを離れません」と答えたので、彼らは二人で出かけて行った。7預言者の仲間五十人もついて行った。彼らは、ヨルダンのほとりに立ち止まったエリヤとエリシャを前にして、遠く離れて立ち止まった。8エリヤが外套を脱いで丸め、それで水を打つと、水が左右に分かれたので、彼ら二人は乾いた土の上を渡って行った。9渡り終わると、エリヤはエリシャに言った。「わたしがあなたのもとから取り去られる前に、あなたのために何をしようか。何なりと願いなさい。」エリシャは、「あなたの霊の二つの分をわたしに受け継がせてください」と言った。10エリヤは言った。「あなたはむずかしい願いをする。わたしがあなたのもとから取り去られるのをあなたが見れば、願いはかなえられる。もし見なければ、願いはかなえられない。」11彼らが話しながら歩き続けていると、見よ、火の戦車が火の馬に引かれて現れ、二人の間を分けた。エリヤは嵐の中を天に上って行った。12エリシャはこれを見て、「わが父よ、わが父よ、イスラエルの戦車よ、その騎兵よ」と叫んだが、もうエリヤは見えなかった。エリシャは自分の衣をつかんで二つに引き裂いた。13エリヤの着ていた外套が落ちて来たので、彼はそれを拾い、ヨルダンの岸辺に引き返して立ち、14落ちて来たエリヤの外套を取って、それで水を打ち、「エリヤの神、主はどこにおられますか」と言った。エリシャが水を打つと、水は左右に分かれ、彼は渡ることができた。

答唱詩編

詩編31・20+22、24+25

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編31

31・20神よ、いつくしみは、あなたを敬う人に豊かにあふれ、
あなたに頼る者に注がれて、人々に示される。
22はかり知れないいつくしみを示された神に賛美。
神はわたしのゆるぎない砦。

24神を信じるすべての人よ、神を愛せ。
神は誠実に生きる人を守られ、思いあがる者に厳しい。
25神を待ち望むすべての人よ、
強くたくましく、生きよ。

福音朗読

マタイ6・1-6、16-18

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・1「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる。2だから、あなたは施しをするときには、偽善者たちが人からほめられようと会堂や街角でするように、自分の前でラッパを吹き鳴らしてはならない。はっきりあなたがたに言っておく。彼らは既に報いを受けている。3施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。4あなたの施しを人目につかせないためである。そうすれば、隠れたことを見ておられる父が、あなたに報いてくださる。

5祈るときにも、あなたがたは偽善者のようであってはならない。偽善者たちは、人に見てもらおうと、会堂や大通りの角に立って祈りたがる。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。6だから、あなたが祈るときは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉め、隠れたところにおられるあなたの父に祈りなさい。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。

16断食するときには、あなたがたは偽善者のように沈んだ顔つきをしてはならない。偽善者は、断食しているのを人に見てもらおうと、顔を見苦しくする。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。17あなたは、断食するとき、頭に油をつけ、顔を洗いなさい。18それは、あなたの断食が人に気づかれず、隠れたところにおられるあなたの父に見ていただくためである。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。」

年間第11木曜日 6月20日(木) 年間

第一朗読

シラ48・1-14

火のような預言者エリヤが登場した。彼の言葉は松明のように燃えていた。

シラ書

48・1火のような預言者エリヤが登場した。
彼の言葉は松明のように燃えていた。
2彼は人々に飢饉をもたらし、
その熱意をもって人々の数を減らした。
3彼は主の言葉によって天を閉ざし、
三度、火を降らせた。
4エリヤよ、あなたはその驚くべき業のゆえに、
どれほどほめたたえられたことだろうか。
あなたと等しく誇りうる者があろうか。
5あなたはいと高き方の言葉によって
死者を死から、陰府から立ち上がらせた。
6あなたは王たちを破滅に導き、
名士たちを安眠の床から引きずり降ろした。
7あなたはシナイ山で非難の言葉を聞き、
また、ホレブの山で裁きの宣告を聞いて、
8王たちに油を注いで報復させ、
預言者たちに油を注いで後継者とした。
9あなたは火の旋風に包まれ、
火の馬の引く車に乗せられ天に上げられた。
10あなたは、書き記されているとおり、
定められた時に備える者。
神の怒りが激しくなる前に、これを静め、
父の心を子に向けさせ、
ヤコブの諸部族を立て直す者。
11あなたを見る者、
また、愛のうちに眠りについた者は幸いである。
確かに、わたしたちも生きるであろう。

12エリヤが旋風の中に姿を隠したとき、
エリシャはエリヤの霊に満たされた。
彼は生涯、どんな支配者にも動ずることなく、
だれからも力で抑えつけられることはなかった。
13彼にとって手に余ることは何もなく、
死後もその体は預言の力を失わなかった。
14彼は生きている間、不思議な業を行い、
死後もなお驚くべき業を行った。

答唱詩編

詩編97・1+2、6+9

栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。

詩編97

97・1神は王。世界よ、喜びおどれ。
島々は叫びをあげよ。
2神は雲と霧を従え、
正義とさばきが王座を支える。

6天は神の正義を告げ、
諸国の民はその栄光を仰ぐ。
9神よ、あなたは世界の上に高く立ち、
すべての神々を越えて偉大なかた。

福音朗読

マタイ6・7-15

アレルヤ、アレルヤ。神の子とする霊のうちにあって、わたしたちは「アバ、父よ」と呼ぶ。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・7「あなたがたが祈るときは、異邦人のようにくどくどと述べてはならない。異邦人は、言葉数が多ければ、聞き入れられると思い込んでいる。8彼らのまねをしてはならない。あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。9だから、こう祈りなさい。

『天におられるわたしたちの父よ、
御名が崇められますように。
10御国が来ますように。
御心が行われますように、
天におけるように地の上にも。

11わたしたちに必要な糧を今日与えてください。
12わたしたちの負い目を赦してください、
わたしたちも自分に負い目のある人を
赦しましたように。

13わたしたちを誘惑に遭わせず、
悪い者から救ってください。』

14もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたの過ちをお赦しになる。15しかし、もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない。」

聖アロイジオ・ゴンザカ 修道者 6月21日(金) 記念日

第一朗読

列王記下11・1-4、9-18、20

アタルヤが王宮で剣にかけられて殺された後、町は平穏であった。

列王記

その日、11・1アハズヤの母アタルヤは息子が死んだのを見て、直ちに王族をすべて滅ぼそうとした。2しかし、ヨラム王の娘で、アハズヤの姉妹であるヨシェバが、アハズヤの子ヨアシュを抱き、殺されようとしている王子たちの中からひそかに連れ出し、乳母と共に寝具の部屋に入れておいた。人々はヨアシュをアタルヤからかくまい、彼は殺されずに済んだ。3こうして、アタルヤが国を支配していた六年の間、ヨアシュは乳母と共に主の神殿に隠れていた。4七年目に、ヨヤダは人を遣わして、カリ人と近衛兵からなる百人隊の長たちを神殿にいる自分のところに連れて来させ、彼らと契約を結んだ。彼は主の神殿の中で彼らに誓いを立てさせ、王子を見せた。

9百人隊の長たちは、すべて祭司ヨヤダが命じたとおり行い、おのおの安息日が出番に当たる部下と非番に当たる部下を引き連れ、祭司ヨヤダのもとに来た。10祭司は主の神殿に納められているダビデ王の槍と小盾を百人隊の長たちに渡した。11近衛兵たちはおのおの武器を手にして、祭壇と神殿を中心に神殿の南の端から北の端まで王の周囲を固めた。12そこでヨヤダが王子を連れて現れ、彼に冠をかぶらせ、掟の書を渡した。人々はこの王子を王とし、油を注ぎ、拍手して、「王万歳」と叫んだ。

13アタルヤは近衛兵と民の声を聞き、主の神殿の民のところに行った。14彼女が見ると、慣例どおり柱の傍らに王が立ち、その傍らには将軍たちと吹奏隊が立ち並び、また国の民は皆喜び祝い、ラッパを吹き鳴らしていた。アタルヤは衣を裂いて、「謀反、謀反」と叫んだ。15祭司ヨヤダは、軍を指揮する百人隊の長たちに、「彼女を隊列の間から外に出せ。彼女について行こうとする者は剣にかけて殺せ」と命じた。祭司が、「彼女を主の神殿で殺してはならない」と言ったからである。16彼らはアタルヤを捕らえ、馬の出入り口を通って王宮に連れて行った。彼女はそこで殺された。

17ヨヤダは、主と王と民の間に、主の民となる契約を結び、王と民の間でも契約を結んだ。18国の民は皆、バアルの神殿に行き、それを祭壇と共に破壊し、像を徹底的に打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。祭司ヨヤダは主の神殿の監督を定めた。20こうして、国の民は皆喜び祝った。アタルヤが王宮で剣にかけられて殺された後、町は平穏であった。

答唱詩編

詩編50・7、15+23

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編50

50・7わたしの民よ、聞け。
わたしはおまえに語る。
イスラエルよ、おまえを戒めよう。
わたしは神、おまえの神。

15苦悩の日にわたしを呼び求めよ。
わたしはおまえを救い、おまえはわたしをたたえる。
23感謝をささげる人は神をあがめる。
正しい道を歩む人を、神は確かに救われる。

福音朗読

マタイ6・19-23

アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・19「あなたがたは地上に富を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりする。20富は、天に積みなさい。そこでは、虫が食うことも、さび付くこともなく、また、盗人が忍び込むことも盗み出すこともない。21あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ。

22体のともし火は目である。目が澄んでいれば、あなたの全身が明るいが、23濁っていれば、全身が暗い。だから、あなたの中にある光が消えれば、その暗さはどれほどであろう。」

年間第11土曜日 6月22日(土) 年間

第一朗読

歴代誌下24・17-25

なぜあなたたちは主の戒めを破るのか。あなたたちは栄えない。あなたたちが主を捨てたから、主もあなたたちを捨てる。

歴代誌

24・17ヨヤダの死後、ユダの高官たちが王のもとに来て、ひれ伏した。そのとき、王は彼らの言うことを聞き入れた。18彼らは先祖の神、主の神殿を捨て、アシェラと偶像に仕えた。この罪悪のゆえに、神の怒りがユダとエルサレムに下った。19彼らを主に立ち帰らせるため、預言者が次々と遣わされた。しかし、彼らは戒められても耳を貸さなかった。20神の霊が祭司ヨヤダの子ゼカルヤを捕らえた。彼は民に向かって立ち、語った。「神はこう言われる。『なぜあなたたちは主の戒めを破るのか。あなたたちは栄えない。あなたたちが主を捨てたから、主もあなたたちを捨てる。』」21ところが彼らは共謀し、王の命令により、主の神殿の庭でゼカルヤを石で打ち殺した。22ヨアシュ王も、彼の父ヨヤダから寄せられた慈しみを顧みず、その息子を殺した。ゼカルヤは、死に際して言った。「主がこれを御覧になり、責任を追及してくださいますように。」

23年が改まるころ、アラムの軍隊がヨアシュに向かって攻め上った。彼らはユダとエルサレムに攻めて来て、民の中の高官をすべて殺し、戦利品をことごとくダマスコの王のもとに送った。24攻めて来たアラム軍の兵士は少数だったが、ユダとエルサレムの人々が先祖の神、主を捨てたので、主は極めて大きな軍隊をアラム軍の手に渡された。こうして彼らはヨアシュに裁きを行った。25彼らがヨアシュに重傷を負わせて去ると、家臣たちは、祭司ヨヤダの息子の血のゆえに、共謀し、ヨアシュを寝床で殺した。彼は死んで、ダビデの町に葬られたが、王の墓には葬られなかった。

答唱詩編

詩編89・29+35、37+38

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編89

89・29わたしのいつくしみは永遠に変わることなく、
わたしの結んだ契約はとこしえに保たれる。
35わたしは契約を破らず、
約束したことばを変えない。

37ダビデの子孫はとこしえに続き、
その王座は太陽のようにわたしの前にある。
38大空を見守る月のように、
その王座はとこしえに続く。

福音朗読

マタイ6・24-34

アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは富んでおられたのに、貧しくなられた。あなたがたがキリストの貧しさによって富むように。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・24「だれも、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」

25「だから、言っておく。自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切ではないか。26空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。27あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。28なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。29しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。30今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。31だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、思い悩むな。32それはみな、異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存じである。33何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。34だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」

年間第12主日 6月23日(日) 年間

第一朗読

ヨブ38・1、8-11

高ぶる波をここでとどめよ

ヨブ記

38・1主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。

8海は二つの扉を押し開いてほとばしり母の胎から溢れ出た。
9わたしは密雲をその着物とし濃霧をその産着としてまとわせた。
10しかし、わたしはそれに限界を定め二つの扉にかんぬきを付け11
「ここまでは来てもよいが越えてはならない。
高ぶる波をここでとどめよ」と命じた。

答唱詩編

詩編107・23+24、28a+29+30、31+32

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編107

107・23沖に向かって船出する者、
海を渡ってあきないする者、
24彼らは大海原で
神の不思議なわざを見た。

28a彼らが苦悩の中から神に助けを求めると、
29嵐は静められ、海はなぎとなった。
30神は彼らを目ざす港に導かれ、
彼らは静かな海を渡った。

31人の子らよ、神のいつくしみと
その不思議なわざに感謝せよ。
32民のつどいで神をあがめ、
長老の集まりで神をたたえよ。

第二朗読

②コリント5・14-17

新しいものが生じた。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、5・14キリストの愛がわたしたちを駆り立てています。わたしたちはこう考えます。すなわち、一人の方がすべての人のために死んでくださった以上、すべての人も死んだことになります。15その一人の方はすべての人のために死んでくださった。その目的は、生きている人たちが、もはや自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きることなのです。

16それで、わたしたちは、今後だれをも肉に従って知ろうとはしません。肉に従ってキリストを知っていたとしても、今はもうそのように知ろうとはしません。17だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じたのです。

福音朗読

マルコ4・35-41

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

4・35その日の夕方になって、イエスは、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。36そこで、弟子たちは群衆を後に残し、イエスを舟に乗せたまま漕ぎ出した。ほかの舟も一緒であった。37激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほどであった。38しかし、イエスは艦の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。39イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。40イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」41弟子たちは非常に恐れて、「いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか」と互いに言った。

洗礼者ヨハネの誕生・前晩のミサ 6月23日(日) 聖人の記念

第一朗読

エレミヤ1・4-10

母の胎から生まれる前にわたしはあなたを聖別し諸国民の預言者として立てた。

エレミヤの預言

1・4主の言葉がわたしに臨んだ。
5「わたしはあなたを母の胎内に造る前から
あなたを知っていた。
母の胎から生まれる前に
わたしはあなたを聖別し
諸国民の預言者として立てた。」
6わたしは言った。
「ああ、わが主なる神よ
わたしは語る言葉を知りません。
わたしは若者にすぎませんから。」
7しかし、主はわたしに言われた。
「若者にすぎないと言ってはならない。
わたしがあなたを、だれのところへ
遣わそうとも、行って
わたしが命じることをすべて語れ。
8彼らを恐れるな。
わたしがあなたと共にいて
必ず救い出す」と主は言われた。

9主は手を伸ばして、わたしの口に触れ
主はわたしに言われた。
「見よ、わたしはあなたの口に
わたしの言葉を授ける。
10見よ、今日、あなたに
諸国民、諸王国に対する権威をゆだねる。
抜き、壊し、滅ぼし、破壊し
あるいは建て、植えるために。」

答唱詩編

詩編71・1a+2+3a、6b+15+16

父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。

詩編71

71・1a神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。
2あなたの正義でわたしを救い、
わたしに答え、助けてください。
3a身を避ける岩、わたしを救うとりでとなってください。

6b神よ、あなたの正義と救いのわざを
15わたしは昼も夜も告げ知らせる。
16神の力あるみわざを語り、
あなたのものである正義をわたしはほめ歌う。

第二朗読

①ペトロ1・8-12

あなたがたは、すばらしい喜びに満ちあふれています。

ペトロの手紙

愛する皆さん、1・8あなたがたは、キリストを見たことがないのに愛し、今見なくても信じており、言葉では言い尽くせないすばらしい喜びに満ちあふれています。9それは、あなたがたが信仰の実りとして魂の救いを受けているからです。10この救いについては、あなたがたに与えられる恵みのことをあらかじめ語った預言者たちも、探求し、注意深く調べました。11預言者たちは、自分たちの内におられるキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光についてあらかじめ証しされた際、それがだれを、あるいは、どの時期を指すのか調べたのです。12彼らは、それらのことが、自分たちのためではなく、あなたがたのためであるとの啓示を受けました。それらのことは、天から遣わされた聖霊に導かれて福音をあなたがたに告げ知らせた人たちが、今、あなたがたに告げ知らせており、天使たちも見て確かめたいと願っているものなのです。

福音朗読

ルカ1・5-17

アレルヤ、アレルヤ。幼子よ、お前も神の預言者と呼ばれ、主の前を歩み、その道を整える。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・5ユダヤの王ヘロデの時代、アビヤ組の祭司にザカリアという人がいた。その妻はアロン家の娘の一人で、名をエリサベトといった。6二人とも神の前に正しい人で、主の掟と定めをすべて守り、非のうちどころがなかった。7しかし、エリサベトは不妊の女だったので、彼らには、子供がなく、二人とも既に年をとっていた。8さて、ザカリアは自分の組が当番で、神の御前で祭司の務めをしていたとき、9祭司職のしきたりによってくじを引いたところ、主の聖所に入って香をたくことになった。10香をたいている間、大勢の民衆が皆外で祈っていた。11すると、主の天使が現れ、香壇の右に立った。12ザカリアはそれを見て不安になり、恐怖の念に襲われた。13天使は言った。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。14その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。15彼は主の御前に偉大な人になり、ぶどう酒や強い酒を飲まず、既に母の胎にいるときから聖霊に満たされていて、16イスラエルの多くの子らをその神である主のもとに立ち帰らせる。17彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する。」

洗礼者ヨハネの誕生・当日のミサ 6月24日(月) 聖人の記念

第一朗読

イザヤ49・1-6

わたしはあなたを国々の光とする。

イザヤの預言

49・1島々よ、わたしに聞け
遠い国々よ、耳を傾けよ。
主は母の胎にあるわたしを呼び
母の腹にあるわたしの名を呼ばれた。
2わたしの口を鋭い
剣として御手の陰に置き、
わたしを尖らせた矢として矢筒の中に隠して、
3わたしに言われたあなたはわたしの僕、
イスラエルあなたによってわたしの輝きは現れる、と。
4わたしは思った
わたしはいたずらに骨折りうつろに、
空しく、力を使い果たした、と。
しかし、わたしを裁いてくださるのは主であり、
働きに報いてくださるのもわたしの神である。
5主の御目にわたしは重んじられている。
わたしの神こそ、わたしの力。
今や、主は言われる。
ヤコブを御もとに立ち帰らせ
イスラエルを集めるために
母の胎にあったわたしを御自分の僕として形づくられた
主は6こう言われる。
わたしはあなたを僕として
ヤコブの諸部族を立ち上がらせ、
イスラエルの残りの者を連れ帰らせる。
だがそれにもましてわたしはあなたを国々の光とし、
わたしの救いを地の果てまで、
もたらす者とする。

答唱詩編

詩編139・1+2、3+4、13+14

神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。

詩編139

139・1神よ、あなたはわたしをこころにかけ、
わたしのすべてを知っておられる。
2わたしがすわるのも、立つのも知り、
遠くからわたしの思いを見通される。

3歩むときも、休むときも見守り、
わたしの行いをすべて知っておられる。
4くちびるにことばがのぼる前に、
神よ、あなたはすべてを知っておられる。

13あなたはわたしのからだをつくり、
母の胎内でわたしをかたち造られた。
14わたしを造られたあなたのわざは不思議。
わたしは心からその偉大なわざをたたえる。

第二朗読

使徒言行録13・22-26

ヨハネは、イエスがおいでになる前に宣べ伝えた。

使徒たちの宣教

13・22その日、パウロは言った。「神は、サウルを退けてダビデを王の位につけ、彼について次のように宣言なさいました。『わたしは、エッサイの子でわたしの心に適う者、ダビデを見いだした。彼はわたしの思うところをすべて行う。』23神は約束に従って、このダビデの子孫からイスラエルに救い主イエスを送ってくださったのです。24ヨハネは、イエスがおいでになる前に、イスラエルの民全体に悔い改めの洗礼を宣べ伝えました。25その生涯を終えようとするとき、ヨハネはこう言いました。『わたしを何者だと思っているのか。わたしは、あなたたちが期待しているような者ではない。その方はわたしの後から来られるが、わたしはその足の履物をお脱がせする値打ちもない。』

26兄弟たち、アブラハムの子孫の方々、ならびにあなたがたの中にいて神を畏れる人たち、この救いの言葉はわたしたちに送られたのです。」

福音朗読

ルカ1・57-66、80

アレルヤ、アレルヤ。幼子よ、お前も神の預言者と呼ばれ、主の前を歩み、その道を整える。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・57さて、月が満ちて、エリサベトは男の子を産んだ。58近所の人々や親類は、主がエリサベトを大いに慈しまれたと聞いて喜び合った。59八日目に、その子に割礼を施すために来た人々は、父の名を取ってザカリアと名付けようとした。60ところが、母は、「いいえ、名はヨハネとしなければなりません」と言った。61しかし人々は、「あなたの親類には、そういう名の付いた人はだれもいない」と言い、62父親に、「この子に何と名を付けたいか」と手振りで尋ねた。63父親は字を書く板を出させて、「この子の名はヨハネ」と書いたので、人々は皆驚いた。64すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。65近所の人々は皆恐れを感じた。そして、このことすべてが、ユダヤの山里中で話題になった。66聞いた人々は皆これを心に留め、「いったい、この子はどんな人になるのだろうか」と言った。この子には主の力が及んでいたのである。

80幼子は身も心も健やかに育ち、イスラエルの人々の前に現れるまで荒れ野にいた。

年間第12火曜日 6月25日(火) 年間

第一朗読

列王記下19・9b-11、14-21、31-35a、36

わたしはこの都を守り抜いて救う。わたし自らのために、わが僕ダビデのために。

列王記

その日、19・9アッシリアの王、センナケリブはヒゼキヤに使者を遣わして言わせた。10「ユダの王ヒゼキヤにこう言え。お前が依り頼んでいる神にだまされ、エルサレムはアッシリアの王の手に渡されることはないと思ってはならない。11お前はアッシリアの王たちが、すべての国々を滅ぼし去るために行ったことを聞いているであろう。それでも、お前だけが救い出されると言うのか。」

14ヒゼキヤはこの手紙を使者の手から受け取って読むと、主の神殿に上って行った。ヒゼキヤはそれを主の前に広げ、15主の前で祈った。

「ケルビムの上に座しておられるイスラエルの神、主よ。あなただけが地上のすべての王国の神であり、あなたこそ天と地をお造りになった方です。16主よ、耳を傾けて聞いてください。主よ、目を開いて御覧ください。生ける神をののしるために人を遣わしてきたセンナケリブの言葉を聞いてください。17主よ、確かにアッシリアの王たちは諸国とその国土を荒らし、18その神々を火に投げ込みましたが、それらは神ではなく、木や石であって、人間が手で造ったものにすぎません。彼らはこれを滅ぼしてしまいました。19わたしたちの神、主よ、どうか今わたしたちを彼の手から救い、地上のすべての王国が、あなただけが主なる神であることを知るに至らせてください。」

20アモツの子イザヤは、ヒゼキヤに人を遣わして言った。「イスラエルの神、主はこう言われる。『アッシリアの王センナケリブのことであなたがわたしにささげた祈りをわたしは聞いた。』21主がアッシリアの王に向かって告げられた言葉はこうである。

おとめである、娘シオンは
お前を辱め、お前を嘲る。
娘エルサレムは
お前に背を向け、頭を振る。

31エルサレムから残った者が、シオンの山から難を免れた者が現れ出る。万軍の主の熱情がこれを成就される。

32それゆえ、主はアッシリアの王についてこう言われる。彼がこの都に入城することはない。またそこに矢を射ることも、盾を持って向かって来ることも、都に対して土塁を築くこともない。33彼は来た道を引き返し、この都に入城することはない、と主は言われる。34わたしはこの都を守り抜いて救う。わたし自らのために、わが僕ダビデのために。」

35その夜、主の御使いが現れ、アッシリアの陣営で十八万五千人を撃った。36アッシリアの王センナケリブは、そこをたって帰って行き、ニネベに落ち着いた。

答唱詩編

詩編48・2+3、10+11

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

詩編48

48・2神は偉大、すべての人にたたえられる。
その尊い山はわたしたちの神の都。
3麗しくそびえ立ち、世界に喜びをもたらす。
シオンの山は大王の都、神の住まい。

10神よ、わたしたちはあなたの住まいで、
あなたのいつくしみを思いめぐらす。
11神よ、あなたの誉れは大空のように地の果てまで及び、
あなたの右の手は恵みに満ちている。

福音朗読

マタイ7・6、12-14

アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・6「神聖なものを犬に与えてはならず、また、真珠を豚に投げてはならない。それを足で踏みにじり、向き直ってあなたがたにかみついてくるだろう。

12人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。

13狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。14しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。」

年間第12水曜日 6月26日(水) 年間

第一朗読

列王記下22・8-13、23・1-3

この見つかった書の言葉について、わたしのため、民のため、ユダ全体のために、主の御旨を尋ねに行け。

列王記

22・8そのとき大祭司ヒルキヤは書記官シャファンに、「わたしは主の神殿で律法の書を見つけました」と言った。ヒルキヤがその書をシャファンに渡したので、彼はそれを読んだ。9書記官シャファンは王のもとに来て、王に報告した。「僕どもは神殿にあった献金を取り出して、主の神殿の責任を負っている工事担当者の手に渡しました。」10更に書記官シャファンは王に、「祭司ヒルキヤがわたしに一つの書を渡しました」と告げ、王の前でその書を読み上げた。11王はその律法の書の言葉を聞くと、衣を裂いた。12王は祭司ヒルキヤ、シャファンの子アヒカム、ミカヤの子アクボル、書記官シャファン、王の家臣アサヤにこう命じた。13「この見つかった書の言葉について、わたしのため、民のため、ユダ全体のために、主の御旨を尋ねに行け。我々の先祖がこの書の言葉に耳を傾けず、我々についてそこに記されたとおりにすべての事を行わなかったために、我々に向かって燃え上がった主の怒りは激しいからだ。」

23・1そこで王は人を遣わして、ユダとエルサレムのすべての長老を自分のもとに集めた。2王は、ユダのすべての人々、エルサレムのすべての住民、祭司と預言者、下の者から上の者まで、すべての民と共に主の神殿に上り、主の神殿で見つかった契約の書のすべての言葉を彼らに読み聞かせた。3それから王は柱の傍らに立って、主の御前で契約を結び、主に従って歩み、心を尽くし、魂を尽くして主の戒めと定めと掟を守り、この書に記されているこの契約の言葉を実行することを誓った。民も皆、この契約に加わった。

答唱詩編

詩編119・15+16、10+11b+108b

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・15あなたの定めを思いめぐらし、
あなたの道に目を注ぐ。
16わたしはおきてを喜びとし、
あなたのことばを忘れない。

10あなたのすすめからそれないように、
心を尽くしてあなたを求める。
11bわたしは仰せを心にいだく。
108bあなたのさばきを示してください。

福音朗読

マタイ7・15-20

アレルヤ、アレルヤ。わたしのうちに留まりなさい。わたしもあなたがたのうちにいる。わたしに留まる人は多くの実を結ぶ。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。7・15「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。16あなたがたは、その実で彼らを見分ける。茨からぶどうが、あざみからいちじくが採れるだろうか。17すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。18良い木が悪い実を結ぶことはなく、また、悪い木が良い実を結ぶこともできない。19良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。20このように、あなたがたはその実で彼らを見分ける。」

年間第12木曜日 6月27日(木) 年間

第一朗読

列王記下24・8-17

バビロンの王はヨヤキンに代えて、そのおじマタンヤを王とし、その名をゼデキヤと改めさせた。

列王記

24・8ヨヤキンは十八歳で王となり、三か月間エルサレムで王位にあった。その母は名をネフシュタといい、エルサレム出身のエルナタンの娘であった。9彼は父が行ったように、主の目に悪とされることをことごとく行った。

10そのころ、バビロンの王ネブカドネツァルの部将たちがエルサレムに攻め上って来て、この都を包囲した。11部将たちが都を包囲しているところに、バビロンの王ネブカドネツァルも来た。12ユダの王ヨヤキンは母、家臣、高官、宦官らと共にバビロン王の前に出て行き、バビロンの王はその治世第八年に彼を捕らえた。13主が告げられたとおり、バビロンの王は主の神殿の宝物と王宮の宝物をことごとく運び出し、イスラエルの王ソロモンが主の聖所のために造った金の器をことごとく切り刻んだ。14彼はエルサレムのすべての人々、すなわちすべての高官とすべての勇士一万人、それにすべての職人と鍛冶を捕囚として連れ去り、残されたのはただ国の民の中の貧しい者だけであった。15彼はヨヤキンを捕囚としてバビロンに連れ去り、その王の母、王妃たち、宦官たち、国の有力者たちも、捕囚としてエルサレムからバビロンに行かせた。16バビロンの王はすべての軍人七千人、職人と鍛冶千人、勇敢な戦士全員を、捕囚としてバビロンに連れて行った。17バビロンの王はヨヤキンに代えて、そのおじマタンヤを王とし、その名をゼデキヤと改めさせた。

答唱詩編

詩編80・3+4、5b+6

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編80

80・3すべてを治める神よ、あなたの力を現し、
わたしたちを救いに来てください。
4わたしたちを新たにし、
あなたの顔の輝きで救ってください。

5b神よ、民が祈っているのに、
いつまで怒りを燃やされるのか。
6あなたは悲しみをわたしたちの食物とし、
あふれる涙を飲み物とされた。

福音朗読

マタイ7・21-29

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。7・21「わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の国に入るわけではない。わたしの天の父の御心を行う者だけが入るのである。22かの日には、大勢の者がわたしに、『主よ、主よ、わたしたちは御名によって預言し、御名によって悪霊を追い出し、御名によって奇跡をいろいろ行ったではありませんか』と言うであろう。23そのとき、わたしはきっぱりとこう言おう。『あなたたちのことは全然知らない。不法を働く者ども、わたしから離れ去れ。』

24そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。25雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。26わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。27雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった。」

28イエスがこれらの言葉を語り終えられると、群衆はその教えに非常に驚いた。29彼らの律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。

聖イレネオ 司教殉教者 6月28日(金) 記念日

第一朗読

列王記下25・1-12

バビロンの王は彼の両眼をつぶし、青銅の足枷をはめ、彼をバビロンに連れて行った。

列王記

25・1ゼデキヤの治世第九年の第十の月の十日に、バビロンの王ネブカドネツァルは全軍を率いてエルサレムに到着し、陣を敷き、周りに堡塁を築いた。2都は包囲され、ゼデキヤ王の第十一年に至った。3その月の九日に都の中で飢えが厳しくなり、国の民の食糧が尽き、4都の一角が破られた。カルデア人が都を取り巻いていたが、戦士たちは皆、夜中に王の園に近い二つの城壁の間にある門を通って逃げ出した。王はアラバに向かって行った。5カルデア軍は王の後を追い、エリコの荒れ地で彼に追いついた。王の軍隊はすべて王を離れ去ってちりぢりになった。6王は捕らえられ、リブラにいるバビロンの王のもとに連れて行かれ、裁きを受けた。7彼らはゼデキヤの目の前で彼の王子たちを殺し、その上でバビロンの王は彼の両眼をつぶし、青銅の足枷をはめ、彼をバビロンに連れて行った。8第五の月の七日、バビロンの王ネブカドネツァルの第十九年のこと、バビロンの王の家臣、親衛隊の長ネブザルアダンがエルサレムに来て、9主の神殿、王宮、エルサレムの家屋をすべて焼き払った。大いなる家屋もすべて、火を放って焼き払った。10また親衛隊の長と共に来たカルデア人は、軍をあげてエルサレムの周囲の城壁を取り壊した。11民のうち都に残っていたほかの者、バビロンの王に投降した者、その他の民衆は、親衛隊の長ネブザルアダンによって捕囚とされ、連れ去られた。12この地の貧しい民の一部は、親衛隊の長によってぶどう畑と耕地にそのまま残された。

答唱詩編

詩編137・1+2、3+4、答5+6

エルサレムよ、おまえを忘れるよりは、わたしの右手がなえたほうがよい。エルサレムを思わず、最上の喜びとしないなら、わたしは口がきけなくなったほうがよい。

詩編137

137・1バビロンの流れのほとりにすわり、
柳にたて琴をかけ、
2シオンをおもい、
すすり泣いた。

3わたしたちをとりこにしたものが、歌をもとめ、
しいたげる者がなぐさみに
「シオンの歌をうたえ」と命じた。
4異国の地にあって、どうして主の歌がうたえよう。

福音朗読

マタイ8・1-4

アレルヤ、アレルヤ。主は私たちの病を身に負い、わたしたちの苦しみを担ってくださる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、8・1イエスが山を下りられると、大勢の群衆が従った。2すると、一人の重い皮膚病を患っている人がイエスに近寄り、ひれ伏して、「主よ、御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。3イエスが手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、たちまち、重い皮膚病は清くなった。4イエスはその人に言われた。「だれにも話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めた供え物を献げて、人々に証明しなさい。」

聖ペトロ、聖パウロ使徒・前晩のミサ 6月28日(金) 聖人の記念

第一朗読

使徒言行録3・1-10

わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。

使徒たちの宣教

その日、3・1ペトロとヨハネが、午後三時の祈りの時に神殿に上って行った。2すると、生まれながら足の不自由な男が運ばれて来た。神殿の境内に入る人に施しを乞うため、毎日「美しい門」という神殿の門のそばに置いてもらっていたのである。3彼はペトロとヨハネが境内に入ろうとするのを見て、施しを乞うた。4ペトロはヨハネと一緒に彼をじっと見て、「わたしたちを見なさい」と言った。5その男が、何かもらえると思って二人を見つめていると、6ペトロは言った。「わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。」7そして、右手を取って彼を立ち上がらせた。すると、たちまち、その男は足やくるぶしがしっかりして、8躍り上がって立ち、歩きだした。そして、歩き回ったり躍ったりして神を賛美し、二人と一緒に境内に入って行った。9民衆は皆、彼が歩き回り、神を賛美しているのを見た。10彼らは、それが神殿の「美しい門」のそばに座って施しを乞うていた者だと気づき、その身に起こったことに我を忘れるほど驚いた。

答唱詩編

詩編19・2+3、4+5

天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。

詩編19

19・2天は神の栄光を語り、
大空はみ手のわざを告げる。
3日は日にことばを語り継ぎ、
夜は夜に知識を伝える。

4ことばでもなく、話でもなく、
その声も聞こえないが、
その響きは地を覆い、その知らせは世界に及ぶ。
5神は天に太陽の幕屋をすえられた。

第ニ朗読

ガラテヤ1・11-20

わたしが告げ知らせた福音は、人によるものではありません。

使徒パウロのガラテヤの教会ヘの手紙

1・11兄弟たち、あなたがたにはっきり言います。わたしが告げ知らせた福音は、人によるものではありません。12わたしはこの福音を人から受けたのでも教えられたのでもなく、イエス・キリストの啓示によって知らされたのです。13あなたがたは、わたしがかつてユダヤ教徒としてどのようにふるまっていたかを聞いています。わたしは、徹底的に神の教会を迫害し、滅ぼそうとしていました。14また、先祖からの伝承を守るのに人一倍熱心で、同胞の間では同じ年ごろの多くの者よりもユダヤ教に徹しようとしていました。15しかし、わたしを母の胎内にあるときから選び分け、恵みによって召し出してくださった神が、御心のままに、16御子をわたしに示して、その福音を異邦人に告げ知らせるようにされたとき、わたしは、すぐ血肉に相談するようなことはせず、17また、エルサレムに上って、わたしより先に使徒として召された人たちのもとに行くこともせず、アラビアに退いて、そこから再びダマスコに戻ったのでした。18それから三年後、ケファと知り合いになろうとしてエルサレムに上り、十五日間彼のもとに滞在しましたが、19ほかの使徒にはだれにも会わず、ただ主の兄弟ヤコブにだけ会いました。20わたしがこのように書いていることは、神の御前で断言しますが、うそをついているのではありません。

福音朗読

ヨハネ21・15-19

アレルヤ、アレルヤ。あなたはいわお。この岩の上にわたしの教会を建てよう。地獄の門もこれに勝つことはできない。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

イエスは、弟子たちに御自身を表され、食事を共にされた。21・15食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。16二度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。17三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。18はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。」19ペトロがどのような死に方で、神の栄光を現すようになるかを示そうとして、イエスはこう言われたのである。このように話してから、ペトロに、「わたしに従いなさい」と言われた。

聖ペトロ、聖パウロ使徒 6月29日(土) 聖人の記念

第一朗読

使徒言行録12・1-11

今、本当のことが分かった。主がへロデの手からわたしを救い出してくださったのだ。

使徒たちの宣教

12・1そのころ、ヘロデ王は教会のある人々に迫害の手を伸ばし、2ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。3そして、それがユダヤ人に喜ばれるのを見て、更にペトロをも捕らえようとした。それは、除酵祭の時期であった。4ヘロデはペトロを捕らえて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。過越祭の後で民衆の前に引き出すつもりであった。5こうして、ペトロは牢に入れられていた。教会では彼のために熱心な祈りが神にささげられていた。

6ヘロデがペトロを引き出そうとしていた日の前夜、ペトロは二本の鎖でつながれ、二人の兵士の間で眠っていた。番兵たちは戸口で牢を見張っていた。7すると、主の天使がそばに立ち、光が牢の中を照らした。天使はペトロのわき腹をつついて起こし、「急いで起き上がりなさい」と言った。すると、鎖が彼の手から外れ落ちた。8天使が、「帯を締め、履物を履きなさい」と言ったので、ペトロはそのとおりにした。また天使は、「上着を着て、ついて来なさい」と言った。9それで、ペトロは外に出てついて行ったが、天使のしていることが現実のこととは思われなかった。幻を見ているのだと思った。10第一、第二の衛兵所を過ぎ、町に通じる鉄の門の所まで来ると、門がひとりでに開いたので、そこを出て、ある通りを進んで行くと、急に天使は離れ去った。11ペトロは我に返って言った。「今、初めて本当のことが分かった。主が天使を遣わして、ヘロデの手から、またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから、わたしを救い出してくださったのだ。」

答唱詩編

詩編34・2+3、4+5、7+8

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編34

34・2主をたたえよう、
明け暮れ賛美をくちにして。
3主はわたしたちの口のほこり、
苦しむときの心のよろこび。

4心を合わせて主をあがめ、
ともにその名をたたえよう。
5主はわたしたちの祈りに心を留め、
すべての恐れを遠ざけてくださる。

7主は貧しい者の叫びを聞き、
悩みの中からすくい出し、
8主をおそれる者に使いをおくり、
支えとなって守ってくださる。

第ニ朗読

②テモテ4・6-8、17-18

今や、義の栄冠を受けるばかりです。

使徒パウロのテモテヘの手紙

愛する者よ、4・6わたしは、既にいけにえとして献げられています。世を去る時が近づきました。7わたしは、戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走りとおし、信仰を守り抜きました。8今や、義の栄冠を受けるばかりです。正しい審判者である主が、かの日にそれをわたしに授けてくださるのです。17しかし、わたしだけでなく、主が来られるのをひたすら待ち望む人には、だれにでも授けてくださいます。

わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。そして、わたしは獅子の口から救われました。18主はわたしをすべての悪い業から助け出し、天にある御自分の国へ救い入れてくださいます。主に栄光が世々限りなくありますように、アーメン。

福音朗読

マタイ16・13-19

アレルヤ、アレルヤ。あなたはいわお。この岩の上にわたしの教会を建てよう。地獄の門もこれに勝つことはできない。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

16・13イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。14弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」15イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」16シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。17すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。18わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。19わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」

年間第13主日 6月30日(日) 年間

第一朗読

知恵1・13-15、2・23-24

悪魔のねたみによって死がこの世に入った。

知恵の書

1・13神が死を造られたわけではなく、
命あるものの滅びを喜ばれるわけでもない。
14生かすためにこそ神は万物をお造りになった。
世にある造られた物は価値がある。
滅びをもたらす毒はその中になく、
陰府がこの世を支配することもない。
15義は不滅である。
2・23神は人間を不滅な者として創造し、
御自分の本性の似姿として造られた。
24悪魔のねたみによって死がこの世に入り、
悪魔の仲間に属する者が死を味わうのである。

答唱詩編

詩編30・2b+4、6、11+12

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編30

30・2b神よ、あなたはわたしを救い、
死の力が勝ち誇るのを許されない。
4神よ、あなたは死の国からわたしを引きあげ、
危ういいのちを助けてくださった。

6滅びは神の怒りのうちに、
いのちは恵みのうちにある。
夜が嘆きに包まれても、
朝は喜びに明けそめる。

11神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、
わたしの助けとなってください。
12あなたは嘆きを喜びに変え、
あら布を晴れ着に替えてくださった。

第二朗読

㋥コリント8・7、9、13-15

あなたがたのゆとりが他の人々の欠乏を補う。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、8・7あなたがたは信仰、言葉、知識、あらゆる熱心、わたしたちから受ける愛など、すべての点で豊かなのですから、この慈善の業においても豊かな者となりなさい。

9あなたがたは、わたしたちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主は豊かであったのに、あなたがたのために貧しくなられた。それは、主の貧しさによって、あなたがたが豊かになるためだったのです。13他の人々には楽をさせて、あなたがたに苦労をかけるということではなく、釣り合いがとれるようにするわけです。14あなたがたの現在のゆとりが彼らの欠乏を補えば、いつか彼らのゆとりもあなたがたの欠乏を補うことになり、こうして釣り合いがとれるのです。15「多く集めた者も、余ることはなく、わずかしか集めなかった者も、不足することはなかった」と書いてあるとおりです。

福音朗読

マルコ5・21-43

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、5・21イエスが舟に乗って再び向こう岸に渡られると、大勢の群衆がそばに集まって来た。イエスは湖のほとりにおられた。22会堂長の一人でヤイロという名の人が来て、イエスを見ると足もとにひれ伏して、23しきりに願った。「わたしの幼い娘が死にそうです。どうか、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、娘は助かり、生きるでしょう。」24そこで、イエスはヤイロと一緒に出かけて行かれた。大勢の群衆も、イエスに従い、押し迫って来た。

25さて、ここに十二年間も出血の止まらない女がいた。26多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。27イエスのことを聞いて、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。28「この方の服にでも触れればいやしていただける」と思ったからである。29すると、すぐ出血が全く止まって病気がいやされたことを体に感じた。30イエスは、自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で振り返り、「わたしの服に触れたのはだれか」と言われた。31そこで、弟子たちは言った。「群衆があなたに押し迫っているのがお分かりでしょう。それなのに、『だれがわたしに触れたのか』とおっしゃるのですか。」32しかし、イエスは、触れた者を見つけようと、辺りを見回しておられた。33女は自分の身に起こったことを知って恐ろしくなり、震えながら進み出てひれ伏し、すべてをありのまま話した。34イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」

35イエスがまだ話しておられるときに、会堂長の家から人々が来て言った。「お嬢さんは亡くなりました。もう、先生を煩わすには及ばないでしょう。」36イエスはその話をそばで聞いて、「恐れることはない。ただ信じなさい」と会堂長に言われた。37そして、ペトロ、ヤコブ、またヤコブの兄弟ヨハネのほかは、だれもついて来ることをお許しにならなかった。38一行は会堂長の家に着いた。イエスは人々が大声で泣きわめいて騒いでいるのを見て、39家の中に入り、人々に言われた。「なぜ、泣き騒ぐのか。子供は死んだのではない。眠っているのだ。」40人々はイエスをあざ笑った。しかし、イエスは皆を外に出し、子供の両親と三人の弟子だけを連れて、子供のいる所へ入って行かれた。41そして、子供の手を取って、「タリタ、クム」と言われた。これは、42「少女よ、わたしはあなたに言う。起きなさい」という意味である。少女はすぐに起き上がって、歩きだした。もう十二歳になっていたからである。それを見るや、人々は驚きのあまり我を忘れた。43イエスはこのことをだれにも知らせないようにと厳しく命じ、また、食べ物を少女に与えるようにと言われた。

07月
福者ペトロ岐部司祭と一八七殉教者 殉教者 7月1日(月) 記念日

第一朗読

アモス2・6-10、13-16

主はこう言われる。イスラエルの三つの罪、四つの罪のゆえにわたしは決して赦さない。

アモスの預言

2・6主はこう言われる。
イスラエルの三つの罪、四つの罪のゆえに
わたしは決して赦さない。
彼らが正しい者を金で
貧しい者を靴一足の値で売ったからだ。
7彼らは弱い者の頭を地の塵に踏みつけ
悩む者の道を曲げている。
父も子も同じ女のもとに通い
わたしの聖なる名を汚している。
8祭壇のあるところではどこでも
その傍らに質にとった衣を広げ
科料として取り立てたぶどう酒を
神殿の中で飲んでいる。
9その行く手から
アモリ人を滅ぼしたのはわたしだ。
彼らはレバノン杉の木のように高く
樫の木のように強かったが
わたしは、上は梢の実から
下はその根に至るまで滅ぼした。
10お前たちをエジプトの地から上らせ
四十年の間、導いて荒れ野を行かせ
アモリ人の地を得させたのはわたしだ。
13見よ、わたしは麦束を満載した車が
わだちで地を裂くように
お前たちの足もとの地を裂く。
14そのときは、素早い者も逃げ遅れ
強い者もその力を振るいえず
勇者も自分を救いえない。
15弓を引く者も立っていられず
足の速い者も逃げおおせず
馬に乗る者も自分を救いえない。
16勇者の中の雄々しい者も
その日には裸で逃げる、と主は言われる。

答唱詩編

詩編50・5+6、15+23

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編50

50・5「わたしの民を集めよ、
いけにえをささげて契約を結ぶ民を。」
6天は神の正義を告げる。
神はすべてをさばかれる。

15苦悩の日にわたしを呼び求めよ。
わたしはおまえを救い、おまえはわたしをたたえる。
23感謝をささげる人は神をあがめる。
正しい道を歩む人を、神は確かに救われる。

福音朗読

マタイ8・18-22

アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、8・18イエスは、自分を取り囲んでいる群衆を見て、弟子たちに向こう岸に行くように命じられた。19そのとき、ある律法学者が近づいて、「先生、あなたがおいでになる所なら、どこへでも従って参ります」と言った。20イエスは言われた。「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕する所もない。」21ほかに、弟子の一人がイエスに、「主よ、まず、父を葬りに行かせてください」と言った。22イエスは言われた。「わたしに従いなさい。死んでいる者たちに、自分たちの死者を葬らせなさい。」

年間第13火曜日 7月2日(火) 年間

第一朗読

アモス3・1-8、4・11-12

主がお前たちに告げられた言葉を聞け

アモスの預言

3・1イスラエルの人々よ
主がお前たちに告げられた言葉を聞け。
――わたしがエジプトの地から導き上った全部族に対して――
2地上の全部族の中からわたしが選んだのは
お前たちだけだ。
それゆえ、わたしはお前たちを
すべての罪のゆえに罰する。

3打ち合わせもしないのに
二人の者が共に行くだろうか。
4獲物もないのに
獅子が森の中でほえるだろうか。
獲物を捕らえもせずに
若獅子が穴の中から声をとどろかすだろうか。
5餌が仕掛けられてもいないのに
鳥が地上に降りて来るだろうか。
獲物もかからないのに
罠が地面から跳ね上がるだろうか。
6町で角笛が吹き鳴らされたなら
人々はおののかないだろうか。
町に災いが起こったなら
それは主がなされたことではないか。
7まことに、主なる神はその定められたことを
僕なる預言者に示さずには
何事もなされない。
8獅子がほえる
誰が恐れずにいられよう。
主なる神が語られる
誰が預言せずにいられようか。

11かつて、神がソドムとゴモラを覆したように
わたしはお前たちを覆した。
お前たちは炎の中から取り出された燃えさしのようになった。
しかし、お前たちはわたしに帰らなかったと
主は言われる。
12それゆえ、イスラエルよ
わたしはお前にこのようにする。
わたしがこのことを行うゆえに
イスラエルよ
お前は自分の神と出会う備えをせよ。

答唱詩編

詩編85・5a+7b+8a、9

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編85

85・5a神よ、あなたはわたしたちを救うかた。
7bわたしたちのいのちを新たにし、
8aあなたのうちにあって民が喜ぶために、
あなたのいつくしみを示してください。

9神の語られることばを聞こう。
神は平和を約束される、
その民、神に従う民に、
心を神に向ける人に。

福音朗読

マタイ8・23-27

アレルヤ、アレルヤ。神はわたしの希望、わたしの望み。わたしはその言葉により頼む。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、8・23イエスが舟に乗り込まれると、弟子たちも従った。24そのとき、湖に激しい嵐が起こり、舟は波にのまれそうになった。イエスは眠っておられた。25弟子たちは近寄って起こし、「主よ、助けてください。おぼれそうです」と言った。26イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。信仰の薄い者たちよ。」そして、起き上がって風と湖とをお叱りになると、すっかり凪になった。27人々は驚いて、「いったい、この方はどういう方なのだろう。風や湖さえも従うではないか」と言った。

聖トマ使徒 7月3日(水) 聖人の記念

第一朗読

エフェソ2・19-22

あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者

使徒バウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、2・19あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族であり、20使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、21キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。22キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。

答唱詩編

詩編117・1+2、栄唱

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。

詩編117

117・1すべての国よ、神をたたえ、すべての民よ、神をほめよ。
2神の愛はちから強く、そのまことは世々に及ぶ。

栄唱栄光は父と子と聖霊に。
初めのように今もいつも世々に。アーメン。

福音朗読

ヨハネ20・24-29

アレルヤ、アレルヤ。トマよ、あなたはわたしを見たので信じた。見ないで信じる人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

20・24十二人の一人でディディモと呼ばれるトマスは、イエスが来られたとき、彼らと一緒にいなかった。25そこで、ほかの弟子たちが、「わたしたちは主を見た」と言うと、トマスは言った。「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない。」26さて八日の後、弟子たちはまた家の中におり、トマスも一緒にいた。戸にはみな鍵がかけてあったのに、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。27それから、トマスに言われた。「あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」28トマスは答えて、「わたしの主、わたしの神よ」と言った。29イエスはトマスに言われた。「わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである。」

年間第13木曜日 7月4日(木) 年間

第一朗読

アモス7・10-17

ヤロブアムは剣で殺される。イスラエルは、必ず捕らえられてその土地から連れ去られる。

アモスの預言

その日、7・10ベテルの祭司アマツヤは、イスラエルの王ヤロブアムに人を遣わして言った。「イスラエルの家の真ん中で、アモスがあなたに背きました。この国は彼のすべての言葉に耐えられません。

11アモスはこう言っています。
『ヤロブアムは剣で殺される。
イスラエルは、必ず捕らえられて
その土地から連れ去られる。』」

12アマツヤはアモスに言った。
「先見者よ、行け。ユダの国へ逃れ、そこで糧を得よ。そこで預言するがよい。13だが、ベテルでは二度と預言するな。ここは王の聖所、王国の神殿だから。」14アモスは答えてアマツヤに言った。「わたしは預言者ではない。預言者の弟子でもない。わたしは家畜を飼い、いちじく桑を栽培する者だ。

15主は家畜の群れを追っているところから、わたしを取り、『行って、わが民イスラエルに預言せよ』と言われた。16今、主の言葉を聞け。あなたは、『イスラエルに向かって預言するな、イサクの家に向かってたわごとを言うな』と言う。

17それゆえ、主はこう言われる。
お前の妻は町の中で遊女となり
息子、娘らは剣に倒れ
土地は測り縄で分けられ
お前は汚れた土地で死ぬ。
イスラエルは、必ず捕らえられて
その土地から連れ去られる。」

答唱詩編

詩編19・8、9

主よ、あなたは永遠のいのちのことば。

詩編19

19・8神の教えは完全で、魂を生き返らせ、
そのさとしは変わらず、心に知恵をもたらす。

9神の定めは正しく、心の喜びであり、
そのみ旨は清く、目を開く。

福音朗読

マタイ9・1-8

アレルヤ、アレルヤ。神はキリストのうちに世をご自分に和解させ、和解のことばをわたしたちにゆだねられた。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、9・1イエスは舟に乗って湖を渡り、自分の町に帰って来られた。2すると、人々が中風の人を床に寝かせたまま、イエスのところへ連れて来た。イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、元気を出しなさい。あなたの罪は赦される」と言われた。3ところが、律法学者の中に、「この男は神を冒涜している」と思う者がいた。4イエスは、彼らの考えを見抜いて言われた。「なぜ、心の中で悪いことを考えているのか。5『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて歩け』と言うのと、どちらが易しいか。6人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に、「起き上がって床を担ぎ、家に帰りなさい」と言われた。7その人は起き上がり、家に帰って行った。8群衆はこれを見て恐ろしくなり、人間にこれほどの権威をゆだねられた神を賛美した。

年間第13金曜日 7月5日(金) 年間

第一朗読

アモス8・4-6、9-12

このことを聞け。

アモスの預言

8・4このことを聞け。
貧しい者を踏みつけ
苦しむ農民を押さえつける者たちよ。

5お前たちは言う。「新月祭はいつ終わるのか、穀物を売りたいものだ。安息日はいつ終わるのか、麦を売り尽くしたいものだ。エファ升は小さくし、分銅は重くし、偽りの天秤を使ってごまかそう。6弱い者を金で、貧しい者を靴一足の値で買い取ろう。また、くず麦を売ろう。」

9その日が来ると、と主なる神は言われる。
わたしは真昼に太陽を沈ませ
白昼に大地を闇とする。
10わたしはお前たちの祭りを悲しみに
喜びの歌をことごとく嘆きの歌に変え
どの腰にも粗布をまとわせ
どの頭の髪の毛もそり落とさせ
独り子を亡くしたような悲しみを与え
その最期を苦悩に満ちた日とする。

11見よ、その日が来ればと
主なる神は言われる。
わたしは大地に飢えを送る。
それはパンに飢えることでもなく
水に渇くことでもなく
主の言葉を聞くことのできぬ飢えと渇きだ。
12人々は海から海へと巡り
北から東へとよろめき歩いて
主の言葉を探し求めるが
見いだすことはできない。

答唱詩編

詩編119・1+2a+3b、10+11b+108b

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・1しあわせな人、道からそれず、
2a神の教えに従って歩む人。
3bそのさとしをとがなく守り、
神の道を歩む人。

10あなたのすすめからそれないように、
11b心を尽くしてあなたを求める。
108bわたしは仰せを心にいだく、
あなたのさばきを示してください。

福音朗読

マタイ9・9-13

アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは9・9通りがかりに、マタイという人が収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。10イエスがその家で食事をしておられたときのことである。徴税人や罪人も大勢やって来て、イエスや弟子たちと同席していた。11ファリサイ派の人々はこれを見て、弟子たちに、「なぜ、あなたたちの先生は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と言った。12イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。13『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』とはどういう意味か、行って学びなさい。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」

年間第13土曜日 7月6日(土) 年間

第一朗読

アモス9・11-15

わたしが与えた地から再び彼らが引き抜かれることは決してないとあなたの神なる主は言われる。

アモスの預言

主は言われる。
9・11その日には
わたしはダビデの倒れた仮庵を復興し
その破れを修復し、廃虚を復興して
昔の日のように建て直す。
12こうして、エドムの生き残りの者と
わが名をもって呼ばれるすべての国を
彼らに所有させよう、と主は言われる。
主はこのことを行われる。

13見よ、その日が来れば、と主は言われる。
耕す者は、刈り入れる者に続き
ぶどうを踏む者は、種蒔く者に続く。
山々はぶどうの汁を滴らせ
すべての丘は溶けて流れる。
14わたしは、わが民イスラエルの繁栄を回復する。
彼らは荒された町を建て直して住み
ぶどう畑を作って、ぶどう酒を飲み
園を造って、実りを食べる。
15わたしは彼らをその土地に植え付ける。
わたしが与えた地から
再び彼らが引き抜かれることは決してないと
あなたの神なる主は言われる。

答唱詩編

詩編85・9、12+13+14

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編85

85・9神の語られることばを聞こう。
12神は平和を約束される、
その民、神に従う民に、
心を神に向ける人に。

13まことは地から芽ばえ、正義は天から見守る。
神は恵みを注がれ、地は豊かに実る。
14正義は神の前を進み、
平和はその足跡に従う。

福音朗読

マタイ9・14-17

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、9・14ヨハネの弟子たちがイエスのところに来て、「わたしたちとファリサイ派の人々はよく断食しているのに、なぜ、あなたの弟子たちは断食しないのですか」と言った。15イエスは言われた。「花婿が一緒にいる間、婚礼の客は悲しむことができるだろうか。しかし、花婿が奪い取られる時が来る。そのとき、彼らは断食することになる。16だれも、織りたての布から布切れを取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。新しい布切れが服を引き裂き、破れはいっそうひどくなるからだ。17新しいぶどう酒を古い革袋に入れる者はいない。そんなことをすれば、革袋は破れ、ぶどう酒は流れ出て、革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。そうすれば、両方とも長もちする。」

年間第14主日 7月7日(日) 年間

第一朗読

エゼキエル2・2-5

霊がわたしの中に入り、わたしを自分の足で立たせた。

エゼキエルの預言

その日、2・2霊がわたしの中に入り、わたしを自分の足で立たせた。わたしは語りかける者に耳を傾けた。3主は言われた。「人の子よ、わたしはあなたを、イスラエルの人々、わたしに逆らった反逆の民に遣わす。彼らは、その先祖たちと同様わたしに背いて、今日この日に至っている。4恥知らずで、強情な人々のもとに、わたしはあなたを遣わす。彼らに言いなさい、主なる神はこう言われる、と。5彼らが聞き入れようと、また、反逆の家なのだから拒もうとも、彼らは自分たちの間に預言者がいたことを知るであろう。」

答唱詩編

詩編116・1+2ad、栄唱

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編116

116・1神よ、わたしは目をあげてあなたを仰ぐ。
あなたの住まいは天にある。
2ad主人の手に目を注ぐしもべのように、
そのあわれみをわたしたちは待つ。

栄唱栄光は
父と子と聖霊に。
初めのように今も
いつも世々に。アーメン。

第二朗読

㋥コリント12・7b-10

わたしの恵みはあなたに十分である。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、12・7bわたしが思い上がることのないようにと、わたしの身に一つのとげが与えられました。それは、思い上がらないように、わたしを痛めつけるために、サタンから送られた使いです。8この使いについて、離れ去らせてくださるように、わたしは三度主に願いました。9すると主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。10それゆえ、わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。

福音朗読

マルコ6・1-6

アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に開放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、6・1イエスは故郷にお帰りになったが、弟子たちも従った。2安息日になったので、イエスは会堂で教え始められた。多くの人々はそれを聞いて、驚いて言った。「この人は、このようなことをどこから得たのだろう。この人が授かった知恵と、その手で行われるこのような奇跡はいったい何か。3この人は、大工ではないか。マリアの息子で、ヤコブ、ヨセ、ユダ、シモンの兄弟ではないか。姉妹たちは、ここで我々と一緒に住んでいるではないか。」このように、人々はイエスにつまずいた。4イエスは、「預言者が敬われないのは、自分の故郷、親戚や家族の間だけである」と言われた。5そこでは、ごくわずかの病人に手を置いていやされただけで、そのほかは何も奇跡を行うことがおできにならなかった。6そして、人々の不信仰に驚かれた。

それから、イエスは付近の村を巡り歩いてお教えになった。

年間第14月曜日 7月8日(月) 年間

第一朗読

ホセア2・16、17b-18、21-22

わたしはあなたとまことの契りを結ぶ。

ホセアの預言

主は言われる。

2・16それゆえ、わたしは彼女をいざなって
荒れ野に導き、その心に語りかけよう。
そこで、彼女はわたしにこたえる。
おとめであったとき
エジプトの地から上ってきた日のように。

18その日が来ればと
主は言われる。
あなたはわたしを、「わが夫」と呼び
もはや、「わが主人(バアル)」とは呼ばない。

21わたしは、あなたととこしえの契りを結ぶ。
わたしは、あなたと契りを結び
正義と公平を与え、慈しみ憐れむ。
22わたしはあなたとまことの契りを結ぶ。
あなたは主を知るようになる。

答唱詩編

詩編145・8+9、10+11

いのちあるすべてのものは、神をたたえよ。

詩編145

145・8神よ、あなたは恵みとあわれみに満ち、
怒るにおそく、いつくしみ深い。
9その恵みはすべてのものに及び、
いつくしみは造られたすべてのものの上にある。

10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝して歌う。
11彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるあなたのわざを告げる。

福音朗読

マタイ9・18-26

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、9・18イエスが話しておられると、ある指導者がそばに来て、ひれ伏して言った。「わたしの娘がたったいま死にました。でも、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、生き返るでしょう。」19そこで、イエスは立ち上がり、彼について行かれた。弟子たちも一緒だった。20すると、そこへ十二年間も患って出血が続いている女が近寄って来て、後ろからイエスの服の房に触れた。21「この方の服に触れさえすれば治してもらえる」と思ったからである。22イエスは振り向いて、彼女を見ながら言われた。「娘よ、元気になりなさい。あなたの信仰があなたを救った。」そのとき、彼女は治った。23イエスは指導者の家に行き、笛を吹く者たちや騒いでいる群衆を御覧になって、24言われた。「あちらへ行きなさい。少女は死んだのではない。眠っているのだ。」人々はイエスをあざ笑った。25群衆を外に出すと、イエスは家の中に入り、少女の手をお取りになった。すると、少女は起き上がった。26このうわさはその地方一帯に広まった。

年間第14火曜日 7月9日(火) 年間

第一朗読

ホセア8・4-7、11+13

主は言われる。イスラエルは王を立てた。しかし、それはわたしから出たことではない。

ホセアの預言

主は言われる。
8・4イスラエルは王を立てた。
しかし、それはわたしから出たことではない。
彼らは高官たちを立てた。
しかし、わたしは関知しない。
彼らは金銀で偶像を造ったが
それらは打ち壊される。
5サマリアよ、お前の子牛を捨てよ。
わたしの怒りは彼らに向かって燃える。
いつまで清くなりえないのか。
6それはイスラエルのしたことだ。
職人が造ったもので、神ではない。
サマリアの子牛は必ず粉々に砕かれる。

7彼らは風の中で蒔き
嵐の中で刈り取る。
芽が伸びても、穂が出ず
麦粉を作ることができない。
作ったとしても、他国の人々が食い尽くす。

11エフライムは罪を償う祭壇を増やした。
しかし、それは罪を犯す祭壇となった。
12わたしは多くの戒めを書き与えた。
しかし、彼らはそれを無縁のものと見なした。
13わたしへの贈り物としていけにえをささげるが
その肉を食べるのは彼らだ。
主は彼らを喜ばれない。
今や、主は彼らの不義に心を留め
その罪を裁かれる。
彼らはエジプトに帰らねばならない。

答唱詩編

詩編130・3+4、7a+8

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編130

130・3あなたが悪に目を留められるなら、
だれがみ前に立てよう。
4しかし、あなたのゆるしのために、
人はあなたをおそれ尊ぶ。

7aイスラエルよ、イスラエルよ、
主を待ち望め。
8主はすべての罪から、
イスラエルを救われる。

福音朗読

マタイ9・32-38

アレルヤ、アレルヤ。わたしはよい牧者。わたしは羊を知り、羊はわたしを知っている。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、9・32悪霊に取りつかれて口の利けない人が、イエスのところに連れられて来た。33悪霊が追い出されると、口の利けない人がものを言い始めたので、群衆は驚嘆し、「こんなことは、今までイスラエルで起こったためしがない」と言った。34しかし、ファリサイ派の人々は、「あの男は悪霊の頭の力で悪霊を追い出している」と言った。

35イエスは町や村を残らず回って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、ありとあらゆる病気や患いをいやされた。36また、群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て、打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた。37そこで、弟子たちに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。38だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。」

年間第14水曜日 7月10日(水) 年間

第一朗読

ホセア10・1-3、7-8、12

イスラエルは伸びほうだいのぶどうの木。

ホセアの預言

10・1イスラエルは伸びほうだいのぶどうの木。
実もそれに等しい。
実を結ぶにつれて、祭壇を増し
国が豊かになるにつれて、聖なる柱を飾り立てた。
2彼らの偽る心は、今や罰せられる。
主は彼らの祭壇を打ち砕き
聖なる柱を倒される。

3今、彼らは言う。
「我々には王がいなくなった。
主を畏れ敬わなかったからだ。
だが王がいたとしても、何になろうか」と。
7サマリアは滅ぼされ
王は水に浮かぶ泡のようになる。
8アベンの聖なる高台このイスラエルの罪は破壊され
茨とあざみがその祭壇の周りに生い茂る。
そのとき、彼らは山に向かい「我々を覆い隠せ」
丘に向かっては「我々の上に崩れ落ちよ」と叫ぶ。

12恵みの業をもたらす種を蒔け
愛の実りを刈り入れよ。
新しい土地を耕せ。
主を求める時が来た。
ついに主が訪れて
恵みの雨を注いでくださるように。

答唱詩編

詩編105・3b+4+5、6+7+8a+10b

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編105

105・3b神を捜し求める者よ、心から喜べ。
4神にその力を求め、いつもその顔を慕い求めよ。
5神が行われた不思議なわざを思い起こせ、
救いのしるしとさばきのことばを。

6神のしもべ、選ばれた者よ、
7神のさばきは世界に及ぶ。
8a神は契約をとこしえに守られる。
10bイスラエルのための永遠の契約。

福音朗読

マタイ10・1-7

アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、10・1イエスは十二人の弟子を呼び寄せ、汚れた霊に対する権能をお授けになった。汚れた霊を追い出し、あらゆる病気や患いをいやすためであった。2十二使徒の名は次のとおりである。まずペトロと呼ばれるシモンとその兄弟アンデレ、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネ、3フィリポとバルトロマイ、トマスと徴税人のマタイ、アルファイの子ヤコブとタダイ、4熱心党のシモン、それにイエスを裏切ったイスカリオテのユダである。

5イエスはこの十二人を派遣するにあたり、次のように命じられた。「異邦人の道に行ってはならない。また、サマリア人の町に入ってはならない。6むしろ、イスラエルの家の失われた羊のところへ行きなさい。7行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。

聖ベネディクト 修道院長 7月11日(木) 記念日

第一朗読

ホセア11・1-4、8c-9

まだ幼かったイスラエルをわたしは愛した。

ホセアの預言

主は言われる。

11・1まだ幼かったイスラエルをわたしは愛した。
エジプトから彼を呼び出し、わが子とした。
2わたしが彼らを呼び出したのに
彼らはわたしから去って行き
バアルに犠牲をささげ
偶像に香をたいた。
3エフライムの腕を支えて歩くことを教えたのは、わたしだ。
しかし、わたしが彼らをいやしたことを彼らは知らなかった。
4わたしは人間の綱、愛のきずなで彼らを導き
彼らの顎から軛を取り去り
身をかがめて食べさせた。

イスラエルよ
お前を引き渡すことができようか。
アドマのようにお前を見捨て
ツェボイムのようにすることができようか。
わたしは激しく心を動かされ
憐れみに胸を焼かれる。
9わたしは、もはや怒りに燃えることなく
エフライムを再び滅ぼすことはしない。
わたしは神であり、人間ではない。
お前たちのうちにあって聖なる者。
怒りをもって臨みはしない。

答唱詩編

詩編80・2、15+16

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編80

80・2イスラエルを牧するかたよ、耳を傾けてください。
ヨセフを羊のように導くかた、
光を放ってください。
ケルビムの上に座しておられるかた。

15すべてを治める神よ、あなたの目を注いで、
またこのぶどうの木を顧みてください。
16あなたがご自分で植えられた苗と、
強められた若枝を守ってください。

福音朗読

マタイ10・7-15

アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・7「行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。8病人をいやし、死者を生き返らせ、重い皮膚病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。9帯の中に金貨も銀貨も銅貨も入れて行ってはならない。10旅には袋も二枚の下着も、履物も杖も持って行ってはならない。働く者が食べ物を受けるのは当然である。11町や村に入ったら、そこで、ふさわしい人はだれかをよく調べ、旅立つときまで、その人のもとにとどまりなさい。12その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。13家の人々がそれを受けるにふさわしければ、あなたがたの願う平和は彼らに与えられる。もし、ふさわしくなければ、その平和はあなたがたに返ってくる。14あなたがたを迎え入れもせず、あなたがたの言葉に耳を傾けようともしない者がいたら、その家や町を出て行くとき、足の埃を払い落としなさい。15はっきり言っておく。裁きの日には、この町よりもソドムやゴモラの地の方が軽い罰で済む。」

年間第14金曜日 7月12日(金) 年間

第一朗読

ホセア14・2-10

イスラエルよ、立ち帰れ、あなたの神、主のもとへ。

ホセアの預言

主は言われる。
14・2イスラエルよ、立ち帰れ
あなたの神、主のもとへ。
あなたは咎につまずき、悪の中にいる。
3誓いの言葉を携え
主に立ち帰って言え。
「すべての悪を取り去り
恵みをお与えください。
この唇をもって誓ったことを果たします。
4アッシリアはわたしたちの救いではありません。
わたしたちはもはや軍馬に乗りません。
自分の手が造ったものを再びわたしたちの神とは呼びません。
親を失った者はあなたにこそ憐れみを見いだします。」

5わたしは背く彼らをいやし
喜んで彼らを愛する。
まことに、わたしの怒りは彼らを離れ去った。
6露のようにわたしはイスラエルに臨み
彼はゆりのように花咲き
レバノンの杉のように根を張る。
7その若枝は広がり
オリーブのように美しく
レバノンの杉のように香る。
8その陰に宿る人々は再び
麦のように育ち
ぶどうのように花咲く。
彼はレバノンのぶどう酒のようにたたえられる。

9ああエフライム
なおも、わたしを偶像と比べるのか。
彼の求めにこたえ
彼を見守るのはわたしではないか。
わたしは命に満ちた糸杉。
あなたは、わたしによって実を結ぶ。

10知恵ある者はこれらのことをわきまえよ。
わきまえある者はそれを悟れ。
主の道は正しい。
神に従う者はその道に歩み
神に背く者はその道につまずく。

答唱詩編

詩編51・12+13、14+15

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、あなたのいぶきでわたしを強め、
新たにしてください。
13わたしをあなたのもとから退けず、
聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

14救いの喜びをわたしに返し、あなたのいぶきを送って、
喜び仕える心を支えてください。
15わたしはあなたへの道を教えよう、
罪びとがあなたのもとに帰るように。

福音朗読

マタイ10・16-23

アレルヤ、アレルヤ。真理の霊はわたしについて証しする。あなたがたもわたしを証しする。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・16「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。17人々を警戒しなさい。あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で鞭打たれるからである。18また、わたしのために総督や王の前に引き出されて、彼らや異邦人に証しをすることになる。19引き渡されたときは、何をどう言おうかと心配してはならない。そのときには、言うべきことは教えられる。20実は、話すのはあなたがたではなく、あなたがたの中で語ってくださる、父の霊である。21兄弟は兄弟を、父は子を死に追いやり、子は親に反抗して殺すだろう。22また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。23一つの町で迫害されたときは、他の町へ逃げて行きなさい。はっきり言っておく。あなたがたがイスラエルの町を回り終わらないうちに、人の子は来る。」

年間第14土曜日 7月13日(土) 年間

第一朗読

イザヤ6・1-8

誰を遣わすべきか。誰が我々に代わって行くだろうか。

イザヤの預言

6・1ウジヤ王が死んだ年のことである。

わたしは、高く天にある御座に主が座しておられるのを見た。衣の裾は神殿いっぱいに広がっていた。2上の方にはセラフィムがいて、それぞれ六つの翼を持ち、二つをもって顔を覆い、二つをもって足を覆い、二つをもって飛び交っていた。3彼らは互いに呼び交わし、唱えた。

「聖なる、聖なる、聖なる万軍の主。
主の栄光は、地をすべて覆う。」

4この呼び交わす声によって、神殿の入り口の敷居は揺れ動き、神殿は煙に満たされた。5わたしは言った。

「災いだ。わたしは滅ぼされる。
わたしは汚れた唇の者。
汚れた唇の民の中に住む者。
しかも、わたしの目は王なる万軍の主を仰ぎ見た。」

6するとセラフィムのひとりが、わたしのところに飛んで来た。その手には祭壇から火鋏で取った炭火があった。7彼はわたしの口に火を触れさせて言った。

「見よ、これがあなたの唇に触れたので
あなたの咎は取り去られ、罪は赦された。」

8そのとき、わたしは主の御声を聞いた。
「誰を遣わすべきか。
誰が我々に代わって行くだろうか。」
わたしは言った。
「わたしがここにおります。
わたしを遣わしてください。」

答唱詩編

詩編93・1+2、5+栄唱

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編93

93・1神は王。栄光に満ち、
偉大な力を身に帯びておられる。
2神は世界をゆるぎなく建て、
とこしえに王座をすえ、永遠に座しておられる。

5神よ、あなたのことばは変わることなく、
あなたの家はとこしえにとうとい。
栄唱栄光は父と子と聖霊に。
初めのように今もいつも世々に。アーメン。

福音朗読

マタイ10・24-33

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたの父は天におられる方、ただひとり。あなたがたの師はキリストただひとり。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・24「弟子は師にまさるものではなく、僕は主人にまさるものではない。25弟子は師のように、僕は主人のようになれば、それで十分である。家の主人がベルゼブルと言われるのなら、その家族の者はもっとひどく言われることだろう。

26人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。27わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。28体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。29二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。30あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。31だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。

32だから、だれでも人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は、わたしも天の父の前で、その人をわたしの仲間であると言い表す。33しかし、人々の前でわたしを知らないと言う者は、わたしも天の父の前で、その人を知らないと言う。」

年間第15主日 7月14日(日) 年間

第一朗読

アモス7・12-15

行って、わが民イスラエルに預言せよ

アモスの預言

その日、ベテルの祭司7・12アマツヤはアモスに言った。

「先見者よ、行け。ユダの国へ逃れ、そこで糧を得よ。そこで預言するがよい。13だが、ベテルでは二度と預言するな。ここは王の聖所、王国の神殿だから。」14アモスは答えてアマツヤに言った。「わたしは預言者ではない。預言者の弟子でもない。わたしは家畜を飼い、いちじく桑を栽培する者だ。

ところが、15主は家畜の群れを追っているところから、わたしを取り、『行って、わが民イスラエルに預言せよ』と言われた。」

答唱詩編

詩編85・9、10+11、12+13+14

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編85

85・9神の語られることばを聞こう。
神は平和を約束される、
その民、神に従う民に、
心を神に向ける人に。

10救いは神をおそれる人に近く、
栄光はわたしたちの地に住む。
11いつくしみとまことはめぐり合い、
正義と平和はいだき合う。

12まことは地から芽ばえ、正義は天から見守る。
13神は恵みを注がれ、地は豊かに実る。
14正義は神の前を進み、
平和はその足跡に従う。

第二朗読

エフェソ1・3-14

天にあるものも地にあるものもキリストのもとに一つにまとめられるのです。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

1・3わたしたちの主イエス・キリストの父である神は、ほめたたえられますように。神は、わたしたちをキリストにおいて、天のあらゆる霊的な祝福で満たしてくださいました。4天地創造の前に、神はわたしたちを愛して、御自分の前で聖なる者、汚れのない者にしようと、キリストにおいてお選びになりました。5イエス・キリストによって神の子にしようと、御心のままに前もってお定めになったのです。6神がその愛する御子によって与えてくださった輝かしい恵みを、わたしたちがたたえるためです。7わたしたちはこの御子において、その血によって贖われ、罪を赦されました。これは、神の豊かな恵みによるものです。8神はこの恵みをわたしたちの上にあふれさせ、すべての知恵と理解とを与えて、9秘められた計画をわたしたちに知らせてくださいました。これは、前もってキリストにおいてお決めになった神の御心によるものです。10こうして、時が満ちるに及んで、救いの業が完成され、あらゆるものが、頭であるキリストのもとに一つにまとめられます。天にあるものも地にあるものもキリストのもとに一つにまとめられるのです。

11キリストにおいてわたしたちは、御心のままにすべてのことを行われる方の御計画によって前もって定められ、約束されたものの相続者とされました。12それは、以前からキリストに希望を置いていたわたしたちが、神の栄光をたたえるためです。13あなたがたもまた、キリストにおいて、真理の言葉、救いをもたらす福音を聞き、そして信じて、約束された聖霊で証印を押されたのです。14この聖霊は、わたしたちが御国を受け継ぐための保証であり、こうして、わたしたちは贖われて神のものとなり、神の栄光をたたえることになるのです。

福音朗読

マルコ6・7-13

アレルヤ、アレルヤ。主イエス・キリストの父がわたしたちの心の目を開き、わたしたちがどんな希望に召されているかを示してくださる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは6・7十二人を呼び寄せ、二人ずつ組にして遣わすことにされた。その際、汚れた霊に対する権能を授け、8旅には杖一本のほか何も持たず、パンも、袋も、また帯の中に金も持たず、9ただ履物は履くように、そして「下着は二枚着てはならない」と命じられた。10また、こうも言われた。「どこでも、ある家に入ったら、その土地から旅立つときまで、その家にとどまりなさい。11しかし、あなたがたを迎え入れず、あなたがたに耳を傾けようともしない所があったら、そこを出ていくとき、彼らへの証しとして足の裏の挨を払い落としなさい。」12十二人は出かけて行って、悔い改めさせるために宣教した。13そして、多くの悪霊を追い出し、油を塗って多くの病人をいやした。

聖ボナベントゥラ 司教教会博士 7月15日(月) 記念日

第一朗読

イザヤ1・10-17

ソドムの支配者らよ、主の言葉を聞け。ゴモラの民よわたしたちの神の教えに耳を傾けよ。

イザヤの預言

1・10ソドムの支配者らよ、主の言葉を聞け。
ゴモラの民よわたしたちの神の教えに耳を傾けよ。

11お前たちのささげる多くのいけにえが
わたしにとって何になろうか、と主は言われる。
雄羊や肥えた獣の脂肪の献げ物にわたしは飽いた。
雄牛、小羊、雄山羊の血をわたしは喜ばない。
12こうしてわたしの顔を仰ぎ見に来るが
誰がお前たちにこれらのものを求めたか
わたしの庭を踏み荒らす者よ。
13むなしい献げ物を再び持って来るな。
香の煙はわたしの忌み嫌うもの。
新月祭、安息日、祝祭など
災いを伴う集いにわたしは耐ええない。
14お前たちの新月祭や、定められた日の祭りをわたしは憎んでやまない。
それはわたしにとって、重荷でしかない。
それを担うのに疲れ果てた。
15お前たちが手を広げて祈っても、わたしは目を覆う。
どれほど祈りを繰り返しても、決して聞かない。
お前たちの血にまみれた手を
16洗って、清くせよ。
悪い行いをわたしの目の前から取り除け。
悪を行うことをやめ
17善を行うことを学び
裁きをどこまでも実行して
搾取する者を懲らし、孤児の権利を守り
やもめの訴えを弁護せよ。

答唱詩編

詩編50・5+6、7

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編50

50・5「わたしの民を集めよ、
いけにえをささげて契約を結ぶ民を。」
6天は神の正義を告げる。
神はすべてをさばかれる。

7「わたしの民よ、聞け。
わたしはおまえに語る。
イスラエルよ、おまえを戒めよう。
わたしは神、おまえの神。」

福音朗読

マタイ10・34-11・1

アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・34「わたしが来たのは地上に平和をもたらすためだ、と思ってはならない。平和ではなく、剣をもたらすために来たのだ。35わたしは敵対させるために来たからである。
人をその父に、
娘を母に、
嫁をしゅうとめに。
36こうして、自分の家族の者が敵となる。
37わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない。わたしよりも息子や娘を愛する者も、わたしにふさわしくない。38また、自分の十字架を担ってわたしに従わない者は、わたしにふさわしくない。39自分の命を得ようとする者は、それを失い、わたしのために命を失う者は、かえってそれを得るのである。

40あなたがたを受け入れる人は、わたしを受け入れ、わたしを受け入れる人は、わたしを遣わされた方を受け入れるのである。41預言者を預言者として受け入れる人は、預言者と同じ報いを受け、正しい者を正しい者として受け入れる人は、正しい者と同じ報いを受ける。42はっきり言っておく。わたしの弟子だという理由で、この小さな者の一人に、冷たい水一杯でも飲ませてくれる人は、必ずその報いを受ける。」

11・1イエスは十二人の弟子に指図を与え終わると、そこを去り、方々の町で教え、宣教された。

年間第15火曜日 7月16日(火) 年間

第一朗読

イザヤ7・1-9

ユダの王ウジヤの孫であり、ヨタムの子であるアハズの治世のことである。

イザヤの預言

7・1ユダの王ウジヤの孫であり、ヨタムの子であるアハズの治世のことである。アラムの王レツィンとレマルヤの子、イスラエルの王ペカが、エルサレムを攻めるため上って来たが、攻撃を仕掛けることはできなかった。2しかし、アラムがエフライムと同盟したという知らせは、ダビデの家に伝えられ、王の心も民の心も、森の木々が風に揺れ動くように動揺した。

3主はイザヤに言われた。

「あなたは息子のシェアル・ヤシュブと共に出て行って、布さらしの野に至る大通りに沿う、上貯水池からの水路の外れでアハズに会い、4彼に言いなさい。落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない。アラムを率いるレツィンとレマルヤの子が激しても、この二つの燃え残ってくすぶる切り株のゆえに心を弱くしてはならない。5アラムがエフライムとレマルヤの子を語らって、あなたに対して災いを謀り、6『ユダに攻め上って脅かし、我々に従わせ、タベアルの子をそこに王として即位させよう』と言っているが、7主なる神はこう言われる。

それは実現せず、成就しない。
8アラムの頭はダマスコ、ダマスコの頭はレツィン。
(六十五年たてばエフライムの民は消滅する)
9エフライムの頭はサマリアサマリアの頭はレマルヤの子。
信じなければ、あなたがたは確かにされない。」

答唱詩編

詩編48・2+3、4+9

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

詩編48

48・2神は偉大、すべての人にたたえられる。
その尊い山はわたしたちの神の都。
3麗しくそびえ立ち、世界に喜びをもたらす。
シオンの山は大王の都、神の住まい。

4神はシオンの砦におられ、その力を現される。
わたしたちは今この目で見た。
9すべてを治められるわたしたちの神の都で、
神はとこしえに都を守られる。

福音朗読

マタイ11・20-24

アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、11・20イエスは、数多くの奇跡の行われた町々が悔い改めなかったので、叱り始められた。21「コラジン、お前は不幸だ。ベトサイダ、お前は不幸だ。お前たちのところで行われた奇跡が、ティルスやシドンで行われていれば、これらの町はとうの昔に粗布をまとい、灰をかぶって悔い改めたにちがいない。22しかし、言っておく。裁きの日にはティルスやシドンの方が、お前たちよりまだ軽い罰で済む。23また、カファルナウム、お前は、
天にまで上げられるとでも思っているのか。
陰府にまで落とされるのだ。
お前のところでなされた奇跡が、ソドムで行われていれば、あの町は今日まで無事だったにちがいない。24しかし、言っておく。裁きの日にはソドムの地の方が、お前よりまだ軽い罰で済むのである。」

年間第15水曜日 7月17日(水) 年間

第一朗読

イザヤ10・5-7、13-16

災いだ、わたしの怒りの鞭となるアッシリアは。

イザヤの預言

主は言われる。

10・5災いだ、わたしの怒りの鞭となるアッシリアは。
彼はわたしの手にある憤りの杖だ。
6神を無視する国に向かってわたしはそれを遣わし
わたしの激怒をかった民に対して、それに命じる。
「戦利品を取り、略奪品を取れ
野の土のように彼を踏みにじれ」と。
7しかし、彼はそのように策を立てず
その心はそのように計らおうとしなかった。
その心にあるのはむしろ滅ぼし尽くすこと
多くの国を断ち尽くすこと。

13なぜならアッシリアの王は言った。
「自分の手の力によってわたしは行った。
聡明なわたしは自分の知恵によって行った。
わたしは諸民族の境を取り払い
彼らの蓄えた物を略奪し
力ある者と共に住民たちを引きずり落とした。
14わたしの手は、鳥の巣を奪うように諸民族の富に伸びた。
置き去られた卵をかき集めるようにわたしは全世界をかき集めた。
そのとき、翼を動かす者はなく
くちばしを開いて鳴く者もなかった。」

15斧がそれを振るう者に対して自分を誇り
のこぎりがそれを使う者に向かって高ぶることができるだろうか。
それは、鞭が自分を振り上げる者を動かし
杖が木でない者を持ち上げようとするに等しい。
16それゆえ、万軍の主なる神は
太った者の中に衰弱を送り
主の栄光の下に炎を燃え上がらせ
火のように燃えさせられる。

答唱詩編

詩編80・15+16、18+19

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編80

80・15すべてを治める神よ、あなたの目を注いで、
またこのぶどうの木を顧みてください。
16あなたがご自分で植えられた苗と、
強められた若枝を守ってください。

18あなたの手はあなたの右腕である人の上に、
強められた民の上に。
19わたしたちはあなたから離れることなく、
いのちであるあなたを呼び求める。

福音朗読

マタイ11・25-27

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

11・25そのとき、イエスはこう言われた。「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。26そうです、父よ、これは御心に適うことでした。27すべてのことは、父からわたしに任せられています。父のほかに子を知る者はなく、子と、子が示そうと思う者のほかには、父を知る者はいません。」

年間第15木曜日 7月18日(木) 年間

第一朗読

イザヤ26・7-9、12、16-19

神に従う者の行く道は平らです。

イザヤの預言

26・7神に従う者の行く道は平らです。
あなたは神に従う者の道をまっすぐにされる。
8主よ、あなたの裁きによって定められた道を歩み
わたしたちはあなたを待ち望みます。
あなたの御名を呼び、たたえることは
わたしたちの魂の願いです。
9わたしの魂は夜あなたを捜し
わたしの中で霊はあなたを捜し求めます。
あなたの裁きが地に行われるとき
世界に住む人々は正しさを学ぶでしょう。

12主よ、平和をわたしたちにお授けください。
わたしたちのすべての業を成し遂げてくださるのはあなたです。

16主よ、苦難に襲われると
人々はあなたを求めます。
あなたの懲らしめが彼らに臨むと
彼らはまじないを唱えます。
17妊婦に出産のときが近づくと
もだえ苦しみ、叫びます。
主よ、わたしたちもあなたの御前でこのようでした。
18わたしたちははらみ、産みの苦しみをしました。
しかしそれは風を産むようなものでした。
救いを国にもたらすこともできず
地上に住む者を産み出すこともできませんでした。
19あなたの死者が命を得
わたしのしかばねが立ち上がりますように。
塵の中に住まう者よ、目を覚ませ、喜び歌え。
あなたの送られる露は光の露。
あなたは死霊の地にそれを降らせられます。

答唱詩編

詩編85・2+3、5a+7b+8a

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編85

85・2神よ、あなたの国を豊かに恵み、
ヤコブの栄えを新たにしてください。
3あなたは民のとがをゆるし、
すべての罪を覆われた。

5a神よ、あなたはわたしたちを救うかた。
7bわたしたちのいのちを新たにし、
あなたのうちにあって民が喜ぶために、
8aあなたのいつくしみを示してください。

福音朗読

マタイ11・28-30

アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは言われた。11・28疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。29わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。30わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」

年間第15金曜日 7月19日(金) 年間

第一朗読

イザヤ38・1-6、21-22、7-8

あなたは死ぬことになっていて、命はないのだから、家族に遺言をしなさい

イザヤの預言

38・1そのころ、ヒゼキヤは死の病にかかった。預言者、アモツの子イザヤが訪ねて来て、「主はこう言われる。『あなたは死ぬことになっていて、命はないのだから、家族に遺言をしなさい』」と言った。2ヒゼキヤは顔を壁に向けて、主にこう祈った。3「ああ、主よ、わたしがまことを尽くし、ひたむきな心をもって御前を歩み、御目にかなう善いことを行ってきたことを思い起こしてください。」こう言って、ヒゼキヤは涙を流して大いに泣いた。

4主の言葉がイザヤに臨んだ。5「ヒゼキヤのもとに行って言いなさい。あなたの父祖ダビデの神、主はこう言われる。わたしはあなたの祈りを聞き、涙を見た。見よ、わたしはあなたの寿命を十五年延ばし、6アッシリアの王の手からあなたとこの都を救い出す。わたしはこの都を守り抜く。」

21イザヤが、「干しいちじくを持って来るように」と言うので、人々がそれを患部につけると王は回復した。22ヒゼキヤは言った。「わたしが主の神殿に上れることを示すしるしは何でしょうか。」

7ここに主によって与えられるしるしがあります。それによって、主は約束なさったことを実現されることが分かります。

8「見よ、わたしは日時計の影、太陽によってアハズの日時計に落ちた影を、十度後戻りさせる。」太陽は陰の落ちた日時計の中で十度戻った。

答唱詩編

詩編30・2b+4、11+12

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編30

30・2b神よ、あなたはわたしを救い、
死の力が勝ち誇るのを許されない。
4神よ、あなたは死の国からわたしを引き上げ、
危ういいのちを助けてくださった。

11神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、
わたしの助けとなってください、
12あなたは嘆きを喜びに変え、
あら布を晴れ着に替えてくださった。

福音朗読

マタイ12・1-8

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのころ、12・1ある安息日にイエスは麦畑を通られた。弟子たちは空腹になったので、麦の穂を摘んで食べ始めた。2ファリサイ派の人々がこれを見て、イエスに、「御覧なさい。あなたの弟子たちは、安息日にしてはならないことをしている」と言った。3そこで、イエスは言われた。「ダビデが自分も供の者たちも空腹だったときに何をしたか、読んだことがないのか。4神の家に入り、ただ祭司のほかには、自分も供の者たちも食べてはならない供えのパンを食べたではないか。5安息日に神殿にいる祭司は、安息日の掟を破っても罪にならない、と律法にあるのを読んだことがないのか。6言っておくが、神殿よりも偉大なものがここにある。7もし、『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』という言葉の意味を知っていれば、あなたたちは罪もない人たちをとがめなかったであろう。8人の子は安息日の主なのである。」

年間第15土曜日 7月20日(土) 年間

第一朗読

ミカ2・1-5

災いだ、寝床の上で悪をたくらみ悪事を謀る者は。

ミカの預言

2・1災いだ、寝床の上で悪をたくらみ
悪事を謀る者は。
夜明けとともに、彼らはそれを行う。
力をその手に持っているからだ。
2彼らは貪欲に畑を奪い、家々を取り上げる。
住人から家を、人々から嗣業を強奪する。
3それゆえ、主はこう言われる。
「見よ、わたしもこの輩に災いをたくらむ。
お前たちは自分の首をそこから放しえず
もはや頭を高く上げて歩くことはできない。
これはまさに災いのときである。」
4その日、人々はお前たちに向かって
嘲りの歌をうたい
苦い嘆きの歌をうたって言う。
「我らは打ちのめされた。
主はわが民の土地を人手に渡される。
どうして、それはわたしから取り去られ
我々の畑が背く者に分けられるのか。」
5それゆえ、主の集会で
お前のためにくじを投げ縄を張って土地を分け与える者は
ひとりもいなくなる。

答唱詩編

詩編27・9、11

神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。

詩編27

27・9あなたの顔をわたしに隠さず、
怒りでしもべを退けないでください。
あなたはわたしの助け、
わたしを救ってくださる神。

11神よ、あなたの道を示し、
いのちをねらう者からわたしを守り、
安らかな小道に
導いてください。

福音朗読

マタイ12・14-21

アレルヤ、アレルヤ。神はキリストのうちに世をご自分に和解させ、和解のことばをわたしたちにゆだねられた。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、12・14ファリサイ派の人々は出て行き、どのようにしてイエスを殺そうかと相談した。

15イエスはそれを知って、そこを立ち去られた。大勢の群衆が従った。イエスは皆の病気をいやして、16御自分のことを言いふらさないようにと戒められた。17それは、預言者イザヤを通して言われていたことが実現するためであった。

18「見よ、わたしの選んだ僕。
わたしの心に適った愛する者。
この僕にわたしの霊を授ける。
彼は異邦人に正義を知らせる。
19彼は争わず、叫ばず、
その声を聞く者は大通りにはいない。
20正義を勝利に導くまで、
彼は傷ついた葦を折らず、
くすぶる灯心を消さない。
21異邦人は彼の名に望みをかける。」

年間第16主日 7月21日(日) 年間

第一朗読

エレミヤ23・1-6

彼の名は、「主は我らの救い」と呼ばれる。

エレミヤの預言

23・1「災いだ、わたしの牧場の羊の群れを滅ぼし散らす牧者たちは」と主は言われる。2それゆえ、イスラエルの神、主はわたしの民を牧する牧者たちについて、こう言われる。

「あなたたちは、わたしの羊の群れを散らし、追い払うばかりで、顧みることをしなかった。わたしはあなたたちの悪い行いを罰する」と主は言われる。

3「このわたしが、群れの残った羊を、追いやったあらゆる国々から集め、もとの牧場に帰らせる。群れは子を産み、数を増やす。4彼らを牧する牧者をわたしは立てる。群れはもはや恐れることも、おびえることもなく、また迷い出ることもない」と主は言われる。

5見よ、このような日が来る、と主は言われる。
わたしはダビデのために正しい若枝を起こす。
王は治め、栄え、
この国に正義と恵みの業を行う。
6彼の代にユダは救われ、
イスラエルは安らかに住む。
彼の名は、「主は我らの救い」と呼ばれる。

答唱詩編

詩編23・2+3、4、6

主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。

詩編23

23・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、
いこいの水辺に伴われる。
3神はわたしを生き返らせ、
いつくしみによって正しい道に導かれる。

4たとえ死の陰の谷を歩んでも、
わたしはわざわいを恐れない。
あなたがわたしとともにおられ、
その鞭と杖はわたしを守る。

6神の恵みといつくしみに
生涯伴われ、
わたしはとこしえに
神の家に生きる。

第二朗読

エフェソ2・13-18

実に、キリストはわたしたちの平和であります。

使徒バウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、2・13あなたがたは、以前は遠く離れていたが、今や、キリスト・イエスにおいて、キリストの血によって近い者となったのです。

14実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、15規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、16十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。17キリストはおいでになり、遠く離れているあなたがたにも、また、近くにいる人々にも、平和の福音を告げ知らせられました。18それで、このキリストによってわたしたち両方の者が一つの霊に結ばれて、御父に近づくことができるのです。

福音朗読

マルコ6・30-34

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、6・30使徒たちはイエスのところに集まって来て、自分たちが行ったことや教えたことを残らず報告した。31イエスは、「さあ、あなたがただけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」と言われた。出入りする人が多くて、食事をする暇もなかったからである。32そこで、一同は舟に乗って、自分たちだけで人里離れた所へ行った。33ところが、多くの人々は彼らが出かけて行くのを見て、それと気づき、すべての町からそこへ一斉に駆けつけ、彼らより先に着いた。34イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。

聖マリア(マグダラ) 7月22日(月) 聖人の記念

第一朗読

雅歌3・1-4a

恋い慕う人を求めよう。

雅歌

おとめは歌う。
3・1夜ごと、ふしどに恋い慕う人を求めても
求めても、見つかりません。
2起き出して町をめぐり
通りや広場をめぐって
恋い慕う人を求めよう。

求めても、あの人は見つかりません。
3わたしが町をめぐる夜警に見つかりました。
「わたしの恋い慕う人を見かけましたか。」

4a彼らに別れるとすぐに恋い慕う人が見つかりました。

または

②コリント5・14−17

キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、5・14キリストの愛がわたしたちを駆り立てています。わたしたちはこう考えます。すなわち、一人の方がすべての人のために死んでくださった以上、すべての人も死んだことになります。15その一人の方はすべての人のために死んでくださった。その目的は、生きている人たちが、もはや自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きることなのです。

16それで、わたしたちは、今後だれをも肉に従って知ろうとはしません。肉に従ってキリストを知っていたとしても、今はもうそのように知ろうとはしません。17だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じたのです。

答唱詩編

詩編63・2、7+8

わが心、喜びに満ちあふれ、主を待ち望む。

詩編63

63・2神よ、わたしの神よ、わたしはあなたを慕う。
水のない荒れ果てた土地のように、
わたしの心はあなたを慕い、
からだはあなたをかわき求める。

7床の中であなたを思い起こし、
夜どおし、あなたのことを思う。
8あなたはわたしの助け、
あなたの翼のかげにわたしは隠れる。

福音朗読

ヨハネ20・1-2、11-18

アレルヤ、アレルヤ。主・キリストは復活された。勝利の王、キリストよ、あふれるいつくしみをわたしたちに。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

20・1週の初めの日、朝早く、まだ暗いうちに、マグダラのマリアは墓に行った。そして、墓から石が取りのけてあるのを見た。2そこで、シモン・ペトロのところへ、また、イエスが愛しておられたもう一人の弟子のところへ走って行って彼らに告げた。「主が墓から取り去られました。どこに置かれているのか、わたしたちには分かりません。」

11マリアは墓の外に立って泣いていた。泣きながら身をかがめて墓の中を見ると、12イエスの遺体の置いてあった所に、白い衣を着た二人の天使が見えた。一人は頭の方に、もう一人は足の方に座っていた。13天使たちが、「婦人よ、なぜ泣いているのか」と言うと、マリアは言った。「わたしの主が取り去られました。どこに置かれているのか、わたしには分かりません。」14こう言いながら後ろを振り向くと、イエスの立っておられるのが見えた。しかし、それがイエスだとは分からなかった。15イエスは言われた。「婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか。」マリアは、園丁だと思って言った。「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのか教えてください。わたしが、あの方を引き取ります。」16イエスが、「マリア」と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で、「ラボニ」と言った。「先生」という意味である。17イエスは言われた。「わたしにすがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへ上っていないのだから。わたしの兄弟たちのところへ行って、こう言いなさい。『わたしの父であり、あなたがたの父である方、また、わたしの神であり、あなたがたの神である方のところへわたしは上る』と。」18マグダラのマリアは弟子たちのところへ行って、「わたしは主を見ました」と告げ、また、主から言われたことを伝えた。

年間第16火曜日 7月23日(火) 年間

第一朗読

ミカ7・14+15、18-20

主は再び我らを憐れみ我らの咎を抑えすべての罪を海の深みに投げ込まれる。

ミカの預言

主よ、7・14あなたの杖をもって
御自分の民を牧してください
あなたの嗣業である羊の群れを。
彼らが豊かな牧場の森にただひとり守られて住み
遠い昔のように、バシャンとギレアドで草をはむことができるように。
15お前がエジプトの地を出たときのように
彼らに驚くべき業をわたしは示す。
18あなたのような神がほかにあろうか
咎を除き、罪を赦される神が。
神は御自分の嗣業の民の残りの者に
いつまでも怒りを保たれることはない
神は慈しみを喜ばれるゆえに。
19主は再び我らを憐れみ
我らの咎を抑え
すべての罪を海の深みに投げ込まれる。
20どうか、ヤコブにまことを
アブラハムに慈しみを示してください
その昔、我らの父祖にお誓いになったように。

答唱詩編

詩編85・2+3、5a+7b+8a

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編85

85・2神よ、あなたの国を豊かに恵み、
ヤコブの栄えを新たにしてください。
3あなたは民のとがをゆるし、
すべての罪を覆われた。

5a神よ、あなたはわたしたちを救うかた。
7bわたしたちのいのちを新たにし、
あなたのうちにあって民が喜ぶために、
8aあなたのいつくしみを示してください。

福音朗読

マタイ12・46-50

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

12・46イエスがなお群衆に話しておられるとき、その母と兄弟たちが、話したいことがあって外に立っていた。47そこで、ある人がイエスに、「御覧なさい。母上と御兄弟たちが、お話ししたいと外に立っておられます」と言った。48しかし、イエスはその人にお答えになった。「わたしの母とはだれか。わたしの兄弟とはだれか。」49そして、弟子たちの方を指して言われた。「見なさい。ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。50だれでも、わたしの天の父の御心を行う人が、わたしの兄弟、姉妹、また母である。」

年間第16水曜日 7月24日(水) 年間

第一朗読

エレミヤ1・1、4-10

わたしはあなたを母の胎内に造る前からあなたを知っていた。

エレミヤの預言

1・1エレミヤの言葉。彼はベニヤミンの地のアナトトの祭司ヒルキヤの子であった。

4主の言葉がわたしに臨んだ。
5「わたしはあなたを母の胎内に造る前から
あなたを知っていた。
母の胎から生まれる前に
わたしはあなたを聖別し
諸国民の預言者として立てた。」
6わたしは言った。
「ああ、わが主なる神よ
わたしは語る言葉を知りません。
わたしは若者にすぎませんから。」
7しかし、主はわたしに言われた。
「若者にすぎないと言ってはならない。
わたしがあなたを、だれのところへ
遣わそうとも、行って
わたしが命じることをすべて語れ。
8彼らを恐れるな。
わたしがあなたと共にいて
必ず救い出す」と主は言われた。

9主は手を伸ばして、わたしの口に触れ
主はわたしに言われた。
「見よ、わたしはあなたの口に
わたしの言葉を授ける。
10見よ、今日、あなたに
諸国民、諸王国に対する権威をゆだねる。
抜き、壊し、滅ぼし、破壊し
あるいは建て、植えるために。」

答唱詩編

詩編71・3b+4+5a、6b+15+16

父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。

詩編71

71・3b神よ、あなたはわたしの岩、わたしのとりで。
4あなたに逆らう者からわたしを救ってください。
神よ、あなたはわたしの希望、
5aわたしはいつもあなたをたたえる。

6b神よ、あなたの正義と救いのわざを
15わたしは昼も夜も告げ知らせる。
16神の力あるみわざを語り、
あなたのものである正義をわたしはほめ歌う。

福音朗読

マタイ13・1-9

アレルヤ、アレルヤ。種は神のことば、蒔く人はキリスト。キリストを見いだす人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

13・1その日、イエスは家を出て、湖のほとりに座っておられた。2すると、大勢の群衆がそばに集まって来たので、イエスは舟に乗って腰を下ろされた。群衆は皆岸辺に立っていた。3イエスはたとえを用いて彼らに多くのことを語られた。「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。4蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。5ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。6しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。7ほかの種は茨の間に落ち、茨が伸びてそれをふさいでしまった。8ところが、ほかの種は、良い土地に落ち、実を結んで、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍にもなった。9耳のある者は聞きなさい。」

聖ヤコブ使徒 7月25日(木) 聖人の記念

第一朗読

②コリント4・7-15

わたしは信じた。それで、わたしは語った

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、4・7わたしたちは、このような宝を土の器に納めています。この並外れて偉大な力が神のものであって、わたしたちから出たものでないことが明らかになるために。8わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、9虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない。10わたしたちは、いつもイエスの死を体にまとっています、イエスの命がこの体に現れるために。11わたしたちは生きている間、絶えずイエスのために死にさらされています、死ぬはずのこの身にイエスの命が現れるために。12こうして、わたしたちの内には死が働き、あなたがたの内には命が働いていることになります。13「わたしは信じた。それで、わたしは語った」と書いてあるとおり、それと同じ信仰の霊を持っているので、わたしたちも信じ、それだからこそ語ってもいます。14主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。15すべてこれらのことは、あなたがたのためであり、多くの人々が豊かに恵みを受け、感謝の念に満ちて神に栄光を帰すようになるためです。

答唱詩編

詩編126・1+2、6+3

主とともに働くわれらは、主とともにその実りを味わう。

詩編126

126・1神が捕われびとをシオンにもどされたとき、
わたしたちは夢を見ている思いがした。
2わたしたちの顔がほほえみ、
口には喜びの歌が浮かれた。

6種を手に涙を流して出て行く人は、
束をかかえ、喜びにあふれて帰ってくる。
3神はわたしたちに偉大なわざを行われ、
わたしたちは喜びにあふれた。

福音朗読

マタイ20・20-28

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたを世から選んだのは、あなたがたが行って実を結び、その実が残るためである。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

20・20そのとき、ゼベダイの息子たちの母が、その二人の息子と一緒にイエスのところに来て、ひれ伏し、何かを願おうとした。21イエスが、「何が望みか」と言われると、彼女は言った。「王座にお着きになるとき、この二人の息子が、一人はあなたの右に、もう一人は左に座れるとおっしゃってください。」22イエスはお答えになった。「あなたがたは、自分が何を願っているか、分かっていない。このわたしが飲もうとしている杯を飲むことができるか。」二人が、「できます」と言うと、23イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしの杯を飲むことになる。しかし、わたしの右と左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。それは、わたしの父によって定められた人々に許されるのだ。」24ほかの十人の者はこれを聞いて、この二人の兄弟のことで腹を立てた。25そこで、イエスは一同を呼び寄せて言われた。「あなたがたも知っているように、異邦人の間では支配者たちが民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。26しかし、あなたがたの間では、そうであってはならない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、27いちばん上になりたい者は、皆の僕になりなさい。28人の子が、仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのと同じように。」

聖マリアの両親聖ヨアキムと聖アンナ 7月26日(金) 記念日

第一朗読

エレミヤ3・14-17

わたしこそあなたたちの主である。

エレミヤの預言

3・14背信の子らよ、立ち帰れ、と主は言われる。わたしこそあなたたちの主である。一つの町から一人、一つの氏族から二人ではあるが、わたしはあなたたちを連れてシオンに行こう。15わたしはあなたたちに、心にかなう牧者たちを与える。彼らは賢く、巧みに導く。16あなたたちがこの地で大いに増えるとき、その日には、と主は言われる。人々はもはや、主の契約の箱について語らず、心に浮かべることも、思い起こすこともない。求めることも、作ることももはやない。17その時、エルサレムは主の王座と呼ばれ、諸国の民は皆、そこに向かい、主の御名のもとにエルサレムに集まる。彼らは再び、かたくなで悪い心に従って歩むことをしない。

答唱詩編

詩編65・6、13+14

われらはシオンで神をたたえ、豊かな恵みを喜びうたう。

詩編65

65・6わたしたちの救い、わたしたちの神よ、
あなたは地の果ての望み、遠い島々の希望。
わたしたちに答えて救いを現し、
驚くべきしるしを行われる。

13荒れ野のまきばも若草にもえ、
丘一面に喜びがこだまする。
14野山は羊の群れに満ち、谷は小麦におおわれ、
人々は喜びにあふれてうたう。

福音朗読

マタイ13・18-23

アレルヤ、アレルヤ。よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。13・18「だから、種を蒔く人のたとえを聞きなさい。19だれでも御国の言葉を聞いて悟らなければ、悪い者が来て、心の中に蒔かれたものを奪い取る。道端に蒔かれたものとは、こういう人である。20石だらけの所に蒔かれたものとは、御言葉を聞いて、すぐ喜んで受け入れるが、21自分には根がないので、しばらくは続いても、御言葉のために艱難や迫害が起こると、すぐにつまずいてしまう人である。22茨の中に蒔かれたものとは、御言葉を聞くが、世の思い煩いや富の誘惑が御言葉を覆いふさいで、実らない人である。23良い土地に蒔かれたものとは、御言葉を聞いて悟る人であり、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍の実を結ぶのである。」

年間第16土曜日 7月27日(土) 年間

第一朗読

エレミヤ7・1-11

主からエレミヤに臨んだ言葉。

エレミヤの預言

7・1主からエレミヤに臨んだ言葉。

2主の神殿の門に立ち、この言葉をもって呼びかけよ。そして、言え。

「主を礼拝するために、神殿の門を入って行くユダの人々よ、皆、主の言葉を聞け。3イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。お前たちの道と行いを正せ。そうすれば、わたしはお前たちをこの所に住まわせる。4主の神殿、主の神殿、主の神殿という、むなしい言葉に依り頼んではならない。56この所で、お前たちの道と行いを正し、お互いの間に正義を行い、寄留の外国人、孤児、寡婦を虐げず、無実の人の血を流さず、異教の神々に従うことなく、自ら災いを招いてはならない。7そうすれば、わたしはお前たちを先祖に与えたこの地、この所に、とこしえからとこしえまで住まわせる。8しかし見よ、お前たちはこのむなしい言葉に依り頼んでいるが、それは救う力を持たない。9盗み、殺し、姦淫し、偽って誓い、バアルに香をたき、知ることのなかった異教の神々に従いながら、10わたしの名によって呼ばれるこの神殿に来てわたしの前に立ち、『救われた』と言うのか。お前たちはあらゆる忌むべきことをしているではないか。11わたしの名によって呼ばれるこの神殿は、お前たちの目に強盗の巣窟と見えるのか。そのとおり。わたしにもそう見える、と主は言われる。」

答唱詩編

詩編84・2+3、11cd+12

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編84

84・2すべてを治められる神よ、
あなたの住まいは麗しい。
3わたしの魂は主の庭を慕い、
心とからだは生ける神にあこがれる。

11cdよこしまな人の幕屋に泊まるより、
わたしは神の家の戸口に立とう。
12主は光と恵みを豊かに注ぎ、
とがなく歩む者にしあわせを拒まれない。

福音朗読

マタイ13・24-30

アレルヤ、アレルヤ。よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、13・24イエスは、別のたとえを持ち出して言われた。「天の国は次のようにたとえられる。ある人が良い種を畑に蒔いた。25人々が眠っている間に、敵が来て、麦の中に毒麦を蒔いて行った。26芽が出て、実ってみると、毒麦も現れた。27僕たちが主人のところに来て言った。『だんなさま、畑には良い種をお蒔きになったではありませんか。どこから毒麦が入ったのでしょう。』28主人は、『敵の仕業だ』と言った。そこで、僕たちが、『では、行って抜き集めておきましょうか』と言うと、29主人は言った。『いや、毒麦を集めるとき、麦まで一緒に抜くかもしれない。30刈り入れまで、両方とも育つままにしておきなさい。刈り入れの時、「まず毒麦を集め、焼くために束にし、麦の方は集めて倉に入れなさい」と、刈り取る者に言いつけよう。』」

年間第17主日 7月28日(日) 年間

第一朗読

列王記下4・42-44

召し使いがそれを配ったところ、主の言葉のとおり彼らは食べきれずに残した。

列王記

ギルガルの地が飢饉に見舞われていたとき、4・42一人の男がバアル・シャリシャから初物のパン、大麦パン二十個と新しい穀物を袋に入れて神の人〔エリシャ〕のもとに持って来た。神の人は、「人々に与えて食べさせなさい」と命じたが、43召し使いは、「どうしてこれを百人の人々に分け与えることができましょう」と答えた。エリシャは再び命じた。「人々に与えて食べさせなさい。主は言われる。『彼らは食べきれずに残す。』」44召し使いがそれを配ったところ、主の言葉のとおり彼らは食べきれずに残した。

答唱詩編

詩編145・10+11、15+16、17+18

いのちあるすべてのものに、主は食物を恵まれる。

詩編145

145・10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝してうたう。
11彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるあなたのわざを告げる。

15神を待ち望むすべてのものに、
いのちのかてを豊かに恵まれる。
16生きているすべてのものの願いを、
神は豊かに満たされる。

17神の行われることはすべて正しく、
そのわざはいつくしみに満ちている。
18助けを求めるすべての人と、
心から祈る人のそばに神はおられる。

第二朗読

エフェソ4・1-6

霊による一致を保つように努めなさい。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、4・1主に結ばれて囚人となっているわたしはあなたがたに勧めます。神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩み、2一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、3平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。4体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。5主は一人、信仰は一つ、洗礼は一つ、6すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます。

福音朗読

ヨハネ6・1-15

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、6・1イエスはガリラヤ湖、すなわちティベリアス湖の向こう岸に渡られた。2大勢の群衆が後を追った。イエスが病人たちになさったしるしを見たからである。3イエスは山に登り、弟子たちと一緒にそこにお座りになった。4ユダヤ人の祭りである過越祭が近づいていた。5イエスは目を上げ、大勢の群衆が御自分の方へ来るのを見て、フィリポに、「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」と言われたが、6こう言ったのはフィリポを試みるためであって、御自分では何をしようとしているか知っておられたのである。7フィリポは、「めいめいが少しずつ食べるためにも、二百デナリオン分のパンでは足りないでしょう」と答えた。8弟子の一人で、シモン・ペトロの兄弟アンデレが、イエスに言った。9「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」10イエスは、「人々を座らせなさい」と言われた。そこには草がたくさん生えていた。男たちはそこに座ったが、その数はおよそ五千人であった。11さて、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられた。また、魚も同じようにして、欲しいだけ分け与えられた。12人々が満腹したとき、イエスは弟子たちに、「少しも無駄にならないように、残ったパンの屑を集めなさい」と言われた。13集めると、人々が五つの大麦パンを食べて、なお残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになった。14そこで、人々はイエスのなさったしるしを見て、「まさにこの人こそ、世に来られる預言者である」と言った。15イエスは、人々が来て、自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り、ひとりでまた山に退かれた。

聖マルタ、聖マリア、聖ラザロ 7月29日(月) 聖人の記念

第一朗読

①ヨハネ4・7-16

神はわたしたちに、御自分の霊を分け与えてくださいました。

使徒ヨハネの手紙

4・7愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。8愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。9神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。10わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。11愛する者たち、神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです。12いまだかつて神を見た者はいません。わたしたちが互いに愛し合うならば、神はわたしたちの内にとどまってくださり、神の愛がわたしたちの内で全うされているのです。

13神はわたしたちに、御自分の霊を分け与えてくださいました。このことから、わたしたちが神の内にとどまり、神もわたしたちの内にとどまってくださることが分かります。14わたしたちはまた、御父が御子を世の救い主として遣わされたことを見、またそのことを証ししています。15イエスが神の子であることを公に言い表す人はだれでも、神がその人の内にとどまってくださり、その人も神の内にとどまります。16わたしたちは、わたしたちに対する神の愛を知り、また信じています。

神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。

答唱詩編

詩編34・2+3、4+5

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編34

34・2主をたたえよう、
明け暮れ賛美をくちにして。
3主はわたしたちの口のほこり、
苦しむときの心のよろこび。

4心を合わせて主をあがめ、
ともにその名をたたえよう。
5主はわたしたちの祈りに心を留め、
すべての恐れを遠ざけてくださる。

福音朗読

ヨハネ11・19-27

アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、11・19マルタとマリアのところには、多くのユダヤ人が、兄弟ラザロのことで慰めに来ていた。20マルタは、イエスが来られたと聞いて、迎えに行ったが、マリアは家の中に座っていた。21マルタはイエスに言った。「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに。22しかし、あなたが神にお願いになることは何でも神はかなえてくださると、わたしは今でも承知しています。」23イエスが、「あなたの兄弟は復活する」と言われると、24マルタは、「終わりの日の復活の時に復活することは存じております」と言った。25イエスは言われた。「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。26生きていてわたしを信じる者はだれも、決して死ぬことはない。このことを信じるか。」27マルタは言った。「はい、主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであるとわたしは信じております。」

または

ルカ10・38-42

アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、10・38イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。39彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。40マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」41主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。42しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」

年間第17火曜日 7月30日(火) 年間

第一朗読

エレミヤ17b-22

わたしの目は夜も昼も涙を流しとどまることがない。

エレミヤの預言

14・17b「わたしの目は夜も昼も涙を流し
とどまることがない。
娘なるわが民は破滅し
その傷はあまりにも重い。
18野に出て見れば、見よ、剣に刺された者。
町に入って見れば、見よ、飢えに苦しむ者。
預言者も祭司も見知らぬ地にさまよって行く。」

19あなたはユダを退けられたのか。
シオンをいとわれるのか。
なぜ、我々を打ち、いやしてはくださらないのか。
平和を望んでも、幸いはなく
いやしのときを望んでも、見よ、恐怖のみ。
20主よ、我々は自分たちの背きと
先祖の罪を知っています。
あなたに対して、我々は過ちを犯しました。
21我々を見捨てないでください。
あなたの栄光の座を軽んじないでください。
御名にふさわしく、我々と結んだ契約を心に留め
それを破らないでください。
22国々の空しい神々の中に
雨を降らしうるものがあるでしょうか。
天が雨を与えるでしょうか。
我々の神、主よ。
それをなしうるのはあなただけではありませんか。
我々はあなたを待ち望みます。
あなたこそ、すべてを成し遂げる方です。

答唱詩編

詩編130・1+2、7a+8

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編130

130・1神よ、深い淵から、
あなたに叫び、
2嘆き祈る私の声を
聞いてください。

7aイスラエルよ、イスラエルよ、
主を待ち望め。
8主はすべての罪から、
イスラエルを救われる。

福音朗読

マタイ13・36-43

アレルヤ、アレルヤ。種は神のことば、蒔く人はキリスト。キリストを見いだす人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、13・36イエスは群衆を後に残して家にお入りになった。すると、弟子たちがそばに寄って来て、「畑の毒麦のたとえを説明してください」と言った。37イエスはお答えになった。「良い種を蒔く者は人の子、38畑は世界、良い種は御国の子ら、毒麦は悪い者の子らである。39毒麦を蒔いた敵は悪魔、刈り入れは世の終わりのことで、刈り入れる者は天使たちである。40だから、毒麦が集められて火で焼かれるように、世の終わりにもそうなるのだ。41人の子は天使たちを遣わし、つまずきとなるものすべてと不法を行う者どもを自分の国から集めさせ、42燃え盛る炉の中に投げ込ませるのである。彼らは、そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。43そのとき、正しい人々はその父の国で太陽のように輝く。耳のある者は聞きなさい。」

聖イグナチオ(ロヨラ) 司祭 7月31日(水) 記念日

第一朗読

エレミヤ15・10、16-21

わが母よ、どうしてわたしを産んだのか。

エレミヤの預言

15・10ああ、わたしは災いだ。
わが母よ、どうしてわたしを産んだのか。
国中でわたしは争いの絶えぬ男
いさかいの絶えぬ男とされている。
わたしはだれの債権者になったことも
だれの債務者になったこともないのに
だれもがわたしを呪う。

16あなたの御言葉が見いだされたとき
わたしはそれをむさぼり食べました。
あなたの御言葉は、わたしのものとなり
わたしの心は喜び躍りました。
万軍の神、主よ。
わたしはあなたの御名をもって呼ばれている者です。

17わたしは笑い戯れる者と共に座って楽しむことなく
御手に捕らえられ、独りで座っていました。
あなたはわたしを憤りで満たされました。
18なぜ、わたしの痛みはやむことなく
わたしの傷は重くて、いえないのですか。
あなたはわたしを裏切り
当てにならない流れのようになられました。

19それに対して、主はこう言われた。
「あなたが帰ろうとするなら
わたしのもとに帰らせ
わたしの前に立たせよう。
もし、あなたが軽率に言葉を吐かず
熟慮して語るなら
わたしはあなたを、わたしの口とする。
あなたが彼らの所に帰るのではない。
彼らこそあなたのもとに帰るのだ。
20この民に対して
わたしはあなたを堅固な青銅の城壁とする。
彼らはあなたに戦いを挑むが
勝つことはできない。
わたしがあなたと共にいて助け
あなたを救い出す、と主は言われる。
21わたしはあなたを悪人の手から救い出し
強暴な者の手から解き放つ。」

答唱詩編

詩編56・2+3、4+10

わたしは神により頼み、そのみことばをたたえよう。

詩編56

56・2神よ、あわれみを注いでください。
わたしは昼も夜もしいたげられ
3はむかう者がいつもわたしに襲いかかり、
逆らう者はあとをたたない。

4恐れにとらえられるとき、
わたしはあなたにより頼む。
10わたしはあなたに助けを求め、
神がともにおられることを知るようになる。

福音朗読

マタイ13・44-46

アレルヤ、アレルヤ。主イエス・キリストの父がわたしたちの心の目を開き、わたしたちがどんな希望に召されているかを示してくださる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。13・44「天の国は次のようにたとえられる。畑に宝が隠されている。見つけた人は、そのまま隠しておき、喜びながら帰り、持ち物をすっかり売り払って、その畑を買う。

45また、天の国は次のようにたとえられる。商人が良い真珠を探している。46高価な真珠を一つ見つけると、出かけて行って持ち物をすっかり売り払い、それを買う。

08月
聖アルフォンソ(リゴリ) 司教教会博士 8月1日(木) 記念日

第一朗読

エレミヤ18・1-6

立って、陶工の家に下って行け。そこでわたしの言葉をあなたに聞かせよう。

エレミヤの預言

18・1主からエレミヤに臨んだ言葉。2「立って、陶工の家に下って行け。そこでわたしの言葉をあなたに聞かせよう。」3わたしは陶工の家に下って行った。彼はろくろを使って仕事をしていた。4陶工は粘土で一つの器を作っても、気に入らなければ自分の手で壊し、それを作り直すのであった。

5そのとき主の言葉がわたしに臨んだ。6「イスラエルの家よ、この陶工がしたように、わたしもお前たちに対してなしえないと言うのか、と主は言われる。見よ、粘土が陶工の手の中にあるように、イスラエルの家よ、お前たちはわたしの手の中にある。」

答唱詩編

詩編146・1+2+10a、5+6ab

いのちあるすベてのものは、神をたたえよ。

詩編146

146・1心を尽くして神をたたえよ。
いのちのある限り神をたたえよ。
2わたしは生涯神をほめうたう。
10a神はとこしえに治められる。

5ヤコブの神を助けとし、
神に希望をかける人はしあわせ。
6ab神は天と地を造り、
海とそこにあるすベてのものを形造られた。

福音朗読

マタイ13・47-53

アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開き、あなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。13・47「また、天の国は次のようにたとえられる。網が湖に投げ降ろされ、いろいろな魚を集める。48網がいっぱいになると、人々は岸に引き上げ、座って、良いものは器に入れ、悪いものは投げ捨てる。49世の終わりにもそうなる。天使たちが来て、正しい人々の中にいる悪い者どもをより分け、50燃え盛る炉の中に投げ込むのである。悪い者どもは、そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。

51あなたがたは、これらのことがみな分かったか。」弟子たちは、「分かりました」と言った。52そこで、イエスは言われた。「だから、天の国のことを学んだ学者は皆、自分の倉から新しいものと古いものを取り出す一家の主人に似ている。」

53イエスはこれらのたとえを語り終えると、そこを去った。

年間第17金曜日 8月2日(金) 年間

第一朗読

エレミヤ26・1-9

すべての民は主の神殿でエレミヤのまわりに集まった。

エレミヤの預言

26・1ユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムの治世の初めに、主からこの言葉がエレミヤに臨んだ。

2「主はこう言われる。主の神殿の庭に立って語れ。ユダの町々から礼拝のために主の神殿に来るすべての者に向かって語るように、わたしが命じるこれらの言葉をすべて語れ。ひと言も減らしてはならない。3彼らが聞いて、それぞれ悪の道から立ち帰るかもしれない。そうすれば、わたしは彼らの悪のゆえにくだそうと考えている災いを思い直す。4彼らに向かって言え。主はこう言われる。もし、お前たちがわたしに聞き従わず、わたしが与えた律法に従って歩まず、5倦むことなく遣わしたわたしの僕である預言者たちの言葉に聞き従わないならば――お前たちは聞き従わなかったが――6わたしはこの神殿をシロのようにし、この都を地上のすべての国々の呪いの的とする。」

7祭司と預言者たちとすべての民は、エレミヤが主の神殿でこれらの言葉を語るのを聞いた。8エレミヤが、民のすべての者に語るように主に命じられたことを語り終えると、祭司と預言者たちと民のすべては、彼を捕らえて言った。「あなたは死刑に処せられねばならない。9なぜ、あなたは主の名によって預言し、『この神殿はシロのようになり、この都は荒れ果てて、住む者もなくなる』と言ったのか」と。すべての民は主の神殿でエレミヤのまわりに集まった。

答唱詩編

詩編69・14、17+18

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編69

69・14神よ、わたしはあなたに祈る。
恵みの時にこたえてください。
あなたの豊かないつくしみによって、
あなたの救いの約束によって。

17神よ、いつくしみ深くわたしにこたえ、
あわれみ深く顔を向けてください。
18あなたの顔をしもべに隠さず、
悩むわたしにすぐに答えてください。

福音朗読

マタイ13・54-58

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたに宣べ伝えられた福音は、永遠に留まる神の言葉。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは13・54故郷にお帰りになった。会堂で教えておられると、人々は驚いて言った。「この人は、このような知恵と奇跡を行う力をどこから得たのだろう。55この人は大工の息子ではないか。母親はマリアといい、兄弟はヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダではないか。56姉妹たちは皆、我々と一緒に住んでいるではないか。この人はこんなことをすべて、いったいどこから得たのだろう。」57このように、人々はイエスにつまずいた。イエスは、「預言者が敬われないのは、その故郷、家族の間だけである」と言い、58人々が不信仰だったので、そこではあまり奇跡をなさらなかった。

年間第17土曜日 8月3日(土) 年間

第一朗読

エレミヤ26・11-16、24

アヒカムはエレミヤを保護し、民の手に落ちて殺されることのないようにした。

エレミヤの預言

その日、26・11祭司と預言者たちは、高官たちと民のすべての者に向かって言った。「この人の罪は死に当たります。彼は、あなたがた自身が聞かれたように、この都に敵対する預言をしました。」

12エレミヤは高官たちと民のすべての者に向かって言った。「主がわたしを遣わされ、お前たちが聞いたすべての言葉をこの神殿とこの都に対して預言させられたのだ。13今こそ、お前たちは自分の道と行いを正し、お前たちの神、主の声に聞き従わねばならない。主はこのように告げられた災いを思い直されるかもしれない。14わたしはお前たちの手中にある。お前たちの目に正しく、善いと思われることをするがよい。15ただ、よく覚えておくがよい、わたしを殺せば、お前たち自身と、この都とその住民の上に、無実の者の血を流した罪を招くということを。確かに、主がわたしを遣わし、これらのすべての言葉をお前たちの耳に告げさせられたのだから。」

16高官たちと民のすべての者は、祭司と預言者たちに向かって言った。「この人には死に当たる罪はない。彼は我々の神、主の名によって語ったのだ。」

24シャファンの子アヒカムはエレミヤを保護し、民の手に落ちて殺されることのないようにした。

答唱詩編

詩編69・19-30、31+33

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編69

69・19わたしに近づき、わたしを助け、
はむかう者から救い出してください。
30わたしは貧しく悩んでいる。
神よ、わたしを救い、守ってください。

31神の名をたたえてわたしはうたい、
感謝して神をあがめよう。
33苦しむ人はこれを見て喜べ。
神を求める人は心に喜びを受けよ。

福音朗読

マタイ14・1-12

アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

14・1そのころ、領主ヘロデはイエスの評判を聞き、2家来たちにこう言った。「あれは洗礼者ヨハネだ。死者の中から生き返ったのだ。だから、奇跡を行う力が彼に働いている。」3実はヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアのことでヨハネを捕らえて縛り、牢に入れていた。4ヨハネが、「あの女と結婚することは律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。5ヘロデはヨハネを殺そうと思っていたが、民衆を恐れた。人々がヨハネを預言者と思っていたからである。6ところが、ヘロデの誕生日にヘロディアの娘が、皆の前で踊りをおどり、ヘロデを喜ばせた。7それで彼は娘に、「願うものは何でもやろう」と誓って約束した。8すると、娘は母親に唆されて、「洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、この場でください」と言った。9王は心を痛めたが、誓ったことではあるし、また客の手前、それを与えるように命じ、10人を遣わして、牢の中でヨハネの首をはねさせた。11その首は盆に載せて運ばれ、少女に渡り、少女はそれを母親に持って行った。12それから、ヨハネの弟子たちが来て、遺体を引き取って葬り、イエスのところに行って報告した。

年間第18主日 8月4日(日) 年間

第一朗読

出エジプト16・2-4、12-15

これこそ、主があなたたちに食物として与えられたパンである。

出エジプト記

16・2荒れ野に入ると、イスラエルの人々の共同体全体はモーセとアロンに向かって不平を述べ立てた。3イスラエルの人々は彼らに言った。

「我々はエジプトの国で、主の手にかかって、死んだ方がましだった。あのときは肉のたくさん入った鍋の前に座り、パンを腹いっぱい食べられたのに。あなたたちは我々をこの荒れ野に連れ出し、この全会衆を飢え死にさせようとしている。」

4主はモーセに言われた。

「見よ、わたしはあなたたちのために、天からパンを降らせる。民は出て行って、毎日必要な分だけ集める。わたしは、彼らがわたしの指示どおりにするかどうかを試す。

12わたしは、イスラエルの人々の不平を聞いた。彼らに伝えるがよい。『あなたたちは夕暮れには肉を食べ、朝にはパンを食べて満腹する。あなたたちはこうして、わたしがあなたたちの神、主であることを知るようになる』と。」

13夕方になると、うずらが飛んで来て、宿営を覆い、朝には宿営の周りに露が降りた。14この降りた露が蒸発すると、見よ、荒れ野の地表を覆って薄くて壊れやすいものが大地の霜のように薄く残っていた。15イスラエルの人々はそれを見て、これは一体何だろうと、口々に言った。彼らはそれが何であるか知らなかったからである。モーセは彼らに言った。

「これこそ、主があなたたちに食物として与えられたパンである。」

答唱詩編

詩編78・3+4、23+24、25+54

神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。

詩編78

78・3耳で聞いて知ったこと、先祖がわたしたちに伝えたこと、
4神の誉れと力、その行われた不思議なわざを、わたしは子孫に隠さず、次の世代に語り告げよう。

23神は天の大空に命じて、そのとびらを開き、
24彼らの上にマナを降らせ、天の小麦を食物として与えられた。

25神は豊かに食物を与え、人々は神のパンを食べた。
54神は彼らを聖地に伴い、その右の手で勝ち取られた山に導かれた。

第二朗読

エフェソ4・17、20-24

真理に基づいた正しく清い生活を送るように…

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、4・17わたしは主によって強く勧めます。もはや、異邦人と同じように歩んではなりません。彼らは愚かな考えに従って歩んでいます。20しかし、あなたがたは、キリストをこのように学んだのではありません。21キリストについて聞き、キリストに結ばれて教えられ、真理がイエスの内にあるとおりに学んだはずです。22だから、以前のような生き方をして情欲に迷わされ、滅びに向かっている古い人を脱ぎ捨て、23心の底から新たにされて、24神にかたどって造られた新しい人を身に着け、真理に基づいた正しく清い生活を送るようにしなければなりません。

福音朗読

ヨハネ6・24-35

アレルヤ、アレルヤ。人はパンだけではなく、神の言葉によって生きている。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

五千人がパンを食べた翌日、その場所に集まった6・24群衆は、イエスも弟子たちもそこにいないと知ると、自分たちも小舟に乗り、イエスを捜し求めてカファルナウムに来た。25そして、湖の向こう岸でイエスを見つけると、「ラビ、いつ、ここにおいでになったのですか」と言った。26イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。あなたがたがわたしを捜しているのは、しるしを見たからではなく、パンを食べて満腹したからだ。27朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。これこそ、人の子があなたがたに与える食べ物である。父である神が、人の子を認証されたからである。」28そこで彼らが、「神の業を行うためには、何をしたらよいでしょうか」と言うと、29イエスは答えて言われた。「神がお遣わしになった者を信じること、それが神の業である。」30そこで、彼らは言った。「それでは、わたしたちが見てあなたを信じることができるように、どんなしるしを行ってくださいますか。31どのようなことをしてくださいますか。わたしたちの先祖は、荒れ野でマンナを食べました。『天からのパンを彼らに与えて食べさせた』と書いてあるとおりです。」32すると、イエスは言われた。「はっきり言っておく。モーセが天からのパンをあなたがたに与えたのではなく、わたしの父が天からのまことのパンをお与えになる。33神のパンは、天から降って来て、世に命を与えるものである。」

34そこで、彼らが、「主よ、そのパンをいつもわたしたちにください」と言うと、35イエスは言われた。「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」

年間第18月曜日 8月5日(月) 年間

第一朗読

エレミヤ28・1-17

主はこう言われる。わたしはこのように、二年のうちに、あらゆる国々の首にはめられているバビロンの王ネブカドネツァルの軛を打ち砕く。

エレミヤの預言

28・1その同じ年、ユダの王ゼデキヤの治世の初め、第四年の五月に、主の神殿において、ギブオン出身の預言者、アズルの子ハナンヤが、祭司とすべての民の前でわたしに言った。

2「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。わたしはバビロンの王の軛を打ち砕く。3二年のうちに、わたしはバビロンの王ネブカドネツァルがこの場所から奪って行った主の神殿の祭具をすべてこの場所に持ち帰らせる。4また、バビロンへ連行されたユダの王、ヨヤキムの子エコンヤおよびバビロンへ行ったユダの捕囚の民をすべて、わたしはこの場所へ連れ帰る、と主は言われる。なぜなら、わたしがバビロンの王の軛を打ち砕くからである。」

5そこで、預言者エレミヤは主の神殿に立っていた祭司たちとすべての民の前で、預言者ハナンヤに言った。6預言者エレミヤは言った。

「アーメン、どうか主がそのとおりにしてくださるように。どうか主があなたの預言の言葉を実現し、主の神殿の祭具と捕囚の民すべてをバビロンからこの場所に戻してくださるように。7だが、わたしがあなたと民すべての耳に告げるこの言葉をよく聞け。8あなたやわたしに先立つ昔の預言者たちは、多くの国、強大な王国に対して、戦争や災害や疫病を預言した。9平和を預言する者は、その言葉が成就するとき初めて、まことに主が遣わされた預言者であることが分かる。」

10すると預言者ハナンヤは、預言者エレミヤの首から軛をはずして打ち砕いた。11そして、ハナンヤは民すべての前で言った。

「主はこう言われる。わたしはこのように、二年のうちに、あらゆる国々の首にはめられているバビロンの王ネブカドネツァルの軛を打ち砕く。」

そこで、預言者エレミヤは立ち去った。

12預言者ハナンヤが、預言者エレミヤの首から軛をはずして打ち砕いた後に、主の言葉がエレミヤに臨んだ。

13「行って、ハナンヤに言え。主はこう言われる。お前は木の軛を打ち砕いたが、その代わりに、鉄の軛を作った。14イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。わたしは、これらの国すべての首に鉄の軛をはめて、バビロンの王ネブカドネツァルに仕えさせる。彼らはその奴隷となる。わたしは野の獣まで彼に与えた。」

15更に、預言者エレミヤは、預言者ハナンヤに言った。

「ハナンヤよ、よく聞け。主はお前を遣わされていない。お前はこの民を安心させようとしているが、それは偽りだ。16それゆえ、主はこう言われる。『わたしはお前を地の面から追い払う』と。お前は今年のうちに死ぬ。主に逆らって語ったからだ。」

17預言者ハナンヤは、その年の七月に死んだ。

答唱詩編

詩編119・10+11b+108b、17+18

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・10あなたのすすめからそれないように、
心を尽くしてあなたを求める。
11bわたしは仰せを心にいだく。
108bあなたのさばきを示してください。

17神よ、あなたのことばを生涯守れるように、
豊かな恵みを与えてください。
18教えの偉大さを悟れるように、
わたしの目を開いてください。

福音朗読

マタイ14・13-21

アレルヤ、アレルヤ。人はパンだけではなく、神の言葉によって生きている。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

14・13イエスは洗礼者ヨハネが死んだことを聞くと、舟に乗ってそこを去り、ひとり人里離れた所に退かれた。しかし、群衆はそのことを聞き、方々の町から歩いて後を追った。14イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て深く憐れみ、その中の病人をいやされた。15夕暮れになったので、弟子たちがイエスのそばに来て言った。「ここは人里離れた所で、もう時間もたちました。群衆を解散させてください。そうすれば、自分で村へ食べ物を買いに行くでしょう。」16イエスは言われた。「行かせることはない。あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい。」17弟子たちは言った。「ここにはパン五つと魚二匹しかありません。」18イエスは、「それをここに持って来なさい」と言い、19群衆には草の上に座るようにお命じになった。そして、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになった。弟子たちはそのパンを群衆に与えた。20すべての人が食べて満腹した。そして、残ったパンの屑を集めると、十二の籠いっぱいになった。21食べた人は、女と子供を別にして、男が五千人ほどであった。

主の変容 8月6日(火) 年間の主の祝祭日

第一朗読

ダニエル7・9-10、13-14

見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り

ダニエルの預言

わたしが7・9見ていると、
王座が据えられ
「日の老いたる者」がそこに座した。
その衣は雪のように白く
その白髪は清らかな羊の毛のようであった。
その王座は燃える炎
その車輪は燃える火
10その前から火の川が流れ出ていた。
幾千人が御前に仕え
幾万人が御前に立った。
裁き主は席に着き
巻物が繰り広げられた。

13夜の幻をなお見ていると、
見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り
「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み
14権威、威光、王権を受けた。
諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え
彼の支配はとこしえに続き
その統治は滅びることがない。

または

②ペトロ1・16-19

わたしたちは、キリストの威光を目撃したのです。

使徒ペトロの手紙

愛する皆さん、1・16わたしたちの主イエス・キリストの力に満ちた来臨を知らせるのに、わたしたちは巧みな作り話を用いたわけではありません。わたしたちは、キリストの威光を目撃したのです。17荘厳な栄光の中から、「これはわたしの愛する子。わたしの心に適う者」というような声があって、主イエスは父である神から誉れと栄光をお受けになりました。18わたしたちは、聖なる山にイエスといたとき、天から響いてきたこの声を聞いたのです。19こうして、わたしたちには、預言の言葉はいっそう確かなものとなっています。夜が明け、明けの明星があなたがたの心の中に昇るときまで、暗い所に輝くともし火として、どうかこの預言の言葉に留意していてください。

答唱詩編

詩編97・1+2、6+9

栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。

詩編97

97・1神は王。世界よ、喜びおどれ。
島々は叫びをあげよ。
2神は雲と霧を従え、
正義とさばきが王座を支える。

6天は神の正義を告げ、
諸国の民はその栄光を仰ぐ。
9神よ、あなたは世界の上に高く立ち、
すべての神々を越えて偉大なかた。

福音朗読

マルコ9・2−10

アレルヤ、アレルヤ。これはわたしの意にかなう愛する子。彼に聞け。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、9・2イエスは、ただペトロ、ヤコブ、ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。イエスの姿が彼らの目の前で変わり、3服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった。4エリヤがモーセと共に現れて、イエスと語り合っていた。5ペトロが口をはさんでイエスに言った。「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」6ペトロは、どう言えばよいのか、分からなかった。弟子たちは非常に恐れていたのである。7すると、雲が現れて彼らを覆い、雲の中から声がした。「これはわたしの愛する子。これに聞け。」8弟子たちは急いで辺りを見回したが、もはやだれも見えず、ただイエスだけが彼らと一緒におられた。

9一同が山を下りるとき、イエスは、「人の子が死者の中から復活するまでは、今見たことをだれにも話してはいけない」と弟子たちに命じられた。10彼らはこの言葉を心に留めて、死者の中から復活するとはどういうことかと論じ合った。

年間第18水曜日 8月7日(水) 年間

第一朗読

エレミヤ31・1-7

わたしはイスラエルのすべての部族の神となり、彼らはわたしの民となる。主はこう言われる。

エレミヤの預言

31・1そのときには、と主は言われる。わたしはイスラエルのすべての部族の神となり、彼らはわたしの民となる。

2主はこう言われる。
民の中で、剣を免れた者は荒れ野で恵みを受ける
イスラエルが安住の地に向かうときに。
3遠くから、主はわたしに現れた。
わたしは、とこしえの愛をもってあなたを愛し
変わることなく慈しみを注ぐ。
4おとめイスラエルよ
再び、わたしはあなたを固く建てる。
再び、あなたは太鼓をかかえ
楽を奏する人々と共に踊り出る。
5再び、あなたは
サマリアの山々にぶどうの木を植える。
植えた人が、植えたその実の初物を味わう。
6見張りの者がエフライムの山に立ち呼ばわる日が来る。
「立て、我らはシオンへ上ろう
我らの神、主のもとへ上ろう。」

7主はこう言われる。
ヤコブのために喜び歌い、喜び祝え。
諸国民の頭のために叫びをあげよ。
声を響かせ、賛美せよ。そして言え。
「主よ、あなたの民をお救いください
イスラエルの残りの者を。」

答唱詩編

詩編65・5、6

われらはシオンで神をたたえ、豊かな恵みを喜びうたう。

詩編65

65・5あなたの庭に住むように選ばれ、
招かれた人はしあわせ。
わたしたちはあふれる恵みに潤される、
あなたの家、神殿の中で。

6わたしたちの救い、わたしたちの神よ、
あなたは地の果ての望み、遠い島々の希望。
わたしたちに答えて救いを現し、
驚くべきしるしを行われる。

福音朗読

マタイ15・21-28

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは15・21ティルスとシドンの地方に行かれた。22すると、この地に生まれたカナンの女が出て来て、「主よ、ダビデの子よ、わたしを憐れんでください。娘が悪霊にひどく苦しめられています」と叫んだ。23しかし、イエスは何もお答えにならなかった。そこで、弟子たちが近寄って来て願った。「この女を追い払ってください。叫びながらついて来ますので。」24イエスは、「わたしは、イスラエルの家の失われた羊のところにしか遣わされていない」とお答えになった。25しかし、女は来て、イエスの前にひれ伏し、「主よ、どうかお助けください」と言った。26イエスが、「子供たちのパンを取って小犬にやってはいけない」とお答えになると、27女は言った。「主よ、ごもっともです。しかし、小犬も主人の食卓から落ちるパン屑はいただくのです。」28そこで、イエスはお答えになった。「婦人よ、あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように。」そのとき、娘の病気はいやされた。

聖ドミニコ 司祭 8月8日(木) 記念日

第一朗読

エレミヤ31・31-34

わたしがイスラエルの家、ユダの家と新しい契約を結ぶ日が来る

エレミヤの預言

31・31見よ、わたしがイスラエルの家、ユダの家と新しい契約を結ぶ日が来る、と主は言われる。32この契約は、かつてわたしが彼らの先祖の手を取ってエジプトの地から導き出したときに結んだものではない。わたしが彼らの主人であったにもかかわらず、彼らはこの契約を破った、と主は言われる。33しかし、来るべき日に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこれである、と主は言われる。すなわち、わたしの律法を彼らの胸の中に授け、彼らの心にそれを記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。34そのとき、人々は隣人どうし、兄弟どうし、「主を知れ」と言って教えることはない。彼らはすべて、小さい者も大きい者もわたしを知るからである、と主は言われる。わたしは彼らの悪を赦し、再び彼らの罪に心を留めることはない。

答唱詩編

詩編51・12+13、18+19

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、
あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。
13わたしをあなたのもとから退けず、
聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

18あなたはいけにえを望まれず、
はんさいをささげても喜ばれない。
19神よ、わたしのささげものはうち砕かれた心。
あなたは悔い改める心を見捨てられない。

福音朗読

マタイ16・13-23

アレルヤ、アレルヤ。あなたはいわお。この岩の上にわたしの教会を建てよう。地獄の門もこれに勝つことはできない。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

16・13イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。14弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」15イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」16シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。17すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。18わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。19わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」20それから、イエスは、御自分がメシアであることをだれにも話さないように、と弟子たちに命じられた。

21このときから、イエスは、御自分が必ずエルサレムに行って、長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受けて殺され、三日目に復活することになっている、と弟子たちに打ち明け始められた。22すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません。」23イエスは振り向いてペトロに言われた。「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている。」

年間第18金曜日 8月9日(金) 年間

第一朗読

ナホム2・1、3、3・1-3、6-7

見よ、良い知らせを伝え平和を告げる者の足は山の上を行く。

ナホムの預言

2・1見よ、良い知らせを伝え
平和を告げる者の足は山の上を行く。
ユダよ、お前の祭りを祝い、誓願を果たせ。
二度と、よこしまな者がお前の土地を侵すことはない。
彼らはすべて滅ぼされた。

3主はヤコブの誇りを回復される
イスラエルの誇りも同じように。
略奪する者が彼らを略奪し
その枝を荒らしはしたが。

3・1災いだ、流血の町は。
町のすべては偽りに覆われ、略奪に満ち
人を餌食にすることをやめない。
2鞭の音、車輪の響く音
突進する馬、跳び駆ける戦車。
3騎兵は突撃し
剣はきらめき、槍はひらめく。
倒れる者はおびただしく
しかばねは山をなし、死体は数えきれない。
人々は味方の死体につまずく。

6わたしは、お前に憎むべきものを投げつけ
お前を辱め、見せ物にする。
7お前を見る者は皆、お前から逃げて言う。
「ニネベは破壊された
誰が彼女のために嘆くだろうか。」
お前を慰める者はどこを探してもいない。

答唱詩編

詩編50・5+6、7

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編50

50・5「わたしの民を集めよ、
いけにえをささげて契約を結ぶ民を。」
6天は神の正義を告げる。
神はすべてをさばかれる。

7「わたしの民よ、聞け。
わたしはおまえに語る。
イスラエルよ、おまえを戒めよう。
わたしは神、おまえの神。」

福音朗読

マタイ16・24-28

アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・24「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。25自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを得る。26人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。27人の子は、父の栄光に輝いて天使たちと共に来るが、そのとき、それぞれの行いに応じて報いるのである。28はっきり言っておく。ここに一緒にいる人々の中には、人の子がその国と共に来るのを見るまでは、決して死なない者がいる。」

聖ラウレンチオ助祭殉教者 8月10日(土) 聖人の記念

第一朗読

②コリント9・6-10

喜んで与える人を神は愛してくださる

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、9・6惜しんでわずかしか種を蒔かない者は、刈り入れもわずかで、惜しまず豊かに蒔く人は、刈り入れも豊かなのです。7各自、不承不承ではなく、強制されてでもなく、こうしようと心に決めたとおりにしなさい。喜んで与える人を神は愛してくださるからです。8神は、あなたがたがいつもすべての点ですべてのものに十分で、あらゆる善い業に満ちあふれるように、あらゆる恵みをあなたがたに満ちあふれさせることがおできになります。

9「彼は惜しみなく分け与え、貧しい人に施した。
彼の慈しみは永遠に続く」
と書いてあるとおりです。10種を蒔く人に種を与え、パンを糧としてお与えになる方は、あなたがたに種を与えて、それを増やし、あなたがたの慈しみが結ぶ実を成長させてくださいます。

答唱詩編

詩編112・1、6

しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。

詩編112

112・1しあわせな人、神をおそれ、
そのおきてを喜びとする人。

6神に従う人はとこしえにゆるぎなく、
その思い出はいつまでも続く。

福音朗読

ヨハネ12・24-26

アレルヤ、アレルヤ。わたしに従う者はやみの中を歩まず、いのちの光をもつ。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・24「はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。25自分の命を愛する者は、それを失うが、この世で自分の命を憎む人は、それを保って永遠の命に至る。26わたしに仕えようとする者は、わたしに従え。そうすれば、わたしのいるところに、わたしに仕える者もいることになる。わたしに仕える者がいれば、父はその人を大切にしてくださる。」

年間第19主日 8月11日(日) 年間

第一朗読

列王記上19・4-8

起きて食べよ。この旅は長く、あなたには耐え難いからだ。

列王記

その日、王妃イゼベルが自分を殺そうとしていることを知った19・4エリヤは、荒れ野に入り、更に一日の道のりを歩き続けた。彼は一本のえにしだの木の下に来て座り、自分の命が絶えるのを願って言った。「主よ、もう十分です。わたしの命を取ってください。わたしは先祖にまさる者ではありません。」5彼はえにしだの木の下で横になって眠ってしまった。御使いが彼に触れて言った。「起きて食べよ。」6見ると、枕もとに焼き石で焼いたパン菓子と水の入った瓶があったので、エリヤはそのパン菓子を食べ、水を飲んで、また横になった。7主の御使いはもう一度戻って来てエリヤに触れ、「起きて食べよ。この旅は長く、あなたには耐え難いからだ」と言った。8エリヤは起きて食べ、飲んだ。その食べ物に力づけられた彼は、四十日四十夜歩き続け、ついに神の山ホレブに着いた。

答唱詩編

詩編34・2+3、4+5、7+8

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編34

34・2主をたたえよう、
明け暮れ賛美を口にして。
3主はわたしたちの口の誇り、
苦しむ時の心の喜び。

4心を合わせて主をあがめ、
ともにその名をたたえよう。
5主はわたしたちの祈りに心を留め、
すべての恐れを遠ざけてくださる。

7主は貧しい者の叫びを聞き、
悩みの中から救い出し、
8主をおそれる者に使いを送り、
支えとなって守ってくださる。

第二朗読

エフェソ4・30-5・2

わたしたちのために神に献げてくださったように、あなたがたも愛によって歩みなさい。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、4・30神の聖霊を悲しませてはいけません。あなたがたは、聖霊により、購いの日に対して保証されているのです。31無慈悲、憤り、怒り、わめき、そしりなどすべてを、一切の悪意と一緒に捨てなさい。32互いに親切にし、憐れみの心で接し、神がキリストによってあなたがたを赦してくださったように、赦し合いなさい。 5・1あなたがたは神に愛されている子供ですから、神に倣う者となりなさい。2キリストがわたしたちを愛して、御自分を香りのよい供え物、つまり、いけにえとしてわたしたちのために神に献げてくださったように、あなたがたも愛によって歩みなさい。

福音朗読

ヨハネ6・41-51

アレルヤ、アレルヤ。わたしは天から下ったいのちの糧。このパンを食べる人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、6・41ユダヤ人たちは、イエスが「わたしは天から降って来たパンである」と言われたので、イエスのことでつぶやき始め、42こう言った。「これはヨセフの息子のイエスではないか。我々はその父も母も知っている。どうして今、『わたしは天から降って来た』などと言うのか。」43イエスは答えて言われた。「つぶやき合うのはやめなさい。44わたしをお遣わしになった父が引き寄せてくださらなければ、だれもわたしのもとへ来ることはできない。わたしはその人を終わりの日に復活させる。45預言者の書に、『彼らは皆、神によって教えられる』と書いてある。父から聞いて学んだ者は皆、わたしのもとに来る。46父を見た者は一人もいない。神のもとから来た者だけが父を見たのである。47はっきり言っておく。信じる者は永遠の命を得ている。48わたしは命のパンである。49あなたたちの先祖は荒れ野でマンナを食べたが、死んでしまった。50しかし、これは、天から降って来たパンであり、これを食べる者は死なない。51わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる。わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである。」

年間第19月曜日 8月12日(月) 年間

第一朗読

エゼキエル1・2-5、24-28c

これが主の栄光の姿の有様であった。

エゼキエルの預言

1・2それは、ヨヤキン王が捕囚となって第五年の、その月の五日のことであった。3カルデアの地ケバル川の河畔で、主の言葉が祭司ブジの子エゼキエルに臨み、また、主の御手が彼の上に臨んだ。

4わたしが見ていると、北の方から激しい風が大いなる雲を巻き起こし、火を発し、周囲に光を放ちながら吹いてくるではないか。その中、つまりその火の中には、琥珀金の輝きのようなものがあった。5またその中には、四つの生き物の姿があった。その有様はこうであった。彼らは人間のようなものであった。

24それらが移動するとき、翼の羽ばたく音をわたしは聞いたが、それは大水の音のように、全能なる神の御声のように聞こえ、また、陣営のどよめきのようにも聞こえた。それらが止まっているとき、翼は垂れていた。

25生き物の頭上にある大空から音が響いた。それらが止まっているとき、翼は垂れていた。26生き物の頭上にある大空の上に、サファイアのように見える王座の形をしたものがあり、王座のようなものの上には高く人間のように見える姿をしたものがあった。27腰のように見えるところから上は、琥珀金が輝いているようにわたしには見えた。それは周りに燃えひろがる火のように見えた。腰のように見えるところから下は、火のように見え、周囲に光を放っていた。28周囲に光を放つ様は、雨の日の雲に現れる虹のように見えた。これが主の栄光の姿の有様であった。わたしはこれを見てひれ伏した。

答唱詩編

詩編148・1+2、13+14

いのちあるすベてのものは、神をたたえよ。

詩編148

148・1天は神をたたえよ。
天にあるすベてのものは神をたたえよ。
2神の使いは神をたたえよ。
すべてのカは神をたたえよ。

13すべての者は神の名をたたえよ。
神は偉大。その栄光は天地を覆う。
14神は、その民を高められた。
神に選ばれた民、イスラエルは賛美の声をあげる。

福音朗読

マタイ17・22-27

アレルヤ、アレルヤ。福音によって神は私たちを召し出し、主イエス・キリストの栄光にあずかる者としてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

イエスと弟子たち17・22がガリラヤに集まったとき、イエスは言われた。「人の子は人々の手に引き渡されようとしている。23そして殺されるが、三日目に復活する。」弟子たちは非常に悲しんだ。

24一行がカファルナウムに来たとき、神殿税を集める者たちがペトロのところに来て、「あなたたちの先生は神殿税を納めないのか」と言った。25ペトロは、「納めます」と言った。そして家に入ると、イエスの方から言いだされた。「シモン、あなたはどう思うか。地上の王は、税や貢ぎ物をだれから取り立てるのか。自分の子供たちからか、それともほかの人々からか。」26ペトロが「ほかの人々からです」と答えると、イエスは言われた。「では、子供たちは納めなくてよいわけだ。27しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣りをしなさい。最初に釣れた魚を取って口を開けると、銀貨が一枚見つかるはずだ。それを取って、わたしとあなたの分として納めなさい。」

年間第19火曜日 8月13日(火) 年間

第一朗読

エゼキエル2・3-3・4

人の子よ、イスラエルの家に行き、わたしの言葉を彼らに語りなさい。

エゼキエルの預言

主は言われる。2・8「人の子よ、わたしがあなたに語ることを聞きなさい。あなたは反逆の家のように背いてはならない。口を開いて、わたしが与えるものを食べなさい。」9わたしが見ていると、手がわたしに差し伸べられており、その手に巻物があるではないか。10彼がそれをわたしの前に開くと、表にも裏にも文字が記されていた。それは哀歌と、呻きと、嘆きの言葉であった。

3・1彼はわたしに言われた。「人の子よ、目の前にあるものを食べなさい。この巻物を食べ、行ってイスラエルの家に語りなさい。」2わたしが口を開くと、主はこの巻物をわたしに食べさせて、3言われた。「人の子よ、わたしが与えるこの巻物を胃袋に入れ、腹を満たせ。」わたしがそれを食べると、それは蜜のように口に甘かった。

4主はわたしに言われた。「人の子よ、イスラエルの家に行き、わたしの言葉を彼らに語りなさい。」

答唱詩編

詩編119・57+72、111+124

主よ、あなたは永遠のいのちのことば。

詩編119

119・57神よ、あなたはわたしのすべて。
あなたのことばをわたしは守る。
72あなたの教えはすばらしい、
すべての金銀にまさる。

111あなたのさとしはとこしえに
わたしの宝、わたしの心の喜び。
124わたしにいつくしみを現し、
おきてを授けてください。

福音朗読

マタイ18・1-5、10、12-14

アレルヤ、アレルヤ。わたしは心優しく、へりくだり者。わたしのくびきを受けて、わたしにならいなさい。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

18・1そのとき、弟子たちがイエスのところに来て、「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」と言った。2そこで、イエスは一人の子供を呼び寄せ、彼らの中に立たせて、3言われた。「はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。4自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。5わたしの名のためにこのような一人の子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。

10これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。言っておくが、彼らの天使たちは天でいつもわたしの天の父の御顔を仰いでいるのである。12あなたがたはどう思うか。ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を山に残しておいて、迷い出た一匹を捜しに行かないだろうか。13はっきり言っておくが、もし、それを見つけたら、迷わずにいた九十九匹より、その一匹のことを喜ぶだろう。14そのように、これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない。」

聖マキシミリアノ・マリア・コルベ 司祭殉教者 8月14日(水) 記念日

第一朗読

エゼキエル9・1-7、10・18-22

主は大声でわたしの耳に語った。

エゼキエルの預言

9・1主は大声でわたしの耳に語った。「この都を罰する者たちよ、おのおの破壊する道具を手にして近寄れ。」2すると、北に面する上の門に通ずる道から、六人の男がそれぞれ突き崩す道具を手にしてやって来るではないか。そのうちの一人は亜麻布をまとい、腰に書記の筆入れを着けていた。彼らはやって来ると、青銅の祭壇の傍らに立った。3すると、ケルビムの上にとどまっていたイスラエルの神の栄光はそこから昇って、神殿の敷居の方に向かい、亜麻布をまとい、腰に書記の筆入れを着けた者に呼びかけた。4主は彼に言われた。「都の中、エルサレムの中を巡り、その中で行われているあらゆる忌まわしいことのゆえに、嘆き悲しんでいる者の額に印を付けよ。」5また、他の者たちに言っておられるのが、わたしの耳に入った。「彼の後ろについて都の中を巡れ。打て。慈しみの目を注いではならない。憐れみをかけてはならない。6老人も若者も、おとめも子供も人妻も殺して、滅ぼし尽くさなければならない。しかし、あの印のある者に近づいてはならない。さあ、わたしの神殿から始めよ。」彼らは、神殿の前にいた長老たちから始めた。7主はまた彼らに言われた。「神殿を汚し、その庭を、殺された者で満たせ。さあ、出て行くのだ。」彼らは出て行き、都の人々を打った。

18主の栄光は神殿の敷居の上から出て、ケルビムの上にとどまった。19ケルビムは翼を広げ、傍らの車輪と共に出て行くとき、わたしの目の前で地から上って行き、主の神殿の東の門の入り口で止まった。イスラエルの神の栄光は高くその上にあった。20これがケバル川の河畔で、わたしがイスラエルの神のもとにいるのを見たあの生き物である。わたしは、それがケルビムであることを知った。21そのそれぞれに四つの顔と四つの翼があり、翼の下には人間の手の形をしたものがあった。22これらの顔の形は、まさしく、わたしがケバル川の河畔で見た顔であった。それらは同じような有様をしており、おのおのまっすぐに進んで行った。

答唱詩編

詩編113・1+2、3+4

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

詩編113

113・1ほめよ、神に仕える者よ、
神の名をほめたたえよ。
2神の名に賛美、
今よりとこしえに。

3日ののぼるところから沈むところまで、
神の名はたたえられる。
4神はすべての民にあがめられ、
その栄光は天にそびえる。

福音朗読

マタイ18・15-20

アレルヤ、アレルヤ。神はキリストのうちに世をご自分に和解させ、和解のことばをわたしたちにゆだねられた。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。18・15「兄弟があなたに対して罪を犯したなら、行って二人だけのところで忠告しなさい。言うことを聞き入れたら、兄弟を得たことになる。16聞き入れなければ、ほかに一人か二人、一緒に連れて行きなさい。すべてのことが、二人または三人の証人の口によって確定されるようになるためである。17それでも聞き入れなければ、教会に申し出なさい。教会の言うことも聞き入れないなら、その人を異邦人か徴税人と同様に見なしなさい。

18はっきり言っておく。あなたがたが地上でつなぐことは、天上でもつながれ、あなたがたが地上で解くことは、天上でも解かれる。19また、はっきり言っておくが、どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。20二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである。」

聖母の被昇天・前晩のミサ 8月14日(水) 聖人の記念

第一朗読

歴代誌上15・3-4、15-16、16・1-2

ダビデは主の御名によって民を祝福した。

歴代誌

その日、15・3ダビデはイスラエルのすべての人々をエルサレムに召集し、主の箱を運び上げて、そのために整えた場所に納めようとした。4彼はまたアロンの子らとレビ人たちを呼び集めた。15主の言葉に従ってモーセが命じたように、レビ人たちが竿を肩に当てて神の箱を担いだ。16ダビデはレビ人の長たちに命じて、詠唱者であるその兄弟たちを任務に就かせ、琴、竪琴、シンバルなどの楽器を奏で、声を張り上げ、喜び祝うようにさせた。16・1人々は神の箱を運び入れ、ダビデの張った天幕の中に安置し、神の御前に焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげた。2焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげ終わると、ダビデは主の御名によって民を祝福した。

答唱詩編。

詩編89・21+22、29+35

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編89

89・21わたしはしもべダビドを選び、
とうとい油を彼に注いだ。
22わたしの手はいつも彼とともにあり、
わたしの腕は彼を強める。

29わたしのいつくしみは永遠に変わることなく、
わたしの結んだ契約はとこしえに保たれる。
35わたしは契約を破らず、
約束したことばを変えない。

第二朗読

①コリント15・54-57

わたしたちの主イエス・キリストによってわたしたちに勝利を賜る神に、感謝しよう。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、15・54この朽ちるべきものが朽ちないものを着、この死ぬべきものが死なないものを着るとき、次のように書かれている言葉が実現するのです。

「死は勝利にのみ込まれた。
55死よ、お前の勝利はどこにあるのか。
死よ、お前のとげはどこにあるのか。」

56死のとげは罪であり、罪の力は律法です。57わたしたちの主イエス・キリストによってわたしたちに勝利を賜る神に、感謝しよう。

福音朗読

ルカ11・27-28

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

11・27そのとき、イエスがこれらのことを話しておられると、ある女が群衆の中から声高らかに言った。「なんと幸いなことでしょう、あなたを宿した胎、あなたが吸った乳房は。」28しかし、イエスは言われた。「むしろ、幸いなのは神の言葉を聞き、それを守る人である。」

聖母の被昇天 8月15日(木) 聖人の記念

第一朗読

黙示録11・19a、12・1-6、10ab

一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にしていた。

ヨハネの黙示

11・19a天にある神の神殿が開かれて、その神殿の中にある契約の箱が見えた。

12・1また、天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。2女は身ごもっていたが、子を産む痛みと苦しみのため叫んでいた。3また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた。4竜の尾は、天の星の三分の一を掃き寄せて、地上に投げつけた。そして、竜は子を産もうとしている女の前に立ちはだかり、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。5女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖ですべての国民を治めることになっていた。子は神のもとへ、その玉座へ引き上げられた。6女は荒れ野へ逃げ込んだ。そこには、神の用意された場所があった。

10abわたしは、天で大きな声が次のように言うのを、聞いた。

「今や、我々の神の救いと力と支配が現れた。
神のメシアの権威が現れた。」

答唱詩編

詩編45・3+4、11+12

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編45

45・3あなたは人の子のうちたぐいなく美しく、
気品はあなたの口もとにただよう。
4神はとこしえにあなたを祝福される。
あなたは光と輝きを身にまとう。

11娘よ、聞け、耳を傾けよ、
おまえの民と父母の家を忘れよ。
12おまえの麗しさを慕う王を主とあがめ、
心を尽くして仕えよ。

第二朗読

①コリント15・20-27a

最初にキリスト、次いで、キリストに属している人たち。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、15・20キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。21死が一人の人によって来たのだから、死者の復活も一人の人によって来るのです。22つまり、アダムによってすべての人が死ぬことになったように、キリストによってすべての人が生かされることになるのです。23ただ、一人一人にそれぞれ順序があります。最初にキリスト、次いで、キリストが来られるときに、キリストに属している人たち、24次いで、世の終わりが来ます。そのとき、キリストはすべての支配、すべての権威や勢力を滅ぼし、父である神に国を引き渡されます。25キリストはすべての敵を御自分の足の下に置くまで、国を支配されることになっているからです。最後の敵として、死が滅ぼされます。「神は、すべてをその足の下に服従させた」からです。

福音朗読

ルカ1・39-56

アレルヤ、アレルヤ。マリアは天に上げられた。天使の群れは喜び輝く。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」

46そこで、マリアは言った。

「わたしの魂は主をあがめ、
47わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。
48身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださったからです。
今から後、いつの世の人もわたしを幸いな者と言うでしょう、
49力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。
その御名は尊く、
50その憐れみは代々に限りなく、
主を畏れる者に及びます。
51主はその腕で力を振るい、
思い上がる者を打ち散らし、
52権力ある者をその座から引き降ろし、
身分の低い者を高く上げ、
53飢えた人を良い物で満たし、
富める者を空腹のまま追い返されます。
54その僕イスラエルを受け入れて、
憐れみをお忘れになりません、
55わたしたちの先祖におっしゃったとおり、
アブラハムとその子孫に対してとこしえに。」

56マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。

年間第19金曜日 8月16日(金) 年間

第一朗読

エゼキエル16・1-15、60、63

お前の若い日にお前と結んだわたしの契約を思い起こし、お前に対して永遠の契約を立てる。

エゼキエルの預言

16・1主の言葉がわたしに臨んだ。2「人の子よ、エルサレムにその忌まわしいことを知らせなさい。3あなたは言わねばならない。主なる神は、エルサレムに対してこう言われる。お前の出身、お前の生まれはカナン人の地。父はアモリ人、母はヘト人である。4誕生について言えば、お前の生まれた日に、お前のへその緒を切ってくれる者も、水で洗い、油を塗ってくれる者も、塩でこすり、布にくるんでくれる者もいなかった。5だれもお前に目をかけず、これらのことの一つでも行って、憐れみをかける者はいなかった。お前が生まれた日、お前は嫌われて野に捨てられた。6しかし、わたしがお前の傍らを通って、お前が自分の血の中でもがいているのを見たとき、わたしは血まみれのお前に向かって、『生きよ』と言った。血まみれのお前に向かって、『生きよ』と言ったのだ。7わたしは、野の若草のようにお前を栄えさせた。それでお前は、健やかに育ち、成熟して美しくなり、胸の形も整い、髪も伸びた。だが、お前は裸のままであった。8その後、わたしがお前の傍らを通ってお前を見たときには、お前は愛される年ごろになっていた。そこでわたしは、衣の裾を広げてお前に掛け、裸を覆った。わたしはお前に誓いを立てて、契約を結び、お前は、わたしのものになった、と主なる神は言われる。

9わたしはお前を水で洗い、血を洗い落とし、油を塗った。10そして、美しく織った服を着せ、上質の革靴を履かせ、亜麻布を頭にかぶらせ、絹の衣を掛けてやった。11わたしはまた、装身具をお前につけ、腕には腕輪、首には首飾りをつけた。12また、鼻に飾りの輪を、耳には耳輪を、頭には美しい冠をかぶらせた。13こうして、お前は金銀で身を飾り、亜麻布と絹とで美しく織った服を身に着けた。そして小麦粉と蜂蜜と油を食物とした。こうしてお前は非常に美しくなり、女王のようになった。14その美しさのゆえに、お前の名は国々の間に広まった。わたしがお前を装わせた装いには、少しも欠けるところがなかったからである、と主なる神は言われる。

15それなのに、お前はその美しさを頼みとし、自分の名声のゆえに姦淫を行った。お前は通りかかる者すべてにこびを売り、身をまかせた。

60だが、わたしは、お前の若い日にお前と結んだわたしの契約を思い起こし、お前に対して永遠の契約を立てる。63こうして、お前が行ったすべてのことについて、わたしがお前を赦すとき、お前は自分のしたことを思い起こして恥じ、自分の不名誉のゆえに、二度と口を開くことはできなくなる」と主なる神は言われる。

答唱詩編

イザヤ12・2、4、

喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

イザヤ12

12・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。
神はわたしの力、わたしの歌、わたしの救い。

4神をたたえ、その名を呼ぼう。
神のわざをすべての民に伝え、その名の誉れを語り告げよう。

福音朗読

マタイ19・3-12

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたに宣べ伝えられた福音は、永遠に留まる神の言葉。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、19・3ファリサイ派の人々が近寄り、イエスを試そうとして、「何か理由があれば、夫が妻を離縁することは、律法に適っているでしょうか」と言った。4イエスはお答えになった。「あなたたちは読んだことがないのか。創造主は初めから人を男と女とにお造りになった。」5そして、こうも言われた。「それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。6だから、二人はもはや別々ではなく、一体である。従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」7すると、彼らはイエスに言った。「では、なぜモーセは、離縁状を渡して離縁するように命じたのですか。」8イエスは言われた。「あなたたちの心が頑固なので、モーセは妻を離縁することを許したのであって、初めからそうだったわけではない。9言っておくが、不法な結婚でもないのに妻を離縁して、他の女を妻にする者は、姦通の罪を犯すことになる。」10弟子たちは、「夫婦の間柄がそんなものなら、妻を迎えない方がましです」と言った。11イエスは言われた。「だれもがこの言葉を受け入れるのではなく、恵まれた者だけである。12結婚できないように生まれついた者、人から結婚できないようにされた者もいるが、天の国のために結婚しない者もいる。これを受け入れることのできる人は受け入れなさい。」

年間第19土曜日 8月17日(土) 年間

第一朗読

エゼキエル18・1-10、13b、30-32

わたしはだれの死をも喜ばない。お前たちは立ち帰って、生きよ

エゼキエルの預言

18・1主の言葉がわたしに臨んだ。2「お前たちがイスラエルの地で、このことわざを繰り返し口にしているのはどういうことか。
『先祖が酸いぶどうを食べれば
子孫の歯が浮く』と。
3わたしは生きている、と主なる神は言われる。お前たちはイスラエルにおいて、このことわざを二度と口にすることはない。4すべての命はわたしのものである。父の命も子の命も、同様にわたしのものである。罪を犯した者、その人が死ぬ。

5もし、ある人が正しく、正義と恵みの業を行うなら、6すなわち、山の上で偶像の供え物を食べず、イスラエルの家の偶像を仰ぎ見ず、隣人の妻を犯さず、生理中の女性に近づかず、7人を抑圧せず、負債者の質物を返し、力ずくで奪わず、飢えた者に自分のパンを与え、裸の者に衣服を着せ、8利息を天引きして金を貸さず、高利を取らず、不正から手を引き、人と人との間を真実に裁き、9わたしの掟に従って歩み、わたしの裁きを忠実に守るなら、彼こそ正しい人で、彼は必ず生きる、と主なる神は言われる。

10彼に生まれた息子が乱暴者で、これらの事の一つでも行う人の血を流すならば、彼は生きることができようか。彼はこれらの忌まわしいことをしたのだから、必ず死ぬ。その死の責任は彼にある。

30それゆえ、イスラエルの家よ。わたしはお前たちひとりひとりをその道に従って裁く、と主なる神は言われる。悔い改めて、お前たちのすべての背きから立ち帰れ。罪がお前たちをつまずかせないようにせよ。31お前たちが犯したあらゆる背きを投げ捨てて、新しい心と新しい霊を造り出せ。イスラエルの家よ、どうしてお前たちは死んでよいだろうか。32わたしはだれの死をも喜ばない。お前たちは立ち帰って、生きよ」と主なる神は言われる。

答唱詩編

詩編51・12+13、14+15

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、
あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。
13わたしをあなたのもとから退けず、
聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

14救いの喜びをわたしに返し、
あなたのいぶきを送って、喜び仕える心を支えてください。
15わたしはあなたへの道を教えよう、
罪びとがあなたのもとに帰るように。

福音朗読

マタイ19・13-15

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

19・13そのとき、イエスに手を置いて祈っていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った。14しかし、イエスは言われた。「子供たちを来させなさい。わたしのところに来るのを妨げてはならない。天の国はこのような者たちのものである。」15そして、子供たちに手を置いてから、そこを立ち去られた。

年間第20主日 8月18日(日) 年間

第一朗読

蔵言9・1-6

浅はかな者はだれでも立ち寄るがよい。

箴言

9・1知恵は家を建て、七本の柱を刻んで立てた。
2獣を屠り、酒を調合し、食卓を整え
3はしためを町の高い所に遣わして
呼びかけさせた。
4「浅はかな者はだれでも立ち寄るがよい。」
意志の弱い者にはこう言った。
5「わたしのパンを食べ、
わたしが調合した酒を飲むがよい
6浅はかさを捨て、命を得るために
分別の道を進むために。」

答唱詩編

詩編145・10+11、13ab+14、15+16

いのちあるすべてのものに、主は食物を恵まれる。

詩編145

145・10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝してうたう。
11彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるあなたのわざを告げる。

13abあなたの国は永遠の国。
あなたの支配は世々に及ぶ。
14神は悩みのうちにある者を支え、
倒れる者をすべて立たせてくださる。

15神を待ち望むすべてのものに、
いのちのかてを豊かに恵まれる。
16生きているすべてのものの願いを、
神は豊かに満たされる。

第二朗読

エフェソ5・15-20

主イエス・キリストの名により、父である神に感謝しなさい。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、5・15愚かな者としてではなく、賢い者として、細かく気を配って歩みなさい。16時をよく用いなさい。今は悪い時代なのです。17だから、無分別な者とならず、主の御心が何であるかを悟りなさい。18酒に酔いしれてはなりません。それは身を持ち崩すもとです。むしろ、霊に満たされ、19詩編と賛歌と霊的な歌によって語り合い、主に向かって心からほめ歌いなさい。20そして、いつも、あらゆることについて、わたしたちの主イエス・キリストの名により、父である神に感謝しなさい。

福音朗読

ヨハネ6・51-58

アレルヤ、アレルヤ。わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む人は、わたしのうちに留まり、わたしもその人のうちにいる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはユダヤ人たちに言われた。6・51「わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる。わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである。」

52それで、ユダヤ人たちは、「どうしてこの人は自分の肉を我々に食べさせることができるのか」と、互いに激しく議論し始めた。53イエスは言われた。「はっきり言っておく。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたたちの内に命はない。54わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。55わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物だからである。56わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、いつもわたしの内におり、わたしもまたいつもその人の内にいる。57生きておられる父がわたしをお遣わしになり、またわたしが父によって生きるように、わたしを食べる者もわたしによって生きる。58これは天から降って来たパンである。先祖が食べたのに死んでしまったようなものとは違う。このパンを食べる者は永遠に生きる。」

年間第20月曜日 8月19日(月) 年間

第一朗読

エゼキエル24・15-24

すべてが実現したとき、お前たちは、わたしが主なる神であることを知るようになる

エゼキエルの預言

24・15主の言葉がわたしに臨んだ。16「人の子よ、わたしはあなたの目の喜びを、一撃をもってあなたから取り去る。あなたは嘆いてはならない。泣いてはならない。涙を流してはならない。17声をあげずに悲しめ。死者の喪に服すな。頭にターバンを巻き、足に靴を履きなさい。口ひげを覆うな。嘆きのパンを食べてはならない。」

18朝、わたしは人々に語っていた。その夕、わたしの妻は死んだ。翌朝、わたしは命じられたとおりに行った。19人々はわたしに尋ねた。「あなたが行っているこれらの事は、我々にどんな意味があるのか告げてくれないか」と。20そこでわたしは、彼らに語った。「主の言葉がわたしに臨んだ。21イスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。わたしは、わたしの聖所を汚す。それはお前たちの誇る砦であり、目の喜び、心の慕うものであった。お前たちが残してきた息子、娘たちは、剣によって滅びる。22わたしがしたように、お前たちもするようになる。お前たちは口ひげを覆ってはならない。嘆きのパンを食べてはならない。23頭にターバンを巻き、足に靴を履け。また、嘆いてはならない。泣いてはならない。お前たちは自分の罪のゆえに衰え、互いに嘆くようになる。24エゼキエルは、お前たちにとってしるしとなる。すべて彼が行ったように、お前たちもするであろう。すべてが実現したとき、お前たちは、わたしが主なる神であることを知るようになる。」

答唱詩編

詩編130・3+4、7a+8

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編130

130・3あなたが悪に目を留められるなら、
だれがみ前に立てよう。
4しかし、あなたのゆるしのために、
人はあなたをおそれ尊ぶ。

7aイスラエルよ、イスラエルよ、
主を待ち望め。8主はすべての罪から、
イスラエルを救われる。

福音朗読

マタイ19・16-22

アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、19・16一人の男がイエスに近寄って来て言った。「先生、永遠の命を得るには、どんな善いことをすればよいのでしょうか。」17イエスは言われた。「なぜ、善いことについて、わたしに尋ねるのか。善い方はおひとりである。もし命を得たいのなら、掟を守りなさい。」18男が「どの掟ですか」と尋ねると、イエスは言われた。「『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、19父母を敬え、また、隣人を自分のように愛しなさい。』」20そこで、この青年は言った。「そういうことはみな守ってきました。まだ何か欠けているでしょうか。」21イエスは言われた。「もし完全になりたいのなら、行って持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」22青年はこの言葉を聞き、悲しみながら立ち去った。たくさんの財産を持っていたからである。

聖ベルナルド 修道院長教会博士 8月20日(火) 記念日

第一朗読

エゼキエル28・1-10

わたしは神だ。わたしは海の真ん中にある神々の住みかに住まう

エゼキエルの預言

28・1主の言葉がわたしに臨んだ。2「人の子よ、ティルスの君主に向かって言いなさい。主なる神はこう言われる。お前の心は高慢になり、そして言った。『わたしは神だ。わたしは海の真ん中にある神々の住みかに住まう』と。しかし、お前は人であって神ではない。ただ、自分の心が神の心のようだ、と思い込んでいるだけだ。3お前はダニエルよりも賢く、いかなる奥義もお前には隠されていない。4お前は知恵と悟りによって富を積み、金銀を宝庫に蓄えた。5お前は取り引きに知恵を大いに働かせて富を増し加え、お前の心は富のゆえに高慢になった。

6それゆえ、主なる神はこう言われる。お前は自分の心が神の心のようだと思い込んでいる。7それゆえ、わたしはお前に対して諸国の中でも最も暴虐な外国人を立ち向かわせる。彼らはお前の知恵の誇りに向かって剣を抜き、お前の栄華を汚し、8お前を陰府に突き落とす。お前は海の真ん中で切り倒されて死ぬ。9お前は自分を殺す者の前でもなお、『わたしは神だ』と言い張るのか。お前は人であって、神ではなく、切り倒す者の手にある。10お前は割礼のない者として、外国人の手にかかって死ぬ。まことにわたしがこのことを語った」と主なる神は言われる。

答唱詩編

詩編31・2+3、24+25

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編31

31・2神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。
とこしえに恥を負わせず、正義によって救ってください。
3耳を傾け急いで助け、身を避ける岩、
わたしを救うとりでとなってください。

24神を信じるすべての人よ、神を愛せ。
神は誠実に生きる人を守られ、思いあがる者にきびしい。
25神を待ち望むすべての人よ、
強くたくましく生きよ。

福音朗読

マタイ19・23-30

アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは富んでおられたのに、貧しくなられた。あなたがたがキリストの貧しさによって富むように。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、19・23イエスは弟子たちに言われた。「はっきり言っておく。金持ちが天の国に入るのは難しい。24重ねて言うが、金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」25弟子たちはこれを聞いて非常に驚き、「それでは、だれが救われるのだろうか」と言った。26イエスは彼らを見つめて、「それは人間にできることではないが、神は何でもできる」と言われた。27すると、ペトロがイエスに言った。「このとおり、わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました。では、わたしたちは何をいただけるのでしょうか。」28イエスは一同に言われた。「はっきり言っておく。新しい世界になり、人の子が栄光の座に座るとき、あなたがたも、わたしに従って来たのだから、十二の座に座ってイスラエルの十二部族を治めることになる。29わたしの名のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子供、畑を捨てた者は皆、その百倍もの報いを受け、永遠の命を受け継ぐ。30しかし、先にいる多くの者が後になり、後にいる多くの者が先になる。」

聖ピオ十世 教皇 8月21日(水) 記念日

第一朗読

エゼキエル34・1-11

見よ、わたしは自ら自分の群れを探し出し、彼らの世話をする

エゼキエルの預言

34・1主の言葉がわたしに臨んだ。2「人の子よ、イスラエルの牧者たちに対して預言し、牧者である彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。災いだ、自分自身を養うイスラエルの牧者たちは。牧者は群れを養うべきではないか。3お前たちは乳を飲み、羊毛を身にまとい、肥えた動物を屠るが、群れを養おうとはしない。4お前たちは弱いものを強めず、病めるものをいやさず、傷ついたものを包んでやらなかった。また、追われたものを連れ戻さず、失われたものを探し求めず、かえって力ずくで、苛酷に群れを支配した。5彼らは飼う者がいないので散らされ、あらゆる野の獣の餌食となり、ちりぢりになった。6わたしの群れは、すべての山、すべての高い丘の上で迷う。また、わたしの群れは地の全面に散らされ、だれひとり、探す者もなく、尋ね求める者もない。7それゆえ、牧者たちよ。主の言葉を聞け。8わたしは生きている、と主なる神は言われる。まことに、わたしの群れは略奪にさらされ、わたしの群れは牧者がいないため、あらゆる野の獣の餌食になろうとしているのに、わたしの牧者たちは群れを探しもしない。牧者は群れを養わず、自分自身を養っている。9それゆえ牧者たちよ、主の言葉を聞け。10主なる神はこう言われる。見よ、わたしは牧者たちに立ち向かう。わたしの群れを彼らの手から求め、彼らに群れを飼うことをやめさせる。牧者たちが、自分自身を養うことはもはやできない。わたしが彼らの口から群れを救い出し、彼らの餌食にはさせないからだ。

11まことに、主なる神はこう言われる。見よ、わたしは自ら自分の群れを探し出し、彼らの世話をする。」

答唱詩編

詩編23・2+3、6

主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。

詩編23

23・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、
いこいの水辺に伴われる。
3神はわたしを生き返らせ、
いつくしみによって正しい道に導かれる。

6神の恵みといつくしみに
生涯伴われ、
わたしはとこしえに
神の家に生きる。

福音朗読

マタイ20・1-16

アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。20・1「天の国は次のようにたとえられる。ある家の主人が、ぶどう園で働く労働者を雇うために、夜明けに出かけて行った。2主人は、一日につき一デナリオンの約束で、労働者をぶどう園に送った。3また、九時ごろ行ってみると、何もしないで広場に立っている人々がいたので、4『あなたたちもぶどう園に行きなさい。ふさわしい賃金を払ってやろう』と言った。5それで、その人たちは出かけて行った。主人は、十二時ごろと三時ごろにまた出て行き、同じようにした。6五時ごろにも行ってみると、ほかの人々が立っていたので、『なぜ、何もしないで一日中ここに立っているのか』と尋ねると、7彼らは、『だれも雇ってくれないのです』と言った。主人は彼らに、『あなたたちもぶどう園に行きなさい』と言った。8夕方になって、ぶどう園の主人は監督に、『労働者たちを呼んで、最後に来た者から始めて、最初に来た者まで順に賃金を払ってやりなさい』と言った。9そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った。10最初に雇われた人たちが来て、もっと多くもらえるだろうと思っていた。しかし、彼らも一デナリオンずつであった。11それで、受け取ると、主人に不平を言った。12『最後に来たこの連中は、一時間しか働きませんでした。まる一日、暑い中を辛抱して働いたわたしたちと、この連中とを同じ扱いにするとは。』13主人はその一人に答えた。『友よ、あなたに不当なことはしていない。あなたはわたしと一デナリオンの約束をしたではないか。14自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。15自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。』16このように、後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」

天の元后聖マリア 8月22日(木) 記念日

第一朗読

エゼキエル36・23-28

お前たちはわたしの民となりわたしはお前たちの神となる

エゼキエルの預言

主なる神は言われる。36・23「わたしは、お前たちが国々で汚したため、彼らの間で汚されたわが大いなる名を聖なるものとする。わたしが彼らの目の前で、お前たちを通して聖なるものとされるとき、諸国民は、わたしが主であることを知るようになる。24わたしはお前たちを国々の間から取り、すべての地から集め、お前たちの土地に導き入れる。

25わたしが清い水をお前たちの上に振りかけるとき、お前たちは清められる。わたしはお前たちを、すべての汚れとすべての偶像から清める。26わたしはお前たちに新しい心を与え、お前たちの中に新しい霊を置く。わたしはお前たちの体から石の心を取り除き、肉の心を与える。27また、わたしの霊をお前たちの中に置き、わたしの掟に従って歩ませ、わたしの裁きを守り行わせる。28お前たちは、わたしが先祖に与えた地に住むようになる。お前たちはわたしの民となりわたしはお前たちの神となる。」

答唱詩編

詩編51・12+13、14+15

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

詩編51

51・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、
あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。
13わたしをあなたのもとから退けず、
聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

14救いの喜びをわたしに返し、
あなたのいぶきを送って、喜び仕える心を支えてください。
15わたしはあなたへの道を教えよう、
罪びとがあなたのもとに帰るように。

福音朗読

マタイ22・1-14

アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは祭司長や民の長老たちに22・1たとえを用いて語られた。2「天の国は、ある王が王子のために婚宴を催したのに似ている。3王は家来たちを送り、婚宴に招いておいた人々を呼ばせたが、来ようとしなかった。4そこでまた、次のように言って、別の家来たちを使いに出した。『招いておいた人々にこう言いなさい。「食事の用意が整いました。牛や肥えた家畜を屠って、すっかり用意ができています。さあ、婚宴においでください。」』5しかし、人々はそれを無視し、一人は畑に、一人は商売に出かけ、6また、他の人々は王の家来たちを捕まえて乱暴し、殺してしまった。7そこで、王は怒り、軍隊を送って、この人殺しどもを滅ぼし、その町を焼き払った。8そして、家来たちに言った。『婚宴の用意はできているが、招いておいた人々は、ふさわしくなかった。9だから、町の大通りに出て、見かけた者はだれでも婚宴に連れて来なさい。』10そこで、家来たちは通りに出て行き、見かけた人は善人も悪人も皆集めて来たので、婚宴は客でいっぱいになった。11王が客を見ようと入って来ると、婚礼の礼服を着ていない者が一人いた。12王は、『友よ、どうして礼服を着ないでここに入って来たのか』と言った。この者が黙っていると、13王は側近の者たちに言った。『この男の手足を縛って、外の暗闇にほうり出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』14招かれる人は多いが、選ばれる人は少ない。」

年間第20金曜日 8月23日(金) 年間

第一朗読

エゼキエル37・1-14

わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる

エゼキエルの預言

その日、37・1主の手がわたしの上に臨んだ。わたしは主の霊によって連れ出され、ある谷の真ん中に降ろされた。そこは骨でいっぱいであった。2主はわたしに、その周囲を行き巡らせた。見ると、谷の上には非常に多くの骨があり、また見ると、それらは甚だしく枯れていた。3そのとき、主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨は生き返ることができるか。」わたしは答えた。「主なる神よ、あなたのみがご存じです。」4そこで、主はわたしに言われた。「これらの骨に向かって預言し、彼らに言いなさい。枯れた骨よ、主の言葉を聞け。5これらの骨に向かって、主なる神はこう言われる。見よ、わたしはお前たちの中に霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。6わたしは、お前たちの上に筋をおき、肉を付け、皮膚で覆い、霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。そして、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。」

7わたしは命じられたように預言した。わたしが預言していると、音がした。見よ、カタカタと音を立てて、骨と骨とが近づいた。8わたしが見ていると、見よ、それらの骨の上に筋と肉が生じ、皮膚がその上をすっかり覆った。しかし、その中に霊はなかった。9主はわたしに言われた。「霊に預言せよ。人の子よ、預言して霊に言いなさい。主なる神はこう言われる。霊よ、四方から吹き来れ。霊よ、これらの殺されたものの上に吹きつけよ。そうすれば彼らは生き返る。」

10わたしは命じられたように預言した。すると、霊が彼らの中に入り、彼らは生き返って自分の足で立った。彼らは非常に大きな集団となった。

11主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。彼らは言っている。『我々の骨は枯れた。我々の望みはうせ、我々は滅びる』と。12それゆえ、預言して彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。わたしはお前たちの墓を開く。わが民よ、わたしはお前たちを墓から引き上げ、イスラエルの地へ連れて行く。13わたしが墓を開いて、お前たちを墓から引き上げるとき、わが民よ、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。14また、わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。わたしはお前たちを自分の土地に住まわせる。そのとき、お前たちは主であるわたしがこれを語り、行ったことを知るようになる」と主は言われる。

答唱詩編

詩編107・1+2a、3+8

神のいつくしみをとこしえにうたい、主のまことを代々に告げよう。

詩編107

107・1「神に感謝せよ。
神はいつくしみ深く、
そのあわれみは永遠。」
2a神にあがなわれた者は叫べ。

3東と西、北と南の
すべての地から集められた者は叫べ。
8「人の子らよ、神のいつくしみと、
その不思議なわざに感謝せよ」と。

福音朗読

マタイ22・34-40

アレルヤ、アレルヤ。主よ、話してください。しもべは聞きます。あなたは永遠のいのちのことばをもっておられます。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、22・34ファリサイ派の人々は、イエスがサドカイ派の人々を言い込められたと聞いて、一緒に集まった。35そのうちの一人、律法の専門家が、イエスを試そうとして尋ねた。36「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」37イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』38これが最も重要な第一の掟である。39第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』40律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」

聖バルトロマイ使徒 8月24日(土) 聖人の記念

第一朗読

黙示録21・9b-14

ここへ来なさい。小羊の妻である花嫁を見せてあげよう。

ヨハネの黙示

天使が21・9わたしに語りかけてこう言った。「ここへ来なさい。小羊の妻である花嫁を見せてあげよう。」10この天使が、〝霊〟に満たされたわたしを大きな高い山に連れて行き、聖なる都エルサレムが神のもとを離れて、天から下って来るのを見せた。11都は神の栄光に輝いていた。その輝きは、最高の宝石のようであり、透き通った碧玉のようであった。12都には、高い大きな城壁と十二の門があり、それらの門には十二人の天使がいて、名が刻みつけてあった。イスラエルの子らの十二部族の名であった。13東に三つの門、北に三つの門、南に三つの門、西に三つの門があった。14都の城壁には十二の土台があって、それには小羊の十二使徒の十二の名が刻みつけてあった。

答唱詩編

詩編145・10+11、17+18

神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。

詩編145

145・10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝してうたう。
11彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるあなたのわざを告げる。

17神の行われることはすべて正しく、
そのわざはいつくしみに満ちている。
18助けを求めるすべての人と、
心から祈る人のそばに神はおられる。

福音朗読

ヨハネ1・45-51

アレルヤ、アレルヤ。師よ、あなたは神の子、イスラエルの王。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、1・45フィリポはナタナエルに出会って言った。「わたしたちは、モーセが律法に記し、預言者たちも書いている方に出会った。それはナザレの人で、ヨセフの子イエスだ。」46するとナタナエルが、「ナザレから何か良いものが出るだろうか」と言ったので、フィリポは、「来て、見なさい」と言った。47イエスは、ナタナエルが御自分の方へ来るのを見て、彼のことをこう言われた。「見なさい。まことのイスラエル人だ。この人には偽りがない。」48ナタナエルが、「どうしてわたしを知っておられるのですか」と言うと、イエスは答えて、「わたしは、あなたがフィリポから話しかけられる前に、いちじくの木の下にいるのを見た」と言われた。49ナタナエルは答えた。「ラビ、あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です。」50イエスは答えて言われた。「いちじくの木の下にあなたがいるのを見たと言ったので、信じるのか。もっと偉大なことをあなたは見ることになる。」51更に言われた。「はっきり言っておく。天が開け、神の天使たちが人の子の上に昇り降りするのを、あなたがたは見ることになる。」

年間第21主日 8月25日(日) 年間

第一朗読

ヨシュア24・1-2a、15-17、18b

わたしたちも主に仕えます。この方こそ、わたしたちの神です。

ヨシュア記

その日、24・1ヨシュアは、イスラエルの全部族をシケムに集め、イスラエルの長老、長、裁判人、役人を呼び寄せた。彼らが神の御前に進み出ると、2aヨシュアは民全員に告げた。

15「もし主に仕えたくないというならば、〔ユーフラテス〕川の向こう側にいたあなたたちの先祖が仕えていた神々でも、あるいは今、あなたたちが住んでいる土地のアモリ人の神々でも、仕えたいと思うものを、今日、自分で選びなさい。ただし、わたしとわたしの家は主に仕えます。」

16民は答えた。

「主を捨てて、ほかの神々に仕えることなど、するはずがありません。17わたしたちの神、主は、わたしたちとわたしたちの先祖を、奴隷にされていたエジプトの国から導き上り、わたしたちの目の前で数々の大きな奇跡を行い、わたしたちの行く先々で、またわたしたちが通って来たすべての民の中で、わたしたちを守ってくださった方です。18bわたしたちも主に仕えます。この方こそ、わたしたちの神です。」

答唱詩編

詩編34・2+3、16+18、19+23

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編34

34・2主をたたえよう、
明け暮れ賛美を口にして。
3主はわたしたちの口の誇り、
苦しむ時の心の喜び。

16主のまなざしは正しい人に、
耳は彼らの叫びに。
18主は正しい人の声を聞き、
悩みの中から救ってくださる。

19主はしいたげにあう者のそばにおられ、
失意の人を支え、
23主はそのしもべの魂をあがない、
より頼む人を滅びから救われる。

第二朗読

エフェソ5・21-32

キリストに対する畏れをもって、互いに仕え合いなさい。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、5・21キリストに対する畏れをもって、互いに仕え合いなさい。22妻たちよ、主に仕えるように、自分の夫に仕えなさい。23キリストが教会の頭であり、自らその体の救い主であるように、夫は妻の頭だからです。24また、教会がキリストに仕えるように、妻もすべての面で夫に仕えるべきです。25夫たちよ、キリストが教会を愛し、教会のために御自分をお与えになったように、妻を愛しなさい。26キリストがそうなさったのは、言葉を伴う水の洗いによって、教会を清めて聖なるものとし、27しみやしわやそのたぐいのものは何一つない、聖なる、汚れのない、栄光に輝く教会を御自分の前に立たせるためでした。28そのように夫も、自分の体のように妻を愛さなくてはなりません。妻を愛する人は、自分自身を愛しているのです。29わが身を憎んだ者は一人もおらず、かえって、キリストが教会になさったように、わが身を養い、いたわるものです。30わたしたちは、キリストの体の一部なのです。31「それゆえ、人は父と母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。」32この神秘は偉大です。わたしは、キリストと教会について述べているのです。

福音朗読

ヨハネ6・60-69

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、6・60弟子たちの多くの者はイエスの話を聞いて言った。「実にひどい話だ。だれが、こんな話を聞いていられようか。」61イエスは、弟子たちがこのことについてつぶやいているのに気づいて言われた。「あなたがたはこのことにつまずくのか。62それでは、人の子がもといた所に上るのを見るならば…。63命を与えるのは〝霊〟である。肉は何の役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、命である。64しかし、あなたがたのうちには信じない者たちもいる。」イエスは最初から、信じない者たちがだれであるか、また、御自分を裏切る者がだれであるかを知っておられたのである。65そして、言われた。「こういうわけで、わたしはあなたがたに、『父からお許しがなければ、だれもわたしのもとに来ることはできない』と言ったのだ。」

66このために、弟子たちの多くが離れ去り、もはやイエスと共に歩まなくなった。67そこで、イエスは十二人に、「あなたがたも離れて行きたいか」と言われた。68シモン・ペトロが答えた。「主よ、わたしたちはだれのところへ行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉を持っておられます。69あなたこそ神の聖者であると、わたしたちは信じ、また知っています。」

年間第21月曜日 8月26日(月) 年間

第一朗読

②テサロニケ1・1-5、11b-12

あなたがたのことをいつも神に感謝せずにはいられません

使徒パウロのテサロニケの教会への手紙

1・1パウロ、シルワノ、テモテから、わたしたちの父である神と主イエス・キリストに結ばれているテサロニケの教会へ。2わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。

3兄弟たち、あなたがたのことをいつも神に感謝せずにはいられません。また、そうするのが当然です。あなたがたの信仰が大いに成長し、お互いに対する一人一人の愛が、あなたがたすべての間で豊かになっているからです。4それで、わたしたち自身、あなたがたが今、受けているありとあらゆる迫害と苦難の中で、忍耐と信仰を示していることを、神の諸教会の間で誇りに思っています。5これは、あなたがたを神の国にふさわしい者とする、神の判定が正しいという証拠です。あなたがたも、神の国のために苦しみを受けているのです。

11bどうか、わたしたちの神が、あなたがたを招きにふさわしいものとしてくださり、また、その御力で、善を求めるあらゆる願いと信仰の働きを成就させてくださるように。12それは、わたしたちの神と主イエス・キリストの恵みによって、わたしたちの主イエスの名があなたがたの間であがめられ、あなたがたも主によって誉れを受けるようになるためです。

答唱詩編

詩編96・1+2、3+4

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・1新しい歌を神にうたえ。
世界よ、神に向かって喜びうたえ。
2神の名をたたえてうたい、
日ごとに救いを告げ知らせよ。

3すべての国にその栄光をかたり、
すべての民に不思議なわざを伝えよ。
4神は偉大、ほむべきかた、
すべてを越えておそるべきかた。

福音朗読

マタイ23・13-22

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは言われた。23・13「律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。人々の前で天の国を閉ざすからだ。自分が入らないばかりか、入ろうとする人をも入らせない。

15律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。改宗者を一人つくろうとして、海と陸を巡り歩くが、改宗者ができると、自分より倍も悪い地獄の子にしてしまうからだ。

16ものの見えない案内人、あなたたちは不幸だ。あなたたちは、『神殿にかけて誓えば、その誓いは無効である。だが、神殿の黄金にかけて誓えば、それは果たさねばならない』と言う。17愚かで、ものの見えない者たち、黄金と、黄金を清める神殿と、どちらが尊いか。18また、『祭壇にかけて誓えば、その誓いは無効である。その上の供え物にかけて誓えば、それは果たさねばならない』と言う。19ものの見えない者たち、供え物と、供え物を清くする祭壇と、どちらが尊いか。20祭壇にかけて誓う者は、祭壇とその上のすべてのものにかけて誓うのだ。21神殿にかけて誓う者は、神殿とその中に住んでおられる方にかけて誓うのだ。22天にかけて誓う者は、神の玉座とそれに座っておられる方にかけて誓うのだ。」

聖モニカ 8月27日(火) 記念日

第一朗読

②テサロニケ2・1-3a、14-17

あなたがたの心を励まし、また強め、いつも善い働きをし、善い言葉を語る者としてくださるように。

使徒パウロのテサロニケの教会への手紙

2・1兄弟たち、わたしたちの主イエス・キリストが来られることと、そのみもとにわたしたちが集められることについてお願いしたい。2霊や言葉によって、あるいは、わたしたちから書き送られたという手紙によって、主の日は既に来てしまったかのように言う者がいても、すぐに動揺して分別を無くしたり、慌てふためいたりしないでほしい。3だれがどのような手段を用いても、だまされてはいけません。

14神は、このことのために、すなわち、わたしたちの主イエス・キリストの栄光にあずからせるために、わたしたちの福音を通して、あなたがたを招かれたのです。15ですから、兄弟たち、しっかり立って、わたしたちが説教や手紙で伝えた教えを固く守り続けなさい。16わたしたちの主イエス・キリスト御自身、ならびに、わたしたちを愛して、永遠の慰めと確かな希望とを恵みによって与えてくださる、わたしたちの父である神が、17どうか、あなたがたの心を励まし、また強め、いつも善い働きをし、善い言葉を語る者としてくださるように。

答唱詩編

詩編96・11+12、9+13

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・11天地は喜びにあふれ、
海とそこに満ちるものは叫びをあげる。
12野とそこにあるものはどよめき、
森の木々は声をあげて、神の前で歌う。

9聖なるものが現れるとき、神をおがめ。
世界よ、神をおそれよ。
13神は来られる、世界をさばきに来られる。
正義とまことをもって、すべての民をさばかれる。

福音朗読

マタイ23・23-26

アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは言われた。23・23「律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。薄荷、いのんど、茴香の十分の一は献げるが、律法の中で最も重要な正義、慈悲、誠実はないがしろにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより、十分の一の献げ物もないがしろにしてはならないが。24ものの見えない案内人、あなたたちはぶよ一匹さえも漉して除くが、らくだは飲み込んでいる。

25律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。杯や皿の外側はきれいにするが、内側は強欲と放縦で満ちているからだ。26ものの見えないファリサイ派の人々、まず、杯の内側をきれいにせよ。そうすれば、外側もきれいになる。」

聖アウグスチヌス 司教教会博士 8月28日(水) 記念日

第一朗読

②テサロニケ3・6-10、16-18

わたしたちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがた一同と共にあるように。

使徒パウロのテサロニケの教会への手紙

3・6兄弟たち、わたしたちは、わたしたちの主イエス・キリストの名によって命じます。怠惰な生活をして、わたしたちから受けた教えに従わないでいるすべての兄弟を避けなさい。7あなたがた自身、わたしたちにどのように倣えばよいか、よく知っています。わたしたちは、そちらにいたとき、怠惰な生活をしませんでした。8また、だれからもパンをただでもらって食べたりはしませんでした。むしろ、だれにも負担をかけまいと、夜昼大変苦労して、働き続けたのです。9援助を受ける権利がわたしたちになかったからではなく、あなたがたがわたしたちに倣うように、身をもって模範を示すためでした。10実際、あなたがたのもとにいたとき、わたしたちは、「働きたくない者は、食べてはならない」と命じていました。

16どうか、平和の主御自身が、いついかなる場合にも、あなたがたに平和をお与えくださるように。主があなたがた一同と共におられるように。

17わたしパウロが、自分の手で挨拶を記します。これはどの手紙にも記す印です。わたしはこのように書きます。18わたしたちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがた一同と共にあるように。

答唱詩編

詩編128・2+3ab、3cd+5+6a

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編128

128・2額に汗してかてを受け、
恵みと平和に満たされる。
3ab実り豊かなぶどうの木のように、
妻は家庭をうるおす。

3cdオリーブの若木のように、
子どもたちは食卓を囲む。
5神の祝福がシオンから臨み、いのちのある限り、
6aエルサレムの栄えと、数多くの子孫の群れを見る。

福音朗読

マタイ23・27-32

アレルヤ、アレルヤ。キリストのことばを守るなら、神の愛はその人のうちに全うされる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは言われた。23・27「律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。白く塗った墓に似ているからだ。外側は美しく見えるが、内側は死者の骨やあらゆる汚れで満ちている。28このようにあなたたちも、外側は人に正しいように見えながら、内側は偽善と不法で満ちている。29律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。預言者の墓を建てたり、正しい人の記念碑を飾ったりしているからだ。30そして、『もし先祖の時代に生きていても、預言者の血を流す側にはつかなかったであろう』などと言う。31こうして、自分が預言者を殺した者たちの子孫であることを、自ら証明している。32先祖が始めた悪事の仕上げをしたらどうだ。」

洗礼者ヨハネの殉教 8月29日(木) 聖人の記念

第一朗読

エレミヤ1・17-19

わたしがあなたと共にいて、救い出すと主は言われた

エレミヤの預言

その日、主の言葉はわたしに臨んだ。

1・17あなたは腰に帯を締め
立って、彼らに語れ
わたしが命じることをすべて。
彼らの前におののくな
わたし自身があなたを
彼らの前でおののかせることがないように。
18わたしは今日、あなたをこの国全土に向けて
堅固な町とし、鉄の柱、青銅の城壁として
ユダの王やその高官たち
その祭司や国の民に立ち向かわせる。
19彼らはあなたに戦いを挑むが勝つことはできない。
わたしがあなたと共にいて、救い出すと
主は言われた。

答唱詩編

詩編71・3b+4+5a、6b+15+16

父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。

詩編71

71・3b神よ、あなたはわたしの岩、わたしのとりで。
4あなたに逆らう者からわたしを救ってください。
神よ、あなたはわたしの希望、
5aわたしはいつもあなたをたたえる。

6b神よ、あなたの正義と救いのわざを
15わたしは昼も夜も告げ知らせる。
16神の力あるみわざを語り、
あなたのものである正義をわたしはほめ歌う。

福音朗読

マルコ6・17-29

アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、6・17ヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアと結婚しており、そのことで人をやってヨハネを捕らえさせ、牢につないでいた。18ヨハネが、「自分の兄弟の妻と結婚することは、律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。19そこで、ヘロディアはヨハネを恨み、彼を殺そうと思っていたが、できないでいた。20なぜなら、ヘロデが、ヨハネは正しい聖なる人であることを知って、彼を恐れ、保護し、また、その教えを聞いて非常に当惑しながらも、なお喜んで耳を傾けていたからである。21ところが、良い機会が訪れた。ヘロデが、自分の誕生日の祝いに高官や将校、ガリラヤの有力者などを招いて宴会を催すと、22ヘロディアの娘が入って来て踊りをおどり、ヘロデとその客を喜ばせた。そこで、王は少女に、「欲しいものがあれば何でも言いなさい。お前にやろう」と言い、23更に、「お前が願うなら、この国の半分でもやろう」と固く誓ったのである。24少女が座を外して、母親に、「何を願いましょうか」と言うと、母親は、「洗礼者ヨハネの首を」と言った。25早速、少女は大急ぎで王のところに行き、「今すぐに洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、いただきとうございます」と願った。26王は非常に心を痛めたが、誓ったことではあるし、また客の手前、少女の願いを退けたくなかった。27そこで、王は衛兵を遣わし、ヨハネの首を持って来るようにと命じた。衛兵は出て行き、牢の中でヨハネの首をはね、28盆に載せて持って来て少女に渡し、少女はそれを母親に渡した。29ヨハネの弟子たちはこのことを聞き、やって来て、遺体を引き取り、墓に納めた。

年間第21金曜日 8月30日(金) 年間

第一朗読

①コリント1・17-25

世は自分の知恵で神を知ることができません

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、1・17キリストがわたしを遣わされたのは、洗礼を授けるためではなく、福音を告げ知らせるためであり、しかも、キリストの十字架がむなしいものになってしまわぬように、言葉の知恵によらないで告げ知らせるためだからです。

18十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わたしたち救われる者には神の力です。19それは、こう書いてあるからです。

「わたしは知恵ある者の知恵を滅ぼし、賢い者の賢さを意味のないものにする。」

20知恵のある人はどこにいる。学者はどこにいる。この世の論客はどこにいる。神は世の知恵を愚かなものにされたではないか。21世は自分の知恵で神を知ることができませんでした。それは神の知恵にかなっています。そこで神は、宣教という愚かな手段によって信じる者を救おうと、お考えになったのです。22ユダヤ人はしるしを求め、ギリシア人は知恵を探しますが、23わたしたちは、十字架につけられたキリストを宣べ伝えています。すなわち、ユダヤ人にはつまずかせるもの、異邦人には愚かなものですが、24ユダヤ人であろうがギリシア人であろうが、召された者には、神の力、神の知恵であるキリストを宣べ伝えているのです。25神の愚かさは人よりも賢く、神の弱さは人よりも強いからです。

答唱詩編

詩編33・4+5、6+11

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・4神のことばはただしく、
そのわざにはいつわりがない。
5神は正義と公平を愛し、
いつくしみは地に満ちている。

6天は神のことばによってつくられ、
星座はそのいぶきによってすえられた。
11神のはからいはとこしえに、
み心の思いは世々に及ぶ。

福音朗読

マタイ25・1-13

アレルヤ、アレルヤ。目覚めていつも祈ってください、人の子の前にふさわしく立つことができるように。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。25・1「天の国は次のようにたとえられる。十人のおとめがそれぞれともし火を持って、花婿を迎えに出て行く。2そのうちの五人は愚かで、五人は賢かった。3愚かなおとめたちは、ともし火は持っていたが、油の用意をしていなかった。4賢いおとめたちは、それぞれのともし火と一緒に、壺に油を入れて持っていた。5ところが、花婿の来るのが遅れたので、皆眠気がさして眠り込んでしまった。6真夜中に『花婿だ。迎えに出なさい』と叫ぶ声がした。7そこで、おとめたちは皆起きて、それぞれのともし火を整えた。8愚かなおとめたちは、賢いおとめたちに言った。『油を分けてください。わたしたちのともし火は消えそうです。』9賢いおとめたちは答えた。『分けてあげるほどはありません。それより、店に行って、自分の分を買って来なさい。』10愚かなおとめたちが買いに行っている間に、花婿が到着して、用意のできている五人は、花婿と一緒に婚宴の席に入り、戸が閉められた。11その後で、ほかのおとめたちも来て、『御主人様、御主人様、開けてください』と言った。12しかし主人は、『はっきり言っておく。わたしはお前たちを知らない』と答えた。13だから、目を覚ましていなさい。あなたがたは、その日、その時を知らないのだから。」

年間第21土曜日 8月31日(土) 年間

第一朗読

①コリント1・26-31

神によってあなたがたはキリスト・イエスに結ばれ、このキリストは、わたしたちにとって神の知恵となり、義と聖と贖いとなられたのです

使徒パウロのコリントの教会への手紙

1・26兄弟たち、あなたがたが召されたときのことを、思い起こしてみなさい。人間的に見て知恵のある者が多かったわけではなく、能力のある者や、家柄のよい者が多かったわけでもありません。27ところが、神は知恵ある者に恥をかかせるため、世の無学な者を選び、力ある者に恥をかかせるため、世の無力な者を選ばれました。28また、神は地位のある者を無力な者とするため、世の無に等しい者、身分の卑しい者や見下げられている者を選ばれたのです。29それは、だれ一人、神の前で誇ることがないようにするためです。30神によってあなたがたはキリスト・イエスに結ばれ、このキリストは、わたしたちにとって神の知恵となり、義と聖と贖いとなられたのです。31「誇る者は主を誇れ」と書いてあるとおりになるためです。

答唱詩編

詩編33・12+13、20+21

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・12神を王としていただく国、
神のものとして選ばれた民はしあわせ。
13神は天から目を注ぎ、
人々をすべて見ておられる。

20神は盾、神は救い、
わたしたちは神を待ち望む。
21心は神のうちにあって喜び、
尊いその名により頼む。

福音朗読

マタイ25・14-30

アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。25・14「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。15それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人には二タラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。早速、16五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。17同じように、二タラントン預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。18しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。19さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。20まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主人様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』21主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』22次に、二タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、二タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントンもうけました。』23主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』24ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、25恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』26主人は答えた。『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。27それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。28さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。29だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。30この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」

09月
年間第22主日 9月1日(日) 年間

第一朗読

申命記4・1-2、6-8

イスラエルよ。今、わたしが教える掟と法を忠実に行いなさい。

申命記

モーセは民に言った。4・1イスラエルよ。今、わたしが教える掟と法を忠実に行いなさい。そうすればあなたたちは命を得、あなたたちの先祖の神、主が与えられる土地に入って、それを得ることができるであろう。2あなたたちはわたしが命じる言葉に何一つ加えることも、減らすこともしてはならない。わたしが命じるとおりにあなたたちの神、主の戒めを守りなさい。

6あなたたちはそれを忠実に守りなさい。そうすれば、諸国の民にあなたたちの知恵と良識が示され、彼らがこれらすべての掟を聞くとき、「この大いなる国民は確かに知恵があり、賢明な民である」と言うであろう。7いつ呼び求めても、近くにおられる我々の神、主のような神を持つ大いなる国民がどこにあるだろうか。8またわたしが今日あなたたちに授けるこのすべての律法のように、正しい掟と法を持つ大いなる国民がどこにいるだろうか。

答唱詩編

詩編15・1+2、3+4a+6

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編15

15・1神よ、あなたの幕屋に泊まる人、
あなたの尊い山を住まいとする人はだれ。
2それは、とがなく歩み、正義を行い、
心からまことを語る人。

3ことばで人を傷つけず、
悪を行わず、隣人をはずかしめない。
4a神を捨てた者を戒め、神をおそれる者を尊ぶ。
6このように振る舞う人は、とこしえにゆらぐことがない。

第二朗読

ヤコブ1・17-18、21b-22、27

良い贈り物は、上から、光の源である御父から来るのです

使徒ヤコブの手紙

わたしの愛する兄弟たち、1・17良い贈り物、完全な賜物はみな、上から、光の源である御父から来るのです。御父には、移り変わりも、天体の動きにつれて生ずる陰もありません。18御父は、御心のままに、真理の言葉によってわたしたちを生んでくださいました。それは、わたしたちを、いわば造られたものの初穂となさるためです。

21b心に植え付けられた御言葉を受け入れなさい。22この御言葉は、あなたがたの魂を救うことができます。

御言葉を行う人になりなさい。自分を欺いて、聞くだけで終わる者になってはいけません。

27みなしごや、やもめが困っているときに世話をし、世の汚れに染まらないように自分を守ること、これこそ父である神の御前に清く汚れのない信心です。

福音朗読

マルコ7・1-8、14-15、21-23

アレルヤ、アレルヤ。父はみ心のままに真理のことばによってわたしたちを生み、被造物の初穂とされた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、7・1ファリサイ派の人々と数人の律法学者たちが、エルサレムから来て、イエスのもとに集まった。2そして、イエスの弟子たちの中に汚れた手、つまり洗わない手で食事をする者がいるのを見た。3ーーファリサイ派の人々をはじめユダヤ人は皆、昔の人の言い伝えを固く守って、念入りに手を洗ってからでないと食事をせず、4また、市場から帰ったときには、身を清めてからでないと食事をしない。そのほか、杯、鉢、銅の器や寝台を洗うことなど、昔から受け継いで固く守っていることがたくさんある。ーー5そこで、ファリサイ派の人々と律法学者たちが尋ねた。「なぜ、あなたの弟子たちは昔の人の言い伝えに従って歩まず、汚れた手で食事をするのですか。」6イエスは言われた。「イザヤは、あなたたちのような偽善者のことを見事に預言したものだ。彼はこう書いている。

『この民は口先ではわたしを敬うが、
その心はわたしから遠く離れている。
7人間の戒めを教えとしておしえ、
むなしくわたしをあがめている。』
8あなたたちは神の掟を捨てて、人間の言い伝えを固く守っている。」

14それから、イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた。「皆、わたしの言うことを聞いて悟りなさい。15外から人の体に入るもので人を汚すことができるものは何もなく、人の中から出て来るものが、人を汚すのである。

21中から、つまり人間の心から、悪い思いが出て来るからである。みだらな行い、盗み、殺意、22姦淫、貪欲、悪意、詐欺、好色、ねたみ、悪口、傲慢、無分別など、23これらの悪はみな中から出て来て、人を汚すのである。」

年間第22月曜日 9月2日(月) 年間

第一朗読

①コリント2・1-15

わたしの言葉もわたしの宣教も、〝霊〟と力の証明によるものでした

使徒パウロのコリントの教会への手紙

2・1兄弟たち、わたしもそちらに行ったとき、神の秘められた計画を宣べ伝えるのに優れた言葉や知恵を用いませんでした。2なぜなら、わたしはあなたがたの間で、イエス・キリスト、それも十字架につけられたキリスト以外、何も知るまいと心に決めていたからです。3そちらに行ったとき、わたしは衰弱していて、恐れに取りつかれ、ひどく不安でした。4わたしの言葉もわたしの宣教も、知恵にあふれた言葉によらず、〝霊〟と力の証明によるものでした。5それは、あなたがたが人の知恵によってではなく、神の力によって信じるようになるためでした。

答唱詩編

詩編119・57+58、29+30

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編119

119・57神よ、あなたはわたしのすべて。
あなたのことばをわたしは守る。
58わたしは心をこめて祈る。
仰せのとおり、いつくしみを示してください。

29偽りの道からわたしを退け、
教えを授けてください。
30わたしは真実の道を志し、
あなたのさばきを心におさめる。

福音朗読

ルカ4・16-30

アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、4・16イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった。17預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった。

18「主の霊がわたしの上におられる。
貧しい人に福音を告げ知らせるために、
主がわたしに油を注がれたからである。
主がわたしを遣わされたのは、
捕らわれている人に解放を、
目の見えない人に視力の回復を告げ、
圧迫されている人を自由にし、
19主の恵みの年を告げるためである。」
20イエスは巻物を巻き、係の者に返して席に座られた。会堂にいるすべての人の目がイエスに注がれていた。21そこでイエスは、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と話し始められた。22皆はイエスをほめ、その口から出る恵み深い言葉に驚いて言った。「この人はヨセフの子ではないか。」23イエスは言われた。「きっと、あなたがたは、『医者よ、自分自身を治せ』ということわざを引いて、『カファルナウムでいろいろなことをしたと聞いたが、郷里のここでもしてくれ』と言うにちがいない。」24そして、言われた。「はっきり言っておく。預言者は、自分の故郷では歓迎されないものだ。25確かに言っておく。エリヤの時代に三年六か月の間、雨が降らず、その地方一帯に大飢饉が起こったとき、イスラエルには多くのやもめがいたが、26エリヤはその中のだれのもとにも遣わされないで、シドン地方のサレプタのやもめのもとにだけ遣わされた。27また、預言者エリシャの時代に、イスラエルには重い皮膚病を患っている人が多くいたが、シリア人ナアマンのほかはだれも清くされなかった。」28これを聞いた会堂内の人々は皆憤慨し、29総立ちになって、イエスを町の外へ追い出し、町が建っている山の崖まで連れて行き、突き落とそうとした。30しかし、イエスは人々の間を通り抜けて立ち去られた。

聖グレゴリオ一世 教皇教会博士 9月3日(火) 記念日

第一朗読

①コリント2・10b-16

わたしたちがこれについて語るのも、〝霊〟に教えられた言葉によっています

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、2・10b〝霊〟は一切のことを、神の深みさえも究めます。11人の内にある霊以外に、いったいだれが、人のことを知るでしょうか。同じように、神の霊以外に神のことを知る者はいません。12わたしたちは、世の霊ではなく、神からの霊を受けました。それでわたしたちは、神から恵みとして与えられたものを知るようになったのです。13そして、わたしたちがこれについて語るのも、人の知恵に教えられた言葉によるのではなく、〝霊〟に教えられた言葉によっています。つまり、霊的なものによって霊的なことを説明するのです。14自然の人は神の霊に属する事柄を受け入れません。その人にとって、それは愚かなことであり、理解できないのです。霊によって初めて判断できるからです。15霊の人は一切を判断しますが、その人自身はだれからも判断されたりしません。
16「だれが主の思いを知り、
主を教えるというのか。」
しかし、わたしたちはキリストの思いを抱いています。

答唱詩編

詩編145・10+11、13cd+14

神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。

詩編145

145・10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝して歌う。
11彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるあなたのわざを告げる。

13cd神の言葉は正しく、
そのわざには偽りがない。
14神は悩みのうちにある者を支え、
倒れる者をすべて立たせてくださる。

福音朗読

ルカ4・31-37

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、4・31イエスはガリラヤの町カファルナウムに下って、安息日には人々を教えておられた。32人々はその教えに非常に驚いた。その言葉には権威があったからである。33ところが会堂に、汚れた悪霊に取りつかれた男がいて、大声で叫んだ。34「ああ、ナザレのイエス、かまわないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか。正体は分かっている。神の聖者だ。」35イエスが、「黙れ。この人から出て行け」とお叱りになると、悪霊はその男を人々の中に投げ倒し、何の傷も負わせずに出て行った。36人々は皆驚いて、互いに言った。「この言葉はいったい何だろう。権威と力とをもって汚れた霊に命じると、出て行くとは。」37こうして、イエスのうわさは、辺り一帯に広まった。

年間第22水曜日 9月4日(水) 年間

第一朗読

①コリント3・1-9

わたしたちは神のために力を合わせて働く者であり、あなたがたは神の畑、神の建物なのです

使徒パウロのコリントの教会への手紙

3・1兄弟たち、わたしはあなたがたには、霊の人に対するように語ることができず、肉の人、つまり、キリストとの関係では乳飲み子である人々に対するように語りました。2わたしはあなたがたに乳を飲ませて、固い食物は与えませんでした。まだ固い物を口にすることができなかったからです。いや、今でもできません。3相変わらず肉の人だからです。お互いの間にねたみや争いが絶えない以上、あなたがたは肉の人であり、ただの人として歩んでいる、ということになりはしませんか。4ある人が「わたしはパウロにつく」と言い、他の人が「わたしはアポロに」などと言っているとすれば、あなたがたは、ただの人にすぎないではありませんか。5アポロとは何者か。また、パウロとは何者か。この二人は、あなたがたを信仰に導くためにそれぞれ主がお与えになった分に応じて仕えた者です。6わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。7ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。8植える者と水を注ぐ者とは一つですが、それぞれが働きに応じて自分の報酬を受け取ることになります。9わたしたちは神のために力を合わせて働く者であり、あなたがたは神の畑、神の建物なのです。

答唱詩編

詩編33・12+13、14+15

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・12神を王としていただく国、
神のものとして選ばれた民はしあわせ。
13神は天から目を注ぎ、
人々をすべて見ておられる。

14神はその住まいから、
地に住むすべての人に目を注がれる。
15神はひとりひとりの心をつくり、
そのわざを見抜かれる。

福音朗読

ルカ4・38-44

アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、4・38イエスは会堂を立ち去り、シモンの家にお入りになった。シモンのしゅうとめが高い熱に苦しんでいたので、人々は彼女のことをイエスに頼んだ。39イエスが枕もとに立って熱を叱りつけられると、熱は去り、彼女はすぐに起き上がって一同をもてなした。40日が暮れると、いろいろな病気で苦しむ者を抱えている人が皆、病人たちをイエスのもとに連れて来た。イエスはその一人一人に手を置いていやされた。41悪霊もわめき立て、「お前は神の子だ」と言いながら、多くの人々から出て行った。イエスは悪霊を戒めて、ものを言うことをお許しにならなかった。悪霊は、イエスをメシアだと知っていたからである。

42朝になると、イエスは人里離れた所へ出て行かれた。群衆はイエスを捜し回ってそのそばまで来ると、自分たちから離れて行かないようにと、しきりに引き止めた。43しかし、イエスは言われた。「ほかの町にも神の国の福音を告げ知らせなければならない。わたしはそのために遣わされたのだ。」44そして、ユダヤの諸会堂に行って宣教された。

年間第22木曜日 9月5日(木) 年間

第一朗読

①コリント3・18-23

あなたがたはキリストのもの、キリストは神のもの

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、3・18だれも自分を欺いてはなりません。もし、あなたがたのだれかが、自分はこの世で知恵のある者だと考えているなら、本当に知恵のある者となるために愚かな者になりなさい。19この世の知恵は、神の前では愚かなものだからです。
「神は、知恵のある者たちをその悪賢さによって捕らえられる」
と書いてあり、20また、
「主は知っておられる、
知恵のある者たちの論議がむなしいことを」
とも書いてあります。21ですから、だれも人間を誇ってはなりません。すべては、あなたがたのものです。22パウロもアポロもケファも、世界も生も死も、今起こっていることも将来起こることも。一切はあなたがたのもの、23あなたがたはキリストのもの、キリストは神のものなのです。

答唱詩編

詩編24・1+2、3+4

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編24

24・1地とそこにあるもの、
世界とそこに住むものは神のもの。
2神は海に地の基をすえ、
水の上に固められた。

3だれが神の山に登れよう。
だれが聖所に立てよう。
4それは手に汚れなく、心の清い人、
空しいことに心を向けず、偽りを口にしない人。

福音朗読

ルカ5・1-11

アレルヤ、アレルヤ。わたしのあとに従いなさい。人を捕らえる漁師にしよう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、5・1イエスがゲネサレト湖畔に立っておられると、神の言葉を聞こうとして、群衆がその周りに押し寄せて来た。2イエスは、二そうの舟が岸にあるのを御覧になった。漁師たちは、舟から上がって網を洗っていた。3そこでイエスは、そのうちの一そうであるシモンの持ち舟に乗り、岸から少し漕ぎ出すようにお頼みになった。そして、腰を下ろして舟から群衆に教え始められた。4話し終わったとき、シモンに、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われた。5シモンは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えた。6そして、漁師たちがそのとおりにすると、おびただしい魚がかかり、網が破れそうになった。7そこで、もう一そうの舟にいる仲間に合図して、来て手を貸してくれるように頼んだ。彼らは来て、二そうの舟を魚でいっぱいにしたので、舟は沈みそうになった。8これを見たシモン・ペトロは、イエスの足もとにひれ伏して、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」と言った。9とれた魚にシモンも一緒にいた者も皆驚いたからである。10シモンの仲間、ゼベダイの子のヤコブもヨハネも同様だった。すると、イエスはシモンに言われた。「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。」11そこで、彼らは舟を陸に引き上げ、すべてを捨ててイエスに従った。

年間第22金曜日 9月6日(金) 年間

第一朗読

①コリント4・1-5

主は闇の中に隠されている秘密を明るみに出し、人の心の企てをも明らかにされます

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、4・1人はわたしたちをキリストに仕える者、神の秘められた計画をゆだねられた管理者と考えるべきです。2この場合、管理者に要求されるのは忠実であることです。3わたしにとっては、あなたがたから裁かれようと、人間の法廷で裁かれようと、少しも問題ではありません。わたしは、自分で自分を裁くことすらしません。4自分には何もやましいところはないが、それでわたしが義とされているわけではありません。わたしを裁くのは主なのです。5ですから、主が来られるまでは、先走って何も裁いてはいけません。主は闇の中に隠されている秘密を明るみに出し、人の心の企てをも明らかにされます。そのとき、おのおのは神からおほめにあずかります。

答唱詩編

詩編37・3、5a+6b

喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

詩編

37・3神により頼み、よいわざに励み、
約束の地を住まいとし、真実をかてとせよ。

5a歩む道を神にゆだねよ。
6b神は正しさを真昼のように明らかにされる。

福音朗読

ルカ5・33-39

アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、ファリサイ派の人々や律法学者たちは5・33イエスに言った。「ヨハネの弟子たちは度々断食し、祈りをし、ファリサイ派の弟子たちも同じようにしています。しかし、あなたの弟子たちは飲んだり食べたりしています。」34そこで、イエスは言われた。「花婿が一緒にいるのに、婚礼の客に断食させることがあなたがたにできようか。35しかし、花婿が奪い取られる時が来る。その時には、彼らは断食することになる。」36そして、イエスはたとえを話された。「だれも、新しい服から布切れを破り取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。そんなことをすれば、新しい服も破れるし、新しい服から取った継ぎ切れも古いものには合わないだろう。37また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、新しいぶどう酒は革袋を破って流れ出し、革袋もだめになる。38新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れねばならない。39また、古いぶどう酒を飲めば、だれも新しいものを欲しがらない。『古いものの方がよい』と言うのである。」

年間第22土曜日 9月7日(土) 年間

第一朗読

①コリント4・6b-15

福音を通し、キリスト・イエスにおいてわたしがあなたがたをもうけたのです

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、私自身とアポロ4・6bの例から、「書かれているもの以上に出ない」ことを学ぶためであり、だれも、一人を持ち上げてほかの一人をないがしろにし、高ぶることがないようにするためです。7あなたをほかの者たちよりも、優れた者としたのは、だれです。いったいあなたの持っているもので、いただかなかったものがあるでしょうか。もしいただいたのなら、なぜいただかなかったような顔をして高ぶるのですか。8あなたがたは既に満足し、既に大金持ちになっており、わたしたちを抜きにして、勝手に王様になっています。いや実際、王様になっていてくれたらと思います。そうしたら、わたしたちも、あなたがたと一緒に王様になれたはずですから。9考えてみると、神はわたしたち使徒を、まるで死刑囚のように最後に引き出される者となさいました。わたしたちは世界中に、天使にも人にも、見せ物となったからです。10わたしたちはキリストのために愚か者となっているが、あなたがたはキリストを信じて賢い者となっています。わたしたちは弱いが、あなたがたは強い。あなたがたは尊敬されているが、わたしたちは侮辱されています。11今の今までわたしたちは、飢え、渇き、着る物がなく、虐待され、身を寄せる所もなく、12苦労して自分の手で稼いでいます。侮辱されては祝福し、迫害されては耐え忍び、13ののしられては優しい言葉を返しています。今に至るまで、わたしたちは世の屑、すべてのものの滓とされています。

14こんなことを書くのは、あなたがたに恥をかかせるためではなく、愛する自分の子供として諭すためなのです。15キリストに導く養育係があなたがたに一万人いたとしても、父親が大勢いるわけではない。福音を通し、キリスト・イエスにおいてわたしがあなたがたをもうけたのです。

答唱詩編

詩編145・17+18、19+20

いのちあるすべてのものに、主は食物を恵まれる。

詩編145

145・17神の行われることはすべて正しく、
そのわざはいつくしみに満ちている。
18助けを求めるすべての人と、
心から祈る人のそばに神はおられる。

19神をおそれる人の願いを聞き入れ、
その叫びを聞いて助けられる。
20神を愛する人はすべて神に守られ、
神に逆らう者は退けられる。

福音朗読

ルカ6・1-5

アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

6・1ある安息日に、イエスが麦畑を通って行かれると、弟子たちは麦の穂を摘み、手でもんで食べた。2ファリサイ派のある人々が、「なぜ、安息日にしてはならないことを、あなたたちはするのか」と言った。3イエスはお答えになった。「ダビデが自分も供の者たちも空腹だったときに何をしたか、読んだことがないのか。4神の家に入り、ただ祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを取って食べ、供の者たちにも与えたではないか。」5そして、彼らに言われた。「人の子は安息日の主である。」

年間第23主日 9月8日(日) 年間

第一朗読

イザヤ35・4-7a

雄々しくあれ、恐れるな。見よ、あなたたちの神を。

イザヤの預言

35・4心おののく人々に言え。
「雄々しくあれ、恐れるな。
見よ、あなたたちの神を。
敵を打ち、悪に報いる神が来られる。
神は来て、あなたたちを救われる。」

5そのとき、見えない人の目が開き
聞こえない人の耳が開く。
6そのとき歩けなかった人が鹿のように躍り上がる。
口の利けなかった人が喜び歌う。
荒れ野に水が湧きいで
荒れ地に川が流れる。
7a熱した砂地は湖となり
乾いた地は水の湧くところとなる。

答唱詩編

詩編146・1+2+10a、6c+7、8ac+9bc

いのちあるすべてのものは、神をたたえよ。

詩編146

146・1心を尽くして神をたたえよ。
いのちのある限り神をたたえよ。
2わたしは生涯神をほめうたう。
10a神はとこしえに治められる。

6c神はとこしえにまことを示し、
7貧しい人のためにさばきを行い、
飢えかわく人にかてを恵み、
捕らわれびとを解放される。

8ac神は見えない人の目を開き、
従う人を愛される。
9bc身寄りのない子どもとやもめを支え、
逆らう者の企てを砕かれる。

第二朗読

ヤコブ2・1-5

わたしたちの主イエス・キリストを信じながら、人を分け隔てしてはなりません。

使徒ヤコブの手紙

2・1わたしの兄弟たち、栄光に満ちた、わたしたちの主イエス・キリストを信じながら、人を分け隔てしてはなりません。2あなたがたの集まりに、金の指輪をはめた立派な身なりの人が入って来、また汚らしい服装の貧しい人も入って来るとします。3その立派な身なりの人に特別に目を留めて、「あなたは、こちらの席にお掛けください」と言い、貧しい人には、「あなたは、そこに立っているか、わたしの足もとに座るかしていなさい」と言うなら、4あなたがたは、自分たちの中で差別をし、誤った考えに基づいて判断を下したことになるのではありませんか。

5わたしの愛する兄弟たち、よく聞きなさい。神は世の貧しい人たちをあえて選んで、信仰に富ませ、御自身を愛する者に約束された国を、受け継ぐ者となさったではありませんか。

福音朗読

マルコ7・31-37

アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、7・31イエスはティルスの地方を去り、シドンを経てデカポリス地方を通り抜け、ガリラヤ湖へやって来られた。32人々は耳が聞こえず舌の回らない人を連れて来て、その上に手を置いてくださるようにと願った。33そこで、イエスはこの人だけを群衆の中から連れ出し、指をその両耳に差し入れ、それから唾をつけてその舌に触れられた。34そして、天を仰いで深く息をつき、その人に向かって、「エッファタ」と言われた。これは、「開け」という意味である。35すると、たちまち耳が開き、舌のもつれが解け、はっきり話すことができるようになった。36イエスは人々に、だれにもこのことを話してはいけない、と口止めをされた。しかし、イエスが口止めをされればされるほど、人々はかえってますます言い広めた。37そして、すっかり驚いて言った。「この方のなさったことはすべて、すばらしい。耳の聞こえない人を聞こえるようにし、口の利けない人を話せるようにしてくださる。」

年間第23月曜日 9月9日(月) 年間

第一朗読

①コリント5・1-8

あなたがたが誇っているのは、よくない

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、5・1現に聞くところによると、あなたがたの間にみだらな行いがあり、しかもそれは、異邦人の間にもないほどのみだらな行いで、ある人が父の妻をわがものとしているとのことです。2それにもかかわらず、あなたがたは高ぶっているのか。むしろ悲しんで、こんなことをする者を自分たちの間から除外すべきではなかったのですか。3わたしは体では離れていても霊ではそこにいて、現に居合わせた者のように、そんなことをした者を既に裁いてしまっています。4つまり、わたしたちの主イエスの名により、わたしたちの主イエスの力をもって、あなたがたとわたしの霊が集まり、5このような者を、その肉が滅ぼされるようにサタンに引き渡したのです。それは主の日に彼の霊が救われるためです。6あなたがたが誇っているのは、よくない。わずかなパン種が練り粉全体を膨らませることを、知らないのですか。7いつも新しい練り粉のままでいられるように、古いパン種をきれいに取り除きなさい。現に、あなたがたはパン種の入っていない者なのです。キリストが、わたしたちの過越の小羊として屠られたからです。8だから、古いパン種や悪意と邪悪のパン種を用いないで、パン種の入っていない、純粋で真実のパンで過越祭を祝おうではありませんか。

答唱詩編

詩編119・15+16、10+11b+108b

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・15あなたの定めを思いめぐらし、
あなたの道に目を注ぐ。
16わたしはおきてを喜びとし、
あなたのことばを忘れない。

10あなたのすすめからそれないように、
11b心を尽くしてあなたを求める。
108bわたしは仰せを心にいだく、
あなたのさばきを示してください。

福音朗読

ルカ6・6-11

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

ある6・6安息日に、イエスは会堂に入って教えておられた。そこに一人の人がいて、その右手が萎えていた。7律法学者たちやファリサイ派の人々は、訴える口実を見つけようとして、イエスが安息日に病気をいやされるかどうか、注目していた。8イエスは彼らの考えを見抜いて、手の萎えた人に、「立って、真ん中に出なさい」と言われた。その人は身を起こして立った。9そこで、イエスは言われた。「あなたたちに尋ねたい。安息日に律法で許されているのは、善を行うことか、悪を行うことか。命を救うことか、滅ぼすことか。」10そして、彼ら一同を見回して、その人に、「手を伸ばしなさい」と言われた。言われたようにすると、手は元どおりになった。11ところが、彼らは怒り狂って、イエスを何とかしようと話し合った。

日本205福者 殉教者 9月10日(火) 記念日

第一朗読

①コリント6・1-11

兄弟が兄弟を訴えるのですか。しかも信仰のない人々の前で。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、6・1あなたがたの間で、一人が仲間の者と争いを起こしたとき、聖なる者たちに訴え出ないで、正しくない人々に訴え出るようなことを、なぜするのです。2あなたがたは知らないのですか。聖なる者たちが世を裁くのです。世があなたがたによって裁かれるはずなのに、あなたがたにはささいな事件すら裁く力がないのですか。3わたしたちが天使たちさえ裁く者だということを、知らないのですか。まして、日常の生活にかかわる事は言うまでもありません。4それなのに、あなたがたは、日常の生活にかかわる争いが起きると、教会では疎んじられている人たちを裁判官の席に着かせるのですか。5あなたがたを恥じ入らせるために、わたしは言っています。あなたがたの中には、兄弟を仲裁できるような知恵のある者が、一人もいないのですか。6兄弟が兄弟を訴えるのですか。しかも信仰のない人々の前で。7そもそも、あなたがたの間に裁判ざたがあること自体、既にあなたがたの負けです。なぜ、むしろ不義を甘んじて受けないのです。なぜ、むしろ奪われるままでいないのです。8それどころか、あなたがたは不義を行い、奪い取っています。しかも、兄弟たちに対してそういうことをしている。9正しくない者が神の国を受け継げないことを、知らないのですか。思い違いをしてはいけない。みだらな者、偶像を礼拝する者、姦通する者、男娼、男色をする者、10泥棒、強欲な者、酒におぼれる者、人を悪く言う者、人の物を奪う者は、決して神の国を受け継ぐことができません。11あなたがたの中にはそのような者もいました。しかし、主イエス・キリストの名とわたしたちの神の霊によって洗われ、聖なる者とされ、義とされています。

答唱詩編

詩編149・1+2、5+6a+9b

シオンよ、喜べ。エルサレムよ、うたえ。見よ、わたしたちの王、主が来られる。

詩編149

149・1新しい歌を神にうたい、
民のつどいで神を賛美しよう。
2イスラエルはその造り主を喜び、
シオンの子らはその王をよろこべ。

5栄光をあびて神の民は喜び、
6a神に仕え、高らかにうたう。
9b彼らの口には神への賛美、
これは神を敬う人の誉れ。

福音朗読

ルカ6・12-19

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたを世から選んだのは、あなたがたが行って実を結び、その実が残るためである。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

6・12そのころ、イエスは祈るために山に行き、神に祈って夜を明かされた。13朝になると弟子たちを呼び集め、その中から十二人を選んで使徒と名付けられた。14それは、イエスがペトロと名付けられたシモン、その兄弟アンデレ、そして、ヤコブ、ヨハネ、フィリポ、バルトロマイ、15マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、熱心党と呼ばれたシモン、16ヤコブの子ユダ、それに後に裏切り者となったイスカリオテのユダである。

17イエスは彼らと一緒に山から下りて、平らな所にお立ちになった。大勢の弟子とおびただしい民衆が、ユダヤ全土とエルサレムから、また、ティルスやシドンの海岸地方から、18イエスの教えを聞くため、また病気をいやしていただくために来ていた。汚れた霊に悩まされていた人々もいやしていただいた。19群衆は皆、何とかしてイエスに触れようとした。イエスから力が出て、すべての人の病気をいやしていたからである。

年間第23水曜日 9月11日(水) 年間

第一朗読

①コリント7・25-31

世の事にかかわっている人は、かかわりのない人のようにすべきです

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、7・25未婚の人たちについて、わたしは主の指示を受けてはいませんが、主の憐れみにより信任を得ている者として、意見を述べます。26今危機が迫っている状態にあるので、こうするのがよいとわたしは考えます。つまり、人は現状にとどまっているのがよいのです。27妻と結ばれているなら、そのつながりを解こうとせず、妻と結ばれていないなら妻を求めてはいけない。28しかし、あなたが、結婚しても、罪を犯すわけではなく、未婚の女が結婚しても、罪を犯したわけではありません。ただ、結婚する人たちはその身に苦労を負うことになるでしょう。わたしは、あなたがたにそのような苦労をさせたくないのです。29兄弟たち、わたしはこう言いたい。定められた時は迫っています。今からは、妻のある人はない人のように、30泣く人は泣かない人のように、喜ぶ人は喜ばない人のように、物を買う人は持たない人のように、31世の事にかかわっている人は、かかわりのない人のようにすべきです。この世の有様は過ぎ去るからです。

答唱詩編

詩編45・11+12、17+18

神のいつくしみをとこしえにうたい、主のまことを代々に告げよう。

詩編45

45・11「娘よ、聞け、耳を傾けよ。
おまえの民と父母の家を忘れよ。
12おまえの麗しさを慕う王を主とあがめ、
心を尽くして仕えよ。」

17あなたは先祖のために子孫をもうけ、
彼らに国を治めさせる。
18わたしは、王の名を代々に残し、
人々は終わりなく王をたたえる。

福音朗読

ルカ6・20-26

アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ。天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、6・20イエスは目を上げ弟子たちを見て言われた。

「貧しい人々は、幸いである、
神の国はあなたがたのものである。
21今飢えている人々は、幸いである、
あなたがたは満たされる。
今泣いている人々は、幸いである、
あなたがたは笑うようになる。
22人々に憎まれるとき、また、人の子のために追い出され、ののしられ、汚名を着せられるとき、あなたがたは幸いである。23その日には、喜び踊りなさい。天には大きな報いがある。この人々の先祖も、預言者たちに同じことをしたのである。

24しかし、富んでいるあなたがたは、不幸である、
あなたがたはもう慰めを受けている。
25今満腹している人々、あなたがたは、不幸である、
あなたがたは飢えるようになる。
今笑っている人々は、不幸である、
あなたがたは悲しみ泣くようになる。
26すべての人にほめられるとき、あなたがたは不幸である。この人々の先祖も、偽預言者たちに同じことをしたのである。」

年間第23木曜日 9月12日(木) 年間

第一朗読

①コリント8・1b-7、11-13

知識は人を高ぶらせるが、愛は造り上げます。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、8・1b知識は人を高ぶらせるが、愛は造り上げます。2自分は何か知っていると思う人がいたら、その人は、知らねばならぬことをまだ知らないのです。3しかし、神を愛する人がいれば、その人は神に知られているのです。4そこで、偶像に供えられた肉を食べることについてですが、世の中に偶像の神などはなく、また、唯一の神以外にいかなる神もいないことを、わたしたちは知っています。5現に多くの神々、多くの主がいると思われているように、たとえ天や地に神々と呼ばれるものがいても、6わたしたちにとっては、唯一の神、父である神がおられ、万物はこの神から出、わたしたちはこの神へ帰って行くのです。また、唯一の主、イエス・キリストがおられ、万物はこの主によって存在し、わたしたちもこの主によって存在しているのです。

7しかし、この知識がだれにでもあるわけではありません。ある人たちは、今までの偶像になじんできた習慣にとらわれて、肉を食べる際に、それが偶像に供えられた肉だということが念頭から去らず、良心が弱いために汚されるのです。11そうなると、あなたの知識によって、弱い人が滅びてしまいます。その兄弟のためにもキリストが死んでくださったのです。12このようにあなたがたが、兄弟たちに対して罪を犯し、彼らの弱い良心を傷つけるのは、キリストに対して罪を犯すことなのです。13それだから、食物のことがわたしの兄弟をつまずかせるくらいなら、兄弟をつまずかせないために、わたしは今後決して肉を口にしません。

答唱詩編

詩編139・1+2、3+4

神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。

詩編139

139・1神よ、あなたはわたしをこころにかけ、
わたしのすべてを知っておられる。
2わたしがすわるのも、立つのも知り、
遠くからわたしの思いを見通される。

3歩むときも、休むときも見守り、
わたしの行いをすべて知っておられる。
4くちびるにことばがのぼる前に、
神よ、あなたはすべてを知っておられる。

福音朗読

ルカ6・27-38

アレルヤ、アレルヤ。互いに愛し合うなら神はわたしたちとともにおられ、その愛はわたしたちのうちに全うされる。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・27「わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。28悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい。29あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい。上着を奪い取る者には、下着をも拒んではならない。30求める者には、だれにでも与えなさい。あなたの持ち物を奪う者から取り返そうとしてはならない。31人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。32自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな恵みがあろうか。罪人でも、愛してくれる人を愛している。33また、自分によくしてくれる人に善いことをしたところで、どんな恵みがあろうか。罪人でも同じことをしている。34返してもらうことを当てにして貸したところで、どんな恵みがあろうか。罪人さえ、同じものを返してもらおうとして、罪人に貸すのである。35しかし、あなたがたは敵を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。いと高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。36あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。」

37「人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。人を罪人だと決めるな。そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。38与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。押し入れ、揺すり入れ、あふれるほどに量りをよくして、ふところに入れてもらえる。あなたがたは自分の量る秤で量り返されるからである。」

聖ヨハネ・クリソストモ 司祭教会博士 9月13日(金) 記念日

第一朗読

①コリント9・16-19、22b-27

福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、9・16わたしが福音を告げ知らせても、それはわたしの誇りにはなりません。そうせずにはいられないことだからです。福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです。17自分からそうしているなら、報酬を得るでしょう。しかし、強いられてするなら、それは、ゆだねられている務めなのです。18では、わたしの報酬とは何でしょうか。それは、福音を告げ知らせるときにそれを無報酬で伝え、福音を伝えるわたしが当然持っている権利を用いないということです。

19わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。22bすべての人に対してすべてのものになりました。何とかして何人かでも救うためです。23福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それは、わたしが福音に共にあずかる者となるためです。

24あなたがたは知らないのですか。競技場で走る者は皆走るけれども、賞を受けるのは一人だけです。あなたがたも賞を得るように走りなさい。25競技をする人は皆、すべてに節制します。彼らは朽ちる冠を得るためにそうするのですが、わたしたちは、朽ちない冠を得るために節制するのです。26だから、わたしとしては、やみくもに走ったりしないし、空を打つような拳闘もしません。27むしろ、自分の体を打ちたたいて服従させます。それは、他の人々に宣教しておきながら、自分の方が失格者になってしまわないためです。

答唱詩編

詩編84・2+3、11cd+12

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編84

84・2すべてを治められる神よ、
あなたの住まいは麗しい。
3わたしの魂は主の庭を慕い、
心とからだは生ける神にあこがれる。

11cdよこしまな人の幕屋に泊まるより、
わたしは神の家の戸口に立とう。
12主は光と恵みを豊かに注ぎ、
とがなく歩む者にしあわせを拒まれない。

福音朗読

ルカ6・39-42

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに6・39たとえを話された。「盲人が盲人の道案内をすることができようか。二人とも穴に落ち込みはしないか。40弟子は師にまさるものではない。しかし、だれでも、十分に修行を積めば、その師のようになれる。41あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。42自分の目にある丸太を見ないで、兄弟に向かって、『さあ、あなたの目にあるおが屑を取らせてください』と、どうして言えるだろうか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目にあるおが屑を取り除くことができる。」

十字架称賛 9月14日(土) 年間の主の祝祭日

第一朗読

民数記21・4b-9

蛇にかまれた者がそれを見上げれば、命を得る。

民数記

その日、イスラエルの民は旅の21・4途中で耐えきれなくなって、5神とモーセに逆らって言った。「なぜ、我々をエジプトから導き上ったのですか。荒れ野で死なせるためですか。パンも水もなく、こんな粗末な食物では、気力もうせてしまいます。」6主は炎の蛇を民に向かって送られた。蛇は民をかみ、イスラエルの民の中から多くの死者が出た。7民はモーセのもとに来て言った。「わたしたちは主とあなたを非難して、罪を犯しました。主に祈って、わたしたちから蛇を取り除いてください。」モーセは民のために主に祈った。8主はモーセに言われた。「あなたは炎の蛇を造り、旗竿の先に掲げよ。蛇にかまれた者がそれを見上げれば、命を得る。」9モーセは青銅で一つの蛇を造り、旗竿の先に掲げた。蛇が人をかんでも、その人が青銅の蛇を仰ぐと、命を得た。

または

フィリピ2・6-11

神は、へりくだったキリストを高く上げられた。

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

イエス・2・6キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、7かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、8へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。9このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。10こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、11すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。

答唱詩編

詩編78・1-4、32-35

神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。

詩編78

78・1民よ、わたしの教えを聞け。
わたしの語ることばに耳をかたむけよ。
2わたしは口を開いてたとえをかたり、
過去のできごとの神秘を告げ知らせよう。
3耳で聞いて知ったこと、
先祖がわたしたちに伝えたこと、
4神の誉れと力、その行われた不思議なわざを、
わたしは子孫に隠さず、次の世代に語り告げよう。

32それでも、彼らは罪を犯し、
不思議なわざを信じようとしなかった。
33彼らの日々は吹き消され、
そのいのちはにわかに絶えた。
34死が襲い始めると、
彼らは悔い改めて神を捜し求め、
35神がよりどころであることを思い出した、
すべてを越える神があがない主であることを。

福音朗読

ヨハネ3・13-17

アレルヤ、アレルヤ。キリストよ、あなたを拝み、たたえよう。主は十字架によって世をあがなわれた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはニコデモに言われた。3・13「天から降って来た者、すなわち人の子のほかには、天に上った者はだれもいない。14そして、モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。15それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。

16神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。17神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。」

年間第24主日 9月15日(日) 年間

第一朗読

イザヤ50・5-9a

見よ、主なる神が助けてくださる。

イザヤの預言

50・5主なる神はわたしの耳を開かれた。
わたしは逆らわず、退かなかった。
6打とうとする者には背中をまかせ
ひげを抜こうとする者には頬をまかせた。
顔を隠さずに、嘲りと唾を受けた。
7主なる神が助けてくださるから
わたしはそれを嘲りとは思わない。
わたしは顔を硬い石のようにする。
わたしは知っている
わたしが辱められることはない、と。
8わたしの正しさを認める方は近くいます。
誰がわたしと共に争ってくれるのかわれわれは共に立とう。
誰がわたしを訴えるのかわたしに向かって来るがよい。
9a見よ、主なる神が助けてくださる。
誰がわたしを罪に定めえよう。

答唱詩編

詩編116・1+2+3+4、5+6a+7b、8ab+9

荒れ地のかわき果てた土のように、神よ、わたしはあなたを慕う。

詩編116

116・1わたしは神を愛する。2神はわたしの声を聞き、
日々、祈り求めるわたしに心を留めてくださる。
3死とその苦しみが迫り、苦悩の中にあったとき、
わたしは神の名を求めて叫んだ。4「神よ、わたしを助けてください。」

5神は恵みといつくしみに満ち、
わたしの神はあわれみ深い。
6a神は素朴な人の支え、
7b神は恵みを注いでくださった。

8ab神はわたしを死から救い、
足がつまずかないように支えられた。
9わたしは神の前を歩む、
神に生きる人々の中で。

第二朗読

ヤコブ2・14-18

わたしは行いによって、自分の信仰を見せましょう。

使徒ヤコブの手紙

2・14わたしの兄弟たち、自分は信仰を持っていると言う者がいても、行いが伴わなければ、何の役に立つでしょうか。そのような信仰が、彼を救うことができるでしょうか。15もし、兄弟あるいは姉妹が、着る物もなく、その日の食べ物にも事欠いているとき、16あなたがたのだれかが、彼らに、「安心して行きなさい。温まりなさい。満腹するまで食べなさい」と言うだけで、体に必要なものを何一つ与えないなら、何の役に立つでしょう。17信仰もこれと同じです。行いが伴わないなら、信仰はそれだけでは死んだものです。

18しかし、「あなたには信仰があり、わたしには行いがある」と言う人がいるかもしれません。行いの伴わないあなたの信仰を見せなさい。そうすれば、わたしは行いによって、自分の信仰を見せましょう。

福音朗読

マルコ8・27-35

アレルヤ、アレルヤ。わたしには主の十字架のほかに誇るものはない。世はわたしにとって、わたしも世にとって十字架に付けられている。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、8・27イエスは、弟子たちとフィリポ・カイサリア地方の方々の村にお出かけになった。その途中、弟子たちに、「人々は、わたしのことを何者だと言っているか」と言われた。28弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言っています。ほかに、『エリヤだ』と言う人も、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」29そこでイエスがお尋ねになった。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」ペトロが答えた。「あなたは、メシアです。」30するとイエスは、御自分のことをだれにも話さないようにと弟子たちを戒められた。

31それからイエスは、人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日の後に復活することになっている、と弟子たちに教え始められた。32しかも、そのことをはっきりとお話しになった。すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。33イエスは振り返って、弟子たちを見ながら、ペトロを叱って言われた。「サタン、引き下がれ。あなたは神のことを思わず、人間のことを思っている。」34それから、群衆を弟子たちと共に呼び寄せて言われた。「わたしの後に従いたい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。35自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのため、また福音のために命を失う者は、それを救うのである。」

聖チプリアノ 司教殉教者 9月16日(月) 記念日

第一朗読

①コリント11・17-26、33

このパンを食べこの杯を飲むごとに、主が来られるときまで、主の死を告げ知らせるのです。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、11・17次のことを指示するにあたって、わたしはあなたがたをほめるわけにはいきません。あなたがたの集まりが、良い結果よりは、むしろ悪い結果を招いているからです。18まず第一に、あなたがたが教会で集まる際、お互いの間に仲間割れがあると聞いています。わたしもある程度そういうことがあろうかと思います。19あなたがたの間で、だれが適格者かはっきりするためには、仲間争いも避けられないかもしれません。20それでは、一緒に集まっても、主の晩餐を食べることにならないのです。21なぜなら、食事のとき各自が勝手に自分の分を食べてしまい、空腹の者がいるかと思えば、酔っている者もいるという始末だからです。22あなたがたには、飲んだり食べたりする家がないのですか。それとも、神の教会を見くびり、貧しい人々に恥をかかせようというのですか。わたしはあなたがたに何と言ったらよいのだろう。ほめることにしようか。この点については、ほめるわけにはいきません。

23わたしがあなたがたに伝えたことは、わたし自身、主から受けたものです。すなわち、主イエスは、引き渡される夜、パンを取り、24感謝の祈りをささげてそれを裂き、「これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。25また、食事の後で、杯も同じようにして、「この杯は、わたしの血によって立てられる新しい契約である。飲む度に、わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。26だから、あなたがたは、このパンを食べこの杯を飲むごとに、主が来られるときまで、主の死を告げ知らせるのです。

33わたしの兄弟たち、こういうわけですから、食事のために集まるときには、互いに待ち合わせなさい。

答唱詩編

詩編40・10、17

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編40

40・10わたしは人々のつどいの中で、
あなたの救いのわざを告げ知らせ、
けっして口を閉じることがない。
神よ、あなたはそれを知っておられる。

17あなたを求めるすべての人は、
あなたのうちにあって喜び楽しみ、
救いの力を尊ぶ人は、
「神は偉大なかた」といつもたたえる。

福音朗読

ルカ7・1-10

アレルヤ、アレルヤ。神はひとり子をお与えになるほど世を愛された。神を信じるすべての人が永遠のいのちを得るために。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、7・1イエスは、民衆にこれらの言葉をすべて話し終えてから、カファルナウムに入られた。2ところで、ある百人隊長に重んじられている部下が、病気で死にかかっていた。3イエスのことを聞いた百人隊長は、ユダヤ人の長老たちを使いにやって、部下を助けに来てくださるように頼んだ。4長老たちはイエスのもとに来て、熱心に願った。「あの方は、そうしていただくのにふさわしい人です。5わたしたちユダヤ人を愛して、自ら会堂を建ててくれたのです。」6そこで、イエスは一緒に出かけられた。ところが、その家からほど遠からぬ所まで来たとき、百人隊長は友達を使いにやって言わせた。「主よ、御足労には及びません。わたしはあなたを自分の屋根の下にお迎えできるような者ではありません。7ですから、わたしの方からお伺いするのさえふさわしくないと思いました。ひと言おっしゃってください。そして、わたしの僕をいやしてください。8わたしも権威の下に置かれている者ですが、わたしの下には兵隊がおり、一人に『行け』と言えば行きますし、他の一人に『来い』と言えば来ます。また部下に『これをしろ』と言えば、そのとおりにします。」9イエスはこれを聞いて感心し、従っていた群衆の方を振り向いて言われた。「言っておくが、イスラエルの中でさえ、わたしはこれほどの信仰を見たことがない。」10使いに行った人たちが家に帰ってみると、その部下は元気になっていた。

年間第24火曜日 9月17日(火) 年間

第一朗読

①コリント12・12-14、27-31a

体は一つであるように、キリストの場合も同様である。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、12・12体は一つでも、多くの部分から成り、体のすべての部分の数は多くても、体は一つであるように、キリストの場合も同様である。13つまり、一つの霊によって、わたしたちは、ユダヤ人であろうとギリシア人であろうと、奴隷であろうと自由な身分の者であろうと、皆一つの体となるために洗礼を受け、皆一つの霊をのませてもらったのです。14体は、一つの部分ではなく、多くの部分から成っています。

27あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。28神は、教会の中にいろいろな人をお立てになりました。第一に使徒、第二に預言者、第三に教師、次に奇跡を行う者、その次に病気をいやす賜物を持つ者、援助する者、管理する者、異言を語る者などです。29皆が使徒であろうか。皆が預言者であろうか。皆が教師であろうか。皆が奇跡を行う者であろうか。30皆が病気をいやす賜物を持っているだろうか。皆が異言を語るだろうか。皆がそれを解釈するだろうか。31あなたがたは、もっと大きな賜物を受けるよう熱心に努めなさい。

答唱詩編

詩編100・1+2、5

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編100

100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、
歓呼の歌をささげつつ、
2み前に進み、神に仕えよ。

5神はいつくしみ深く、
そのあわれみは限りなく、
そのまことは世々に及ぶ。

福音朗読

ルカ7・11-17

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、7・11イエスはナインという町に行かれた。弟子たちや大勢の群衆も一緒であった。12イエスが町の門に近づかれると、ちょうど、ある母親の一人息子が死んで、棺が担ぎ出されるところだった。その母親はやもめであって、町の人が大勢そばに付き添っていた。13主はこの母親を見て、憐れに思い、「もう泣かなくともよい」と言われた。14そして、近づいて棺に手を触れられると、担いでいる人たちは立ち止まった。イエスは、「若者よ、あなたに言う。起きなさい」と言われた。15すると、死人は起き上がってものを言い始めた。イエスは息子をその母親にお返しになった。16人々は皆恐れを抱き、神を賛美して、「大預言者が我々の間に現れた」と言い、また、「神はその民を心にかけてくださった」と言った。17イエスについてのこの話は、ユダヤの全土と周りの地方一帯に広まった。

年間第24水曜日 9月18日(水) 年間

第一朗読

①コリント12・31-13・13

信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、12・31あなたがたは、もっと大きな賜物を受けるよう熱心に努めなさい。

そこで、わたしはあなたがたに最高の道を教えます。

13・1たとえ、人々の異言、天使たちの異言を語ろうとも、愛がなければ、わたしは騒がしいどら、やかましいシンバル。2たとえ、預言する賜物を持ち、あらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも、たとえ、山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも、愛がなければ、無に等しい。3全財産を貧しい人々のために使い尽くそうとも、誇ろうとしてわが身を死に引き渡そうとも、愛がなければ、わたしに何の益もない。

4愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。5礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。6不義を喜ばず、真実を喜ぶ。7すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。8愛は決して滅びない。預言は廃れ、異言はやみ、知識は廃れよう、9わたしたちの知識は一部分、預言も一部分だから。10完全なものが来たときには、部分的なものは廃れよう。11幼子だったとき、わたしは幼子のように話し、幼子のように思い、幼子のように考えていた。成人した今、幼子のことを棄てた。12わたしたちは、今は、鏡におぼろに映ったものを見ている。だがそのときには、顔と顔とを合わせて見ることになる。わたしは、今は一部しか知らなくとも、そのときには、はっきり知られているようにはっきり知ることになる。13それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。

答唱詩編

詩編33・4+5、12+13

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・4神のことばはただしく、
そのわざにはいつわりがない。
5神は正義と公平を愛し、
いつくしみは地に満ちている。

12神を王としていただく国、
神のものとして選ばれた民はしあわせ。
13神は天から目をそそぎ、
人々をすべて見ておられる。

福音朗読

ルカ7・31-35

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは言われた。7・31「今の時代の人たちは何にたとえたらよいか。彼らは何に似ているか。32広場に座って、互いに呼びかけ、こう言っている子供たちに似ている。

『笛を吹いたのに、
踊ってくれなかった。
葬式の歌をうたったのに、
泣いてくれなかった。』

33洗礼者ヨハネが来て、パンも食べずぶどう酒も飲まずにいると、あなたがたは、『あれは悪霊に取りつかれている』と言い、34人の子が来て、飲み食いすると、『見ろ、大食漢で大酒飲みだ。徴税人や罪人の仲間だ』と言う。35しかし、知恵の正しさは、それに従うすべての人によって証明される。」

年間第24木曜日 9月19日(木) 年間

第一朗読

①コリント15・1-11

働いたのは、わたしと共にある神の恵みなのです。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

15・1兄弟たち、わたしがあなたがたに告げ知らせた福音を、ここでもう一度知らせます。これは、あなたがたが受け入れ、生活のよりどころとしている福音にほかなりません。2どんな言葉でわたしが福音を告げ知らせたか、しっかり覚えていれば、あなたがたはこの福音によって救われます。さもないと、あなたがたが信じたこと自体が、無駄になってしまうでしょう。3最も大切なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、4葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、5ケファに現れ、その後十二人に現れたことです。6次いで、五百人以上もの兄弟たちに同時に現れました。そのうちの何人かは既に眠りについたにしろ、大部分は今なお生き残っています。7次いで、ヤコブに現れ、その後すべての使徒に現れ、8そして最後に、月足らずで生まれたようなわたしにも現れました。9わたしは、神の教会を迫害したのですから、使徒たちの中でもいちばん小さな者であり、使徒と呼ばれる値打ちのない者です。10神の恵みによって今日のわたしがあるのです。そして、わたしに与えられた神の恵みは無駄にならず、わたしは他のすべての使徒よりずっと多く働きました。しかし、働いたのは、実はわたしではなく、わたしと共にある神の恵みなのです。11とにかく、わたしにしても彼らにしても、このように宣べ伝えているのですし、あなたがたはこのように信じたのでした。

答唱詩編

詩編118・1+2、16+17

きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。

詩編118

118・1恵み深い神に感謝せよ。
そのあわれみは永遠。
2イスラエルよ、叫べ。
神のいつくしみは絶えることがない。

16神の右の手は高く上がり、
その右の手は力を示す。
17わたしは死なず、わたしは生きる。
神のわざを告げるために。

福音朗読

ルカ7・36-50

アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、7・36あるファリサイ派の人が、一緒に食事をしてほしいと願ったので、イエスはその家に入って食事の席に着かれた。37この町に一人の罪深い女がいた。イエスがファリサイ派の人の家に入って食事の席に着いておられるのを知り、香油の入った石膏の壺を持って来て、38後ろからイエスの足もとに近寄り、泣きながらその足を涙でぬらし始め、自分の髪の毛でぬぐい、イエスの足に接吻して香油を塗った。39イエスを招待したファリサイ派の人はこれを見て、「この人がもし預言者なら、自分に触れている女がだれで、どんな人か分かるはずだ。罪深い女なのに」と思った。40そこで、イエスがその人に向かって、「シモン、あなたに言いたいことがある」と言われると、シモンは、「先生、おっしゃってください」と言った。41イエスはお話しになった。「ある金貸しから、二人の人が金を借りていた。一人は五百デナリオン、もう一人は五十デナリオンである。42二人には返す金がなかったので、金貸しは両方の借金を帳消しにしてやった。二人のうち、どちらが多くその金貸しを愛するだろうか。」43シモンは、「帳消しにしてもらった額の多い方だと思います」と答えた。イエスは、「そのとおりだ」と言われた。44そして、女の方を振り向いて、シモンに言われた。「この人を見ないか。わたしがあなたの家に入ったとき、あなたは足を洗う水もくれなかったが、この人は涙でわたしの足をぬらし、髪の毛でぬぐってくれた。45あなたはわたしに接吻の挨拶もしなかったが、この人はわたしが入って来てから、わたしの足に接吻してやまなかった。46あなたは頭にオリーブ油を塗ってくれなかったが、この人は足に香油を塗ってくれた。47だから、言っておく。この人が多くの罪を赦されたことは、わたしに示した愛の大きさで分かる。赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」48そして、イエスは女に、「あなたの罪は赦された」と言われた。49同席の人たちは、「罪まで赦すこの人は、いったい何者だろう」と考え始めた。50イエスは女に、「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」と言われた。

聖アンドレ金と同志 殉教者 9月20日(金) 記念日

第一朗読

①コリント15・12-20

実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、15・12キリストは死者の中から復活した、と宣べ伝えられているのに、あなたがたの中のある者が、死者の復活などない、と言っているのはどういうわけですか。13死者の復活がなければ、キリストも復活しなかったはずです。14そして、キリストが復活しなかったのなら、わたしたちの宣教は無駄であるし、あなたがたの信仰も無駄です。15更に、わたしたちは神の偽証人とさえ見なされます。なぜなら、もし、本当に死者が復活しないなら、復活しなかったはずのキリストを神が復活させたと言って、神に反して証しをしたことになるからです。16死者が復活しないのなら、キリストも復活しなかったはずです。17そして、キリストが復活しなかったのなら、あなたがたの信仰はむなしく、あなたがたは今もなお罪の中にあることになります。18そうだとすると、キリストを信じて眠りについた人々も滅んでしまったわけです。19この世の生活でキリストに望みをかけているだけだとすれば、わたしたちはすべての人の中で最も惨めな者です。

20しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。

答唱詩編

詩編17・6+7、13ab+15

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編17

17・6神よ、あなたに叫ぶわたしに答え、
耳を傾けて願いを聞いてください。
7あなたのもとに逃れる者を力強く救い、
いつくしみのわざを現してください。

13ab神よ、力を現し、
彼らに立ち向かってください。
15正しいさばきが現され、夜明けにあなたを仰ぐとき、
わたしはあなたに満たされる。

福音朗読

ルカ8・1-3

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、8・1イエスは神の国を宣べ伝え、その福音を告げ知らせながら、町や村を巡って旅を続けられた。十二人も一緒だった。2悪霊を追い出して病気をいやしていただいた何人かの婦人たち、すなわち、七つの悪霊を追い出していただいたマグダラの女と呼ばれるマリア、3ヘロデの家令クザの妻ヨハナ、それにスサンナ、そのほか多くの婦人たちも一緒であった。彼女たちは、自分の持ち物を出し合って、一行に奉仕していた。

聖マタイ使徒福音記者 9月21日(土) 聖人の記念

第一朗読

エフェソ4・1-7、11-13

キリストはある人を使徒、ある人を預言者、ある人を福音宣教者、ある人を牧者、教師とされた

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、4・1主に結ばれて囚人となっているわたしはあなたがたに勧めます。神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩み、2一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、3平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。4体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。5主は一人、信仰は一つ、洗礼は一つ、6すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます。

7しかし、わたしたち一人一人に、キリストの賜物のはかりに従って、恵みが与えられています。

11そして、キリストはある人を使徒、ある人を預言者、ある人を福音宣教者、ある人を牧者、教師とされたのです。12こうして、聖なる者たちは奉仕の業に適した者とされ、キリストの体を造り上げてゆき、13ついには、わたしたちは皆、神の子に対する信仰と知識において一つのものとなり、成熟した人間になり、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長するのです。

答唱詩編

詩編19・2+3、4+5

天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。

詩編19

19・2天は神の栄光を語り、
大空はみ手のわざを告げる。
3日は日にことばを語り継ぎ、
夜は夜に知識を伝える。

4ことばでもなく、話でもなく、
その声も聞こえないが、
その響きは地を覆い、その知らせは世界に及ぶ。
5神は天に太陽の幕屋をすえられた。

福音朗読

マタイ9・9-13

アレルヤ、アレルヤ。あなたを神とほめたたえ、万物の主とあがめる。栄光を受けた使徒の群れもあなたをたたえて歌う。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは9・9通りがかりに、マタイという人が収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。10イエスがその家で食事をしておられたときのことである。徴税人や罪人も大勢やって来て、イエスや弟子たちと同席していた。11ファリサイ派の人々はこれを見て、弟子たちに、「なぜ、あなたたちの先生は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と言った。12イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。13『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』とはどういう意味か、行って学びなさい。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」

年間第25主日 9月22日(日) 年間

第一朗読

知恵2・12、17-20

彼の言葉どおりなら、神の助けがあるはずだ。

知恵の書

神に逆らう者は言う。
2・12「神に従う人は邪魔だから、だまして陥れよう。
我々のすることに反対し、
律法に背くといって我々をとがめ
教訓に反するといって非難するのだから。
17彼の言葉が真実かどうか見てやろう。
生涯の終わりに何が起こるかを確かめよう。
18本当に彼が神の子なら、助けてもらえるはずだ。
敵の手から救い出されるはずだ。
19暴力と責め苦を加えて彼を試してみよう。
その寛容ぶりを知るために、
悪への忍耐ぶりを試みるために。
20彼を不名誉な死に追いやろう。
彼の言葉どおりなら、神の助けがあるはずだ。」

答唱詩編

詩編54・3+4、8+6+9a

荒れ地のかわき果てた土のように、神よ、わたしはあなたを慕う。

詩編54

54・3神よ、あなたの名によってわたしを救い、
あなたの力で守ってください。
4神よ、わたしの祈りを聞き、
わたしのことばに耳を傾けてください。

8神よ、わたしはすすんでいけにえをささげ、
いつくしみ深いあなたの名をたたえる。
6神はわたしの助け、わたしのいのちの支え、
9aあなたはすべての苦しみからわたしを救われる。

第二朗読

ヤコブ3・16-4・3

義の実は、平和を実現する人たちによって、平和のうちに蒔かれるのです。

使徒ヤコブの手紙

愛する皆さん、3・16ねたみや利己心のあるところには、混乱やあらゆる悪い行いがあります。17上から出た知恵は、何よりもまず、純真で、更に、温和で、優しく、従順なものです。憐れみと良い実に満ちています。偏見はなく、偽善的でもありません。18義の実は、平和を実現する人たちによって、平和のうちに蒔かれるのです。

4・1何が原因で、あなたがたの間に戦いや争いが起こるのですか。あなたがた自身の内部で争い合う欲望が、その原因ではありませんか。2あなたがたは、欲しても得られず、人を殺します。また、熱望しても手に入れることができず、争ったり戦ったりします。得られないのは、3願い求めないからで、願い求めても、与えられないのは、自分の楽しみのために使おうと、間違った動機で願い求めるからです。

福音朗読

マルコ9・30-37

アレルヤ、アレルヤ。福音によって神は私たちを召し出し、主イエス・キリストの栄光にあずかる者としてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、9・30イエスと弟子たちはガリラヤを通って行った。しかし、イエスは人に気づかれるのを好まれなかった。31それは弟子たちに、「人の子は、人々の手に引き渡され、殺される。殺されて三日の後に復活する」と言っておられたからである。32弟子たちはこの言葉が分からなかったが、怖くて尋ねられなかった。

33一行はカファルナウムに来た。家に着いてから、イエスは弟子たちに、「途中で何を議論していたのか」とお尋ねになった。34彼らは黙っていた。途中でだれがいちばん偉いかと議論し合っていたからである。35イエスが座り、十二人を呼び寄せて言われた。「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい。」36そして、一人の子供の手を取って彼らの真ん中に立たせ、抱き上げて言われた。37「わたしの名のためにこのような子供の一人を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしではなくて、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。」

聖ピオ・(ピエトレルチーナ) 司祭 9月23日(月) 記念日

第一朗読

箴言3・27-34

主は不遜な者を嘲り、へりくだる人に恵みを賜る。

箴言

わが子よ、3・27施すべき相手に善行を拒むな
あなたの手にその力があるなら。
28出直してくれ、明日あげよう、と友に言うな
あなたが今持っているなら。
29友に対して悪意を耕すな
彼は安心してあなたのもとに住んでいるのだ。
30理由もなく他人と争うな
あなたに悪事をはたらいていないなら。
31不法を行う者をうらやむな、その道を選ぶな。
32主は曲がった者をいとい
まっすぐな人と交わってくださる。
33主に逆らう者の家には主の呪いが
主に従う人の住みかには祝福がある。
34主は不遜な者を嘲り
へりくだる人に恵みを賜る。

答唱詩編

詩編15・1+2、3+4a+6

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩むもの。

詩編15

15・1神よ、あなたの幕屋に泊まる人、
あなたのとうとい山を住まいとする人はだれ。
2それはとがなく歩み、正義を行い、
心からまことをかたる人。

3ことばで人をきずつけず、
悪を行わず、隣人をはずかしめない。
4a神を捨てた者を戒め、神をおそれる者をとうとぶ。
6このようにふるまう人はとこしえにゆらぐことがない。

福音朗読

ルカ8・16-18

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたはいのちのことばを保ち、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。8・16「ともし火をともして、それを器で覆い隠したり、寝台の下に置いたりする人はいない。入って来る人に光が見えるように、燭台の上に置く。17隠れているもので、あらわにならないものはなく、秘められたもので、人に知られず、公にならないものはない。18だから、どう聞くべきかに注意しなさい。持っている人は更に与えられ、持っていない人は持っていると思うものまでも取り上げられる。」

年間第25火曜日 9月24日(火) 年間

第一朗読

箴言21・1-6、10-13

人間の道は自分の目に正しく見える。

箴言

21・1主の御手にあって王の心は水路のよう。
主は御旨のままにその方向を定められる。
2人間の道は自分の目に正しく見える。
主は心の中を測られる。
3神に従い正義を行うことは
いけにえをささげるよりも主に喜ばれる。
4高慢なまなざし、傲慢な心は
神に逆らう者の灯、罪。
5勤勉な人はよく計画して利益を得
あわてて事を行う者は欠損をまねく。
6うそをつく舌によって財宝を積む者は
吹き払われる息、死を求める者。
10神に逆らう者の欲望は悪に注がれ
その目は隣人をも憐れまない。
11不遜な者を罰すれば、浅はかな者は知恵を得る。
知恵ある人を目覚めさせるなら彼は知識を得る。
12神に従う人は逆らう者の家を識別し
神に逆らう者を災いに落とす。
13弱い人の叫びに耳を閉ざす者は
自分が呼び求める時が来ても答えは得られない。

答唱詩編

詩編119・1+2a+3b、15+16

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・1しあわせな人、道からそれず、
2a神の教えに従って歩む人。
3bそのさとしをとがなく守り、
神の道を歩む人。

15あなたの定めを思いめぐらし、
あなたの道に目を注ぐ。
16わたしはおきてを喜びとし、
あなたのことばを忘れない。

福音朗読

ルカ8・19-21

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、8・19イエスのところに母と兄弟たちが来たが、群衆のために近づくことができなかった。20そこでイエスに、「母上と御兄弟たちが、お会いしたいと外に立っておられます」との知らせがあった。21するとイエスは、「わたしの母、わたしの兄弟とは、神の言葉を聞いて行う人たちのことである」とお答えになった。

年間第25水曜日 9月25日(水) 年間

第一朗読

箴言30・5-9

貧しければ、盗みを働きわたしの神の御名を汚しかねません。

箴言

30・5神の言われることはすべて清い。
身を寄せればそれは盾となる。
6御言葉に付け加えようとするな。
責められて偽る者と断罪されることのないように。

7二つのことをあなたに願います。
わたしが死ぬまで、それを拒まないでください。
8むなしいもの、偽りの言葉をわたしから遠ざけてください。
貧しくもせず、金持ちにもせず
わたしのために定められたパンでわたしを養ってください。
9飽き足りれば、裏切り
主など何者か、と言うおそれがあります。
貧しければ、盗みを働きわたしの神の御名を汚しかねません。

答唱詩編

詩編119・29+30、89+90

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編119

119・29偽りの道からわたしを退け、
教えを授けてください。
30わたしは真実の道を志し、
あなたのさばきを心におさめる。

89神よ、あなたのことばは
とこしえに続き、天に堅く立つ。
90あなたのまことは世々に続き、
あなたにすえられた地はゆるがない。

福音朗読

ルカ9・1-6

アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、9・1イエスは十二人を呼び集め、あらゆる悪霊に打ち勝ち、病気をいやす力と権能をお授けになった。2そして、神の国を宣べ伝え、病人をいやすために遣わすにあたり、3次のように言われた。「旅には何も持って行ってはならない。杖も袋もパンも金も持ってはならない。下着も二枚は持ってはならない。4どこかの家に入ったら、そこにとどまって、その家から旅立ちなさい。5だれもあなたがたを迎え入れないなら、その町を出ていくとき、彼らへの証しとして足についた埃を払い落としなさい。」6十二人は出かけて行き、村から村へと巡り歩きながら、至るところで福音を告げ知らせ、病気をいやした。

年間第25木曜日 9月26日(木) 年間

第一朗読

コヘレト1・2-11

なんという空しさなんという空しさ、すべては空しい。

コヘレトの言葉

1・2コヘレトは言う。
なんという空しさ
なんという空しさ、すべては空しい。

3太陽の下、人は労苦するが
すべての労苦も何になろう。
4一代過ぎればまた一代が起こり
永遠に耐えるのは大地。
5日は昇り、日は沈み
あえぎ戻り、また昇る。
6風は南に向かい北へ巡り、めぐり巡って吹き
風はただ巡りつつ、吹き続ける。
7川はみな海に注ぐが海は満ちることなく
どの川も、繰り返しその道程を流れる。

8何もかも、もの憂い。
語り尽くすこともできず
目は見飽きることなく
耳は聞いても満たされない。
9かつてあったことは、これからもあり
かつて起こったことは、これからも起こる。
太陽の下、新しいものは何ひとつない。
10見よ、これこそ新しい、と言ってみても
それもまた、永遠の昔からあり
この時代の前にもあった。
11昔のことに心を留めるものはない。
これから先にあることも
その後の世にはだれも心に留めはしまい。

答唱詩編

詩編90・1+2+14、4+5c+6

神のはからいは限りなく、生涯、私はその中に生きる。

詩編90

90・1主よ、あなたは代々にわたってわたしたちの住まい。
2世界が造られる前から、永遠にあなたは神。
14朝ごとにあなたのいつくしみを注ぎ、日々わたしたちに、
喜びの歌を歌わせてください。

4あなたの目には、千年も過ぎ去ったいち日のよう、
5c夜回りのひと時に過ぎない。
6人のいのちはくさのよう、あしたには花を開くが、
夕べにはしおれて枯れる。

福音朗読

ルカ9・7-9

アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、9・7領主ヘロデは、これらの出来事をすべて聞いて戸惑った。というのは、イエスについて、「ヨハネが死者の中から生き返ったのだ」と言う人もいれば、8「エリヤが現れたのだ」と言う人もいて、更に、「だれか昔の預言者が生き返ったのだ」と言う人もいたからである。9しかし、ヘロデは言った。「ヨハネなら、わたしが首をはねた。いったい、何者だろう。耳に入ってくるこんなうわさの主は。」そして、イエスに会ってみたいと思った。

聖ビンセンシオ・ア・パウロ 司祭 9月27日(金) 記念日

第一朗読

コヘレト3・1-11

天の下の出来事にはすべて定められた時がある

コヘレトの言葉

3・1何事にも時があり

天の下の出来事にはすべて定められた時がある。
2生まれる時、死ぬ時
植える時、
植えたものを抜く時
3殺す時、癒す時
破壊する時、建てる時
4泣く時、笑う時
嘆く時、踊る時
5石を放つ時、石を集める時
抱擁の時、抱擁を遠ざける時
6求める時、失う時
保つ時、放つ時
7裂く時、縫う時
黙する時、語る時
8愛する時、憎む時
戦いの時、平和の時。

9人が労苦してみたところで何になろう。

10わたしは、神が人の子らにお与えになった務めを見極めた。11神はすべてを時宜にかなうように造り、また、永遠を思う心を人に与えられる。それでもなお、神のなさる業を始めから終りまで見極めることは許されていない。

答唱詩編

詩編139・1+2、17+18

神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。

詩編139

139・1神よ、あなたはわたしを心にかけ、
わたしのすべてを知っておられる。
2わたしが座るのも、立つのも知り、
遠くからわたしの思いを見通される。

17神よ、あなたの思いはきわめがたく、
そのすべてを知ることはできない。
18あなたのはからいは限りなく、
生涯わたしはその中に生きる。

福音朗読

ルカ9・18-22

アレルヤ、アレルヤ。人の子は来たのは仕えるため、多くの人の贖いとして自分の命を与えるため。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

9・18イエスがひとりで祈っておられたとき、弟子たちは共にいた。そこでイエスは、「群衆は、わたしのことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。19弟子たちは答えた。「『洗礼者ヨハネだ』と言っています。ほかに、『エリヤだ』と言う人も、『だれか昔の預言者が生き返ったのだ』と言う人もいます。」20イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」ペトロが答えた。「神からのメシアです。」

21イエスは弟子たちを戒め、このことをだれにも話さないように命じて、22次のように言われた。「人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日目に復活することになっている。」

聖トマス西 と15殉教者 9月28日(土) 記念日

第一朗読

コヘレト11・9-12・8

若者よ、お前の若さを喜ぶがよい。

コヘレトの言葉

11・9若者よ、お前の若さを喜ぶがよい。
青年時代を楽しく過ごせ。
心にかなう道を、目に映るところに従って行け。
知っておくがよい
神はそれらすべてについて
お前を裁きの座に連れて行かれると。
10心から悩みを去り、肉体から苦しみを除け。
若さも青春も空しい。

12・1青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ。
苦しみの日々が来ないうちに。
「年を重ねることに喜びはない」と言う年齢にならないうちに。
2太陽が闇に変わらないうちに。
月や星の光がうせないうちに。
雨の後にまた雲が戻って来ないうちに。

3その日には
家を守る男も震え、力ある男も身を屈める。
粉ひく女の数は減って行き、失われ
窓から眺める女の目はかすむ。
4通りでは門が閉ざされ、粉ひく音はやむ。
鳥の声に起き上がっても、歌の節は低くなる。
5人は高いところを恐れ、道にはおののきがある。
アーモンドの花は咲き、いなごは重荷を負い
アビヨナは実をつける。
人は永遠の家へ去り、泣き手は町を巡る。
6白銀の糸は断たれ、黄金の鉢は砕ける。
泉のほとりに壺は割れ、井戸車は砕けて落ちる。
7塵は元の大地に帰り、霊は与え主である神に帰る。
8なんと空しいことか、とコヘレトは言う。
すべては空しい、と。

答唱詩編

詩編90・11+12、16+17

神のはからいは限りなく、生涯、私はその中に生きる。

詩編90

90・11だれがあなたの怒りの力をさとり、
憤りの恐ろしさを知っているのか。
12残された日々を数えることをおしえ、
知恵に向かう心を与えてください。

16あなたのわざをわたしたちの上に、
あなたの輝きを子孫にあらわしてください。
17わたしたちの神、主がその恵みを注がれ、
わたしたちの手のわざが実りの豊かな者となるように。

福音朗読

ルカ9・43b-45

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、9・43bイエスがなさったすべてのことに、皆が驚いていると、イエスは弟子たちに言われた。44「この言葉をよく耳に入れておきなさい。人の子は人々の手に引き渡されようとしている。」45弟子たちはその言葉が分からなかった。彼らには理解できないように隠されていたのである。彼らは、怖くてその言葉について尋ねられなかった。

年間第26主日 9月29日(日) 年間

第一朗読

民数記11・25-29

わたしは、主が霊を授けて、主の民すべてが預言者になればよい

民数記

その日、11・25主は雲のうちにあって降り、モーセに語られ、モーセに授けられている霊の一部を取って、七十人の長老にも授けられた。霊が彼らの上にとどまると、彼らは預言状態になったが、続くことはなかった。

26宿営に残っていた人が二人あった。一人はエルダド、もう一人はメダドといい、長老の中に加えられていたが、まだ幕屋には出かけていなかった。霊が彼らの上にもとどまり、彼らは宿営で預言状態になった。27一人の若者がモーセのもとに走って行き、エルダドとメダドが宿営で預言状態になっていると告げた。28若いころからモーセの従者であったヌンの子ヨシュアは、「わが主モーセよ、やめさせてください」と言った。29モーセは彼に言った。「あなたはわたしのためを思ってねたむ心を起こしているのか。わたしは、主が霊を授けて、主の民すべてが預言者になればよいと切望しているのだ。」

答唱詩編

詩編19・8、10、12

主よ、あなたは永遠のいのちのことば。

詩編19

19・8神の教えは完全で、魂を生き返らせ、
そのさとしは変わらず、心に知恵をもたらす。

10神のことばは正しく、世々に及び、
そのさばきは真実で、すべて正しい。

12神よ、あなたのしもべはこれに教えられ、
それを守る人は豊かな恵みを受ける。

第二朗読

ヤコブ5・1-6

富んでいる人たち、よく聞きなさい

使徒ヤコブの手紙

5・1富んでいる人たち、よく聞きなさい。自分にふりかかってくる不幸を思って、泣きわめきなさい。2あなたがたの富は朽ち果て、衣服には虫が付き、3金銀もさびてしまいます。このさびこそが、あなたがたの罪の証拠となり、あなたがたの肉を火のように食い尽くすでしょう。あなたがたは、この終わりの時のために宝を蓄えたのでした。4御覧なさい。畑を刈り入れた労働者にあなたがたが支払わなかった賃金が、叫び声をあげています。刈り入れをした人々の叫びは、万軍の主の耳に達しました。5あなたがたは、地上でぜいたくに暮らして、快楽にふけり、屠られる日に備え、自分の心を太らせ、6正しい人を罪に定めて、殺した。その人は、あなたがたに抵抗していません。

福音朗読

マルコ9・38-43、45、47-48

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、9・38ヨハネがイエスに言った。「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちに従わないので、やめさせようとしました。」39イエスは言われた。「やめさせてはならない。わたしの名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、わたしの悪口は言えまい。40わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである。41はっきり言っておく。キリストの弟子だという理由で、あなたがたに一杯の水を飲ませてくれる者は、必ずその報いを受ける。

42わたしを信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる者は、大きな石臼を首に懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がはるかによい。43もし片方の手があなたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。両手がそろったまま地獄の消えない火の中に落ちるよりは、片手になっても命にあずかる方がよい。45もし片方の足があなたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。両足がそろったままで地獄に投げ込まれるよりは、片足になっても命にあずかる方がよい。47もし片方の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出しなさい。両方の目がそろったまま地獄に投げ込まれるよりは、一つの目になっても神の国に入る方がよい。48地獄では蛆が尽きることも、火が消えることもない。」

聖ヒエロニモ 司祭教会博士 9月30日(月) 記念日

第一朗読

ヨブ1・6-22

わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。

ヨブ記

1・6ある日、主の前に神の使いたちが集まり、サタンも来た。7主はサタンに言われた。

「お前はどこから来た。」

「地上を巡回しておりました。ほうぼうを歩きまわっていました」とサタンは答えた。

8主はサタンに言われた。

「お前はわたしの僕ヨブに気づいたか。地上に彼ほどの者はいまい。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」

9サタンは答えた。

「ヨブが、利益もないのに神を敬うでしょうか。10あなたは彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか。彼の手の業をすべて祝福なさいます。お陰で、彼の家畜はその地に溢れるほどです。11ひとつこの辺で、御手を伸ばして彼の財産に触れてごらんなさい。面と向かってあなたを呪うにちがいありません。」

12主はサタンに言われた。

「それでは、彼のものを一切、お前のいいようにしてみるがよい。ただし彼には、手を出すな。」

サタンは主のもとから出て行った。

13ヨブの息子、娘が、長兄の家で宴会を開いていた日のことである。14‐15ヨブのもとに、一人の召使いが報告に来た。

「御報告いたします。わたしどもが、牛に畑を耕させ、その傍らでろばに草を食べさせておりますと、シェバ人が襲いかかり、略奪していきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」

16彼が話し終らないうちに、また一人が来て言った。

「御報告いたします。天から神の火が降って、羊も羊飼いも焼け死んでしまいました。わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」

17彼が話し終らないうちに、また一人来て言った。

「御報告いたします。カルデア人が三部隊に分かれてらくだの群れを襲い、奪っていきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」

18彼が話し終らないうちに、更にもう一人来て言った。

「御報告いたします。御長男のお宅で、御子息、御息女の皆様が宴会を開いておられました。19すると、荒れ野の方から大風が来て四方から吹きつけ、家は倒れ、若い方々は死んでしまわれました。わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」

20ヨブは立ち上がり、衣を裂き、髪をそり落とし、地にひれ伏して言った。

21「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ。」

22このような時にも、ヨブは神を非難することなく、罪を犯さなかった。

答唱詩編

詩編17・1+2、3+5

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編17

17・1神よ、わたしの正しい訴えと叫びに心を留め、
いつわりのない祈りに耳を傾けてください。
2正しいさばきをわたしに現し、
わけへだてのない目を注いでください。

3あなたは夜、わたしを訪れ、心をためされる。
あなたが火でためされても、逆らう思いはない。
5わたしはあなたのあとを歩み、
あなたの道を離れない。

福音朗読

ルカ9・46-50

アレルヤ、アレルヤ。人の子が来たのは仕えるため、多くの人の贖いとして自分の命を与えるため。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、9・46弟子たちの間で、自分たちのうちだれがいちばん偉いかという議論が起きた。47イエスは彼らの心の内を見抜き、一人の子供の手を取り、御自分のそばに立たせて、48言われた。「わたしの名のためにこの子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である。」

49そこで、ヨハネが言った。「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちと一緒にあなたに従わないので、やめさせようとしました。」50イエスは言われた。「やめさせてはならない。あなたがたに逆らわない者は、あなたがたの味方なのである。」

10月
聖テレジア(幼いイエスの) おとめ教会博士 10月1日(火) 記念日

第一朗読

ヨブ3・1-3、11-17、20-23

わたしの生まれた日は消えうせよ。

ヨブ記

3・1やがてヨブは口を開き、自分の生まれた日を呪って、2言った。

3わたしの生まれた日は消えうせよ。
男の子をみごもったことを告げた夜も。

11なぜ、わたしは母の胎にいるうちに死んでしまわなかったのか。
せめて、生まれてすぐに息絶えなかったのか。
12なぜ、膝があってわたしを抱き
乳房があって乳を飲ませたのか。
13それさえなければ、今は黙して伏し
憩いを得て眠りについていたであろうに。
14今は廃虚となった町々を築いた地の王や参議らと共に
15金を蓄え、館を銀で満たした諸侯と共に。
16なぜわたしは、葬り去られた流産の子
光を見ない子とならなかったのか。
17そこでは神に逆らう者も暴れ回ることをやめ
疲れた者も憩いを得る。

20なぜ、労苦する者に光を賜り
悩み嘆く者を生かしておかれるのか。
21彼らは死を待っているが、死は来ない。
地に埋もれた宝にもまさって死を探し求めているのに。
22墓を見いだすことさえできれば
喜び躍り、歓喜するだろうに。
23行くべき道が隠されている者の前を神はなお柵でふさがれる。

答唱詩編

詩編69・14、17+18

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編69

69・14神よ、わたしはあなたに祈る。
恵みの時にこたえてください。
あなたの豊かないつくしみによって、
あなたの救いの約束によって。

17神よ、いつくしみ深くわたしにこたえ、
あわれみ深く顔を向けてください。
18あなたの顔をしもべに隠さず、
悩むわたしにすぐに答えてください。

福音朗読

ルカ9・51-56

アレルヤ、アレルヤ。人の子は来たのは仕えるため、多くの人の贖いとして自分の命を与えるため。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

9・51イエスは、天に上げられる時期が近づくと、エルサレムに向かう決意を固められた。52そして、先に使いの者を出された。彼らは行って、イエスのために準備しようと、サマリア人の村に入った。53しかし、村人はイエスを歓迎しなかった。イエスがエルサレムを目指して進んでおられたからである。54弟子のヤコブとヨハネはそれを見て、「主よ、お望みなら、天から火を降らせて、彼らを焼き滅ぼしましょうか」と言った。55イエスは振り向いて二人を戒められた。56そして、一行は別の村に行った。

守護の天使 10月2日(水) 聖人の記念

第一朗読

出エジプト23・20-23

わたしの使いがあなたの前を行き、わたしは彼らを絶やす。

出エジプト記

主は言われる。23・20見よ、わたしはあなたの前に使いを遣わして、あなたを道で守らせ、わたしの備えた場所に導かせる。21あなたは彼に心を留め、その声に聞き従い、彼に逆らってはならない。彼はあなたたちの背きを赦さないであろう。彼はわたしの名を帯びているからである。22しかし、もしあなたが彼の声に聞き従い、わたしの語ることをすべて行うならば、わたしはあなたの敵に敵対し、仇に仇を報いる。

23わたしの使いがあなたの前を行き、あなたをアモリ人、ヘト人、ペリジ人、カナン人、ヒビ人、エブス人のところに導くとき、わたしは彼らを絶やす。

答唱詩編

詩編91・2+4ab、11+12b+10、14+15

主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。

詩編91

91・2「神はわたしののがれ場、わたしのとりで、
わたしは神により頼む。」
4ab神はその羽であなたをおおい、
翼のもとにあなたはのがれる。

11神があなたのために使いにめいじ、
あなたの進むすべての道をまもられる。
12b神の使いは手であなたをささえる。
10それゆえ不幸はあなたに臨まず、災いは住まいにちかづかない。

福音朗読

マタイ18・1-5、10

アレルヤ、アレルヤ。神の使いよ、神をたたえよ。み旨を行うしもべたちよ、神をたたえよ。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

18・1そのとき、弟子たちがイエスのところに来て、「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」と言った。2そこで、イエスは一人の子供を呼び寄せ、彼らの中に立たせて、3言われた。「はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。4自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。5わたしの名のためにこのような一人の子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。

10これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。言っておくが、彼らの天使たちは天でいつもわたしの天の父の御顔を仰いでいるのである。」

年間第26木曜日 10月3日(木) 年間

第一朗読

ヨブ19・21-27

憐れんでくれ、わたしを憐れんでくれ

ヨブ記

ヨブは言った。
21憐れんでくれ、わたしを憐れんでくれ
神の手がわたしに触れたのだ。
あなたたちはわたしの友ではないか。
22なぜ、あなたたちまで神と一緒になってわたしを追い詰めるのか。
肉を打つだけでは足りないのか。
23どうかわたしの言葉が書き留められるように
碑文として刻まれるように。
24たがねで岩に刻まれ、鉛で黒々と記され
いつまでも残るように。
25わたしは知っている
わたしを贖う方は生きておられ
ついには塵の上に立たれるであろう。
26この皮膚が損なわれようとも
この身をもってわたしは神を仰ぎ見るであろう。
27このわたしが仰ぎ見る
ほかならぬこの目で見る。
腹の底から焦がれ、はらわたは絶え入る。

答唱詩編

詩編27・7+8、9

神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。

詩編27

27・7神よ、わたしの声を聞き、
わたしをあわれみ、答えてください。
8わたしの心はささやく、「神の顔を尋ね求めよ。」
神よ、あなたの顔をわたしは慕い求める。

9あなたの顔をわたしに隠さず、
怒りでしもべを退けないでください。
あなたはわたしの助け、
わたしを救ってくださる神。

福音朗読

ルカ10・1-12

アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、10・1主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。2そして、彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。3行きなさい。わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに小羊を送り込むようなものだ。4財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。5どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。6平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。7その家に泊まって、そこで出される物を食べ、また飲みなさい。働く者が報酬を受けるのは当然だからである。家から家へと渡り歩くな。8どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ、9その町の病人をいやし、また、『神の国はあなたがたに近づいた』と言いなさい。10しかし、町に入っても、迎え入れられなければ、広場に出てこう言いなさい。11『足についたこの町の埃さえも払い落として、あなたがたに返す。しかし、神の国が近づいたことを知れ』と。12言っておくが、かの日には、その町よりまだソドムの方が軽い罰で済む。」

聖フランシスコ(アシジ) 修道者 10月4日(金) 記念日

第一朗読

ヨブ38・1、12-21、40・3-5

光が住んでいるのはどの方向か。@暗黒の住みかはどこか。

ヨブ記

38・1主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。

12お前は一生に一度でも朝に命令し
曙に役割を指示したことがあるか
13大地の縁をつかんで
神に逆らう者どもを地上から払い落とせと。
14大地は粘土に型を押していくように姿を変え
すべては装われて現れる。
15しかし、悪者どもにはその光も拒まれ
振り上げた腕は折られる。

16お前は海の湧き出るところまで行き着き
深淵の底を行き巡ったことがあるか。
17死の門がお前に姿を見せ
死の闇の門を見たことがあるか。
18お前はまた、大地の広がりを隅々まで調べたことがあるか。
そのすべてを知っているなら言ってみよ。

19光が住んでいるのはどの方向か。
暗黒の住みかはどこか。
20光をその境にまで連れていけるか。
暗黒の住みかに至る道を知っているか。
21そのときお前は既に生まれていて
人生の日数も多いと言うのなら
これらのことを知っているはずだ。

3ヨブは主に答えて言った。

4わたしは軽々しくものを申しました。
どうしてあなたに反論などできましょう。
わたしはこの口に手を置きます。
5ひと言語りましたが、もう主張いたしません。
ふた言申しましたが、もう繰り返しません。

答唱詩編

詩編139・9+10、13-14

神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。

詩編139

139・9翼を駆って、東の果てに逃れても、
海を渡り、西の果てに住んでも、
10あなたの手はわたしを導き、
あなたの右の手はわたしを離さない。

13あなたはわたしのからだを造り、
母の胎内でわたしを形造られた。
14わたしを造られたあなたのわざは不思議。
わたしは心からその偉大なわざをたたえる。

福音朗読

ルカ10・13-16

アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは言われた。10・13「コラジン、お前は不幸だ。ベトサイダ、お前は不幸だ。お前たちのところでなされた奇跡がティルスやシドンで行われていれば、これらの町はとうの昔に粗布をまとい、灰の中に座って悔い改めたにちがいない。14しかし、裁きの時には、お前たちよりまだティルスやシドンの方が軽い罰で済む。15また、カファルナウム、お前は、
天にまで上げられるとでも思っているのか。
陰府にまで落とされるのだ。
16あなたがたに耳を傾ける者は、わたしに耳を傾け、あなたがたを拒む者は、わたしを拒むのである。わたしを拒む者は、わたしを遣わされた方を拒むのである。」

年間第26土曜日 10月5日(土) 年間

第一朗読

ヨブ42・1-3、5-6、12-17

主はその後のヨブを以前にも増して祝福された。

ヨブ記

42・1ヨブは主に答えて言った。

2あなたは全能であり
御旨の成就を妨げることはできないと悟りました。
3「これは何者か。知識もないのに
神の経綸を隠そうとするとは。」
そのとおりです。
わたしには理解できず、わたしの知識を超えた
驚くべき御業をあげつらっておりました。
5あなたのことを、耳にしてはおりました。
しかし今、この目であなたを仰ぎ見ます。
6それゆえ、わたしは塵と灰の上に伏し
自分を退け、悔い改めます。

12主はその後のヨブを以前にも増して祝福された。ヨブは、羊一万四千匹、らくだ六千頭、牛一千くびき、雌ろば一千頭を持つことになった。13彼はまた七人の息子と三人の娘をもうけ、14長女をエミマ、次女をケツィア、三女をケレン・プクと名付けた。15ヨブの娘たちのように美しい娘は国中どこにもいなかった。彼女らもその兄弟と共に父の財産の分け前を受けた。

16ヨブはその後百四十年生き、子、孫、四代の先まで見ることができた。17ヨブは長寿を保ち、老いて死んだ。

答唱詩編

詩編119・10+11b+108b、17+18

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・10あなたのすすめからそれないように、
心を尽くしてあなたを求める。
11bわたしは仰せを心にいだく。
108bあなたのさばきを示してください。

17神よ、あなたのことばを生涯守れるように、
豊かな恵みを与えてください。
18教えの偉大さを悟れるように、
わたしの目を開いてください。

福音朗読

ルカ10・17-24

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、10・17七十二人は喜んで帰って来て、こう言った。「主よ、お名前を使うと、悪霊さえもわたしたちに屈服します。」18イエスは言われた。「わたしは、サタンが稲妻のように天から落ちるのを見ていた。19蛇やさそりを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を、わたしはあなたがたに授けた。だから、あなたがたに害を加えるものは何一つない。20しかし、悪霊があなたがたに服従するからといって、喜んではならない。むしろ、あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。」

21そのとき、イエスは聖霊によって喜びにあふれて言われた。「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。そうです、父よ、これは御心に適うことでした。22すべてのことは、父からわたしに任せられています。父のほかに、子がどういう者であるかを知る者はなく、父がどういう方であるかを知る者は、子と、子が示そうと思う者のほかには、だれもいません。」23それから、イエスは弟子たちの方を振り向いて、彼らだけに言われた。「あなたがたの見ているものを見る目は幸いだ。24言っておくが、多くの預言者や王たちは、あなたがたが見ているものを見たかったが、見ることができず、あなたがたが聞いているものを聞きたかったが、聞けなかったのである。」

年間第27主日 10月6日(日) 年間

第一朗読

創世記2・18-24

二人は一体となる。

創世記

 2・18主なる神は言われた。

「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう。」

19主なる神は、野のあらゆる獣、空のあらゆる鳥を土で形づくり、人のところへ持って来て、人がそれぞれをどう呼ぶか見ておられた。人が呼ぶと、それはすべて、生き物の名となった。20人はあらゆる家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名を付けたが、自分に合う助ける者は見つけることができなかった。

21主なる神はそこで、人を深い眠りに落とされた。人が眠り込むと、あばら骨の一部を抜き取り、その跡を肉でふさがれた。22そして、人から抜き取ったあばら骨で女を造り上げられた。主なる神が彼女を人のところへ連れて来られると、23人は言った。

「ついに、これこそ
わたしの骨の骨
わたしの肉の肉。
これをこそ、女(イシャー)と呼ぼう
まさに、男(イシュ)から取られたものだから。」

24こういうわけで、男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる。

答唱詩編

詩編128・2+3a、3b+5+6a

幸せな人、神を恐れ、主の道を歩む者。

詩編128

128・2ひたいに汗してかてを受け、
恵みと平和に満たされる。
3a実り豊かなぶどうの木のように、
妻は家庭をうるおす。

3bオリーブの若木のように、
子供たちは食卓を囲む。
5神の祝福がシオンから臨み、命のある限り、
6aエルサレムの栄えと、数多くの子孫の群れを見る。

第二朗読

ヘブライ2・9-11

人を聖なる者となさる方も、聖なる者とされる人たちも、すべて一つの源から出ている。

ヘブライ人への手紙

皆さん、私たちは、2・9「天使たちよりも、わずかの間、低い者とされた」イエスが、死の苦しみのゆえに、「栄光と栄誉の冠を授けられた」のを見ています。神の恵みによって、すべての人のために死んでくださったのです。

10というのは、多くの子らを栄光へと導くために、彼らの救いの創始者を数々の苦しみを通して完全な者とされたのは、万物の目標であり源である方に、ふさわしいことであったからです。11事実、人を聖なる者となさる方も、聖なる者とされる人たちも、すべて一つの源から出ているのです。それで、イエスは彼らを兄弟と呼ぶことを恥とされないのです。

福音朗読

マルコ10・2-16

アレルヤ、アレルヤ。互いに愛し合うなら神はわたしたちとともにおられ、その愛はわたしたちのうちに全うされる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、10・2ファリサイ派の人々が近寄って、「夫が妻を離縁することは、律法に適っているでしょうか」と尋ねた。イエスを試そうとしたのである。3イエスは、「モーセはあなたたちに何と命じたか」と問い返された。4彼らは、「モーセは、離縁状を書いて離縁することを許しました」と言った。5イエスは言われた。「あなたたちの心が頑固なので、このような掟をモーセは書いたのだ。6しかし、天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった。7それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、8二人は一体となる。だから二人はもはや別々ではなく、一体である。9従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」10家に戻ってから、弟子たちがまたこのことについて尋ねた。11イエスは言われた。「妻を離縁して他の女を妻にする者は、妻に対して姦通の罪を犯すことになる。12夫を離縁して他の男を夫にする者も、姦通の罪を犯すことになる。」 

13イエスに触れていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った。14しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。15はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」16そして、子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された。

ロザリオの聖母 10月7日(月) 記念日

第一朗読

ガラテヤ1・6-12

わたしが告げ知らせた福音は、人によるものではありません。

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、1・6キリストの恵みへ招いてくださった方から、あなたがたがこんなにも早く離れて、ほかの福音に乗り換えようとしていることに、わたしはあきれ果てています。7ほかの福音といっても、もう一つ別の福音があるわけではなく、ある人々があなたがたを惑わし、キリストの福音を覆そうとしているにすぎないのです。8しかし、たとえわたしたち自身であれ、天使であれ、わたしたちがあなたがたに告げ知らせたものに反する福音を告げ知らせようとするならば、呪われるがよい。9わたしたちが前にも言っておいたように、今また、わたしは繰り返して言います。あなたがたが受けたものに反する福音を告げ知らせる者がいれば、呪われるがよい。

10こんなことを言って、今わたしは人に取り入ろうとしているのでしょうか。それとも、神に取り入ろうとしているのでしょうか。あるいは、何とかして人の気に入ろうとあくせくしているのでしょうか。もし、今なお人の気に入ろうとしているなら、わたしはキリストの僕ではありません。

11兄弟たち、あなたがたにはっきり言います。わたしが告げ知らせた福音は、人によるものではありません。12わたしはこの福音を人から受けたのでも教えられたのでもなく、イエス・キリストの啓示によって知らされたのです。

答唱詩編

詩編111・1+2、9c+10

神は残された、不思議なわざの記念を。

詩編111

111・1心を尽くして神に感謝しよう、
神をたたえる人の集いの中で。
2神のわざは偉大。
人はそのわざを尋ね求めて喜ぶ。

9c神の名は尊く、おそるべきもの。
神をおそれることは知恵のはじめ。
10これを行うものはすべてをわきまえる。
神への賛美は世々、とこしえに。

福音朗読

ルカ10・25-37

アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、10・25ある律法の専門家が立ち上がり、イエスを試そうとして言った。「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」26イエスが、「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると、27彼は答えた。「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」28イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」29しかし、彼は自分を正当化しようとして、「では、わたしの隣人とはだれですか」と言った。30イエスはお答えになった。「ある人がエルサレムからエリコへ下って行く途中、追いはぎに襲われた。追いはぎはその人の服をはぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま立ち去った。31ある祭司がたまたまその道を下って来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。32同じように、レビ人もその場所にやって来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。33ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、34近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。35そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』36さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」37律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」

年間第27火曜日 10月8日(火) 年間

第一朗読

ガラテヤ1・13-24

わたしのことで神をほめたたえておりました。

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、1・13あなたがたは、わたしがかつてユダヤ教徒としてどのようにふるまっていたかを聞いています。わたしは、徹底的に神の教会を迫害し、滅ぼそうとしていました。14また、先祖からの伝承を守るのに人一倍熱心で、同胞の間では同じ年ごろの多くの者よりもユダヤ教に徹しようとしていました。15しかし、わたしを母の胎内にあるときから選び分け、恵みによって召し出してくださった神が、御心のままに、16御子をわたしに示して、その福音を異邦人に告げ知らせるようにされたとき、わたしは、すぐ血肉に相談するようなことはせず、17また、エルサレムに上って、わたしより先に使徒として召された人たちのもとに行くこともせず、アラビアに退いて、そこから再びダマスコに戻ったのでした。

18それから三年後、ケファと知り合いになろうとしてエルサレムに上り、十五日間彼のもとに滞在しましたが、19ほかの使徒にはだれにも会わず、ただ主の兄弟ヤコブにだけ会いました。20わたしがこのように書いていることは、神の御前で断言しますが、うそをついているのではありません。21その後、わたしはシリアおよびキリキアの地方へ行きました。22キリストに結ばれているユダヤの諸教会の人々とは、顔見知りではありませんでした。23ただ彼らは、「かつて我々を迫害した者が、あの当時滅ぼそうとしていた信仰を、今は福音として告げ知らせている」と聞いて、24わたしのことで神をほめたたえておりました。

答唱詩編

詩編139・1+2、13+14

神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。

詩編139

139・1神よ、あなたはわたしを心にかけ、
わたしのすべてを知っておられる。
2わたしが座るのも立つのも知り、
遠くからわたしの思いを見通される。

13あなたはわたしのからだを造り、
母の胎内でわたしを形造られた。
14わたしを造られたあなたのわざは不思議。
わたしは心からその偉大なわざをたたえる。

福音朗読

ルカ10・38-42

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、10・38イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。39彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。40マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」41主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。42しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」

年間第27水曜日 10月9日(水) 年間

第一朗読

ガラテヤ2・1-2、7-14

わたしたちが貧しい人たちのことを忘れないようにと

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、2・1その後十四年たってから、わたしはバルナバと一緒にエルサレムに再び上りました。その際、テトスも連れて行きました。2エルサレムに上ったのは、啓示によるものでした。わたしは、自分が異邦人に宣べ伝えている福音について、人々に、とりわけ、おもだった人たちには個人的に話して、自分は無駄に走っているのではないか、あるいは走ったのではないかと意見を求めました。7彼らは、ペトロには割礼を受けた人々に対する福音が任されたように、わたしには割礼を受けていない人々に対する福音が任されていることを知りました。8割礼を受けた人々に対する使徒としての任務のためにペトロに働きかけた方は、異邦人に対する使徒としての任務のためにわたしにも働きかけられたのです。9また、彼らはわたしに与えられた恵みを認め、ヤコブとケファとヨハネ、つまり柱と目されるおもだった人たちは、わたしとバルナバに一致のしるしとして右手を差し出しました。それで、わたしたちは異邦人へ、彼らは割礼を受けた人々のところに行くことになったのです。10ただ、わたしたちが貧しい人たちのことを忘れないようにとのことでしたが、これは、ちょうどわたしも心がけてきた点です。

11さて、ケファがアンティオキアに来たとき、非難すべきところがあったので、わたしは面と向かって反対しました。12なぜなら、ケファは、ヤコブのもとからある人々が来るまでは、異邦人と一緒に食事をしていたのに、彼らがやって来ると、割礼を受けている者たちを恐れてしり込みし、身を引こうとしだしたからです。13そして、ほかのユダヤ人も、ケファと一緒にこのような心にもないことを行い、バルナバさえも彼らの見せかけの行いに引きずり込まれてしまいました。14しかし、わたしは、彼らが福音の真理にのっとってまっすぐ歩いていないのを見たとき、皆の前でケファに向かってこう言いました。「あなたはユダヤ人でありながら、ユダヤ人らしい生き方をしないで、異邦人のように生活しているのに、どうして異邦人にユダヤ人のように生活することを強要するのですか。」

答唱詩編

詩編117・1+2、栄唱

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、その憐れみは永遠。

詩編117

117・1すべての国よ、神をたたえ、
すべての民よ、神をほめよ。
2神の愛は力強く、
そのまことは世々に及ぶ。

栄唱栄光は
父とこと聖霊に。
初めのように
今もいつも世々に。アーメン。

福音朗読

ルカ11・1-4

アレルヤ、アレルヤ。神の子とする霊のうちにあって、わたしたちは「アバ、父よ」と呼ぶ。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

11・1イエスはある所で祈っておられた。祈りが終わると、弟子の一人がイエスに、「主よ、ヨハネが弟子たちに教えたように、わたしたちにも祈りを教えてください」と言った。2そこで、イエスは言われた。「祈るときには、こう言いなさい。

『父よ、
御名が崇められますように。
御国が来ますように。
3わたしたちに必要な糧を毎日与えてください。
4わたしたちの罪を赦してください、
わたしたちも自分に負い目のある人を皆赦しますから。
わたしたちを誘惑に遭わせないでください。』」

年間第27木曜日 10月10日(木) 年間

第一朗読

ガラテヤ3・1-5

あなたがたが福音を聞いて信じたからです

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

3・1ああ、物分かりの悪いガラテヤの人たち、だれがあなたがたを惑わしたのか。目の前に、イエス・キリストが十字架につけられた姿ではっきり示されたではないか。2あなたがたに一つだけ確かめたい。あなたがたが〝霊〟を受けたのは、律法を行ったからですか。それとも、福音を聞いて信じたからですか。3あなたがたは、それほど物分かりが悪く、〝霊〟によって始めたのに、肉によって仕上げようとするのですか。4あれほどのことを体験したのは、無駄だったのですか。無駄であったはずはないでしょうに……。5あなたがたに〝霊〟を授け、また、あなたがたの間で奇跡を行われる方は、あなたがたが律法を行ったから、そうなさるのでしょうか。それとも、あなたがたが福音を聞いて信じたからですか。

答唱詩編

詩編50・7、15+23

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編50

50・7わたしの民よ、聞け。
わたしはおまえに語る。
イスラエルよ、おまえを戒めよう。
わたしは神、おまえの神。

15苦悩の日にわたしを呼び求めよ。
わたしはおまえを救い、おまえはわたしをたたえる。
23感謝をささげる人は神をあがめる。
正しい道を歩む人を、神は確かに救われる。

福音朗読

ルカ11・5-13

アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開き、あなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは11・5弟子たちに言われた。「あなたがたのうちのだれかに友達がいて、真夜中にその人のところに行き、次のように言ったとしよう。『友よ、パンを三つ貸してください。6旅行中の友達がわたしのところに立ち寄ったが、何も出すものがないのです。』7すると、その人は家の中から答えるにちがいない。『面倒をかけないでください。もう戸は閉めたし、子供たちはわたしのそばで寝ています。起きてあなたに何かをあげるわけにはいきません。』8しかし、言っておく。その人は、友達だからということでは起きて何か与えるようなことはなくても、しつように頼めば、起きて来て必要なものは何でも与えるであろう。9そこで、わたしは言っておく。求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。10だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。11あなたがたの中に、魚を欲しがる子供に、魚の代わりに蛇を与える父親がいるだろうか。12また、卵を欲しがるのに、さそりを与える父親がいるだろうか。13このように、あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供には良い物を与えることを知っている。まして天の父は求める者に聖霊を与えてくださる。」

年間第27金曜日 10月11日(金) 年間

第一朗読

ガラテヤ3・7-14

信仰によって…

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、3・7信仰によって生きる人々こそ、アブラハムの子であるとわきまえなさい。8聖書は、神が異邦人を信仰によって義となさることを見越して、「あなたのゆえに異邦人は皆祝福される」という福音をアブラハムに予告しました。9それで、信仰によって生きる人々は、信仰の人アブラハムと共に祝福されています。10律法の実行に頼る者はだれでも、呪われています。「律法の書に書かれているすべての事を絶えず守らない者は皆、呪われている」と書いてあるからです。11律法によってはだれも神の御前で義とされないことは、明らかです。なぜなら、「正しい者は信仰によって生きる」からです。12律法は、信仰をよりどころとしていません。「律法の定めを果たす者は、その定めによって生きる」のです。13キリストは、わたしたちのために呪いとなって、わたしたちを律法の呪いから贖い出してくださいました。「木にかけられた者は皆呪われている」と書いてあるからです。14それは、アブラハムに与えられた祝福が、キリスト・イエスにおいて異邦人に及ぶためであり、また、わたしたちが、約束された〝霊〟を信仰によって受けるためでした。

答唱詩編

詩編111・1+2、3+4b+5b

神は残された、不思議なわざの記念を。

詩編111

111・1心を尽くして神に感謝しよう、
神をたたえる人の集いの中で。
2神のわざは偉大。
人はそのわざを尋ね求めて喜ぶ。

3神のわざは力と輝きに満ち、
その正義はとこしえに及ぶ。
4b神は恵み豊かであわれみ深く、
5bとこしえに契約を心に留めてくださる。

福音朗読

ルカ11・15-26

アレルヤ、アレルヤ。今この世のかしらが追い出される。わたしが地上から上げられるとき、すべての人をわたしのもとに引き寄せる。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは悪霊どもを追い出しておられたが、人々の11・15中には、「あの男は悪霊の頭ベルゼブルの力で悪霊を追い出している」と言う者や、16イエスを試そうとして、天からのしるしを求める者がいた。17しかし、イエスは彼らの心を見抜いて言われた。「内輪で争えば、どんな国でも荒れ果て、家は重なり合って倒れてしまう。18あなたたちは、わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出していると言うけれども、サタンが内輪もめすれば、どうしてその国は成り立って行くだろうか。19わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出すのなら、あなたたちの仲間は何の力で追い出すのか。だから、彼ら自身があなたたちを裁く者となる。20しかし、わたしが神の指で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ。21強い人が武装して自分の屋敷を守っているときには、その持ち物は安全である。22しかし、もっと強い者が襲って来てこの人に勝つと、頼みの武具をすべて奪い取り、分捕り品を分配する。23わたしに味方しない者はわたしに敵対し、わたしと一緒に集めない者は散らしている。」

24「汚れた霊は、人から出て行くと、砂漠をうろつき、休む場所を探すが、見つからない。それで、『出て来たわが家に戻ろう』と言う。25そして、戻ってみると、家は掃除をして、整えられていた。26そこで、出かけて行き、自分よりも悪いほかの七つの霊を連れて来て、中に入り込んで、住み着く。そうなると、その人の後の状態は前よりも悪くなる。」

年間第27土曜日 10月12日(土) 年間

第一朗読

ガラテヤ3・22-29

あなたがたは、アブラハムの子孫であり、約束による相続人です。

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、3・22聖書はすべてのものを罪の支配下に閉じ込めたのです。それは、神の約束が、イエス・キリストへの信仰によって、信じる人々に与えられるようになるためでした。23信仰が現れる前には、わたしたちは律法の下で監視され、この信仰が啓示されるようになるまで閉じ込められていました。24こうして律法は、わたしたちをキリストのもとへ導く養育係となったのです。わたしたちが信仰によって義とされるためです。25しかし、信仰が現れたので、もはや、わたしたちはこのような養育係の下にはいません。26あなたがたは皆、信仰により、キリスト・イエスに結ばれて神の子なのです。27洗礼を受けてキリストに結ばれたあなたがたは皆、キリストを着ているからです。28そこではもはや、ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女もありません。あなたがたは皆、キリスト・イエスにおいて一つだからです。29あなたがたは、もしキリストのものだとするなら、とりもなおさず、アブラハムの子孫であり、約束による相続人です。

答唱詩編

詩編105・1+2、3b+4+5

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編105

105・1神に感謝してその名をたたえよ。
諸国の民に神のわざを告げ知らせよ。
2賛美の歌を神に歌い、
そのすべての不思議なわざを語れ。

3b神をさがし求める者よ、心から喜べ。
4神にその力を求め、いつもその顔を慕い求めよ。
5神が行われた不思議なわざを思い起こせ、
救いのしるしとさばきのことばを。

福音朗読

ルカ11・27-28

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、11・27イエスがこれらのことを話しておられると、ある女が群衆の中から声高らかに言った。「なんと幸いなことでしょう、あなたを宿した胎、あなたが吸った乳房は。」28しかし、イエスは言われた。「むしろ、幸いなのは神の言葉を聞き、それを守る人である。」

年間第28主日 10月13日(日) 年間

第一朗読

知恵7・7-11

知恵に比べれば、富も無に等しいと私は思った。

知恵の書

 7・7わたしは祈った。すると悟りが与えられ、
願うと、知恵の霊が訪れた。
8わたしは知恵を王笏や王座よりも尊び、
知恵に比べれば、富も無に等しいと思った。
9どんな宝石も知恵にまさるとは思わなかった。
知恵の前では金も砂粒にすぎず、
知恵と比べれば銀も泥に等しい。
10わたしは健康や容姿の美しさ以上に知恵を愛し、
光よりも知恵を選んだ。
知恵の輝きは消えることがないからだ。
11知恵と共にすべての善が、わたしを訪れた。
知恵の手の中には量り難い富がある。

答唱詩編

詩編90・1+2+14、11+12、16+17

神のはからいは限りなく、生涯、私はその中に生きる。

詩編90

90・1主よ、あなたは代々にわたってわたしたちの住まい。
2世界が造られる前から、永遠にあなたは神。
14朝ごとにあなたのいつくしみを注ぎ、
日々わたしたちに、喜びの歌を歌わせてください。

11だれがあなたの怒りの力をさとり、
憤りの恐ろしさを知っているのか。
12残された日々を数えることをおしえ、
知恵に向かう心を与えてください。

16あなたのわざをわたしたちの上に、
あなたの輝きを子孫にあらわしてください。
17わたしたちの神、主がその恵みを注がれ、
わたしたちの手のわざが実りの豊かな者となるように。

第二朗読

ヘブライ4・12-13

神の言葉は、心の思いや考えを見分ける。

ヘブライ人への手紙

4・12神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く、精神と霊、関節と骨髄とを切り離すほどに刺し通して、心の思いや考えを見分けることができます。13更に、神の御前では隠れた被造物は一つもなく、すべてのものが神の目には裸であり、さらけ出されているのです。この神に対して、わたしたちは自分のことを申し述べねばなりません。

福音朗読

マルコ10・17-30

アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、10・17イエスが旅に出ようとされると、ある人が走り寄って、ひざまずいて尋ねた。「善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか。」18イエスは言われた。「なぜ、わたしを『善い』と言うのか。神おひとりのほかに、善い者はだれもいない。19『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、奪い取るな、父母を敬え』という掟をあなたは知っているはずだ。」20すると彼は、「先生、そういうことはみな、子供の時から守ってきました」と言った。21イエスは彼を見つめ、慈しんで言われた。「あなたに欠けているものが一つある。行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」22その人はこの言葉に気を落とし、悲しみながら立ち去った。たくさんの財産を持っていたからである。 

23イエスは弟子たちを見回して言われた。「財産のある者が神の国に入るのは、なんと難しいことか。」24弟子たちはこの言葉を聞いて驚いた。イエスは更に言葉を続けられた。「子たちよ、神の国に入るのは、なんと難しいことか。25金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」26弟子たちはますます驚いて、「それでは、だれが救われるのだろうか」と互いに言った。27イエスは彼らを見つめて言われた。「人間にできることではないが、神にはできる。神は何でもできるからだ。」

28ペトロがイエスに、「このとおり、わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました」と言いだした。29イエスは言われた。「はっきり言っておく。わたしのためまた福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子供、畑を捨てた者はだれでも、30今この世で、迫害も受けるが、家、兄弟、姉妹、母、子供、畑も百倍受け、後の世では永遠の命を受ける。」

年間第28月曜日 10月14日(月) 年間

第一朗読

ガラテヤ4・22-24、26-27、31-5・1

奴隷の軛に二度とつながれてはなりません。

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、4・22アブラハムには二人の息子があり、一人は女奴隷から生まれ、もう一人は自由な身の女から生まれたと聖書に書いてあります。23ところで、女奴隷の子は肉によって生まれたのに対し、自由な女から生まれた子は約束によって生まれたのでした。24これには、別の意味が隠されています。すなわち、この二人の女とは二つの契約を表しています。子を奴隷の身分に産む方は、シナイ山に由来する契約を表していて、これがハガルです。26他方、天のエルサレムは、いわば自由な身の女であって、これはわたしたちの母です。27なぜなら、次のように書いてあるからです。

「喜べ、子を産まない不妊の女よ、
喜びの声をあげて叫べ、
産みの苦しみを知らない女よ。
一人取り残された女が夫ある女よりも、
多くの子を産むから。」
31要するに、兄弟たち、わたしたちは、女奴隷の子ではなく、自由な身の女から生まれた子なのです。

5・1この自由を得させるために、キリストはわたしたちを自由の身にしてくださったのです。だから、しっかりしなさい。奴隷の軛に二度とつながれてはなりません。

答唱詩編

詩編113・1+2、3+4

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

詩編113

113・1ほめよ、神に仕える者よ、
神の名をほめたたえよ。
2神の名に賛美、
今よりとこしえに。

3日ののぼるところから沈むところまで、
神の名はたたえられる。
4神はすべての民にあがめられ、
その栄光は天にそびえる。

福音朗読

ルカ11・29-32

アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならい。きょうこそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、11・29群衆の数がますます増えてきたので、イエスは話し始められた。「今の時代の者たちはよこしまだ。しるしを欲しがるが、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。30つまり、ヨナがニネベの人々に対してしるしとなったように、人の子も今の時代の者たちに対してしるしとなる。31南の国の女王は、裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。この女王はソロモンの知恵を聞くために、地の果てから来たからである。ここに、ソロモンにまさるものがある。32また、ニネベの人々は裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。ニネベの人々は、ヨナの説教を聞いて悔い改めたからである。ここに、ヨナにまさるものがある。」

聖テレジア(イエスの) おとめ教会博士 10月15日(火) 記念日

第一朗読

ガラテヤ5・1-6

奴隷の軛に二度とつながれてはなりません。

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、5・1自由を得させるために、キリストはわたしたちを自由の身にしてくださったのです。だから、しっかりしなさい。奴隷の軛に二度とつながれてはなりません。

2ここで、わたしパウロはあなたがたに断言します。もし割礼を受けるなら、あなたがたにとってキリストは何の役にも立たない方になります。3割礼を受ける人すべてに、もう一度はっきり言います。そういう人は律法全体を行う義務があるのです。4律法によって義とされようとするなら、あなたがたはだれであろうと、キリストとは縁もゆかりもない者とされ、いただいた恵みも失います。5わたしたちは、義とされた者の希望が実現することを、〝霊〟により、信仰に基づいて切に待ち望んでいるのです。6キリスト・イエスに結ばれていれば、割礼の有無は問題ではなく、愛の実践を伴う信仰こそ大切です。

答唱詩編

詩編119・15+16、17+18

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・15あなたの定めを思いめぐらし、
あなたの道に目を注ぐ。
16わたしはおきてを喜びとし、
あなたのことばを忘れない。

17神よ、あなたのことばを生涯守れるように、
豊かな恵みを与えてください。
18教えの偉大さを悟れるように、
わたしの目を開いてください。

福音朗読

ルカ11・37-41

アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは話しておられたが、11・37ファリサイ派の人から食事の招待を受けたので、その家に入って食事の席に着かれた。38ところがその人は、イエスが食事の前にまず身を清められなかったのを見て、不審に思った。39主は言われた。「実に、あなたたちファリサイ派の人々は、杯や皿の外側はきれいにするが、自分の内側は強欲と悪意に満ちている。40愚かな者たち、外側を造られた神は、内側もお造りになったではないか。41ただ、器の中にある物を人に施せ。そうすれば、あなたたちにはすべてのものが清くなる。」

年間第28水曜日 10月16日(水) 年間

第一朗読

ガラテヤ5・18-25

霊の導きに従って前進しましょう。

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、5・18霊に導かれているなら、あなたがたは、律法の下にはいません。19肉の業は明らかです。それは、姦淫、わいせつ、好色、20偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、怒り、利己心、不和、仲間争い、21ねたみ、泥酔、酒宴、その他このたぐいのものです。以前言っておいたように、ここでも前もって言いますが、このようなことを行う者は、神の国を受け継ぐことはできません。

22これに対して、霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、23柔和、節制です。これらを禁じる掟はありません。24キリスト・イエスのものとなった人たちは、肉を欲情や欲望もろとも十字架につけてしまったのです。25わたしたちは、霊の導きに従って生きているなら、霊の導きに従って前進しましょう。

答唱詩編

詩編1・1ac+2、6

しあわせな人、神を恐れ、主の道を歩むもの。

詩編1

1・1acしあわせな人、
罪びとの道を歩むことなく、
2神のおきてを喜びとし、
昼も夜も教えを心に留める人。

6神に従う人の集いは
神のもとにあり、
神に逆らう者の道は、
滅びへと続く。

福音朗読

ルカ11・42-46

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは言われた。11・42あなたたちファリサイ派の人々は不幸だ。薄荷や芸香やあらゆる野菜の十分の一は献げるが、正義の実行と神への愛はおろそかにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより、十分の一の献げ物もおろそかにしてはならないが。43あなたたちファリサイ派の人々は不幸だ。会堂では上席に着くこと、広場では挨拶されることを好むからだ。44あなたたちは不幸だ。人目につかない墓のようなものである。その上を歩く人は気づかない。」

45そこで、律法の専門家の一人が、「先生、そんなことをおっしゃれば、わたしたちをも侮辱することになります」と言った。46イエスは言われた。「あなたたち律法の専門家も不幸だ。人には背負いきれない重荷を負わせながら、自分では指一本もその重荷に触れようとしないからだ。」

聖イグナチオ(アンチオケ) 司教殉教者 10月17日(木) 記念日

第一朗読

エフェソ1・1-10

天にあるものも地にあるものもキリストのもとに一つにまとめられるのです。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

1・1神の御心によってキリスト・イエスの使徒とされたパウロから、エフェソにいる聖なる者たち、キリスト・イエスを信ずる人たちへ。2わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。

3わたしたちの主イエス・キリストの父である神は、ほめたたえられますように。神は、わたしたちをキリストにおいて、天のあらゆる霊的な祝福で満たしてくださいました。4天地創造の前に、神はわたしたちを愛して、御自分の前で聖なる者、汚れのない者にしようと、キリストにおいてお選びになりました。5イエス・キリストによって神の子にしようと、御心のままに前もってお定めになったのです。6神がその愛する御子によって与えてくださった輝かしい恵みを、わたしたちがたたえるためです。7わたしたちはこの御子において、その血によって贖われ、罪を赦されました。これは、神の豊かな恵みによるものです。8神はこの恵みをわたしたちの上にあふれさせ、すべての知恵と理解とを与えて、9秘められた計画をわたしたちに知らせてくださいました。これは、前もってキリストにおいてお決めになった神の御心によるものです。10こうして、時が満ちるに及んで、救いの業が完成され、あらゆるものが、頭であるキリストのもとに一つにまとめられます。天にあるものも地にあるものもキリストのもとに一つにまとめられるのです。

答唱詩編

詩編98・1、2+3a

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
その尊い腕は救いの力。

2神は救いを示し、
諸国の民に正義を現された。
3aいつくしみとまことをもって、
イスラエルに心を留められる。

福音朗読

ルカ11・47-54

アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは言われた。11・47「あなたたちは不幸だ。自分の先祖が殺した預言者たちの墓を建てているからだ。48こうして、あなたたちは先祖の仕業の証人となり、それに賛成している。先祖は殺し、あなたたちは墓を建てているからである。49だから、神の知恵もこう言っている。『わたしは預言者や使徒たちを遣わすが、人々はその中のある者を殺し、ある者を迫害する。』50こうして、天地創造の時から流されたすべての預言者の血について、今の時代の者たちが責任を問われることになる。51それは、アベルの血から、祭壇と聖所の間で殺されたゼカルヤの血にまで及ぶ。そうだ。言っておくが、今の時代の者たちはその責任を問われる。52あなたたち律法の専門家は不幸だ。知識の鍵を取り上げ、自分が入らないばかりか、入ろうとする人々をも妨げてきたからだ。」53イエスがそこを出て行かれると、律法学者やファリサイ派の人々は激しい敵意を抱き、いろいろの問題でイエスに質問を浴びせ始め、54何か言葉じりをとらえようとねらっていた。

聖ルカ福音記者 10月18日(金) 聖人の記念

第一朗読

②テモテ4・10-17a

ルカだけがわたしのところにいます。

使徒パウロのテモテヘの手紙

愛する者よ、4・10デマスはこの世を愛し、わたしを見捨ててテサロニケに行ってしまい、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマティアに行っています。11ルカだけがわたしのところにいます。マルコを連れて来てください。彼はわたしの務めをよく助けてくれるからです。12わたしはティキコをエフェソに遣わしました。13あなたが来るときには、わたしがトロアスのカルポのところに置いてきた外套を持って来てください。また書物、特に羊皮紙のものを持って来てください。14銅細工人アレクサンドロがわたしをひどく苦しめました。主は、その仕業に応じて彼にお報いになります。15あなたも彼には用心しなさい。彼はわたしたちの語ることに激しく反対したからです。

16わたしの最初の弁明のときには、だれも助けてくれず、皆わたしを見捨てました。彼らにその責めが負わされませんように。17しかし、わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。

答唱詩編

詩編145・10+11、13cd+14

神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。

詩編145

145・10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝してうたう。
11彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるあなたのわざを告げ知らせる。

13cd神のことばは正しく、
そのわざにはいつわりがない。
14神は悩みのうちにある者を支え、
倒れる者をすべて立たせてくださる。

福音朗読

ルカ10・1-9

アレルヤ、アレルヤ。あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだのである。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、10・1主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。2そして、彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。3行きなさい。わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに小羊を送り込むようなものだ。4財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。5どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。6平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。7その家に泊まって、そこで出される物を食べ、また飲みなさい。働く者が報酬を受けるのは当然だからである。家から家へと渡り歩くな。8どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ、9その町の病人をいやし、また、『神の国はあなたがたに近づいた』と言いなさい。」

年間第28土曜日 10月19日(土) 年間

第一朗読

エフェソ1・15-23

キリストをすべてのものの上にある頭として教会にお与えになりました。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、わたしは、1・15あなたがたが主イエスを信じ、すべての聖なる者たちを愛していることを聞き、16祈りの度に、あなたがたのことを思い起こし、絶えず感謝しています。17どうか、わたしたちの主イエス・キリストの神、栄光の源である御父が、あなたがたに知恵と啓示との霊を与え、神を深く知ることができるようにし、18心の目を開いてくださるように。そして、神の招きによってどのような希望が与えられているか、聖なる者たちの受け継ぐものがどれほど豊かな栄光に輝いているか悟らせてくださるように。19また、わたしたち信仰者に対して絶大な働きをなさる神の力が、どれほど大きなものであるか、悟らせてくださるように。20神は、この力をキリストに働かせて、キリストを死者の中から復活させ、天において御自分の右の座に着かせ、21すべての支配、権威、勢力、主権の上に置き、今の世ばかりでなく、来るべき世にも唱えられるあらゆる名の上に置かれました。22神はまた、すべてのものをキリストの足もとに従わせ、キリストをすべてのものの上にある頭として教会にお与えになりました。23教会はキリストの体であり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられる場です。

答唱詩編

詩編8・4+5・6+7

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

詩編8

8・4あなたの指のわざである天を仰ぎ、
あなたが造られた月と星とを眺めて思う。
5なぜ人に心を留め、
人の子を顧みられるのか。

6あなたは人を神の使いに近い者として造り、
栄えと誉れの冠を授け、
7あなたが造られたものを治めさせ、
すべてをその知恵にゆだねられた。

福音朗読

ルカ12・8-12

アレルヤ、アレルヤ。真理の霊はわたしについて証しする。あなたがたもわたしを証しする。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・8「だれでも人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は、人の子も神の天使たちの前で、その人を自分の仲間であると言い表す。9しかし、人々の前でわたしを知らないと言う者は、神の天使たちの前で知らないと言われる。10人の子の悪口を言う者は皆赦される。しかし、聖霊を冒涜する者は赦されない。11会堂や役人、権力者のところに連れて行かれたときは、何をどう言い訳しようか、何を言おうかなどと心配してはならない。12言うべきことは、聖霊がそのときに教えてくださる。」

年間第29主日 10月20日(日) 年間

第一朗読

イザヤ53・10-11

彼は自らを償いの献げ物とした。彼は、子孫が末永く続くのを見る。

イザヤの預言

53・10病に苦しむこの人を打ち砕こうと主は望まれ、
彼は自らを償いの献げ物とした。
彼は、子孫が末永く続くのを見る。
主の望まれることは彼の手によって成し遂げられる。

11彼は自らの苦しみの実りを見
それを知って満足する。
わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために
彼らの罪を自ら負った。

答唱詩編

詩編33・4+5、14+15、20+21

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・4神のことばはただしく、
そのわざにはいつわりがない。
5神は正義と公平を愛し、
いつくしみは地に満ちている。

14神はその住まいから、
地に住むすべての人に目を注がれる。
15神はひとりひとりの心をつくり、
そのわざを見抜かれる。

20神はたて、神はすくい、
わたしたちは神を待ち望む。
21心は、神のうちにあってよろこび、
とうといその名により頼む。

第二朗読

ヘブライ4・14-16

大胆に恵みの座に近づこう

ヘブライ人への手紙

皆さん、4・14わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。15この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。16だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。

福音朗読

マルコ10・35-45

アレルヤ、アレルヤ。人の子が来たのは仕えるため、多くの人の贖いとして自分の命を与えるため。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、10・35ゼベダイの子ヤコブとヨハネが進み出て、イエスに言った。「先生、お願いすることをかなえていただきたいのですが。」36イエスが、「何をしてほしいのか」と言われると、37二人は言った。「栄光をお受けになるとき、わたしどもの一人をあなたの右に、もう一人を左に座らせてください。」38イエスは言われた。「あなたがたは、自分が何を願っているか、分かっていない。このわたしが飲む杯を飲み、このわたしが受ける洗礼を受けることができるか。」39彼らが、「できます」と言うと、イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしが飲む杯を飲み、わたしが受ける洗礼を受けることになる。40しかし、わたしの右や左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。それは、定められた人々に許されるのだ。」41ほかの十人の者はこれを聞いて、ヤコブとヨハネのことで腹を立て始めた。

42そこで、イエスは十二人を呼び寄せて言われた。「あなたがたも知っているように、異邦人の間では、支配者と見なされている人々が民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。43しかし、あなたがたの間では、そうではない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、44いちばん上になりたい者は、すべての人の僕になりなさい。45人の子は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。」

年間第29月曜日 10月21日(月) 年間

第一朗読

エフェソ2・1-10

わたしたちをキリスト・イエスによって共に復活させ、共に天の王座に着かせてくださいました。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、2・1あなたがたは、以前は自分の過ちと罪のために死んでいたのです。2この世を支配する者、かの空中に勢力を持つ者、すなわち、不従順な者たちの内に今も働く霊に従い、過ちと罪を犯して歩んでいました。3わたしたちも皆、こういう者たちの中にいて、以前は肉の欲望の赴くままに生活し、肉や心の欲するままに行動していたのであり、ほかの人々と同じように、生まれながら神の怒りを受けるべき者でした。4しかし、憐れみ豊かな神は、わたしたちをこの上なく愛してくださり、その愛によって、5罪のために死んでいたわたしたちをキリストと共に生かし、――あなたがたの救われたのは恵みによるのです――6キリスト・イエスによって共に復活させ、共に天の王座に着かせてくださいました。7こうして、神は、キリスト・イエスにおいてわたしたちにお示しになった慈しみにより、その限りなく豊かな恵みを、来るべき世に現そうとされたのです。8事実、あなたがたは、恵みにより、信仰によって救われました。このことは、自らの力によるのではなく、神の賜物です。9行いによるのではありません。それは、だれも誇ることがないためなのです。10なぜなら、わたしたちは神に造られたものであり、しかも、神が前もって準備してくださった善い業のために、キリスト・イエスにおいて造られたからです。わたしたちは、その善い業を行って歩むのです。

答唱詩編

詩編100・3ab、5

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編100

100・3ab神こそ、主であると悟れ。
神はわたしたちを造られた。

5神はいつくしみ深く、そのあわれみは限りなく、
そのまことは代々に及ぶ。

福音朗読

ルカ12・13-21

アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、群衆の一人がイエスに言った。12・13「先生、わたしにも遺産を分けてくれるように兄弟に言ってください。」14イエスはその人に言われた。「だれがわたしを、あなたがたの裁判官や調停人に任命したのか。」15そして、一同に言われた。「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである。」16それから、イエスはたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作だった。17金持ちは、『どうしよう。作物をしまっておく場所がない』と思い巡らしたが、18やがて言った。『こうしよう。倉を壊して、もっと大きいのを建て、そこに穀物や財産をみなしまい、19こう自分に言ってやるのだ。「さあ、これから先何年も生きて行くだけの蓄えができたぞ。ひと休みして、食べたり飲んだりして楽しめ」と。』20しかし神は、『愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったいだれのものになるのか』と言われた。21自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ。」

年間第29火曜日 10月22日(火) 年間

第一朗読

エフェソ2・12-22

あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者です。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、あなたがたは、2・12そのころは、キリストとかかわりなく、イスラエルの民に属さず、約束を含む契約と関係なく、この世の中で希望を持たず、神を知らずに生きていました。13しかしあなたがたは、以前は遠く離れていたが、今や、キリスト・イエスにおいて、キリストの血によって近い者となったのです。14実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、15規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、16十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。17キリストはおいでになり、遠く離れているあなたがたにも、また、近くにいる人々にも、平和の福音を告げ知らせられました。18それで、このキリストによってわたしたち両方の者が一つの霊に結ばれて、御父に近づくことができるのです。19従って、あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族であり、20使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、21キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。22キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。

答唱詩編

詩編85・10+11、12+13+14

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編85

85・10救いは神をおそれる人に近く、
栄光はわたしたちの地に住む。
11いつくしみとまことはめぐり合い、
正義と平和はいだき合う。

12まことは地から芽ばえ、正義は天から見守る。
13神は恵みを注がれ、地は豊かに実る。
14正義は神の前を進み、
平和はその足跡に従う。

福音朗読

ルカ12・35-38

アレルヤ、アレルヤ。目覚めていつも祈ってください、人の子の前にふさわしく立つことができるように。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・35「腰に帯を締め、ともし火をともしていなさい。36主人が婚宴から帰って来て戸をたたくとき、すぐに開けようと待っている人のようにしていなさい。37主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸いだ。はっきり言っておくが、主人は帯を締めて、この僕たちを食事の席に着かせ、そばに来て給仕してくれる。38主人が真夜中に帰っても、夜明けに帰っても、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸いだ。」

年間第29水曜日 10月23日(水) 年間

第一朗読

エフェソ3・2-12

異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものを受け継ぐ者です。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、3・2あなたがたのために神がわたしに恵みをお与えになった次第について、あなたがたは聞いたにちがいありません。3初めに手短に書いたように、秘められた計画が啓示によってわたしに知らされました。4あなたがたは、それを読めば、キリストによって実現されるこの計画を、わたしがどのように理解しているかが分かると思います。5この計画は、キリスト以前の時代には人の子らに知らされていませんでしたが、今や〝霊〟によって、キリストの聖なる使徒たちや預言者たちに啓示されました。6すなわち、異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。7神は、その力を働かせてわたしに恵みを賜り、この福音に仕える者としてくださいました。8この恵みは、聖なる者たちすべての中で最もつまらない者であるわたしに与えられました。わたしは、この恵みにより、キリストの計り知れない富について、異邦人に福音を告げ知らせており、9すべてのものをお造りになった神の内に世の初めから隠されていた秘められた計画が、どのように実現されるのかを、すべての人々に説き明かしています。10こうして、いろいろの働きをする神の知恵は、今や教会によって、天上の支配や権威に知らされるようになったのですが、11これは、神がわたしたちの主キリスト・イエスによって実現された永遠の計画に沿うものです。12わたしたちは主キリストに結ばれており、キリストに対する信仰により、確信をもって、大胆に神に近づくことができます。

答唱詩編

イザヤ12・4、5

喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

イザヤ12

12・4神をたたえ、その名を呼ぼう。
神のわざをすべての民に伝え、
その名の誉れを語り告げよう。

5神は不思議なわざを成し遂げられた。
神をほめうたい、
そのわざを世界にのべ伝えよう。

福音朗読

ルカ12・39-48

アレルヤ、アレルヤ。目覚めて用意していなさい。人の子は思いがけない時に来る。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・39「このことをわきまえていなさい。家の主人は、泥棒がいつやって来るかを知っていたら、自分の家に押し入らせはしないだろう。40あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである。」

41そこでペトロが、「主よ、このたとえはわたしたちのために話しておられるのですか。それとも、みんなのためですか」と言うと、42主は言われた。「主人が召し使いたちの上に立てて、時間どおりに食べ物を分配させることにした忠実で賢い管理人は、いったいだれであろうか。43主人が帰って来たとき、言われたとおりにしているのを見られる僕は幸いである。44確かに言っておくが、主人は彼に全財産を管理させるにちがいない。45しかし、もしその僕が、主人の帰りは遅れると思い、下男や女中を殴ったり、食べたり飲んだり、酔うようなことになるならば、46その僕の主人は予想しない日、思いがけない時に帰って来て、彼を厳しく罰し、不忠実な者たちと同じ目に遭わせる。47主人の思いを知りながら何も準備せず、あるいは主人の思いどおりにしなかった僕は、ひどく鞭打たれる。48しかし、知らずにいて鞭打たれるようなことをした者は、打たれても少しで済む。すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、更に多く要求される。」

年間第29木曜日 10月24日(木) 年間

第一朗読

エフェソ3・14-21

キリスト・イエスによって、栄光が世々限りなくありますように、アーメン。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、3・14わたしは御父の前にひざまずいて祈ります。15御父から、天と地にあるすべての家族がその名を与えられています。16どうか、御父が、その豊かな栄光に従い、その霊により、力をもってあなたがたの内なる人を強めて、17信仰によってあなたがたの心の内にキリストを住まわせ、あなたがたを愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者としてくださるように。18また、あなたがたがすべての聖なる者たちと共に、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解し、19人の知識をはるかに超えるこの愛を知るようになり、そしてついには、神の満ちあふれる豊かさのすべてにあずかり、それによって満たされるように。

20わたしたちの内に働く御力によって、わたしたちが求めたり、思ったりすることすべてを、はるかに超えてかなえることのおできになる方に、21教会により、また、キリスト・イエスによって、栄光が世々限りなくありますように、アーメン。

答唱詩編

詩編33・4+5、12+13

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

33・4神のことばはただしく、
そのわざにはいつわりがない。
5神は正義と公平を愛し、
いつくしみは地に満ちている。

12神を王としていただく国、
神のものとして選ばれた民はしあわせ。
13神は天から目をそそぎ、
人々をすべて見ておられる。

福音朗読

ルカ12・49-53

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・49「わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。50しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう。51あなたがたは、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ。52今から後、一つの家に五人いるならば、三人は二人と、二人は三人と対立して分かれるからである。
53父は子と、子は父と、
母は娘と、娘は母と、
しゅうとめは嫁と、嫁はしゅうとめと、
対立して分かれる。」

年間第29金曜日 10月25日(金) 年間

第一朗読

エフェソ4・1-6

体は一つ、霊は一つです。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、4・1主に結ばれて囚人となっているわたしはあなたがたに勧めます。神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩み、2一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、3平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。4体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。5主は一人、信仰は一つ、洗礼は一つ、6すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます。

答唱詩編

詩編24・3+4、5+6

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編24

24・3だれが神の山に登れよう。
だれが聖所に立てよう。
4それは手に汚れなく、心の清いひと、
空しいことに心を向けず、偽りを口にしない人。

5その人は神に祝福され、
救いの恵みを受ける。
6彼はヤコブの一族、
神を求め、その顔を慕う。

福音朗読

ルカ12・54-59

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、12・54イエスは群衆に言われた。「あなたがたは、雲が西に出るのを見るとすぐに、『にわか雨になる』と言う。実際そのとおりになる。55また、南風が吹いているのを見ると、『暑くなる』と言う。事実そうなる。56偽善者よ、このように空や地の模様を見分けることは知っているのに、どうして今の時を見分けることを知らないのか。

57あなたがたは、何が正しいかを、どうして自分で判断しないのか。58あなたを訴える人と一緒に役人のところに行くときには、途中でその人と仲直りするように努めなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官のもとに連れて行き、裁判官は看守に引き渡し、看守は牢に投げ込む。59言っておくが、最後の一レプトンを返すまで、決してそこから出ることはできない。」

年間第29土曜日 10月26日(土) 年間

第一朗読

エフェソ4・7-16

ある人を使徒、ある人を預言者、ある人を福音宣教者、ある人を牧者、教師とされたのです。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、4・7わたしたち一人一人に、キリストの賜物のはかりに従って、恵みが与えられています。8そこで、
「高い所に昇るとき、捕らわれ人を連れて行き、人々に賜物を分け与えられた」
と言われています。

9「昇った」というのですから、低い所、地上に降りておられたのではないでしょうか。10この降りて来られた方が、すべてのものを満たすために、もろもろの天よりも更に高く昇られたのです。11そして、ある人を使徒、ある人を預言者、ある人を福音宣教者、ある人を牧者、教師とされたのです。12こうして、聖なる者たちは奉仕の業に適した者とされ、キリストの体を造り上げてゆき、13ついには、わたしたちは皆、神の子に対する信仰と知識において一つのものとなり、成熟した人間になり、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長するのです。14こうして、わたしたちは、もはや未熟な者ではなくなり、人々を誤りに導こうとする悪賢い人間の、風のように変わりやすい教えに、もてあそばれたり、引き回されたりすることなく、15むしろ、愛に根ざして真理を語り、あらゆる面で、頭であるキリストに向かって成長していきます。16キリストにより、体全体は、あらゆる節々が補い合うことによってしっかり組み合わされ、結び合わされて、おのおのの部分は分に応じて働いて体を成長させ、自ら愛によって造り上げられてゆくのです。

答唱詩編

詩編122・1+2、3+4ab

私たちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編122

122・1「神の家に行こう」と言われて、
わたしの心は喜びにはずんだ。
2エルサレムよ、わたしたちは今、
お前の門のうちに立っている。

3しげく連なる町、エルサレム、
すべての民の都。
4abそこにはイスラエルの部族、
神の民がのぼって来る。

福音朗読

ルカ13・1-9

アレルヤ、アレルヤ。悪を行う人が死ぬことなく、神に立ち戻って生きることを神は望んでおられる。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

13・1ちょうどそのとき、何人かの人が来て、ピラトがガリラヤ人の血を彼らのいけにえに混ぜたことをイエスに告げた。2イエスはお答えになった。「そのガリラヤ人たちがそのような災難に遭ったのは、ほかのどのガリラヤ人よりも罪深い者だったからだと思うのか。3決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。4また、シロアムの塔が倒れて死んだあの十八人は、エルサレムに住んでいたほかのどの人々よりも、罪深い者だったと思うのか。5決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」

6そして、イエスは次のたとえを話された。「ある人がぶどう園にいちじくの木を植えておき、実を探しに来たが見つからなかった。7そこで、園丁に言った。『もう三年もの間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ。なぜ、土地をふさがせておくのか。』8園丁は答えた。『御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥やしをやってみます。9そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめなら、切り倒してください。』」

年間第30主日 10月27日(日) 年間

第一朗読

エレミヤ31・7-9

わたしは、目の見えないひとも、歩けない人も、慰めながら導く。

エレミヤの預言

31・7主はこう言われる。
ヤコブのために喜び歌い、喜び祝え。
諸国民の頭のために叫びをあげよ。
声を響かせ、賛美せよ。そして言え。
「主よ、あなたの民をお救いください
イスラエルの残りの者を。」
8見よ、わたしは彼らを北の国から連れ戻し
地の果てから呼び集める。
その中には目の見えない人も、歩けない人も
身ごもっている女も、臨月の女も共にいる。
彼らは大いなる会衆となって帰って来る。
9彼らは泣きながら帰って来る。
わたしは彼らを慰めながら導き
流れに沿って行かせる。
彼らはまっすぐな道を行き、つまずくことはない。
わたしはイスラエルの父となり、
エフライムはわたしの長子となる。

答唱詩編

詩編126・1+2ab、2cd+3、4+6

涙のうちに種まく人は、喜びのうちに刈り取る。

詩編126

126・1神が捕われびとをシオンにもどされたとき、
わたしたちは夢を見ている思いがした。
2abわたしたちの顔がほほえみ、
口には喜びの歌が浮かれた。

2cd国々の民も叫んでいった、
「神は彼らに偉大なわざを行われた」と。
3神はわたしたちに偉大なわざを行われ、
わたしたちは喜びにあふれた。

4雨の後にネゲブの川が流れをとりもどすように、
神よ、わたしたちに栄えをもどしてください。
6種を手に涙を流して出て行く人は、
束をかかえ、喜びにあふれて帰ってくる。

第二朗読

ヘブライ5・1-6

あなたこそ永遠に、メルキゼデクと同じような司祭である。

ヘブライ人への手紙

5・1大祭司はすべて人間の中から選ばれ、罪のための供え物やいけにえを献げるよう、人々のために神に仕える職に任命されています。2大祭司は、自分自身も弱さを身にまとっているので、無知な人、迷っている人を思いやることができるのです。3また、その弱さのゆえに、民のためだけでなく、自分自身のためにも、罪の贖いのために供え物を献げねばなりません。4また、この光栄ある任務を、だれも自分で得るのではなく、アロンもそうであったように、神から召されて受けるのです。

5同じようにキリストも、大祭司となる栄誉を御自分で得たのではなく、
「あなたはわたしの子、
わたしは今日、あなたを産んだ」
と言われた方が、それをお与えになったのです。
6また、神は他の個所で、
「あなたこそ永遠に、
メルキゼデクと同じような祭司である」
と言われています。

福音朗読

マルコ10・46-52

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

10・46イエスが弟子たちや大勢の群衆と一緒に、エリコを出て行こうとされたとき、ティマイの子で、バルティマイという盲人が道端に座って物乞いをしていた。47ナザレのイエスだと聞くと、叫んで、「ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください」と言い始めた。48多くの人々が叱りつけて黙らせようとしたが、彼はますます、「ダビデの子よ、わたしを憐れんでください」と叫び続けた。49イエスは立ち止まって、「あの男を呼んで来なさい」と言われた。人々は盲人を呼んで言った。「安心しなさい。立ちなさい。お呼びだ。」50盲人は上着を脱ぎ捨て、躍り上がってイエスのところに来た。51イエスは、「何をしてほしいのか」と言われた。盲人は、「先生、目が見えるようになりたいのです」と言った。52そこで、イエスは言われた。「行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」盲人は、すぐ見えるようになり、なお道を進まれるイエスに従った。

聖シモン聖ユダ使徒 10月28日(月) 聖人の記念

第一朗読

エフェソ2・19−22

あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者です。

使徒パウロのエフェソの教会ヘの手紙

皆さん、2・19あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族であり、20使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、21キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。22キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。

答唱詩編

詩編19・2+3、4+5

天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。

詩編19

19・2天は神の栄光を語り、
大空はみ手のわざを告げる。
3日は日にことばを語り継ぎ、
夜は夜に知識を伝える。

4ことばでもなく、話でもなく、
その声も聞こえないが、
その響きは地を覆い、その知らせは世界に及ぶ。
5神は天に太陽の幕屋をすえられた。

福音朗読

ルカ6・12-19

アレルヤ、アレルヤ。あなたを神とほめたたえ、万物の主とあがめる。栄光を受けた使徒の群れもあなたをたたえて歌う。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

6・12そのころ、イエスは祈るために山に行き、神に祈って夜を明かされた。13朝になると弟子たちを呼び集め、その中から十二人を選んで使徒と名付けられた。14それは、イエスがペトロと名付けられたシモン、その兄弟アンデレ、そして、ヤコブ、ヨハネ、フィリポ、バルトロマイ、15マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、熱心党と呼ばれたシモン、16ヤコブの子ユダ、それに後に裏切り者となったイスカリオテのユダである。

17イエスは彼らと一緒に山から下りて、平らな所にお立ちになった。大勢の弟子とおびただしい民衆が、ユダヤ全土とエルサレムから、また、ティルスやシドンの海岸地方から、18イエスの教えを聞くため、また病気をいやしていただくために来ていた。汚れた霊に悩まされていた人々もいやしていただいた。19群衆は皆、何とかしてイエスに触れようとした。イエスから力が出て、すべての人の病気をいやしていたからである。

年間第30火曜日 10月29日(火) 年間

第一朗読

エフェソ5・21-33

夫たちよ、キリストが教会を愛し、教会のために御自分をお与えになったように、妻を愛しなさい。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、5・21キリストに対する畏れをもって、互いに仕え合いなさい。22妻たちよ、主に仕えるように、自分の夫に仕えなさい。23キリストが教会の頭であり、自らその体の救い主であるように、夫は妻の頭だからです。24また、教会がキリストに仕えるように、妻もすべての面で夫に仕えるべきです。25夫たちよ、キリストが教会を愛し、教会のために御自分をお与えになったように、妻を愛しなさい。26キリストがそうなさったのは、言葉を伴う水の洗いによって、教会を清めて聖なるものとし、27しみやしわやそのたぐいのものは何一つない、聖なる、汚れのない、栄光に輝く教会を御自分の前に立たせるためでした。28そのように夫も、自分の体のように妻を愛さなくてはなりません。妻を愛する人は、自分自身を愛しているのです。29わが身を憎んだ者は一人もおらず、かえって、キリストが教会になさったように、わが身を養い、いたわるものです。30わたしたちは、キリストの体の一部なのです。31「それゆえ、人は父と母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。」32この神秘は偉大です。わたしは、キリストと教会について述べているのです。33いずれにせよ、あなたがたも、それぞれ、妻を自分のように愛しなさい。妻は夫を敬いなさい。

答唱詩編

詩編128・2+3ab、3cd+5+6a

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編128

128・2額に汗してかてを受け、
恵みと平和に満たされる。
3ab実り豊かなぶどうの木のように、
妻は家庭をうるおす。

3cdオリーブの若木のように、
子どもたちは食卓を囲む。
5神の祝福がシオンから臨み、いのちのある限り、
6aエルサレムの栄えと、数多くの子孫の群れを見る。

福音朗読

ルカ13・18-21

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、13・18イエスは言われた。「神の国は何に似ているか。何にたとえようか。19それは、からし種に似ている。人がこれを取って庭に蒔くと、成長して木になり、その枝には空の鳥が巣を作る。」

20また言われた。「神の国を何にたとえようか。21パン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」

年間第30水曜日 10月30日(水) 年間

第一朗読

エフェソ6・1-9

子供たち、主に結ばれている者として両親に従いなさい。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

6・1子供たち、主に結ばれている者として両親に従いなさい。それは正しいことです。2「父と母を敬いなさい。」これは約束を伴う最初の掟です。3「そうすれば、あなたは幸福になり、地上で長く生きることができる」という約束です。4父親たち、子供を怒らせてはなりません。主がしつけ諭されるように、育てなさい。

5奴隷たち、キリストに従うように、恐れおののき、真心を込めて、肉による主人に従いなさい。6人にへつらおうとして、うわべだけで仕えるのではなく、キリストの奴隷として、心から神の御心を行い、7人にではなく主に仕えるように、喜んで仕えなさい。8あなたがたも知っているとおり、奴隷であっても自由な身分の者であっても、善いことを行えば、だれでも主から報いを受けるのです。9主人たち、同じように奴隷を扱いなさい。彼らを脅すのはやめなさい。あなたがたも知っているとおり、彼らにもあなたがたにも同じ主人が天におられ、人を分け隔てなさらないのです。

答唱詩編

詩編145・10+11、13ab+14

いのちあるすべてのものは、神をたたえよ。

詩編145

145・10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝してうたう。
11彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるあなたのわざを告げる。

13abあなたの国は永遠の国。
あなたの支配は世々に及ぶ。
14神は悩みのうちにある者を支え、
倒れる者をすべて立たせてくださる。

福音朗読

ルカ13・22-30

アレルヤ、アレルヤ。福音によって神は私たちを召し出し、主イエス・キリストの栄光にあずかる者としてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、13・22イエスは町や村を巡って教えながら、エルサレムへ向かって進んでおられた。23すると、「主よ、救われる者は少ないのでしょうか」と言う人がいた。イエスは一同に言われた。24「狭い戸口から入るように努めなさい。言っておくが、入ろうとしても入れない人が多いのだ。25家の主人が立ち上がって、戸を閉めてしまってからでは、あなたがたが外に立って戸をたたき、『御主人様、開けてください』と言っても、『お前たちがどこの者か知らない』という答えが返ってくるだけである。26そのとき、あなたがたは、『御一緒に食べたり飲んだりしましたし、また、わたしたちの広場でお教えを受けたのです』と言いだすだろう。27しかし主人は、『お前たちがどこの者か知らない。不義を行う者ども、皆わたしから立ち去れ』と言うだろう。28あなたがたは、アブラハム、イサク、ヤコブやすべての預言者たちが神の国に入っているのに、自分は外に投げ出されることになり、そこで泣きわめいて歯ぎしりする。29そして人々は、東から西から、また南から北から来て、神の国で宴会の席に着く。30そこでは、後の人で先になる者があり、先の人で後になる者もある。」

年間第30木曜日 10月31日(木) 年間

第一朗読

エフェソ6・10-20

〝霊〟に助けられて祈り、願い求め、すべての聖なる者たちのために、絶えず目を覚まして根気よく祈り続けなさい。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、6・10最後に言います。主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい。11悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。12わたしたちの戦いは、血肉を相手にするものではなく、支配と権威、暗闇の世界の支配者、天にいる悪の諸霊を相手にするものなのです。13だから、邪悪な日によく抵抗し、すべてを成し遂げて、しっかりと立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。14立って、真理を帯として腰に締め、正義を胸当てとして着け、15平和の福音を告げる準備を履物としなさい。16なおその上に、信仰を盾として取りなさい。それによって、悪い者の放つ火の矢をことごとく消すことができるのです。17また、救いを兜としてかぶり、霊の剣、すなわち神の言葉を取りなさい。18どのような時にも、〝霊〟に助けられて祈り、願い求め、すべての聖なる者たちのために、絶えず目を覚まして根気よく祈り続けなさい。19また、わたしが適切な言葉を用いて話し、福音の神秘を大胆に示すことができるように、わたしのためにも祈ってください。20わたしはこの福音の使者として鎖につながれていますが、それでも、語るべきことは大胆に話せるように、祈ってください。

答唱詩編

詩編66・18+19、1+8b+20

神の栄えをほめうたい、その栄光を賛美せよ。

詩編66

66・18心にやましさがある者を
主は受け入れてくださらない。
19神はわたしを受け入れて、
祈りに心を留められた。

1すべての人よ、神に向かって喜びの声をあげ、
賛美の歌を響かせよ。
8b神をたたえよう。
20神は祈りを退けず、恵みを拒まれなかった。

福音朗読

ルカ13・31-35

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

13・31ちょうどそのとき、ファリサイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに言った。「ここを立ち去ってください。ヘロデがあなたを殺そうとしています。」32イエスは言われた。「行って、あの狐に、『今日も明日も、悪霊を追い出し、病気をいやし、三日目にすべてを終える』とわたしが言ったと伝えなさい。33だが、わたしは今日も明日も、その次の日も自分の道を進まねばならない。預言者がエルサレム以外の所で死ぬことは、ありえないからだ。34エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはお前の子らを何度集めようとしたことか。だが、お前たちは応じようとしなかった。35見よ、お前たちの家は見捨てられる。言っておくが、お前たちは、『主の名によって来られる方に、祝福があるように』と言う時が来るまで、決してわたしを見ることがない。」

11月
諸聖人 11月1日(金) 聖人の記念

第一朗読

黙示録7・2-4、9-14

わたしは、あらゆる国民、種族、民族、言葉の違う民の中から集まった、だれにも数えきれないほどの大群衆を見た。

ヨハネの黙示

7・2わたしヨハネはまた、もう一人の天使が生ける神の刻印を持って、太陽の出る方角から上って来るのを見た。この天使は、大地と海とを損なうことを許されている四人の天使に、大声で呼びかけて、3こう言った。「我々が、神の僕たちの額に刻印を押してしまうまでは、大地も海も木も損なってはならない。」4わたしは、刻印を押された人々の数を聞いた。それは十四万四千人で、イスラエルの子らの全部族の中から、刻印を押されていた。

9この後、わたしが見ていると、見よ、あらゆる国民、種族、民族、言葉の違う民の中から集まった、だれにも数えきれないほどの大群衆が、白い衣を身に着け、手になつめやしの枝を持ち、玉座の前と小羊の前に立って、10大声でこう叫んだ。

「救いは、玉座に座っておられるわたしたちの神と、小羊とのものである。」
11また、天使たちは皆、玉座、長老たち、そして四つの生き物を囲んで立っていたが、玉座の前にひれ伏し、神を礼拝して、12こう言った。

「アーメン。賛美、栄光、知恵、感謝、誉れ、力、威力が、世々限りなくわたしたちの神にありますように、アーメン。」

13すると、長老の一人がわたしに問いかけた。「この白い衣を着た者たちは、だれか。また、どこから来たのか。」14そこで、わたしが、「わたしの主よ、それはあなたの方がご存じです」と答えると、長老はまた、わたしに言った。「彼らは大きな苦難を通って来た者で、その衣を小羊の血で洗って白くしたのである。」

答唱詩編

詩編24・1+2、3+4、5+6

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編24

24・1地とそこにあるもの、
世界とそこに住むものは神のもの。
2神は海に地の基をすえ、
水の上に固められた。

3だれが神の山に登れよう。
だれが聖所に立てよう。
4それは手に汚れなく、心の清いひと、
むなしいことに心を向けず、いつわりを口にしないひと。

5その人は神に祝福され、
救いの恵みを受ける。
6彼はヤコブの一族、
神を求め、その顔を慕う。

第二朗読

➀ヨハネ3・1-3

わたしたちは御子をありのままに見る

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、3・1御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたちが神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです。2愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。しかし、御子が現れるとき、御子に似た者となるということを知っています。なぜなら、そのとき御子をありのままに見るからです。3御子にこの望みをかけている人は皆、御子が清いように、自分を清めます。

福音朗読

マタイ5・1-12a

アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、5・1イエスは群衆を見て、山に登られた。腰を下ろされると、弟子たちが近くに寄って来た。2そこで、イエスは口を開き、教えられた。
3「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。
4悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。
5柔和な人々は、幸いである、その人たちは地を受け継ぐ。
6義に飢え渇く人々は、幸いである、その人たちは満たされる。
7憐れみ深い人々は、幸いである、その人たちは憐れみを受ける。
8心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る。
9平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。
10義のために迫害される人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。
11わたしのためにののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。12a喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある。」

死者の日 11月2日(土) 聖人の記念

第一朗読

知恵3・1-6、9

神に従う人の魂は神の手で守られ、もはやいかなる責め苦も受けることはない。

知恵の書

3・1神に従う人の魂は神の手で守られ、
もはやいかなる責め苦も受けることはない。
2愚か者たちの目には彼らは死んだ者と映り、
この世からの旅立ちは災い、
3自分たちからの離別は破滅に見えた。
ところが彼らは平和のうちにいる。
4人間の目には懲らしめを受けたように見えても、
不滅への大いなる希望が彼らにはある。
5わずかな試練を受けた後、豊かな恵みを得る。
神が彼らを試し、
御自分にふさわしい者と判断されたからである。
6るつぼの中の金のように神は彼らをえり分け、
焼き尽くすいけにえの献げ物として受け入れられた。
9主に依り頼む人は真理を悟り、
信じる人は主の愛のうちに主と共に生きる。
主に清められた人々には恵みと憐れみがあり、
主に選ばれた人は主の訪れを受けるからである。

または

ローマ8・31b-35、37-39

わたしたちは、わたしたちを愛してくださる方によって輝かしい勝利を収めています。

使徒パウロのローマの教会への手紙

皆さん、8・31bもし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。32わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。33だれが神に選ばれた者たちを訴えるでしょう。人を義としてくださるのは神なのです。34だれがわたしたちを罪に定めることができましょう。死んだ方、否、むしろ、復活させられた方であるキリスト・イエスが、神の右に座っていて、わたしたちのために執り成してくださるのです。35だれが、キリストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう。艱難か。苦しみか。迫害か。飢えか。裸か。危険か。剣か。

37しかし、これらすべてのことにおいて、わたしたちは、わたしたちを愛してくださる方によって輝かしい勝利を収めています。38わたしは確信しています。死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、39高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです。

または

黙示録21・1-5a、6b-7

見よ、わたしは万物を新しくする。

ヨハネの黙示

21・1わたしヨハネはまた、新しい天と新しい地を見た。最初の天と最初の地は去って行き、もはや海もなくなった。2更にわたしは、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために着飾った花嫁のように用意を整えて、神のもとを離れ、天から下って来るのを見た。3そのとき、わたしは玉座から語りかける大きな声を聞いた。「見よ、神の幕屋が人の間にあって、神が人と共に住み、人は神の民となる。神は自ら人と共にいて、その神となり、4彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる。もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない。最初のものは過ぎ去ったからである。」5aすると、玉座に座っておられる方が、言われた。「見よ、わたしは万物を新しくする。6bわたしはアルファであり、オメガである。初めであり、終わりである。渇いている者には、命の水の泉から価なしに飲ませよう。7勝利を得る者は、これらのものを受け継ぐ。わたしはその者の神になり、その者はわたしの子となる。」

答唱詩編

詩編23・2+3、4、6

主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。

詩編23

23・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、
いこいの水辺に伴われる。
3神はわたしを生き返らせ、
いつくしみによって正しい道に導かれる。

4たとえ死の陰の谷を歩んでも、
わたしはわざわいをおそれない。
あなたがわたしとともにおられ、
その鞭と杖はわたしを守る。

6神の恵みといつくしみに
生涯伴われ、
わたしはとこしえに
神の家に生きる。

福音朗読

ヨハネ6・37-40

アレルヤ、アレルヤ。わたしの父の意志は、子を見て信じる者が永遠の命を保ち、終わりの日に復活することである。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。6・37「父がわたしにお与えになる人は皆、わたしのところに来る。わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない。38わたしが天から降って来たのは、自分の意志を行うためではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行うためである。39わたしをお遣わしになった方の御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである。40わたしの父の御心は、子を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。」

年間第31主日 11月3日(日) 年間

第一朗読

申命記6・2-6

聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。

申命記

モーゼは民に言った。6・2あなたもあなたの子孫も生きている限り、あなたの神、主を畏れ、わたしが命じるすべての掟と戒めを守るなら、長く生きるためである。3イスラエルよ、あなたはよく聞いて、忠実に行いなさい。そうすれば、あなたは幸いを得、父祖の神、主が約束されたとおり、乳と蜜の流れる土地で大いに増える。4聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。5あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。6今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留めなさい。

答唱詩編

詩編18・3、23+25、47+50

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編18

18・3神はわたしの砦、わたしの岩、
わたしの救い、身を避ける岩、
わたしの神、わたしの盾、
わたしのやぐら、救いの力。

23神のさばきはわたしの前に、
そのおきては身近にある。
25神はわたしの正しさに従って報い、
清く生きるわたしに目を留め、答えてくださる。

47わたしを支える岩、
わたしを救われる神に栄光と賛美。
50神よ、諸国の民の中であなたをたたえ、
わたしはあなたの名を喜びうたう。

第二朗読

ヘブライ7・23-28

このいけにえはただ一度、御自身を献げることによって、成し遂げられたからです。

ヘブライ人への手紙

皆さん、7・23レビの系統の祭司たちの場合には、死というものがあるので、務めをいつまでも続けることができず、多くの人たちが祭司に任命されました。24しかし、イエスは永遠に生きているので、変わることのない祭司職を持っておられるのです。25それでまた、この方は常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。

26このように聖であり、罪なく、汚れなく、罪人から離され、もろもろの天よりも高くされている大祭司こそ、わたしたちにとって必要な方なのです。27この方は、ほかの大祭司たちのように、まず自分の罪のため、次に民の罪のために毎日いけにえを献げる必要はありません。というのは、このいけにえはただ一度、御自身を献げることによって、成し遂げられたからです。28律法は弱さを持った人間を大祭司に任命しますが、律法の後になされた誓いの御言葉は、永遠に完全な者とされておられる御子を大祭司としたのです。

福音朗読

マルコ12・28b-34

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、12・28b一人の律法学者が進み出て、イエスに尋ねた。「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」29イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。30心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』31第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」32律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。33そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」34イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。

聖カルロ・ボロメオ 司教 11月4日(月) 記念日

第一朗読

フィリピ2・1-4

めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

皆さん、2・1あなたがたに幾らかでも、キリストによる励まし、愛の慰め、〝霊〟による交わり、それに慈しみや憐れみの心があるなら、2同じ思いとなり、同じ愛を抱き、心を合わせ、思いを一つにして、わたしの喜びを満たしてください。3何事も利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、4めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。

答唱詩編

詩編131・1+2ab、2cd+3

神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。

詩編131

131・1神よ、わたしはおごらず、たかぶらず、
偉大なこと、身にあまることを求めようとしない。
2ab心静かにわたしはいこう
母の手に安らぐ幼子のように。

2cd心静かにわたしはいこう、
神の前にある幼子のように。
3イスラエルよ、神を待ち望め、
今より、とこしえに。

福音朗読

ルカ14・12-14

アレルヤ、アレルヤ。わたしの言葉にとどまるなら、あなたがたはわたしの弟子であり、真理を知っている。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、14・12イエスは招いてくれたファリサイ派の議員に言われた。「昼食や夕食の会を催すときには、友人も、兄弟も、親類も、近所の金持ちも呼んではならない。その人たちも、あなたを招いてお返しをするかも知れないからである。13宴会を催すときには、むしろ、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。14そうすれば、その人たちはお返しができないから、あなたは幸いだ。正しい者たちが復活するとき、あなたは報われる。」

年間第31火曜日 11月5日(火) 年間

第一朗読

フィリピ2・5-11

「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

皆さん、2・5互いにこのことを心がけなさい。それはキリスト・イエスにもみられるものです。6キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、7かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、8へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。9このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。10こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、11すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。

答唱詩編

詩編22・30+31a、31b+32

神に向かって喜びうたい、感謝の歌をささげよう。

詩編22

22・30地に栄える者も神をあがめ、
地に帰る者もみ前にひれ伏す。
31aわたしは神のために生き、
子孫は神に仕える。

31bかれらは主のわざを次の世代にかたり継ぎ、
あとから生まれてくる民に、
32神のわざ、
その救いを告げ知らせる。

福音朗読

ルカ14・15-24

アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、14・15食事を共にしていた客の一人は、イエスに、「神の国で食事をする人は、なんと幸いなことでしょう」と言った。16そこで、イエスは言われた。「ある人が盛大な宴会を催そうとして、大勢の人を招き、17宴会の時刻になったので、僕を送り、招いておいた人々に、『もう用意ができましたから、おいでください』と言わせた。18すると皆、次々に断った。最初の人は、『畑を買ったので、見に行かねばなりません。どうか、失礼させてください』と言った。19ほかの人は、『牛を二頭ずつ五組買ったので、それを調べに行くところです。どうか、失礼させてください』と言った。20また別の人は、『妻を迎えたばかりなので、行くことができません』と言った。21僕は帰って、このことを主人に報告した。すると、家の主人は怒って、僕に言った。『急いで町の広場や路地へ出て行き、貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人をここに連れて来なさい。』22やがて、僕が、『御主人様、仰せのとおりにいたしましたが、まだ席があります』と言うと、23主人は言った。『通りや小道に出て行き、無理にでも人々を連れて来て、この家をいっぱいにしてくれ。24言っておくが、あの招かれた人たちの中で、わたしの食事を味わう者は一人もいない。』」

年間第31水曜日 11月6日(水) 年間

第一朗読

フィリピ2・12-18

あなたがたも喜びなさい。わたしと一緒に喜びなさい。

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

2・12わたしの愛する人たち、いつも従順であったように、わたしが共にいるときだけでなく、いない今はなおさら従順でいて、恐れおののきつつ自分の救いを達成するように努めなさい。13あなたがたの内に働いて、御心のままに望ませ、行わせておられるのは神であるからです。14何事も、不平や理屈を言わずに行いなさい。15そうすれば、とがめられるところのない清い者となり、よこしまな曲がった時代の中で、非のうちどころのない神の子として、世にあって星のように輝き、16命の言葉をしっかり保つでしょう。こうしてわたしは、自分が走ったことが無駄でなく、労苦したことも無駄ではなかったと、キリストの日に誇ることができるでしょう。17更に、信仰に基づいてあなたがたがいけにえを献げ、礼拝を行う際に、たとえわたしの血が注がれるとしても、わたしは喜びます。あなたがた一同と共に喜びます。18同様に、あなたがたも喜びなさい。わたしと一緒に喜びなさい。

答唱詩編

詩編27・1、13+14

神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。

詩編27

27・1神はわたしの光、わたしの救い、
わたしはだれもおそれない。
神はわたしのいのちの砦、
わたしはだれをはばかろう。

13神に生きる人々の中で
わたしは神の美しさを仰ぎ見る。
14神を待ち望め、強く、
たくましく、神を待ち望め。

福音朗読

ルカ14・25-33

アレルヤ、アレルヤ。キリストの名のためにののしられる人は幸い。神の霊があなたがたの上にとどまってくださる。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、14・25大勢の群衆が一緒について来たが、イエスは振り向いて言われた。26「もし、だれかがわたしのもとに来るとしても、父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更に自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない。27自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない。28あなたがたのうち、塔を建てようとするとき、造り上げるのに十分な費用があるかどうか、まず腰をすえて計算しない者がいるだろうか。29そうしないと、土台を築いただけで完成できず、見ていた人々は皆あざけって、30『あの人は建て始めたが、完成することはできなかった』と言うだろう。31また、どんな王でも、ほかの王と戦いに行こうとするときは、二万の兵を率いて進軍して来る敵を、自分の一万の兵で迎え撃つことができるかどうか、まず腰をすえて考えてみないだろうか。32もしできないと分かれば、敵がまだ遠方にいる間に使節を送って、和を求めるだろう。33だから、同じように、自分の持ち物を一切捨てないならば、あなたがたのだれ一人としてわたしの弟子ではありえない。」

年間第31木曜日 11月7日(木) 年間

第一朗読

フィリピ3・3-8a

わたしたちこそ真の割礼を受けた者です。

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

皆さん、3・3わたしたちこそ真の割礼を受けた者です。わたしたちは神の霊によって礼拝し、キリスト・イエスを誇りとし、肉に頼らないからです。4とはいえ、肉にも頼ろうと思えば、わたしは頼れなくはない。だれかほかに、肉に頼れると思う人がいるなら、わたしはなおさらのことです。5わたしは生まれて八日目に割礼を受け、イスラエルの民に属し、ベニヤミン族の出身で、ヘブライ人の中のヘブライ人です。律法に関してはファリサイ派の一員、6熱心さの点では教会の迫害者、律法の義については非のうちどころのない者でした。7しかし、わたしにとって有利であったこれらのことを、キリストのゆえに損失と見なすようになったのです。8そればかりか、わたしの主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに、今では他の一切を損失とみています。

答唱詩編

詩編105・3b+4+5、6+7+8a+10b

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編105

105・3b神を捜し求める者よ、心から喜べ。
4神にその力を求め、いつもその顔を慕い求めよ。
5神が行われた不思議なわざを思い起こせ、
救いのしるしとさばきのことばを。

6神のしもべ、選ばれた者よ、
7神のさばきは世界に及ぶ。
8a神は契約をとこしえに守られる。
10bイスラエルのための永遠の契約。

福音朗読

ルカ15・1-10

アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、15・1徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄って来た。2すると、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を言いだした。3そこで、イエスは次のたとえを話された。4「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。5そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、6家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。7言っておくが、このように、悔い改める一人の罪人については、悔い改める必要のない九十九人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある。」

8「あるいは、ドラクメ銀貨を十枚持っている女がいて、その一枚を無くしたとすれば、ともし火をつけ、家を掃き、見つけるまで念を入れて捜さないだろうか。9そして、見つけたら、友達や近所の女たちを呼び集めて、『無くした銀貨を見つけましたから、一緒に喜んでください』と言うであろう。10言っておくが、このように、一人の罪人が悔い改めれば、神の天使たちの間に喜びがある。」

年間第31金曜日 11月8日(金) 年間

第一朗読

フィリピ3・17-4、1

キリストの十字架に敵対して歩んでいる者が多いのです。

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

3・17兄弟たち、皆一緒にわたしに倣う者となりなさい。また、あなたがたと同じように、わたしたちを模範として歩んでいる人々に目を向けなさい。18何度も言ってきたし、今また涙ながらに言いますが、キリストの十字架に敵対して歩んでいる者が多いのです。19彼らの行き着くところは滅びです。彼らは腹を神とし、恥ずべきものを誇りとし、この世のことしか考えていません。20しかし、わたしたちの本国は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主として来られるのを、わたしたちは待っています。21キリストは、万物を支配下に置くことさえできる力によって、わたしたちの卑しい体を、御自分の栄光ある体と同じ形に変えてくださるのです。

4・1だから、わたしが愛し、慕っている兄弟たち、わたしの喜びであり、冠である愛する人たち、このように主によってしっかりと立ちなさい。

答唱詩編

詩編122・1+2、3+4ab

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編122

122・1「神の家に行こう」と言われて、
わたしの心は喜びにはずんだ。
2エルサレムよ、わたしたちは今、
お前の門のうちに立っている。

3しげく連なる町、エルサレム、
すべての民の都。
4abそこにはイスラエルの部族、
神の民がのぼって来る。

福音朗読

ルカ16・1-8

アレルヤ、アレルヤ。キリストのことばを守るなら、神の愛はその人のうちに全うされる。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、16・1イエスは、弟子たちに言われた。「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄遣いしていると、告げ口をする者があった。2そこで、主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが、どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』3管理人は考えた。『どうしようか。主人はわたしから管理の仕事を取り上げようとしている。土を掘る力もないし、物乞いをするのも恥ずかしい。4そうだ。こうしよう。管理の仕事をやめさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ればいいのだ。』5そこで、管理人は主人に借りのある者を一人一人呼んで、まず最初の人に、『わたしの主人にいくら借りがあるのか』と言った。6『油百バトス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。急いで、腰を掛けて、五十バトスと書き直しなさい。』7また別の人には、『あなたは、いくら借りがあるのか』と言った。『小麦百コロス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。八十コロスと書き直しなさい。』8主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた。この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている。

ラテラン教会の献堂 11月9日(土) 聖人の記念

第一朗読

エゼキエル47・1-2、8-9、12

わたしを神殿の入り口に連れ戻した。

エゼキエルの預言

その日、主の使いは47・1わたしを神殿の入り口に連れ戻した。すると見よ、水が神殿の敷居の下から湧き上がって、東の方へ流れていた。神殿の正面は東に向いていた。水は祭壇の南側から出て神殿の南壁の下を流れていた。2彼はわたしを北の門から外へ回らせ、東に向かう外の門に導いた。見よ、水は南壁から流れていた。8彼はわたしに言った。「これらの水は東の地域へ流れ、アラバに下り、海、すなわち汚れた海に入って行く。すると、その水はきれいになる。9川が流れて行く所ではどこでも、群がるすべての生き物は生き返り、魚も非常に多くなる。この水が流れる所では、水がきれいになるからである。この川が流れる所では、すべてのものが生き返る。12川のほとり、その岸には、こちら側にもあちら側にも、あらゆる果樹が大きくなり、葉は枯れず、果実は絶えることなく、月ごとに実をつける。水が聖所から流れ出るからである。その果実は食用となり、葉は薬用となる。」

または

➀コリント3・9c-11、16-17

あなたがたはその神殿なのです。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、3・9あなたがたは神の建物なのです。10わたしは、神からいただいた恵みによって、熟練した建築家のように土台を据えました。そして、他の人がその上に家を建てています。ただ、おのおの、どのように建てるかに注意すべきです。11イエス・キリストという既に据えられている土台を無視して、だれもほかの土台を据えることはできません。16あなたがたは、自分が神の神殿であり、神の霊が自分たちの内に住んでいることを知らないのですか。17神の神殿を壊す者がいれば、神はその人を滅ぼされるでしょう。神の神殿は聖なるものだからです。あなたがたはその神殿なのです。

答唱詩編

詩編84・2+3、4、6+7

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編84

84・2すべてを治められる神よ、
あなたの住まいはうるわしい。
3わたしの魂は主の庭を慕い、
心とからだは生ける神にあこがれる。

4万軍の主、わたしたちの神よ、
あなたの祭壇のきわに、
すずめさえすみかを見つけ、
つばめも巣を作ってひなを育てる。

6神よ、あなたによってふるいたち、
巡礼を志す人は、
7かれた谷を通り、そこを泉に変え、
はじめの雨がそこを祝福でおおう。

福音朗読

ヨハネ2・13-22

アレルヤ、アレルヤ。この場所をわたしは選び、聖なるものとした。ここにいつまでもわたしの名をとどめるために。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

2・13ユダヤ人の過越祭が近づいたので、イエスはエルサレムへ上って行かれた。14そして、神殿の境内で牛や羊や鳩を売っている者たちと、座って両替をしている者たちを御覧になった。15イエスは縄で鞭を作り、羊や牛をすべて境内から追い出し、両替人の金をまき散らし、その台を倒し、16鳩を売る者たちに言われた。「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家を商売の家としてはならない。」17弟子たちは、「あなたの家を思う熱意がわたしを食い尽くす」と書いてあるのを思い出した。18ユダヤ人たちはイエスに、「あなたは、こんなことをするからには、どんなしるしをわたしたちに見せるつもりか」と言った。19イエスは答えて言われた。「この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる。」20それでユダヤ人たちは、「この神殿は建てるのに四十六年もかかったのに、あなたは三日で建て直すのか」と言った。21イエスの言われる神殿とは、御自分の体のことだったのである。22イエスが死者の中から復活されたとき、弟子たちは、イエスがこう言われたのを思い出し、聖書とイエスの語られた言葉とを信じた。

年間第32主日 11月10日(日) 年間

第一朗読

列王記上17・10-16

やもめは小麦粉で小さいパン菓子を作って、エリヤに持っていった。

列王記

17・10その日、預言者エリヤは立ってサレプタに行った。町の入り口まで来ると、一人のやもめが薪を拾っていた。エリヤはやもめに声をかけ、「器に少々水を持って来て、わたしに飲ませてください」と言った。11彼女が取りに行こうとすると、エリヤは声をかけ、「パンも一切れ、手に持って来てください」と言った。12彼女は答えた。「あなたの神、主は生きておられます。わたしには焼いたパンなどありません。ただ壺の中に一握りの小麦粉と、瓶の中にわずかな油があるだけです。わたしは二本の薪を拾って帰り、わたしとわたしの息子の食べ物を作るところです。わたしたちは、それを食べてしまえば、あとは死ぬのを待つばかりです。」13エリヤは言った。「恐れてはならない。帰って、あなたの言ったとおりにしなさい。だが、まずそれでわたしのために小さいパン菓子を作って、わたしに持って来なさい。その後あなたとあなたの息子のために作りなさい。14なぜならイスラエルの神、主はこう言われる。
主が地の面に雨を降らせる日まで
壺の粉は尽きることなく
瓶の油はなくならない。」

15やもめは行って、エリヤの言葉どおりにした。こうして彼女もエリヤも、彼女の家の者も、幾日も食べ物に事欠かなかった。16主がエリヤによって告げられた御言葉のとおり、壺の粉は尽きることなく、瓶の油もなくならなかった。

答唱詩編

詩編146・1+2+10a、6c+7、8ac+9bc

いのちあるすべてのものは、神をたたえよ。

詩編146

146・1心を尽くして神をたたえよ。
いのちのある限り神をたたえよ。
2わたしは生涯神をほめうたう。
10a神はとこしえに治められる。

6c神はとこしえにまことをしめし、
貧しい人のためにさばきをおこない、
7飢えかわく人に糧をめぐみ、
捕らわれ人を解放される。

8ac神は見えない人の目をひらき、
従う人をあいされる。
9bc身寄りのない子供とやもめをささえ、
逆らう者の企てを砕かれる。

第二朗読

ヘブライ9・24-28

キリストは、多くの人の罪を負うためにただ一度身を捧げられた。

ヘブライ人への手紙

9・24キリストは、まことのものの写しにすぎない、人間の手で造られた聖所にではなく、天そのものに入り、今やわたしたちのために神の御前に現れてくださったのです。25また、キリストがそうなさったのは、大祭司が年ごとに自分のものでない血を携えて聖所に入るように、度々御自身をお献げになるためではありません。26もしそうだとすれば、天地創造の時から度々苦しまねばならなかったはずです。ところが実際は、世の終わりにただ一度、御自身をいけにえとして献げて罪を取り去るために、現れてくださいました。27また、人間にはただ一度死ぬことと、その後に裁きを受けることが定まっているように、28キリストも、多くの人の罪を負うためにただ一度身を献げられた後、二度目には、罪を負うためではなく、御自分を待望している人たちに、救いをもたらすために現れてくださるのです。

福音朗読

マルコ12・38-44

アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、12・38イエスは教えの中でこう言われた。「律法学者に気をつけなさい。彼らは、長い衣をまとって歩き回ることや、広場で挨拶されること、39会堂では上席、宴会では上座に座ることを望み、40また、やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。このような者たちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。」

41イエスは賽銭箱の向かいに座って、群衆がそれに金を入れる様子を見ておられた。大勢の金持ちがたくさん入れていた。42ところが、一人の貧しいやもめが来て、レプトン銅貨二枚、すなわち一クァドランスを入れた。43イエスは、弟子たちを呼び寄せて言われた。「はっきり言っておく。この貧しいやもめは、賽銭箱に入れている人の中で、だれよりもたくさん入れた。44皆は有り余る中から入れたが、この人は、乏しい中から自分の持っている物をすべて、生活費を全部入れたからである。」

聖マルチノ(ツール) 司教 11月11日(月) 記念日

第一朗読

テトス1・1-9

監督は神から任命された管理者である

使徒パウロのテトスへの手紙

1・1神の僕、イエス・キリストの使徒パウロから――わたしが使徒とされたのは、神に選ばれた人々の信仰を助け、彼らを信心に一致する真理の認識に導くためです。2これは永遠の命の希望に基づくもので、偽ることのない神は、永遠の昔にこの命を約束してくださいました。3神は、定められた時に、宣教を通して御言葉を明らかにされました。わたしたちの救い主である神の命令によって、わたしはその宣教をゆだねられたのです。――4信仰を共にするまことの子テトスへ。父である神とわたしたちの救い主キリスト・イエスからの恵みと平和とがあるように。

5あなたをクレタに残してきたのは、わたしが指示しておいたように、残っている仕事を整理し、町ごとに長老たちを立ててもらうためです。6長老は、非難される点がなく、一人の妻の夫であり、その子供たちも信者であって、放蕩を責められたり、不従順であったりしてはなりません。7監督は神から任命された管理者であるので、非難される点があってはならないのです。わがままでなく、すぐに怒らず、酒におぼれず、乱暴でなく、恥ずべき利益をむさぼらず、8かえって、客を親切にもてなし、善を愛し、分別があり、正しく、清く、自分を制し、9教えに適う信頼すべき言葉をしっかり守る人でなければなりません。そうでないと、健全な教えに従って勧めたり、反対者の主張を論破したりすることもできないでしょう。

答唱詩編

詩編24・3+4、5+6

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編24

24・3だれが神の山に登れよう。
だれが聖所に立てよう。
4それは手に汚れなく、心の清いひと、
空しいことに心を向けず、偽りを口にしない人。

5その人は神に祝福され、
救いの恵みを受ける。
6彼はヤコブの一族、
神を求め、その顔を慕う。

福音朗読

ルカ17・1-6

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたは命の言葉を保って、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、17・1イエスは弟子たちに言われた。「つまずきは避けられない。だが、それをもたらす者は不幸である。2そのような者は、これらの小さい者の一人をつまずかせるよりも、首にひき臼を懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がましである。3あなたがたも気をつけなさい。もし兄弟が罪を犯したら、戒めなさい。そして、悔い改めれば、赦してやりなさい。4一日に七回あなたに対して罪を犯しても、七回、『悔い改めます』と言ってあなたのところに来るなら、赦してやりなさい。」

5使徒たちが、「わたしどもの信仰を増してください」と言ったとき、6主は言われた。「もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、この桑の木に、『抜け出して海に根を下ろせ』と言っても、言うことを聞くであろう。」

聖ヨサファト 司教殉教者 11月12日(火) 記念日

第一朗読

テトス2・1-8、11-14

健全な教えに適うことを語りなさい。

使徒パウロのテトスへの手紙

愛する者よ、2・1あなたは、健全な教えに適うことを語りなさい。2年老いた男には、節制し、品位を保ち、分別があり、信仰と愛と忍耐の点で健全であるように勧めなさい。3同じように、年老いた女には、聖なる務めを果たす者にふさわしくふるまい、中傷せず、大酒のとりこにならず、善いことを教える者となるように勧めなさい。4そうすれば、彼女たちは若い女を諭して、夫を愛し、子供を愛し、5分別があり、貞潔で、家事にいそしみ、善良で、夫に従うようにさせることができます。これは、神の言葉が汚されないためです。6-7同じように、万事につけ若い男には、思慮深くふるまうように勧めなさい。あなた自身、良い行いの模範となりなさい。教えるときには、清廉で品位を保ち、8非難の余地のない健全な言葉を語りなさい。そうすれば、敵対者は、わたしたちについて何の悪口も言うことができず、恥じ入るでしょう。

11実に、すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。12その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、13また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。14キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。

答唱詩編

詩編37・3、17b+18b

喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

詩編

37・3神により頼み、よいわざに励み、
約束の地を住まいとし、真実をかてとせよ。

17b神に従う人は神に支えられる。
18b彼らのゆずりはいつまでも続く。

福音朗読

ルカ17・7-10

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは言われた。17・7「あなたがたのうちだれかに、畑を耕すか羊を飼うかする僕がいる場合、その僕が畑から帰って来たとき、『すぐ来て食事の席に着きなさい』と言う者がいるだろうか。8むしろ、『夕食の用意をしてくれ。腰に帯を締め、わたしが食事を済ますまで給仕してくれ。お前はその後で食事をしなさい』と言うのではなかろうか。9命じられたことを果たしたからといって、主人は僕に感謝するだろうか。10あなたがたも同じことだ。自分に命じられたことをみな果たしたら、『わたしどもは取るに足りない僕です。しなければならないことをしただけです』と言いなさい。」

年間第32水曜日 11月13日(水) 年間

第一朗読

テトス3・1-7

神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。

使徒パウロのテトスへの手紙

愛する者よ、3・1人々に、次のことを思い起こさせなさい。支配者や権威者に服し、これに従い、すべての善い業を行う用意がなければならないこと、2また、だれをもそしらず、争いを好まず、寛容で、すべての人に心から優しく接しなければならないことを。3わたしたち自身もかつては、無分別で、不従順で、道に迷い、種々の情欲と快楽のとりことなり、悪意とねたみを抱いて暮らし、忌み嫌われ、憎み合っていたのです。4しかし、わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、5神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。6神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。7こうしてわたしたちは、キリストの恵みによって義とされ、希望どおり永遠の命を受け継ぐ者とされたのです。

答唱詩編

詩編23・2+3、6

主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。

詩編23

23・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、
いこいの水辺に伴われる。
3神はわたしを生き返らせ、
いつくしみによって正しい道に導かれる。

6神の恵みといつくしみに
生涯伴われ、
わたしはとこしえに
神の家に生きる。

福音朗読

ルカ17・11-19

アレルヤ、アレルヤ。すべてについて感謝しなさい。神はキリスト・イエスのうちにあって、あなたがたにこれを望んでおられる。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

17・11イエスはエルサレムへ上る途中、サマリアとガリラヤの間を通られた。12ある村に入ると、重い皮膚病を患っている十人の人が出迎え、遠くの方に立ち止まったまま、13声を張り上げて、「イエスさま、先生、どうか、わたしたちを憐れんでください」と言った。14イエスは重い皮膚病を患っている人たちを見て、「祭司たちのところに行って、体を見せなさい」と言われた。彼らは、そこへ行く途中で清くされた。15その中の一人は、自分がいやされたのを知って、大声で神を賛美しながら戻って来た。16そして、イエスの足もとにひれ伏して感謝した。この人はサマリア人だった。17そこで、イエスは言われた。「清くされたのは十人ではなかったか。ほかの九人はどこにいるのか。18この外国人のほかに、神を賛美するために戻って来た者はいないのか。」19それから、イエスはその人に言われた。「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」

年間第32木曜日 11月14日(木) 年間

第一朗読

フィレモン7-20

兄弟よ、わたしはあなたの愛から大きな喜びと慰めを得ました。

使徒パウロのフィレモンへの手紙

7兄弟よ、わたしはあなたの愛から大きな喜びと慰めを得ました。聖なる者たちの心があなたのお陰で元気づけられたからです。

8それで、わたしは、あなたのなすべきことを、キリストの名によって遠慮なく命じてもよいのですが、9むしろ愛に訴えてお願いします、年老いて、今はまた、キリスト・イエスの囚人となっている、このパウロが。10監禁中にもうけたわたしの子オネシモのことで、頼みがあるのです。11彼は、以前はあなたにとって役に立たない者でしたが、今は、あなたにもわたしにも役立つ者となっています。12わたしの心であるオネシモを、あなたのもとに送り帰します。13本当は、わたしのもとに引き止めて、福音のゆえに監禁されている間、あなたの代わりに仕えてもらってもよいと思ったのですが、14あなたの承諾なしには何もしたくありません。それは、あなたのせっかくの善い行いが、強いられたかたちでなく、自発的になされるようにと思うからです。15恐らく彼がしばらくあなたのもとから引き離されていたのは、あなたが彼をいつまでも自分のもとに置くためであったかもしれません。16その場合、もはや奴隷としてではなく、奴隷以上の者、つまり愛する兄弟としてです。オネシモは特にわたしにとってそうですが、あなたにとってはなおさらのこと、一人の人間としても、主を信じる者としても、愛する兄弟であるはずです。

17だから、わたしを仲間と見なしてくれるのでしたら、オネシモをわたしと思って迎え入れてください。18彼があなたに何か損害を与えたり、負債を負ったりしていたら、それはわたしの借りにしておいてください。19わたしパウロが自筆で書いています。わたしが自分で支払いましょう。あなたがあなた自身を、わたしに負うていることは、よいとしましょう。20そうです。兄弟よ、主によって、あなたから喜ばせてもらいたい。キリストによって、わたしの心を元気づけてください。

答唱詩編

詩編146・6c+7、8ac+9bc

いのちあるすべてのものは、神をたたえよ。

詩編146

146・6c神はとこしえにまことをしめし、
貧しい人のためにさばきをおこない、
6c飢えかわく人にかてをめぐみ、
捕らわれびとを解放される。

8ac神は見えない人の目をひらき、
従う人をあいされる。
9bc身寄りのない子どもとやもめをささえ、
逆らう者の企てを砕かれる。

福音朗読

ルカ17・20-25

アレルヤ、アレルヤ。わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝。わたしのうちにとどまる者は多くの実を結ぶ。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、17・20ファリサイ派の人々が、神の国はいつ来るのかと尋ねたので、イエスは答えて言われた。「神の国は、見える形では来ない。21『ここにある』『あそこにある』と言えるものでもない。実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。」22それから、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたが、人の子の日を一日だけでも見たいと望む時が来る。しかし、見ることはできないだろう。23『見よ、あそこだ』『見よ、ここだ』と人々は言うだろうが、出て行ってはならない。また、その人々の後を追いかけてもいけない。24稲妻がひらめいて、大空の端から端へと輝くように、人の子もその日に現れるからである。25しかし、人の子はまず必ず、多くの苦しみを受け、今の時代の者たちから排斥されることになっている。」

年間第32金曜日 11月15日(金) 年間

第一朗読

②ヨハネ4-9

キリストの教えにとどまっている人にこそ、御父も御子もおられます。

使徒ヨハネの手紙

選ばれた婦人よ、4あなたの子供たちの中に、わたしたちが御父から受けた掟どおりに、真理に歩んでいる人がいるのを知って、大変うれしく思いました。5さて、婦人よ、あなたにお願いしたいことがあります。わたしが書くのは新しい掟ではなく、初めからわたしたちが持っていた掟、つまり互いに愛し合うということです。6愛とは、御父の掟に従って歩むことであり、この掟とは、あなたがたが初めから聞いていたように、愛に歩むことです。7このように書くのは、人を惑わす者が大勢世に出て来たからです。彼らは、イエス・キリストが肉となって来られたことを公に言い表そうとしません。こういう者は人を惑わす者、反キリストです。8気をつけて、わたしたちが努力して得たものを失うことなく、豊かな報いを受けるようにしなさい。9だれであろうと、キリストの教えを越えて、これにとどまらない者は、神に結ばれていません。その教えにとどまっている人にこそ、御父も御子もおられます。

答唱詩編

詩編119・1+2a+3b、10+11b+108b

神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。

詩編119

119・1しあわせな人、道からそれず、
2a神の教えに従って歩む人。
3bそのさとしをとがなく守り、
神の道を歩む人。

10あなたのすすめからそれないように、
11b心を尽くしてあなたを求める。
108bわたしは仰せを心にいだく、
あなたのさばきを示してください。

福音朗読

ルカ17・26-37

アレルヤ、アレルヤ。恐れずに頭を上げなさい。あなたがたの救いは近づいている。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。17・26「ノアの時代にあったようなことが、人の子が現れるときにも起こるだろう。27ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていたが、洪水が襲って来て、一人残らず滅ぼしてしまった。28ロトの時代にも同じようなことが起こった。人々は食べたり飲んだり、買ったり売ったり、植えたり建てたりしていたが、29ロトがソドムから出て行ったその日に、火と硫黄が天から降ってきて、一人残らず滅ぼしてしまった。30人の子が現れる日にも、同じことが起こる。31その日には、屋上にいる者は、家の中に家財道具があっても、それを取り出そうとして下に降りてはならない。同じように、畑にいる者も帰ってはならない。32ロトの妻のことを思い出しなさい。33自分の命を生かそうと努める者は、それを失い、それを失う者は、かえって保つのである。34言っておくが、その夜一つの寝室に二人の男が寝ていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。35二人の女が一緒に臼をひいていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。」37そこで弟子たちが、「主よ、それはどこで起こるのですか」と言った。イエスは言われた。「死体のある所には、はげ鷹も集まるものだ。」

年間第32土曜日 11月16日(土) 年間

第一朗読

③ヨハネ5-8

愛する者よ、よそから来た人たちのために誠意をもって尽くしています。

使徒ヨハネの手紙

5愛する者よ、あなたは、兄弟たち、それも、よそから来た人たちのために誠意をもって尽くしています。6彼らは教会であなたの愛を証ししました。どうか、神に喜ばれるように、彼らを送り出してください。7この人たちは、御名のために旅に出た人で、異邦人からは何ももらっていません。8だから、わたしたちはこのような人たちを助けるべきです。そうすれば、真理のために共に働く者となるのです。

答唱詩編

詩編112・1、4

しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。

詩編112

112・1しあわせな人、神をおそれ、
そのおきてを喜びとする人。

4光はやみの中に輝き、
神に従う人を照らす。

福音朗読

ルカ18・1-8

アレルヤ、アレルヤ。福音によって神は私たちを召し出し、主イエス・キリストの栄光にあずかる者としてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、18・1イエスは、気を落とさずに絶えず祈らなければならないことを教えるために、弟子たちにたとえを話された。2「ある町に、神を畏れず人を人とも思わない裁判官がいた。3ところが、その町に一人のやもめがいて、裁判官のところに来ては、『相手を裁いて、わたしを守ってください』と言っていた。4裁判官は、しばらくの間は取り合おうとしなかった。しかし、その後に考えた。『自分は神など畏れないし、人を人とも思わない。5しかし、あのやもめは、うるさくてかなわないから、彼女のために裁判をしてやろう。さもないと、ひっきりなしにやって来て、わたしをさんざんな目に遭わすにちがいない。』」6それから、主は言われた。「この不正な裁判官の言いぐさを聞きなさい。7まして神は、昼も夜も叫び求めている選ばれた人たちのために裁きを行わずに、彼らをいつまでもほうっておかれることがあろうか。8言っておくが、神は速やかに裁いてくださる。しかし、人の子が来るとき、果たして地上に信仰を見いだすだろうか。」

年間第33主日 11月17日(日) 年間

第一朗読

ダニエル12・1-3

その時には、お前の民は救われる。

ダニエルの預言

12・1その時、大天使長ミカエルが立つ。
彼はお前の民の子らを守護する。
その時まで、苦難が続く
国が始まって以来、かつてなかったほどの苦難が。
しかし、その時には救われるであろう
お前の民、あの書に記された人々は。
2多くの者が地の塵の中の眠りから目覚める。
ある者は永遠の生命に入り
ある者は永久に続く恥と憎悪の的となる。
3目覚めた人々は大空の光のように輝き
多くの者の救いとなった人々はとこしえに星と輝く。

答唱詩編

詩編16・5、8、9

しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。

詩編16

16・5神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、わたしの受ける杯、
わたしの道を開くかた。

8わたしは絶えず神を思う。
神はわたしのそばにおられ、わたしは決してゆるがない。

9わたしの心は喜びに満ちあふれ、
からだはやすらかにいこう。

第二朗読

ヘブライ10・11-14、18

キリストは唯一の捧げ者によって、聖なる者とされた人たちを永遠に完全なものとなさった。

ヘブライ人への手紙

10・11すべての祭司は、毎日礼拝を献げるために立ち、決して罪を除くことのできない同じいけにえを、繰り返して献げます。12しかしキリストは、罪のために唯一のいけにえを献げて、永遠に神の右の座に着き、13その後は、敵どもが御自分の足台となってしまうまで、待ち続けておられるのです。14なぜなら、キリストは唯一の献げ物によって、聖なる者とされた人たちを永遠に完全な者となさったからです。

18罪と不法の赦しがある以上、罪を贖うための供え物は、もはや必要ではありません。

福音朗読

マルコ13・24-32

アレルヤ、アレルヤ。目覚めていつも祈ってください、人の子の前にふさわしく立つことができるように。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。

13・24「それらの日には、このような苦難の後、
太陽は暗くなり、
月は光を放たず、
25星は空から落ち、
天体は揺り動かされる。
26そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。27そのとき、人の子は天使たちを遣わし、地の果てから天の果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。」

28「いちじくの木から教えを学びなさい。枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分かる。29それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい。30はっきり言っておく。これらのことがみな起こるまでは、この時代は決して滅びない。31天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」

32「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。父だけがご存じである。」

年間第33月曜日 11月18日(月) 年間

第一朗読

黙示録1・1-4、2・1-5a

悔い改めて初めのころの行いに立ち戻れ。

ヨハネの黙示

1・1イエス・キリストの黙示。この黙示は、すぐにも起こるはずのことを、神がその僕たちに示すためキリストにお与えになり、そして、キリストがその天使を送って僕ヨハネにお伝えになったものである。2ヨハネは、神の言葉とイエス・キリストの証し、すなわち、自分の見たすべてのことを証しした。3この預言の言葉を朗読する人と、これを聞いて、中に記されたことを守る人たちとは幸いである。時が迫っているからである。

4‐5ヨハネからアジア州にある七つの教会へ。今おられ、かつておられ、やがて来られる方から、また、玉座の前におられる七つの霊から、恵みと平和があなたがたにあるように。

主がわたしにこう語りかけるのを聞いた。2・1「エフェソにある教会の天使にこう書き送れ。『右の手に七つの星を持つ方、七つの金の燭台の間を歩く方が、次のように言われる。2「わたしは、あなたの行いと労苦と忍耐を知っており、また、あなたが悪者どもに我慢できず、自ら使徒と称して実はそうでない者どもを調べ、彼らのうそを見抜いたことも知っている。3あなたはよく忍耐して、わたしの名のために我慢し、疲れ果てることがなかった。4しかし、あなたに言うべきことがある。あなたは初めのころの愛から離れてしまった。5aだから、どこから落ちたかを思い出し、悔い改めて初めのころの行いに立ち戻れ。」』」

答唱詩編

詩編1・1ac+2、3

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編1

1・1acしあわせな人、
罪びとの道を歩むことなく、
2神のおきてを喜びとし、
昼も夜も教えを心に留める人。

3流れのほとりに植えられた木が、
季節になると豊かに実り、
葉もしおれることのないように、
この人の行いも実を結ぶ。

福音朗読

ルカ18・35-43

アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

18・35イエスがエリコに近づかれたとき、ある盲人が道端に座って物乞いをしていた。36群衆が通って行くのを耳にして、「これは、いったい何事ですか」と尋ねた。37「ナザレのイエスのお通りだ」と知らせると、38彼は、「ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください」と叫んだ。39先に行く人々が叱りつけて黙らせようとしたが、ますます、「ダビデの子よ、わたしを憐れんでください」と叫び続けた。40イエスは立ち止まって、盲人をそばに連れて来るように命じられた。彼が近づくと、イエスはお尋ねになった。41「何をしてほしいのか。」盲人は、「主よ、目が見えるようになりたいのです」と言った。42そこで、イエスは言われた。「見えるようになれ。あなたの信仰があなたを救った。」43盲人はたちまち見えるようになり、神をほめたたえながら、イエスに従った。これを見た民衆は、こぞって神を賛美した。

年間第33火曜日 11月19日(火) 年間

第一朗読

黙示録3・1-6、14-22

わたしはあなたの行いを知っている。

ヨハネの黙示

わたしヨハネは、主がこう語りかけるのを聞いた。3・1サルディスにある教会の天使にこう書き送れ。『神の七つの霊と七つの星とを持っている方が、次のように言われる。「わたしはあなたの行いを知っている。あなたが生きているとは名ばかりで、実は死んでいる。2目を覚ませ。死にかけている残りの者たちを強めよ。わたしは、あなたの行いが、わたしの神の前に完全なものとは認めない。3だから、どのように受け、また聞いたか思い起こして、それを守り抜き、かつ悔い改めよ。もし、目を覚ましていないなら、わたしは盗人のように行くであろう。わたしがいつあなたのところへ行くか、あなたには決して分からない。4しかし、サルディスには、少数ながら衣を汚さなかった者たちがいる。彼らは、白い衣を着てわたしと共に歩くであろう。そうするにふさわしい者たちだからである。5勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。わたしは、彼の名を決して命の書から消すことはなく、彼の名を父の前と天使たちの前で公に言い表す。6耳ある者は、〝霊〟が諸教会に告げることを聞くがよい。」』

14ラオディキアにある教会の天使にこう書き送れ。

『アーメンである方、誠実で真実な証人、神に創造された万物の源である方が、次のように言われる。15「わたしはあなたの行いを知っている。あなたは、冷たくもなく熱くもない。むしろ、冷たいか熱いか、どちらかであってほしい。16熱くも冷たくもなく、なまぬるいので、わたしはあなたを口から吐き出そうとしている。17あなたは、『わたしは金持ちだ。満ち足りている。何一つ必要な物はない』と言っているが、自分が惨めな者、哀れな者、貧しい者、目の見えない者、裸の者であることが分かっていない。18そこで、あなたに勧める。裕福になるように、火で精錬された金をわたしから買うがよい。裸の恥をさらさないように、身に着ける白い衣を買い、また、見えるようになるために、目に塗る薬を買うがよい。19わたしは愛する者を皆、叱ったり、鍛えたりする。だから、熱心に努めよ。悔い改めよ。20見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしは中に入ってその者と共に食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう。21勝利を得る者を、わたしは自分の座に共に座らせよう。わたしが勝利を得て、わたしの父と共にその玉座に着いたのと同じように。22耳ある者は、〝霊〟が諸教会に告げることを聞くがよい。」』」

答唱詩編

詩編15・1+2、3+4a+6

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩むもの。

詩編15

15・1神よ、あなたの幕屋に泊まる人、
あなたのとうとい山を住まいとする人はだれ。
2それはとがなく歩み、正義を行い、
心からまことをかたる人。

3ことばで人をきずつけず、
悪を行わず、隣人をはずかしめない。
4a神を捨てた者を戒め、神をおそれる者をとうとぶ。
6このようにふるまう人は、とこしえにゆらぐことがない。

福音朗読

ルカ19・1-10

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの罪のゆるしのために、ひとり子を遣わされた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、19・1イエスはエリコに入り、町を通っておられた。2そこにザアカイという人がいた。この人は徴税人の頭で、金持ちであった。3イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。4それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った。そこを通り過ぎようとしておられたからである。5イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」6ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。7これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」8しかし、ザアカイは立ち上がって、主に言った。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」9イエスは言われた。「この人もアブラハムの子なのだから。10人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」

年間第33水曜日 11月20日(水) 年間

第一朗読

黙示録4・1-11

聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、全能者である神、主、かつておられ、今おられ、やがて来られる方。

ヨハネの黙示

4・1わたしヨハネが見ていると、見よ、開かれた門が天にあった。そして、ラッパが響くようにわたしに語りかけるのが聞こえた、あの最初の声が言った。「ここへ上って来い。この後必ず起こることをあなたに示そう。」2わたしは、たちまち〝霊〟に満たされた。すると、見よ、天に玉座が設けられていて、その玉座の上に座っている方がおられた。3その方は、碧玉や赤めのうのようであり、玉座の周りにはエメラルドのような虹が輝いていた。4また、玉座の周りに二十四の座があって、それらの座の上には白い衣を着て、頭に金の冠をかぶった二十四人の長老が座っていた。5玉座からは、稲妻、さまざまな音、雷が起こった。また、玉座の前には、七つのともし火が燃えていた。これは神の七つの霊である。6また、玉座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。

この玉座の中央とその周りに四つの生き物がいたが、前にも後ろにも一面に目があった。7第一の生き物は獅子のようであり、第二の生き物は若い雄牛のようで、第三の生き物は人間のような顔を持ち、第四の生き物は空を飛ぶ鷲のようであった。8この四つの生き物には、それぞれ六つの翼があり、その周りにも内側にも、一面に目があった。彼らは、昼も夜も絶え間なく言い続けた。

「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、
全能者である神、主、
かつておられ、今おられ、やがて来られる方。」
9玉座に座っておられ、世々限りなく生きておられる方に、これらの生き物が、栄光と誉れをたたえて感謝をささげると、10二十四人の長老は、玉座に着いておられる方の前にひれ伏して、世々限りなく生きておられる方を礼拝し、自分たちの冠を玉座の前に投げ出して言った。

11「主よ、わたしたちの神よ、
あなたこそ、栄光と誉れと力とを受けるにふさわしい方。
あなたは万物を造られ、
御心によって万物は存在し、
また創造されたからです。」

答唱詩編

ダニエル補遺・アザルヤ30+32、34+栄唱

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

ダニエル補遺・アザルヤ

30あなたの栄光、聖なる神殿の中であなたに賛美。
すべてにまさり、あなたは代々にたたえられ、あがめられる。
32玉座におられるあなたに賛美。
すべてにまさり、あなたは代々にたたえられ、あがめられる。

34造られたものはみな神を賛美し、
代々に神をほめたたえよ。
栄唱栄光は父と子と聖霊に。
初めのように今もいつも世々に。アーメン。

福音朗読

ルカ19・11-28

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたを世から選んだのは、あなたがたは行って実を結び、その実が残るためである。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは19・11一つのたとえを話された。エルサレムに近づいておられ、それに、人々が神の国はすぐにも現れるものと思っていたからである。12イエスは言われた。「ある立派な家柄の人が、王の位を受けて帰るために、遠い国へ旅立つことになった。13そこで彼は、十人の僕を呼んで十ムナの金を渡し、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』と言った。14しかし、国民は彼を憎んでいたので、後から使者を送り、『我々はこの人を王にいただきたくない』と言わせた。15さて、彼は王の位を受けて帰って来ると、金を渡しておいた僕を呼んで来させ、どれだけ利益を上げたかを知ろうとした。16最初の者が進み出て、『御主人様、あなたの一ムナで十ムナもうけました』と言った。17主人は言った。『良い僕だ。よくやった。お前はごく小さな事に忠実だったから、十の町の支配権を授けよう。』18二番目の者が来て、『御主人様、あなたの一ムナで五ムナ稼ぎました』と言った。19主人は、『お前は五つの町を治めよ』と言った。20また、ほかの者が来て言った。『御主人様、これがあなたの一ムナです。布に包んでしまっておきました。21あなたは預けないものも取り立て、蒔かないものも刈り取られる厳しい方なので、恐ろしかったのです。』22主人は言った。『悪い僕だ。その言葉のゆえにお前を裁こう。わたしが預けなかったものも取り立て、蒔かなかったものも刈り取る厳しい人間だと知っていたのか。23ではなぜ、わたしの金を銀行に預けなかったのか。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きでそれを受け取れたのに。』24そして、そばに立っていた人々に言った。『その一ムナをこの男から取り上げて、十ムナ持っている者に与えよ。』25僕たちが、『御主人様、あの人は既に十ムナ持っています』と言うと、26主人は言った。『言っておくが、だれでも持っている人は、更に与えられるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられる。27ところで、わたしが王になるのを望まなかったあの敵どもを、ここに引き出して、わたしの目の前で打ち殺せ。』」

28イエスはこのように話してから、先に立って進み、エルサレムに上って行かれた。

聖マリアの奉献 11月21日(木) 記念日

第一朗読

黙示録5・1-10

見よ。ユダ族から出た獅子、ダビデのひこばえが勝利を得たので、七つの封印を開いて、その巻物を開くことができる。

ヨハネの黙示

5・1わたしヨハネは、玉座に座っておられる方の右の手に巻物があるのを見た。表にも裏にも字が書いてあり、七つの封印で封じられていた。2また、一人の力強い天使が、「封印を解いて、この巻物を開くのにふさわしい者はだれか」と大声で告げるのを見た。3しかし、天にも地にも地の下にも、この巻物を開くことのできる者、見ることのできる者は、だれもいなかった。4この巻物を開くにも、見るにも、ふさわしい者がだれも見当たらなかったので、わたしは激しく泣いていた。5すると、長老の一人がわたしに言った。「泣くな。見よ。ユダ族から出た獅子、ダビデのひこばえが勝利を得たので、七つの封印を開いて、その巻物を開くことができる。」

6わたしはまた、玉座と四つの生き物の間、長老たちの間に、屠られたような小羊が立っているのを見た。小羊には七つの角と七つの目があった。この七つの目は、全地に遣わされている神の七つの霊である。7小羊は進み出て、玉座に座っておられる方の右の手から、巻物を受け取った。8巻物を受け取ったとき、四つの生き物と二十四人の長老は、おのおの、竪琴と、香のいっぱい入った金の鉢とを手に持って、小羊の前にひれ伏した。この香は聖なる者たちの祈りである。9そして、彼らは新しい歌をうたった。

「あなたは、巻物を受け取り、
その封印を開くのにふさわしい方です。
あなたは、屠られて、
あらゆる種族と言葉の違う民、
あらゆる民族と国民の中から、
御自分の血で、神のために人々を贖われ、
10彼らをわたしたちの神に仕える王、また、祭司となさったからです。
彼らは地上を統治します。」

答唱詩編

詩編149・1+2、5+6a+9b

シオンよ、喜べ。エルサレムよ、うたえ。見よ、わたしたちの王、主が来られる。

詩編149

149・1新しい歌を神にうたい、
民のつどいで神を賛美しよう。
2イスラエルはその造り主を喜び、
シオンの子らはその王をよろこべ。

5栄光をあびて神の民は喜び、
6a神に仕え、高らかにうたう。
9b彼らの口には神への賛美、
これは神を敬う人の誉れ。

福音朗読

ルカ19・41-44

アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

19・41エルサレムに近づき、都が見えたとき、イエスはその都のために泣いて、42言われた。「もしこの日に、お前も平和への道をわきまえていたなら……。しかし今は、それがお前には見えない。43やがて時が来て、敵が周りに堡塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ、44お前とそこにいるお前の子らを地にたたきつけ、お前の中の石を残らず崩してしまうだろう。それは、神の訪れてくださる時をわきまえなかったからである。」

聖セシリア おとめ殉教者 11月22日(金) 記念日

第一朗読

黙示録10・8-11

さあ行って、海と地の上に立っている天使の手にある、開かれた巻物を受け取れ。

ヨハネの黙示

10・8天から聞こえたあの声が、再びわたしヨハネに語りかけて、こう言った。「さあ行って、海と地の上に立っている天使の手にある、開かれた巻物を受け取れ。」9そこで、天使のところへ行き、「その小さな巻物をください」と言った。すると、天使はわたしに言った。「受け取って、食べてしまえ。それは、あなたの腹には苦いが、口には蜜のように甘い。」10わたしは、その小さな巻物を天使の手から受け取って、食べてしまった。それは、口には蜜のように甘かったが、食べると、わたしの腹は苦くなった。11すると、わたしにこう語りかける声が聞こえた。「あなたは、多くの民族、国民、言葉の違う民、また、王たちについて、再び預言しなければならない。」

答唱詩編

詩編119・57+72、111+124

主よ、あなたは永遠のいのちのことば。

詩編119

119・57神よ、あなたはわたしのすべて。
あなたのことばをわたしは守る。
72あなたの教えはすばらしい、
すべての金銀にまさる。

111あなたのさとしはとこしえにわたしの宝、
わたしの心の喜び。
124わたしにいつくしみを現し、
おきてを授けてください。

福音朗読

ルカ19・45-48

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、19・45イエスは神殿の境内に入り、そこで商売をしていた人々を追い出し始めて、46彼らに言われた。「こう書いてある。
『わたしの家は、祈りの家でなければならない。』
ところが、あなたたちはそれを強盗の巣にした。」

47毎日、イエスは境内で教えておられた。祭司長、律法学者、民の指導者たちは、イエスを殺そうと謀ったが、48どうすることもできなかった。民衆が皆、夢中になってイエスの話に聞き入っていたからである。

年間第33土曜日 11月23日(土) 年間

第一朗読

黙示録11・4-12

二人は、天から大きな声があって、「ここに上って来い」と言うのを聞いた。

ヨハネの黙示

わたしヨハネは、こう告げられた。「二人の証人を見よ。」11・4この二人の証人とは、地上の主の御前に立つ二本のオリーブの木、また二つの燭台である。5この二人に害を加えようとする者があれば、彼らの口から火が出て、その敵を滅ぼすであろう。この二人に害を加えようとする者があれば、必ずこのように殺される。6彼らには、預言をしている間ずっと雨が降らないように天を閉じる力がある。また、水を血に変える力があって、望みのままに何度でも、あらゆる災いを地に及ぼすことができる。7二人がその証しを終えると、一匹の獣が、底なしの淵から上って来て彼らと戦って勝ち、二人を殺してしまう。8彼らの死体は、たとえてソドムとかエジプトとか呼ばれる大きな都の大通りに取り残される。この二人の証人の主も、その都で十字架につけられたのである。9さまざまの民族、種族、言葉の違う民、国民に属する人々は、三日半の間、彼らの死体を眺め、それを墓に葬ることは許さないであろう。10地上の人々は、彼らのことで大いに喜び、贈り物をやり取りするであろう。この二人の預言者は、地上の人々を苦しめたからである。11三日半たって、命の息が神から出て、この二人に入った。彼らが立ち上がると、これを見た人々は大いに恐れた。二人は、天から大きな声があって、「ここに上って来い」と言うのを聞いた。12そして雲に乗って天に上った。彼らの敵もそれを見た。

答唱詩編

詩編18・3、47+50

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編

18・3神はわたしの砦、わたしの岩、
わたしの救い、身を避ける岩、
わたしの神、わたしの盾、
わたしのやぐら、救いの力。

47わたしを支える岩、
わたしを救われる神に栄光と賛美。
50神よ、諸国の民の中であなたをたたえ、
わたしはあなたの名を喜びうたう。

福音朗読

ルカ20・27-40

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、20・27復活があることを否定するサドカイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに尋ねた。28「先生、モーセはわたしたちのために書いています。『ある人の兄が妻をめとり、子がなくて死んだ場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない』と。29ところで、七人の兄弟がいました。長男が妻を迎えましたが、子がないまま死にました。30次男、31三男と次々にこの女を妻にしましたが、七人とも同じように子供を残さないで死にました。32最後にその女も死にました。33すると復活の時、その女はだれの妻になるのでしょうか。七人ともその女を妻にしたのです。」34イエスは言われた。「この世の子らはめとったり嫁いだりするが、35次の世に入って死者の中から復活するのにふさわしいとされた人々は、めとることも嫁ぐこともない。36この人たちは、もはや死ぬことがない。天使に等しい者であり、復活にあずかる者として、神の子だからである。37死者が復活することは、モーセも『柴』の個所で、主をアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神と呼んで、示している。38神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。すべての人は、神によって生きているからである。」39そこで、律法学者の中には、「先生、立派なお答えです」と言う者もいた。40彼らは、もはや何もあえて尋ねようとはしなかった。

王であるキリスト 11月24日(日) 年間

第一朗読

ダニエル7・13-14

彼の支配はとこしえに続く。

ダニエルの預言

7・13夜の幻をなお見ていると、
見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り
「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み
14権威、威光、王権を受けた。
諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え
彼の支配はとこしえに続き
その統治は滅びることがない。

答唱詩編

詩編93・1+2、3+4、5+栄唱

神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

詩編93

93・1神は王。栄光に満ち、
偉大な力を身に帯びておられる。
2神は世界をゆるぎなく建て、
とこしえに王座をすえ、永遠に座しておられる。

3湖の流れは声をあげる。
湖の流れはどよめきの声をあげる。
4とどろく海、さかまく波にまさり、
すべてを越える神は力強い。

5神よ、あなたのことばは変わることなく、
あなたの家はとこしえにとうとい。
栄唱栄光は父と子と聖霊に。
初めのように今もいつも世々に。アーメン。

第二朗読

黙示録1・5-8

地上の王たちの支配者である方は、わたしたちを王とし、神に仕える祭司としてくださった。

ヨハネの黙視

1・5証人であり、誠実な方、死者の中から最初に復活した方、地上の王たちの支配者、イエス・キリストから恵みと平和があなたがたにあるように。
わたしたちを愛し、御自分の血によって罪から解放してくださった方に、6わたしたちを王とし、御自身の父である神に仕える祭司としてくださった方に、栄光と力が世々限りなくありますように、アーメン。

7見よ、その方が雲に乗って来られる。
すべての人の目が彼を仰ぎ見る、
ことに、彼を突き刺した者どもは。
地上の諸民族は皆、彼のために嘆き悲しむ。

然り、アーメン。

8神である主、今おられ、かつておられ、やがて来られる方、全能者がこう言われる。「わたしはアルファであり、オメガである。」

福音朗読

ヨハネ18・33b-37

アレルヤ、アレルヤ。主の名によって来られるかたに賛美。わたしたちの父、ダビドの国に祝福がありますように。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、18・33bピラトはイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と言った。34イエスはお答えになった。「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」35ピラトは言い返した。「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」36イエスはお答えになった。「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」37そこでピラトが、「それでは、やはり王なのか」と言うと、イエスはお答えになった。「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」

年間第34月曜日 11月25日(月) 年間

第一朗読

黙示録14・1-3、4b-5

小羊と共に十四万四千人の者たちがいた。

ヨハネの黙示

14・1また、わたしヨハネが見ていると、見よ、小羊がシオンの山に立っており、小羊と共に十四万四千人の者たちがいて、その額には小羊の名と、小羊の父の名とが記されていた。2わたしは、大水のとどろくような音、また激しい雷のような音が天から響くのを聞いた。わたしが聞いたその音は、琴を弾く者たちが竪琴を弾いているようであった。3彼らは、玉座の前、また四つの生き物と長老たちの前で、新しい歌のたぐいをうたった。この歌は、地上から贖われた十四万四千人の者たちのほかは、覚えることができなかった。4bこの者たちは、小羊の行くところへは、どこへでも従って行く。この者たちは、神と小羊に献げられる初穂として、人々の中から贖われた者たちで、5その口には偽りがなく、とがめられるところのない者たちである。

答唱詩編

詩編24・1+2、3+4

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編24

24・1地とそこにあるもの、
世界とそこに住むものは神のもの。
2神は海に地の基をすえ、
水の上に固められた。

3だれが神の山に登れよう。
だれが聖所に立てよう。
4それは手に汚れなく、心の清い人、
空しいことに心を向けず、偽りを口にしない人。

福音朗読

ルカ21・1-4

アレルヤ、アレルヤ。目覚めて注意していなさい。人の子は思いがけない時に来る。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、21・1イエスは目を上げて、金持ちたちが賽銭箱に献金を入れるのを見ておられた。2そして、ある貧しいやもめがレプトン銅貨二枚を入れるのを見て、3言われた。「確かに言っておくが、この貧しいやもめは、だれよりもたくさん入れた。4あの金持ちたちは皆、有り余る中から献金したが、この人は、乏しい中から持っている生活費を全部入れたからである。」

年間第34火曜日 11月26日(火) 年間

第一朗読

黙示録14・14-19

刈り入れの時が来ました。地上の穀物は実っています。

ヨハネの黙示

14・14わたしヨハネが見ていると、見よ、白い雲が現れて、人の子のような方がその雲の上に座っており、頭には金の冠をかぶり、手には鋭い鎌を持っておられた。15すると、別の天使が神殿から出て来て、雲の上に座っておられる方に向かって大声で叫んだ。「鎌を入れて、刈り取ってください。刈り入れの時が来ました。地上の穀物は実っています。」16そこで、雲の上に座っておられる方が、地に鎌を投げると、地上では刈り入れが行われた。

17また、別の天使が天にある神殿から出て来たが、この天使も手に鋭い鎌を持っていた。18すると、祭壇のところから、火をつかさどる権威を持つ別の天使が出て来て、鋭い鎌を持つ天使に大声でこう言った。「その鋭い鎌を入れて、地上のぶどうの房を取り入れよ。ぶどうの実は既に熟している。」19そこで、その天使は、地に鎌を投げ入れて地上のぶどうを取り入れ、これを神の怒りの大きな搾り桶に投げ入れた。

答唱詩編

詩編96・11+12、9+13

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・11天地は喜びにあふれ、
海とそこに満ちるものは叫びをあげる。
12野とそこにあるものはどよめき、
森の木々は声をあげて、神の前で歌う。

9聖なるものが現れるとき、
神をおがめ。世界よ、神をおそれよ。
13神は来られる、世界をさばきに来られる。
正義とまことをもって、すべての民をさばかれる。

福音朗読

ルカ21・5-11

アレルヤ、アレルヤ。死に至るまで忠実でありなさい。わたしはあなたに命の冠を与えよう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、21・5ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、イエスは言われた。6「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」

7そこで、彼らはイエスに尋ねた。「先生、では、そのことはいつ起こるのですか。また、そのことが起こるときには、どんな徴があるのですか。」8イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがそれだ』とか、『時が近づいた』とか言うが、ついて行ってはならない。9戦争とか暴動のことを聞いても、おびえてはならない。こういうことがまず起こるに決まっているが、世の終わりはすぐには来ないからである。」10そして更に、言われた。「民は民に、国は国に敵対して立ち上がる。11そして、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる。」

年間第34水曜日 11月27日(水) 年間

第一朗読

黙示録15・1-4

天にもう一つの大きな驚くべきしるしを見た。

ヨハネの黙示

15・1わたしヨハネは、天にもう一つの大きな驚くべきしるしを見た。七人の天使が最後の七つの災いを携えていた。これらの災いで、神の怒りがその極みに達するのである。

2わたしはまた、火が混じったガラスの海のようなものを見た。更に、獣に勝ち、その像に勝ち、またその名の数字に勝った者たちを見た。彼らは神の竪琴を手にして、このガラスの海の岸に立っていた。3彼らは、神の僕モーセの歌と小羊の歌とをうたった。

「全能者である神、主よ、
あなたの業は偉大で、
驚くべきもの。
諸国の民の王よ、
あなたの道は正しく、また、真実なもの。
4主よ、だれがあなたの名を畏れず、
たたえずにおられましょうか。
聖なる方は、あなただけ。
すべての国民が、来て、あなたの前にひれ伏すでしょう。
あなたの正しい裁きが、
明らかになったからです。」

答唱詩編

詩編98・1、6+7b+8b

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
そのとうとい腕は救いの力。

6ラッパと角笛を吹き、
神の前で喜びの声をあげよ。
7b世界とそこに住む者は、
8b神の前に喜び歌え。

福音朗読

ルカ21・12-19

アレルヤ、アレルヤ。死に至るまで忠実でありなさい。わたしはあなたに命の冠を与えよう。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。21・12「人々はあなたがたに手を下して迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために王や総督の前に引っ張って行く。13それはあなたがたにとって証しをする機会となる。14だから、前もって弁明の準備をするまいと、心に決めなさい。15どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしがあなたがたに授けるからである。16あなたがたは親、兄弟、親族、友人にまで裏切られる。中には殺される者もいる。17また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。18しかし、あなたがたの髪の毛の一本も決してなくならない。19忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」

年間第34木曜日 11月28日(木) 年間

第一朗読

黙示録18・1-2、21-23、19・1-3、9a

救いと栄光と力とは、わたしたちの神のもの。

ヨハネの黙示

18・1わたしヨハネは、大きな権威を持っている別の天使が、天から降って来るのを見た。地上はその栄光によって輝いた。2天使は力強い声で叫んだ。

「倒れた。大バビロンが倒れた。
そして、そこは悪霊どもの住みか、
あらゆる汚れた霊の巣窟、
あらゆる汚れた鳥の巣窟、
あらゆる汚れた忌まわしい獣の巣窟となった。」

21すると、ある力強い天使が、大きいひき臼のような石を取り上げ、それを海に投げ込んで、こう言った。

「大いなる都、バビロンは、
このように荒々しく投げ出され、
もはや決して見られない。
22竪琴を弾く者の奏でる音、歌をうたう者の声、
笛を吹く者やラッパを鳴らす者の楽の音は、
もはや決してお前のうちには聞かれない。
あらゆる技術を身に着けた者たちもだれ一人、
もはや決してお前のうちには見られない。
ひき臼の音もまた、
もはや決してお前のうちには聞かれない。
23ともし火の明かりも、
もはや決してお前のうちには輝かない。
花婿や花嫁の声も、
もはや決してお前のうちには聞かれない。
なぜなら、お前の商人たちが地上の権力者となったからであり、また、お前の魔術によってすべての国の民が惑わされたからである。

19・1その後、わたしは、大群衆の大声のようなものが、天でこう言うのを聞いた。

「ハレルヤ。
救いと栄光と力とは、わたしたちの神のもの。
2その裁きは真実で正しいからである。
みだらな行いで
地上を堕落させたあの大淫婦を裁き、
御自分の僕たちの流した血の復讐を、
彼女になさったからである。」

3また、こうも言った。

「ハレルヤ。
大淫婦が焼かれる煙は、世々限りなく立ち上る。」

9それから天使はわたしに、「書き記せ。小羊の婚宴に招かれている者たちは幸いだ」と言った。

答唱詩編

詩編100・1+2、3ab

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編100

100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、
歓呼の歌をささげつつ、
2み前に進み、
神に仕えよ。

3ab神こそ
主であると悟れ。
神はわたしたちを造られた。

福音朗読

ルカ21・20-28

アレルヤ、アレルヤ。恐れずに頭を上げなさい。あなたがたの救いは近づいている。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。21・20「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。21そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ち退きなさい。田舎にいる人々は都に入ってはならない。22書かれていることがことごとく実現する報復の日だからである。23それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。この地には大きな苦しみがあり、この民には神の怒りが下るからである。24人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる。異邦人の時代が完了するまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされる。」

25「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。26人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。27そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。28このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」

年間第34金曜日 11月29日(金) 年間

第一朗読

黙示録20・1-4、11-21・2

わたしはまた、新しい天と新しい地を見た。

ヨハネの黙示

20・1わたしヨハネは、一人の天使が、底なしの淵の鍵と大きな鎖とを手にして、天から降って来るのを見た。2この天使は、悪魔でもサタンでもある、年を経たあの蛇、つまり竜を取り押さえ、千年の間縛っておき、3底なしの淵に投げ入れ、鍵をかけ、その上に封印を施して、千年が終わるまで、もうそれ以上、諸国の民を惑わさないようにした。その後で、竜はしばらくの間、解放されるはずである。

4わたしはまた、多くの座を見た。その上には座っている者たちがおり、彼らには裁くことが許されていた。わたしはまた、イエスの証しと神の言葉のために、首をはねられた者たちの魂を見た。この者たちは、あの獣もその像も拝まず、額や手に獣の刻印を受けなかった。彼らは生き返って、キリストと共に千年の間統治した。

11わたしはまた、大きな白い玉座と、そこに座っておられる方とを見た。天も地も、その御前から逃げて行き、行方が分からなくなった。12わたしはまた、死者たちが、大きな者も小さな者も、玉座の前に立っているのを見た。幾つかの書物が開かれたが、もう一つの書物も開かれた。それは命の書である。死者たちは、これらの書物に書かれていることに基づき、彼らの行いに応じて裁かれた。13海は、その中にいた死者を外に出した。死と陰府も、その中にいた死者を出し、彼らはそれぞれ自分の行いに応じて裁かれた。14死も陰府も火の池に投げ込まれた。この火の池が第二の死である。15その名が命の書に記されていない者は、火の池に投げ込まれた。

21・1わたしはまた、新しい天と新しい地を見た。最初の天と最初の地は去って行き、もはや海もなくなった。2更にわたしは、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために着飾った花嫁のように用意を整えて、神のもとを離れ、天から下って来るのを見た。

答唱詩編

詩編84・2+3、4

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編84

84・2すべてを治められる神よ、
あなたの住まいはうるわしい。
3わたしの魂は主の庭を慕い、
心とからだは生ける神にあこがれる。

4万軍の主、わたしたちの神よ、
あなたの祭壇のきわに、
すずめさえすみかを見つけ、
つばめも巣を作ってひなを育てる。

福音朗読

ルカ21・29-33

アレルヤ、アレルヤ。恐れずに頭を上げなさい。あなたがたの救いは近づいている。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに21・29たとえを話された。「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。30葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。31それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい。32はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない。33天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」

聖アンデレ使徒 11月30日(土) 聖人の記念

第一朗読

ローマ10・9-18

主を信じる者は、だれも失望することがない。

使徒パウロのローマの教会への手紙

皆さん、10・9口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、あなたは救われます。10実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われるのです。11聖書にも、「主を信じる者は、だれも失望することがない」と書いてあります。12ユダヤ人とギリシア人の区別はなく、すべての人に同じ主がおられ、御自分を呼び求めるすべての人を豊かにお恵みになるからです。13「主の名を呼び求める者はだれでも救われる」のです。

14ところで、信じたことのない方を、どうして呼び求められよう。聞いたことのない方を、どうして信じられよう。また、宣べ伝える人がなければ、どうして聞くことができよう。15遣わされないで、どうして宣べ伝えることができよう。「良い知らせを伝える者の足は、なんと美しいことか」と書いてあるとおりです。16しかし、すべての人が福音に従ったのではありません。イザヤは、「主よ、だれがわたしたちから聞いたことを信じましたか」と言っています。17実に、信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まるのです。18それでは、尋ねよう。彼らは聞いたことがなかったのだろうか。もちろん聞いたのです。
「その声は全地に響き渡り、
その言葉は世界の果てにまで及ぶ」
のです。

答唱詩編

詩編19・2+3、4+5

天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。

詩編19

19・2天は神の栄光を語り、
大空はみ手のわざを告げる。
3日は日にことばを語り継ぎ、
夜は夜に知識を伝える。

4ことばでもなく、話でもなく、
その声も聞こえないが、
その響きは地を覆い、その知らせは世界に及ぶ。
5神は天に太陽の幕屋をすえられた。

福音朗読

マタイ4・18-22

アレルヤ、アレルヤ。わたしのあとに従いなさい。人を捕らえる漁師にしよう。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

18イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、二人の兄弟、ペトロと呼ばれるシモンとその兄弟アンデレが、湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。19イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。20二人はすぐに網を捨てて従った。21そこから進んで、別の二人の兄弟、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、父親のゼベダイと一緒に、舟の中で網の手入れをしているのを御覧になると、彼らをお呼びになった。22この二人もすぐに、舟と父親とを残してイエスに従った。

12月
待降節第1主日 12月1日(日) 待降節

第一朗読

エレミヤ33・14-16

わたしはダビデのために正義の若枝を生え出てさせる。

エレミヤの預言

33・14見よ、わたしが、イスラエルの家とユダの家に恵みの約束を果たす日が来る、と主は言われる。15その日、その時、わたしはダビデのために正義の若枝を生え出でさせる。彼は公平と正義をもってこの国を治める。16その日には、ユダは救われ、エルサレムは安らかに人の住まう都となる。その名は、「主は我らの救い」と呼ばれるであろう。

答唱詩編

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すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。

詩編25

25・4神よ、あなたの道を示し、
その小道を教えてください。
5aあなたの真理のうちに、
わたしを導き、さとしてください。

8神はあわれみ深く正義に満ち、
罪びとに道を示される。
9神は貧しい人を正義に導き、
へりくだる人にその道を教えられる。

10契約とさとしを守る人に、
神への小道はいつくしみとまことにあふれる。
14神をおそれる人に神は心を開き、
契約を示し、さとされる。

第二朗読

①テサロニケ3・12-4・2

主イエスが来られるとき、あなたがたの心を強めてくださるように。

使徒パウロのテサロニケの教会への手紙

皆さん、3・12どうか、主があなたがたを、お互いの愛とすべての人への愛とで、豊かに満ちあふれさせてくださいますように、わたしたちがあなたがたを愛しているように。13そして、わたしたちの主イエスが、御自身に属するすべての聖なる者たちと共に来られるとき、あなたがたの心を強め、わたしたちの父である神の御前で、聖なる、非のうちどころのない者としてくださるように、アーメン。 

4・1さて、兄弟たち、主イエスに結ばれた者としてわたしたちは更に願い、また勧めます。あなたがたは、神に喜ばれるためにどのように歩むべきかを、わたしたちから学びました。そして、現にそのように歩んでいますが、どうか、その歩みを今後も更に続けてください。2わたしたちが主イエスによってどのように命令したか、あなたがたはよく知っているはずです。 

福音朗読

ルカ21・25-28、34-36

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたの慈しみを示し、救いをお与えください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。21・25「太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。26人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。27そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。28このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。 

34放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。35その日は、地の表のあらゆる所に住む人々すべてに襲いかかるからである。36しかし、あなたがたは、起ころうとしているこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈りなさい。」 

待降節第1月曜日 12月2日(月) 待降節

第一朗読

イザヤ2・1-5

神はすべての民を御国の永遠の平和に招かれる。

イザヤの預言

2・1アモツの子イザヤが、ユダとエルサレムについて幻に見たこと。

2終わりの日に
主の神殿の山は、山々の頭として堅く立ち、
どの峰よりも高くそびえる。
国々はこぞって大河のようにそこに向かい
3多くの民が来て言う。
「主の山に登り、ヤコブの神の家に行こう。
主はわたしたちに道を示される。
わたしたちはその道を歩もう」と。
主の教えはシオンから
御言葉はエルサレムから出る。
4主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。
彼らは剣を打ち直して鋤とし、
槍を打ち直して鎌とする。
国は国に向かって剣を上げず
もはや戦うことを学ばない。
5ヤコブの家よ、主の光の中を歩もう。

答唱詩編

16312詩編122・1+2、3+4ab

喜びに心をはずませ、神の家に行こう。

詩編122

122・1「神の家に行こう」と言われて、
わたしの心は喜びにはずんだ。
2エルサレムよ、わたしたちは今、
お前の門のうちに立っている。

3しげく連なる町、エルサレム、
すべての民の都。
4abそこにはイスラエルの部族、
神の民がのぼって来る。

福音朗読

マタイ8・5-11

アレルヤ、アレルヤ。主なる神よ、み顔を示し、わたしたちを救いに来てください。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、8・5イエスがカファルナウムに入られると、一人の百人隊長が近づいて来て懇願し、6「主よ、わたしの僕が中風で家に寝込んで、ひどく苦しんでいます」と言った。7そこでイエスは、「わたしが行って、いやしてあげよう」と言われた。8すると、百人隊長は答えた。「主よ、わたしはあなたを自分の屋根の下にお迎えできるような者ではありません。ただ、ひと言おっしゃってください。そうすれば、わたしの僕はいやされます。9わたしも権威の下にある者ですが、わたしの下には兵隊がおり、一人に『行け』と言えば行きますし、他の一人に『来い』と言えば来ます。また、部下に『これをしろ』と言えば、そのとおりにします。」10イエスはこれを聞いて感心し、従っていた人々に言われた。「はっきり言っておく。イスラエルの中でさえ、わたしはこれほどの信仰を見たことがない。11言っておくが、いつか、東や西から大勢の人が来て、天の国でアブラハム、イサク、ヤコブと共に宴会の席に着く。」

日本宣教の保護者・聖フランシスコ・ザビエル司祭 12月3日(火) 聖人の記念

第一朗読

①コリント9・16-19、22-23

福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸である。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、9・16わたしが福音を告げ知らせても、それはわたしの誇りにはなりません。そうせずにはいられないことだからです。福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです。17自分からそうしているなら、報酬を得るでしょう。しかし、強いられてするなら、それは、ゆだねられている務めなのです。18では、わたしの報酬とは何でしょうか。それは、福音を告げ知らせるときにそれを無報酬で伝え、福音を伝えるわたしが当然持っている権利を用いないということです。

19わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。22弱い人に対しては、弱い人のようになりました。弱い人を得るためです。すべての人に対してすべてのものになりました。何とかして何人かでも救うためです。23福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それは、わたしが福音に共にあずかる者となるためです。

答唱詩編

14812詩編96・1+2、3+4

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・1新しい歌を神にうたえ。
世界よ、神に向かって喜びうたえ。
2神の名をたたえてうたい、
日ごとに救いを告げ知らせよ。

3すべての国にその栄光をかたり、
すべての民に不思議なわざを伝えよ。
4神は偉大、ほむべきかた、
すべてを越えておそるべきかた。

福音朗読

マルコ16・15-20

アレルヤ、アレルヤ。全世界に行き、全ての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは、世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは十一人の弟子に現れて、16・15言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。16信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。17信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。18手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」

19主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。20一方、弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった。

待降節第1水曜日 12月4日(水) 待降節

第一朗読

イザヤ25・6-10a

神の驚くべき御業

イザヤの預言

その日、25・6万軍の主はこの山で祝宴を開き
すべての民に良い肉と古い酒を供される。
それは脂肪に富む良い肉とえり抜きの酒。
7主はこの山で
すべての民の顔を包んでいた布と
すべての国を覆っていた布を滅ぼし
8死を永久に滅ぼしてくださる。
主なる神は、すべての顔から涙をぬぐい
御自分の民の恥を地上からぬぐい去ってくださる。
これは主が語られたことである。
9その日には、人は言う。
見よ、この方こそわたしたちの神。
わたしたちは待ち望んでいた。
この方がわたしたちを救ってくださる。
この方こそわたしたちが待ち望んでいた主。
その救いを祝って喜び躍ろう。
10主の御手はこの山の上にとどまる。

答唱詩編

12334詩編23・5、6

主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。

詩編23

23・5あなたははむかう者の前で、
わたしのために会食を整え、
わたしの頭に油を注ぎ、
わたしの杯を満たされる。

6神の恵みといつくしみに
生涯伴われ、
わたしはとこしえに
神の家に生きる。

福音朗読

マタイ15・29-37

アレルヤ、アレルヤ。主はその民を救いに来られる。用意して主を迎える者は幸い。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは15・29ガリラヤ湖のほとりに行かれた。そして、山に登って座っておられた。30大勢の群衆が、足の不自由な人、目の見えない人、体の不自由な人、口の利けない人、その他多くの病人を連れて来て、イエスの足もとに横たえたので、イエスはこれらの人々をいやされた。31群衆は、口の利けない人が話すようになり、体の不自由な人が治り、足の不自由な人が歩き、目の見えない人が見えるようになったのを見て驚き、イスラエルの神を賛美した。

32イエスは弟子たちを呼び寄せて言われた。「群衆がかわいそうだ。もう三日もわたしと一緒にいるのに、食べ物がない。空腹のままで解散させたくはない。途中で疲れきってしまうかもしれない。」33弟子たちは言った。「この人里離れた所で、これほど大勢の人に十分食べさせるほどのパンが、どこから手に入るでしょうか。」34イエスが「パンは幾つあるか」と言われると、弟子たちは、「七つあります。それに、小さい魚が少しばかり」と答えた。35そこで、イエスは地面に座るように群衆に命じ、36七つのパンと魚を取り、感謝の祈りを唱えてこれを裂き、弟子たちにお渡しになった。弟子たちは群衆に配った。37人々は皆、食べて満腹した。残ったパンの屑を集めると、七つの籠いっぱいになった。

待降節第1木曜日 12月5日(木) 待降節

第一朗読

イザヤ26・1-6

勝利の歌

イザヤの預言

26・1その日には、ユダの地でこの歌がうたわれる。
我らには、堅固な都がある。
救いのために、城壁と堡塁が築かれた。
2城門を開け
神に従い、信仰を守る民が入れるように。
3堅固な思いを、あなたは平和に守られる
あなたに信頼するゆえに、平和に。
4どこまでも主に信頼せよ、主こそはとこしえの岩。
5主は高い所に住まう者を引きおろし
築き上げられた都を打ち倒し
地に打ち倒して、塵に伏させる。
6貧しい者の足がそれを踏みにじり
弱い者の足が踏みつけて行く。

答唱詩編

17234詩編100・4、5

わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。

詩編100

100・4感謝に満ちて門をくぐり、
賛美を歌って中庭に入る。
神に感謝をささげて、
その名をたたえよう。

5神はいつくしみ深く、
そのあわれみは限りなく
そのまことは代々に及ぶ。

福音朗読

マタイ7・21、24-27

アレルヤ、アレルヤ。見いだせるうちに主を尋ね、近くにおられる主に願え。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。7・21「わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の国に入るわけではない。わたしの天の父の御心を行う者だけが入るのである。

24そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。25雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。26わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。27雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった。」

待降節第1金曜日 12月6日(金) 待降節

第一朗読

イザヤ29・17-24

イスラエルの回復

イザヤの預言

主は言われる。
29・17なおしばらくの時がたてば
レバノンは再び園となり
園は森林としても数えられる。
18その日には、耳の聞こえない者が
書物に書かれている言葉をすら聞き取り
盲人の目は暗黒と闇を解かれ、見えるようになる。
19苦しんでいた人々は再び主にあって喜び祝い
貧しい人々はイスラエルの聖なる方のゆえに喜び躍る。
20暴虐な者はうせ、不遜な者は滅び
災いを待ち構える者は皆、断たれる。
21彼らは言葉をもって人を罪に定め
町の門で弁護する者を罠にかけ
正しい者を不当に押しのける。

22それゆえ、アブラハムを贖われた主はヤコブの家に向かって、こう言われる。
「もはや、ヤコブは恥を受けることはない。
もはや顔が青ざめることもない。」
23彼はその子らと共に
民の内にわが手の業を見てわが名を聖とする。
彼らはヤコブの聖なる者を聖とし
イスラエルの神を畏るべきものとする。
24心の迷った者も知ることを得
つぶやく者も正しく語ることを学ぶ。

答唱詩編

7316詩編27・1、13+14

神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。

詩編27

27・1神はわたしの光、わたしの救い、
わたしはだれもおそれない。
神はわたしのいのちの砦、
わたしはだれをはばかろう。

13神に生きる人々の中で
わたしは神の美しさを仰ぎ見る。
14神を待ち望め、
強く、たくましく、神を待ち望め。

福音朗読

マタイ9・27-31

アレルヤ、アレルヤ。主は力強く来られ、しもべの目を開かれる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、9・27イエスがそこからお出かけになると、二人の盲人が叫んで、「ダビデの子よ、わたしたちを憐れんでください」と言いながらついて来た。28イエスが家に入ると、盲人たちがそばに寄って来たので、「わたしにできると信じるのか」と言われた。二人は、「はい、主よ」と言った。29そこで、イエスが二人の目に触り、「あなたがたの信じているとおりになるように」と言われると、30二人は目が見えるようになった。イエスは、「このことは、だれにも知らせてはいけない」と彼らに厳しくお命じになった。31しかし、二人は外へ出ると、その地方一帯にイエスのことを言い広めた。

聖アンブロジオ 司教教会博士 12月7日(土) 記念日

第一朗読

イザヤ30・19-21、23-26

救いのとき

イザヤの預言

イスラエルの聖なる神、主は言われる。
30・19まことに、シオンの民、エルサレムに住む者よ
もはや泣くことはない。
主はあなたの呼ぶ声に答えて
必ず恵みを与えられる。
主がそれを聞いて、直ちに答えてくださる。
20わが主はあなたたちに
災いのパンと苦しみの水を与えられた。
あなたを導かれる方はもはや隠れておられることなく
あなたの目は常にあなたを導かれる方を見る。
21あなたの耳は、背後から語られる言葉を聞く。
「これが行くべき道だ、ここを歩け
右に行け、左に行け」と。
23主は、あなたが地に蒔く種に雨を与えられる。
地の産み出す穀物は豊かに実る。
その日には
あなたの家畜は広い牧場で草をはみ
24地を耕す牛やろばは
ふるいや箕でえり分け
発酵させた飼葉を食べる。
25大いなる殺戮の日、塔の倒れるとき
そびえ立つすべての山、高い丘の上に
水路が造られて、水を運ぶ。
26主が民の傷を包み
重い打ち傷をいやされる日
月の光は太陽の光になり
太陽の光は七倍になり
七つの日の光となる。

答唱詩編

14713詩編147・1+2、3+6

栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。

詩編147

147・1神をたたえ、賛美の歌をうたおう。
神をたたえることは美しく正しい。
2神はエルサレムを建て直し、
その散らされた者を集められる。

3神は失意の人々を支え、
その傷をいやされる。
6へりくだる人を支え、
逆らう者を地に倒される。

福音朗読

マタイ9・35-10・1、5a、6-8

アレルヤ、アレルヤ。あなはわたしたちをさばき、おきてを与え、支配される主なる神。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、9・35イエスは町や村を残らず回って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、ありとあらゆる病気や患いをいやされた。36また、群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て、打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた。37そこで、弟子たちに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。38だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。」

10・1イエスは十二人の弟子を呼び寄せ、汚れた霊に対する権能をお授けになった。汚れた霊を追い出し、あらゆる病気や患いをいやすためであった。

5イエスはこの十二人を派遣するにあたり、次のように命じられた。

6「イスラエルの家の失われた羊のところへ行きなさい。7行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。8病人をいやし、死者を生き返らせ、重い皮膚病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。」

待降節第2主日 12月8日(日) 待降節

第一朗読

バルク5・1-9

神は、お前の輝きを示される。

バルクの預言

5・1エルサレムよ、悲しみと不幸の衣を脱ぎ、
神から与えられる栄光で永遠に飾れ。
2神から与えられる義の衣を身にまとい、
頭に永遠なる者の栄光の冠をつけよ。
3神は天の下のすべての地に
お前の輝きを示される。
4お前は神から「義の平和、敬神の栄光」と呼ばれ、
その名は永遠に残る。
5エルサレムよ、立ち上がれ、
高い山に立って東の方に目を向けよ。
お前の子らは、
神が覚えていてくださったことを喜び、
西からも東からも
聖なる者の言葉によって集められる。
6お前の子らは敵に追い立てられ、
徒歩でお前のもとを去ったが、
神は彼らを、玉座につく王のように高く上げ、
栄光のうちにお前のもとに連れ戻される。
7すべての高い山、果てしなく続く丘は低くなれ、
谷は埋まって平地になれ、と神は命じられた。
それはイスラエルが神の栄光に包まれ、安全に歩むため。
8森も、香り高いすべての木々も、
神の命令でイスラエルのために木陰をつくる。
9神は自らの慈しみと義をもって栄光の輝きを表し、
喜びのうちにイスラエルを導かれる。

答唱詩編

154123詩編126・1+2ab、2cd+3、4+6

涙のうちに種蒔く人は、喜びのうちに刈り取る。

詩編126

126・1神が捕らわれびとをシオンにもどされたとき、
わたしたちは夢を見ている思いがした。
2abわたしたちの顔はほほえみ、
口には喜びの歌が浮かんだ。

2cd国々の民も叫んで言った、
「神は彼らに偉大なわざを行われた」と。
3神はわたしたちに偉大なわざを行われ、
わたしたちは喜びにあふれた。

4雨のあとにネゲブの川が流れを取りもどすように、
神よ、わたしたちに栄えをもどしてください。
6種を手に涙を流して出て行く人は、
束をかかえ、喜びにあふれて帰ってくる。

第二朗読

フィリピ1・4-6、8-11

キリストの日に備えて、清い者、とがめられるところのない者となるように。

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

皆さん、わたしは、1・4あなたがた一同のために祈る度に、いつも喜びをもって祈っています。5それは、あなたがたが最初の日から今日まで、福音にあずかっているからです。6あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト・イエスの日までに、その業を成し遂げてくださると、わたしは確信しています。8わたしが、キリスト・イエスの愛の心で、あなたがた一同のことをどれほど思っているかは、神が証ししてくださいます。9わたしは、こう祈ります。知る力と見抜く力とを身に着けて、あなたがたの愛がますます豊かになり、10本当に重要なことを見分けられるように。そして、キリストの日に備えて、清い者、とがめられるところのない者となり、11イエス・キリストによって与えられる義の実をあふれるほどに受けて、神の栄光と誉れとをたたえることができるように。 

福音朗読

ルカ3・1-6

アレルヤ、アレルヤ。主の道を整え、その小道を整えよ。すべての人は神の救いを見る。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

3・1皇帝ティベリウスの治世の第十五年、ポンティオ・ピラトがユダヤの総督、ヘロデがガリラヤの領主、その兄弟フィリポがイトラヤとトラコン地方の領主、リサニアがアビレネの領主、2アンナスとカイアファとが大祭司であったとき、神の言葉が荒れ野でザカリアの子ヨハネに降った。3そこで、ヨハネはヨルダン川沿いの地方一帯に行って、罪の赦しを得させるために悔い改めの洗礼を宣べ伝えた。4これは、預言者イザヤの書に書いてあるとおりである。
「荒れ野で叫ぶ者の声がする。
『主の道を整え、
その道筋をまっすぐにせよ。
5谷はすべて埋められ、
山と丘はみな低くされる。
曲がった道はまっすぐに、
でこぼこの道は平らになり、
6人は皆、神の救いを仰ぎ見る。』」

無原罪の聖マリア 12月9日(月) 聖人の記念

第一朗読

創世記3・9-15、20

お前の子孫と女の子孫の間に、わたしは敵意を置く。

創世記

アダムが木の実を食べた後に、3・9主なる神は彼を呼ばれた。
「どこにいるのか。」
10彼は答えた。
「あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。」
11神は言われた。
「お前が裸であることを誰が告げたのか。取って食べるなと命じた木から食べたのか。」
12アダムは答えた。
「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」
13主なる神は女に向かって言われた。
「何ということをしたのか。」
女は答えた。
「蛇がだましたので、食べてしまいました。」
14主なる神は、蛇に向かって言われた。
「このようなことをしたお前は
あらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で
呪われるものとなった。
お前は、生涯這いまわり、塵を食らう。
15お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に
わたしは敵意を置く。
彼はお前の頭を砕き
お前は彼のかかとを砕く。」

20アダムは女をエバ(命)と名付けた。彼女がすべて命あるものの母となったからである。

答唱詩編

14913詩編98・1、4+5

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
そのとうとい腕は救いの力。

4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、
賛美の歌で神をほめよ。
5たて琴をかなでて神をたたえ、
その調べに合わせてほめ歌え。

第二朗読

エフェソ1・3-6、11-12

天地創造の前に、神はわたしたちをキリストにおいてお選びになった。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

1・3わたしたちの主イエス・キリストの父である神は、ほめたたえられますように。神は、わたしたちをキリストにおいて、天のあらゆる霊的な祝福で満たしてくださいました。4天地創造の前に、神はわたしたちを愛して、御自分の前で聖なる者、汚れのない者にしようと、キリストにおいてお選びになりました。5イエス・キリストによって神の子にしようと、御心のままに前もってお定めになったのです。6神がその愛する御子によって与えてくださった輝かしい恵みを、わたしたちがたたえるためです。11キリストにおいてわたしたちは、御心のままにすべてのことを行われる方の御計画によって前もって定められ、約束されたものの相続者とされました。12それは、以前からキリストに希望を置いていたわたしたちが、神の栄光をたたえるためです。

福音朗読

ルカ1・26-38

アレルヤ、アレルヤ。喜びなさい、恵まれたかたマリア、主はあなたとともに。あなたは女のうちで祝福されたかた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、1・26天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。27ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。28天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」29マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。30すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。31あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。32その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。33彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」34マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」35天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。36あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。37神にできないことは何一つない。」38マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。

待降節第2火曜日 12月10日(火) 待降節

第一朗読

イザヤ40・1-11

帰還の約束

イザヤの預言

40・1慰めよ、わたしの民を慰めよ
とあなたたちの神は言われる。
2エルサレムの心に語りかけ
彼女に呼びかけよ
苦役の時は今や満ち、彼女の咎は償われた、と。
罪のすべてに倍する報いを主の御手から受けた、と。

3呼びかける声がある。主のために、荒れ野に道を備え
わたしたちの神のために、荒れ地に広い道を通せ。
4谷はすべて身を起こし、山と丘は身を低くせよ。
険しい道は平らに、狭い道は広い谷となれ。
5主の栄光がこうして現れるのを肉なる者は共に見る。
主の口がこう宣言される。

6呼びかけよ、と声は言う。
わたしは言う、何と呼びかけたらよいのか、と。
肉なる者は皆、草に等しい。
永らえても、すべては野の花のようなもの。
7草は枯れ、花はしぼむ。
主の風が吹きつけたのだ。この民は草に等しい。
8草は枯れ、花はしぼむが
わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ。

9高い山に登れ
良い知らせをシオンに伝える者よ。
力を振るって声をあげよ
良い知らせをエルサレムに伝える者よ。
声をあげよ、恐れるな
ユダの町々に告げよ。
見よ、あなたたちの神
10見よ、主なる神。
彼は力を帯びて来られ
御腕をもって統治される。
見よ、主のかち得られたものは御もとに従い
主の働きの実りは御前を進む。
11主は羊飼いとして群れを養い、御腕をもって集め
小羊をふところに抱き、その母を導いて行かれる。

答唱詩編

14814詩編96・1+2、11+12

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・1新しい歌を神にうたえ。
世界よ、神に向かって喜び歌え。
2神の名をたたえて歌い、
日ごとに救いを告げ知らせよ。

11天地は喜びにあふれ、
海とそこに満ちるものは叫びをあげる。
12野とそこにあるものはどよめき、
森の木々は声をあげて、神の前で歌う。

福音朗読

マタイ18・12-14

アレルヤ、アレルヤ。主の日は近い。主はわたしたちを救いに来られる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。18・12「あなたがたはどう思うか。ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を山に残しておいて、迷い出た一匹を捜しに行かないだろうか。13はっきり言っておくが、もし、それを見つけたら、迷わずにいた九十九匹より、その一匹のことを喜ぶだろう。14そのように、これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない。」

待降節第2水曜日 12月11日(水) 待降節

第一朗読

イザヤ40・25-31

創造と贖いの神

イザヤの預言

40・25お前たちはわたしを誰に似せ
誰に比べようとするのか、と聖なる神は言われる。
26目を高く上げ、誰が天の万象を創造したかを見よ。
それらを数えて、引き出された方
それぞれの名を呼ばれる方の
力の強さ、激しい勢いから逃れうるものはない。

27ヤコブよ、なぜ言うのか
イスラエルよ、なぜ断言するのか
わたしの道は主に隠されている、と
わたしの裁きは神に忘れられた、と。
28あなたは知らないのか、聞いたことはないのか。
主は、とこしえにいます神
地の果てに及ぶすべてのものの造り主。
倦むことなく、疲れることなく
その英知は究めがたい。
29疲れた者に力を与え
勢いを失っている者に大きな力を与えられる。
30若者も倦み、疲れ、勇士もつまずき倒れようが
31主に望みをおく人は新たな力を得
鷲のように翼を張って上る。
走っても弱ることなく、歩いても疲れない。

答唱詩編

9313詩編103・3+4、8+13

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編103

103・3神はわたしの罪をゆるし、
痛みをいやされる。
4わたしのいのちを危機から救い、
いつくしみ深く祝福される。

8神は恵み豊かにあわれみ深く、
怒るにおそくいつくしみ深い。
13父が子どもをいつくしむように、
神の愛は神をおそれる人の上にある。

福音朗読

マタイ11・28-30

アレルヤ、アレルヤ。主はその民を救いに来られる。用意して主を迎える者は幸い。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは言われた。11・28「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。29わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。30わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」

待降節第2木曜日 12月12日(木) 待降節

第一朗読

イザヤ41・13-20

諸国民の審判

イザヤの預言

41・13わたしは主、あなたの神。
あなたの右の手を固く取って言う
恐れるな、わたしはあなたを助ける、と。
14あなたを贖う方、イスラエルの聖なる神主は言われる。
恐れるな、虫けらのようなヤコブよ
イスラエルの人々よ、わたしはあなたを助ける。
15見よ、わたしはあなたを打穀機とする
新しく鋭く、多くの刃をつけた打穀機と。
あなたは山々を踏み砕き、丘をもみ殻とする。
16あなたがそれをあおると、風が巻き上げ
嵐がそれを散らす。
あなたは主によって喜び躍り
イスラエルの聖なる神によって誇る。

17苦しむ人、貧しい人は水を求めても得ず
渇きに舌は干上がる。
主であるわたしが彼らに答えよう。
イスラエルの神であるわたしは彼らを見捨てない。
18わたしは不毛の高原に大河を開き
谷あいの野に泉を湧き出させる。
荒れ野を湖とし
乾いた地を水の源とする。
19荒れ野に杉やアカシヤを
ミルトスやオリーブの木を植え
荒れ地に糸杉、樅、つげの木を共に茂らせる。
20彼らはこれを見て、悟り
互いに気づかせ、目覚めさせる
主の御手がこれを成し遂げ
イスラエルの聖なる神がこれを創造されたことを。

答唱詩編

6312詩編145・7+9、10+11

神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。

詩編145

145・7あなたの豊かな恵みを思い、
喜んであなたの正義をうたう。
9その恵みはすべてのものに及び、
いつくしみは造られたすべてのものの上にある。

10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝してうたう。
11彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるわざを告げ知らせる。

福音朗読

マタイ11・11-15

アレルヤ、アレルヤ。天は雨を降らし、雲は義人を降らせよ。大地は開き、救い主が生まれる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。11・11「はっきり言っておく。およそ女から生まれた者のうち、洗礼者ヨハネより偉大な者は現れなかった。しかし、天の国で最も小さな者でも、彼よりは偉大である。12彼が活動し始めたときから今に至るまで、天の国は力ずくで襲われており、激しく襲う者がそれを奪い取ろうとしている。13すべての預言者と律法が預言したのは、ヨハネの時までである。14あなたがたが認めようとすれば分かることだが、実は、彼は現れるはずのエリヤである。15耳のある者は聞きなさい。」

聖ルチアおとめ 殉教者 12月13日(金) 記念日

第一朗読

イザヤ48・17-19

あなたの平和は大河のように

イザヤの預言

48・17イスラエルの聖なる神
あなたを贖う主はこう言われる。
わたしは主、あなたの神
わたしはあなたを教えて力をもたせ
あなたを導いて道を行かせる。
18わたしの戒めに耳を傾けるなら
あなたの平和は大河のように
恵みは海の波のようになる。
19あなたの子孫は砂のように
あなたから出る子らは砂の粒のように増え
その名はわたしの前から断たれることも、滅ぼされることもない。

答唱詩編

15312詩編1・1ac+2、3

流れのほとりの木のように、神に従う人は実を結ぶ。

詩編1

1・1acしあわせな人、
罪びとの道を歩むことなく、
2神のおきてを喜びとし、
昼も夜も教えを心に留める人。

3流れのほとりに植えられた木が、
季節になると豊かに実り、
葉もしおれることのないように、
この人の行いも実を結ぶ。

福音朗読

マタイ11・16-19

アレルヤ、アレルヤ。主は来られる。平和の王である主を迎えよう。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。11・16「今の時代を何にたとえたらよいか。広場に座って、ほかの者にこう呼びかけている子供たちに似ている。
17『笛を吹いたのに、
踊ってくれなかった。
葬式の歌をうたったのに、
悲しんでくれなかった。』
18ヨハネが来て、食べも飲みもしないでいると、『あれは悪霊に取りつかれている』と言い、19人の子が来て、飲み食いすると、『見ろ、大食漢で大酒飲みだ。徴税人や罪人の仲間だ』と言う。しかし、知恵の正しさは、その働きによって証明される。」

聖ヨハネ(十字架の) 司教教会博士 12月14日(土) 記念日

第一朗読

シラ書48・1-4、9-11

彼の言葉は松明のように燃えていた。

シラ書

そのころ、48・1火のような預言者エリヤが登場した。
彼の言葉は松明のように燃えていた。
2彼は人々に飢饉をもたらし、
その熱意をもって人々の数を減らした。
3彼は主の言葉によって天を閉ざし、
三度、火を降らせた。
4エリヤよ、あなたはその驚くべき業のゆえに、
どれほどほめたたえられたことだろうか。
あなたと等しく誇りうる者があろうか。
9あなたは火の旋風に包まれ、
火の馬の引く車に乗せられ天に上げられた。
10あなたは、書き記されているとおり、
定められた時に備える者。
神の怒りが激しくなる前に、これを静め、
父の心を子に向けさせ、
ヤコブの諸部族を立て直す者。
11あなたを見る者、
また、愛のうちに眠りについた者は幸いである。
確かに、わたしたちも生きるであろう。

答唱詩編

8056詩編80・15+16、18+19

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編80

80・15すべてを治める神よ、あなたの目を注いで、
またこのぶどうの木を顧みてください。
16あなたがご自分で植えられた苗と、
強められた若枝を守ってください。

18あなたの手はあなたの右腕である人の上に、
強められた民の上に。
19わたしたちはあなたから離れることなく、
いのちであるあなたを呼び求める。

福音朗読

マタイ17・10-13

アレルヤ、アレルヤ。主の道を整え、その小道を整えよ。すべての人は神の救いを見る。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

山を下りるとき、弟子たちは17・10イエスに、「なぜ、律法学者は、まずエリヤが来るはずだと言っているのでしょうか」と尋ねた。11イエスはお答えになった。「確かにエリヤが来て、すべてを元どおりにする。12言っておくが、エリヤは既に来たのだ。人々は彼を認めず、好きなようにあしらったのである。人の子も、そのように人々から苦しめられることになる。」13そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った。

待降節第3主日 12月15日(日) 待降節

第一朗読

ゼファニヤ3・14-17

主はお前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。

ゼファニヤの預言

3・14娘シオンよ、喜び叫べ。
イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。
娘エルサレムよ、心の底から喜び躍れ。
15主はお前に対する裁きを退け
お前の敵を追い払われた。
イスラエルの王なる主はお前の中におられる。
お前はもはや、災いを恐れることはない。

16その日、人々はエルサレムに向かって言う。
「シオンよ、恐れるな
力なく手を垂れるな。
17お前の主なる神はお前のただ中におられ
勇士であって勝利を与えられる。
主はお前のゆえに喜び楽しみ
愛によってお前を新たにし
お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。」

答唱詩編

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喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

イザヤ12

12・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。
神はわたしの力、わたしの歌、わたしの救い。

4神をたたえ、その名を呼ぼう。
神のわざをすべての民に伝え、その名の誉れを語り告げよう。

5神は不思議なわざを成し遂げられた。
神をほめ歌い、そのわざを世界にのべ伝えよう。

6イスラエルの聖なる方はお前たちの中で偉大、
シオンに住む者は声をあげて喜び歌え。

第二朗読

フィリピ4・4-7

主はすぐ近くにおられる。

使徒パウロのフィリピの教会への手紙

皆さん、4・4主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。5あなたがたの広い心がすべての人に知られるようになさい。主はすぐ近くにおられます。6どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。7そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。 

福音朗読

ルカ3・10-18

アレルヤ、アレルヤ。神の霊はわたしの上にある。貧しい人に福音を告げるため、神はわたしを選ばれた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

3・10そのとき、群衆はヨハネに、「では、わたしたちはどうすればよいのですか」と尋ねた。11ヨハネは、「下着を二枚持っている者は、一枚も持たない者に分けてやれ。食べ物を持っている者も同じようにせよ」と答えた。12徴税人も洗礼を受けるために来て、「先生、わたしたちはどうすればよいのですか」と言った。13ヨハネは、「規定以上のものは取り立てるな」と言った。14兵士も、「このわたしたちはどうすればよいのですか」と尋ねた。ヨハネは、「だれからも金をゆすり取ったり、だまし取ったりするな。自分の給料で満足せよ」と言った。

15民衆はメシアを待ち望んでいて、ヨハネについて、もしかしたら彼がメシアではないかと、皆心の中で考えていた。16そこで、ヨハネは皆に向かって言った。「わたしはあなたたちに水で洗礼を授けるが、わたしよりも優れた方が来られる。わたしは、その方の履物のひもを解く値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。17そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる。」

18ヨハネは、ほかにもさまざまな勧めをして、民衆に福音を告げ知らせた。

待降節第3月曜日 12月16日(月) 待降節

第一朗読

民数記24・2-7、15-17

ひとつの星がヤコブから進み出る。

民数記

その日、24・2バラムは目を凝らして、イスラエルが部族ごとに宿営しているのを見渡した。神の霊がそのとき、彼に臨んだ。3彼はこの託宣を述べた。
べオルの子バラムの言葉。
目の澄んだ者の言葉。
4神の仰せを聞き、全能者のお与えになる幻を見る者、
倒れ伏し、目を開かれている者の言葉。
5いかに良いことか
ヤコブよ、あなたの天幕は
イスラエルよ、あなたの住む所は。
6それは広がる谷
大河の岸の園のようだ。
それは主が植えられたアロエの木のよう
水のほとりの杉のようだ。
7水は彼らの革袋から溢れ
種は豊かな水を得て育つ。
彼らの王はアガグよりも栄え
その王国は高く上げられる。

15そして彼はさらにこの託宣を述べた。
べオルの子バラムの言葉。
目の澄んだ者の言葉。
16神の仰せを聞き、いと高き神の知識を持ち
全能者のお与えになる幻を見る者
倒れ伏し、目を開かれている者の言葉。
17わたしには彼が見える。しかし、今はいない。
彼を仰いでいる。しかし、間近にではない。
ひとつの星がヤコブから進み出る。
ひとつの笏がイスラエルから立ち上がり、
モアブのこめかみを打ち砕き
シェトのすべての子らの頭の頂を砕く。

答唱詩編

13712詩編25・4+5a、8+9

すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。

詩編25

25・4神よ、あなたの道を示し、
その小道を教えてください。
5aあなたの真理のうちに、
わたしを導き、さとしてください。

8神は憐れみ深く正義に満ち、
罪人に道を示される。
9神は貧しい人を正義に導き、
へりくだる人にその道を教えられる。

福音朗読

マタイ21・23-27

アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたの慈しみを示し、救いをお与えください。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、21・23イエスが神殿の境内に入って教えておられると、祭司長や民の長老たちが近寄って来て言った。「何の権威でこのようなことをしているのか。だれがその権威を与えたのか。」24イエスはお答えになった。「では、わたしも一つ尋ねる。それに答えるなら、わたしも、何の権威でこのようなことをするのか、あなたたちに言おう。25ヨハネの洗礼はどこからのものだったか。天からのものか、それとも、人からのものか。」彼らは論じ合った。「『天からのものだ』と言えば、『では、なぜヨハネを信じなかったのか』と我々に言うだろう。26『人からのものだ』と言えば、群衆が怖い。皆がヨハネを預言者と思っているから。」27そこで、彼らはイエスに、「分からない」と答えた。すると、イエスも言われた。「それなら、何の権威でこのようなことをするのか、わたしも言うまい。」

待降節・12月17日 12月17日(火) 待降節

第一朗読

創世記49・1-2、8-10

ヤコブの祝福

創世記

その日、49・1ヤコブは息子たちを呼び寄せて言った。

「集まりなさい。わたしは後の日にお前たちに起こることを語っておきたい。

2ヤコブの息子たちよ、集まって耳を傾けよ。
お前たちの父イスラエルに耳を傾けよ。

8ユダよ、あなたは兄弟たちにたたえられる。
あなたの手は敵の首を押さえ
父の子たちはあなたを伏し拝む。
9ユダは獅子の子。
わたしの子よ、あなたは獲物を取って上って来る。
彼は雄獅子のようにうずくまり
雌獅子のように身を伏せる。
誰がこれを起こすことができようか。
10王笏はユダから離れず
統治の杖は足の間から離れない。
ついにシロが来て、諸国の民は彼に従う。

答唱詩編

6035詩編72・8+11、17

神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。

詩編72

72・8王は海のかなたまで、
川から地の果てまで支配する。
11すべての王は彼の前にひざをかがめ、
すべての国は彼に仕える。

17王の名は世々に及び、
子孫はいつまでも栄える。
すべての人は彼によって祝福され、
すべての国は彼をたたえる。

福音朗読

マタイ1・1-17

アレルヤ、アレルヤ。全てを超える神から出た英知よ、あなたは果てまで、すべてを力強くやさしく整えられる。賢明の道を教えに来てください。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

1・1アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。

2アブラハムはイサクをもうけ、イサクはヤコブを、ヤコブはユダとその兄弟たちを、3ユダはタマルによってペレツとゼラを、ペレツはヘツロンを、ヘツロンはアラムを、4アラムはアミナダブを、アミナダブはナフションを、ナフションはサルモンを、5サルモンはラハブによってボアズを、ボアズはルツによってオベドを、オベドはエッサイを、6エッサイはダビデ王をもうけた。

ダビデはウリヤの妻によってソロモンをもうけ、7ソロモンはレハブアムを、レハブアムはアビヤを、アビヤはアサを、8アサはヨシャファトを、ヨシャファトはヨラムを、ヨラムはウジヤを、9ウジヤはヨタムを、ヨタムはアハズを、アハズはヒゼキヤを、10ヒゼキヤはマナセを、マナセはアモスを、アモスはヨシヤを、11ヨシヤは、バビロンへ移住させられたころ、エコンヤとその兄弟たちをもうけた。

12バビロンへ移住させられた後、エコンヤはシャルティエルをもうけ、シャルティエルはゼルバベルを、13ゼルバベルはアビウドを、アビウドはエリアキムを、エリアキムはアゾルを、14アゾルはサドクを、サドクはアキムを、アキムはエリウドを、15エリウドはエレアザルを、エレアザルはマタンを、マタンはヤコブを、16ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。

17こうして、全部合わせると、アブラハムからダビデまで十四代、ダビデからバビロンへの移住まで十四代、バビロンへ移されてからキリストまでが十四代である。

待降節・12月18日 12月18日(水) 待降節

第一朗読

エレミヤ23・5-8

ユダの回復

エレミヤの預言

23・5見よ、このような日が来る、と主は言われる。
わたしはダビデのために正しい若枝を起こす。
王は治め、栄え
この国に正義と恵みの業を行う。
6彼の代にユダは救われ
イスラエルは安らかに住む。
彼の名は、「主は我らの救い」と呼ばれる。

7それゆえ、見よ、このような日が来る、と主は言われる。人々はもはや、「イスラエルの人々をエジプトの国から導き上った主は生きておられる」と言って誓わず、8「イスラエルの家の子孫を、北の国や、彼が追いやられた国々から導き上り、帰らせて自分の国に住まわせた主は生きておられる」と言って誓うようになる。

答唱詩編

6014詩編72・1+2、11+13

神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。

詩編72

72・1神よ、あなたの正義を王に与え、
あなたの正しさを王に授けてください。
2王が正しく民をおさめ、
正義をもって貧しい人を守るように。

11王は助けを求める乏しい人と
見捨てられた貧しい人を救う。
13貧しく不幸な人をあわれみ、
苦しむ人に救いをもたらす。

福音朗読

マタイ1・18-24

アレルヤ、アレルヤ。イスラエルの指導者である主よ、あなたはやぶの火の中でモーセに現れ、シナイでおきてをお与えになった。力をふるい、わたしたちをあがないに来てください。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

1・18イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。19夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。20このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」22このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。

23「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。
その名はインマヌエルと呼ばれる。」
この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。24ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れた。

待降節・12月19日 12月19日(木) 待降節

第一朗読

士師記13・2-7、24-25

神は、「不妊の女」に子を授けられる。

士師記

そのころ、13・2その名をマノアという一人の男がいた。彼はダンの氏族に属し、ツォルアの出身であった。彼の妻は不妊の女で、子を産んだことがなかった。3主の御使いが彼女に現れて言った。「あなたは不妊の女で、子を産んだことがない。だが、身ごもって男の子を産むであろう。4今後、ぶどう酒や強い飲み物を飲まず、汚れた物も一切食べないように気をつけよ。5あなたは身ごもって男の子を産む。その子は胎内にいるときから、ナジル人として神にささげられているので、その子の頭にかみそりを当ててはならない。彼は、ペリシテ人の手からイスラエルを解き放つ救いの先駆者となろう。」6女は夫のもとに来て言った。「神の人がわたしのところにおいでになりました。姿は神の御使いのようで、非常に恐ろしく、どこからおいでになったのかと尋ねることもできず、その方も名前を明かされませんでした。7ただその方は、わたしが身ごもって男の子を産むことになっており、その子は胎内にいるときから死ぬ日までナジル人として神にささげられているので、わたしにぶどう酒や強い飲み物を飲まず、汚れた物も一切食べないようにとおっしゃいました。」

24この女は男の子を産み、その名をサムソンと名付けた。子は成長し、主はその子を祝福された。25主の霊が彼を奮い立たせ始めたのは、彼がツォルアとエシュタオルの間にあるマハネ・ダンにいたときのことであった。

答唱詩編

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神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。

詩編139

139・1神よ、あなたはわたしを心にかけ、
わたしのすべてを知っておられる。
2わたしが座るのも立つのも知り、
遠くからわたしの思いを見通される。

13あなたはわたしのからだを造り、
母の胎内でわたしを形造られた。
14わたしを造られたあなたのわざは不思議。
わたしは心からその偉大なわざをたたえる。

福音朗読

ルカ1・5-25

アレルヤ、アレルヤ。民の旗印として立ったエッサイの切り株、あなたによって諸国の王は鳴りをひそめ、民はあなたに願い求める。時を早め、わたしたちを救いに来てください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・5ユダヤの王ヘロデの時代、アビヤ組の祭司にザカリアという人がいた。その妻はアロン家の娘の一人で、名をエリサベトといった。6二人とも神の前に正しい人で、主の掟と定めをすべて守り、非のうちどころがなかった。7しかし、エリサベトは不妊の女だったので、彼らには、子供がなく、二人とも既に年をとっていた。8さて、ザカリアは自分の組が当番で、神の御前で祭司の務めをしていたとき、9祭司職のしきたりによってくじを引いたところ、主の聖所に入って香をたくことになった。10香をたいている間、大勢の民衆が皆外で祈っていた。11すると、主の天使が現れ、香壇の右に立った。12ザカリアはそれを見て不安になり、恐怖の念に襲われた。13天使は言った。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。14その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。15彼は主の御前に偉大な人になり、ぶどう酒や強い酒を飲まず、既に母の胎にいるときから聖霊に満たされていて、16イスラエルの多くの子らをその神である主のもとに立ち帰らせる。17彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する。」18そこで、ザカリアは天使に言った。「何によって、わたしはそれを知ることができるのでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています。」19天使は答えた。「わたしはガブリエル、神の前に立つ者。あなたに話しかけて、この喜ばしい知らせを伝えるために遣わされたのである。20あなたは口が利けなくなり、この事の起こる日まで話すことができなくなる。時が来れば実現するわたしの言葉を信じなかったからである。」

21民衆はザカリアを待っていた。そして、彼が聖所で手間取るのを、不思議に思っていた。22ザカリアはやっと出て来たけれども、話すことができなかった。そこで、人々は彼が聖所で幻を見たのだと悟った。ザカリアは身振りで示すだけで、口が利けないままだった。23やがて、務めの期間が終わって自分の家に帰った。24その後、妻エリサベトは身ごもって、五か月の間身を隠していた。そして、こう言った。25「主は今こそ、こうして、わたしに目を留め、人々の間からわたしの恥を取り去ってくださいました。」

待降節・12月20日 12月20日(金) 待降節

第一朗読

イザヤ7・10-14

見よ、おとめが身ごもって、男の子を産む。

イザヤの預言

その日、7・10主はアハズに向かって言われた。
11「主なるあなたの神に、しるしを求めよ。
深く陰府の方に、あるいは高く天の方に。」
12しかし、アハズは言った。
「わたしは求めない。主を試すようなことはしない。」
13イザヤは言った。
「ダビデの家よ聞け。あなたたちは人間にもどかしい思いをさせるだけでは足りず、
わたしの神にも、もどかしい思いをさせるのか。
14それゆえ、わたしの主が御自らあなたたちにしるしを与えられる。
見よ、おとめが身ごもって、男の子を産みその名をインマヌエルと呼ぶ。」

答唱詩編

15823詩編24・3+4、5+6

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編24

24・3だれが神の山に登れよう。
だれが聖所に立てよう。
4それは手に汚れなく、心の清いひと、
むなしいことに心を向けず、いつわりを口にしないひと。

5その人は神に祝福され、
救いの恵みを受ける。
6彼はヤコブの一族、
神を求め、その顔を慕う。

福音朗読

ルカ1・26-38

アレルヤ、アレルヤ。ダビドのかぎ、イスラエルの家の王しゃく、あなたが開けば閉じる者なく、あなたが閉じれば開く者はない。捕らわれびとの鎖を断ち、闇と死の陰に座る人を救い出しに来てください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・26六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。27ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。28天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」29マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。30すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。31あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。32その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。33彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」34マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」35天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。36あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。37神にできないことは何一つない。」38マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。

待降節・12月21日 12月21日(土) 待降節

第一朗読

雅歌2・8-14

「美しい子よ、さあ、たって出ておいで。」

雅歌

8恋しい人の声が聞こえます。
山を越え、丘を跳んでやって来ます。
9恋しい人はかもしかのよう
若い雄鹿のようです。
ごらんなさい、もう家の外に立って
窓からうかがい
格子の外からのぞいています。

10恋しい人は言います。
「恋人よ、美しいひとよさあ、立って出ておいで。
11ごらん、冬は去り、雨の季節は終った。
12花は地に咲きいで、小鳥の歌うときが来た。
この里にも山鳩の声が聞こえる。
13いちじくの実は熟し、ぶどうの花は香る。
恋人よ、美しいひとよさあ、立って出ておいで。

14岩の裂け目、崖の穴にひそむわたしの鳩よ
姿を見せ、声を聞かせておくれ。
お前の声は快く、お前の姿は愛らしい。」

または

ゼファニヤ3・14-17

主はお前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。

ゼファニアの預言

3・14娘シオンよ、喜び叫べ。
イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。
娘エルサレムよ、心の底から喜び躍れ。
15主はお前に対する裁きを退け
お前の敵を追い払われた。
イスラエルの王なる主はお前の中におられる。
お前はもはや、災いを恐れることはない。

16その日、人々はエルサレムに向かって言う。
「シオンよ、恐れるな
力なく手を垂れるな。
17お前の主なる神はお前のただ中におられ
勇士であって勝利を与えられる。
主はお前のゆえに喜び楽しみ
愛によってお前を新たにし
お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。」

答唱詩編

4635詩編33・12+13、20+21

神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

詩編33

12神を王としていただく国、
神のものとして選ばれた民はしあわせ。
13神は天から目をそそぎ、
人々をすべて見ておられる。

20神はたて、神はすくい、
わたしたちは神を待ち望む。
21心は神のうちにあってよろこび、
とうといその名により頼む。

福音朗読

ルカ1・39-45

アレルヤ、アレルヤ。インマヌエル、わたしたちとともにおられる王、立法者、諸国の民の希望、救い主、わたしたちを助けに来てください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」

待降節第4主日 12月22日(日) 待降節

第一朗読

ミカ5・1-4a

お前の中から、イスラエルを治める者が出る。

ミカの預言

主は言われる。
5・1エフラタのベツレヘムよ
お前はユダの氏族の中でいと小さき者。
お前の中から、わたしのために
イスラエルを治める者が出る。
彼の出生は古く、永遠の昔にさかのぼる。
2まことに、主は彼らを捨ておかれる
産婦が子を産むときまで。
そのとき、彼の兄弟の残りの者は
イスラエルの子らのもとに帰って来る。
3彼は立って、群れを養う
主の力、神である主の御名の威厳をもって。
彼らは安らかに住まう。
今や、彼は大いなる者となり
その力が地の果てに及ぶからだ。
4a彼こそ、まさしく平和である。

答唱詩編

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神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編80

80・2イスラエルを牧するかたよ、耳を傾けてください。
ヨセフを羊の群れのように導くかた、
光を放ってください。
ケルビムの上に座しておられるかた。

3すべてを治める神よ、あなたの力を現し、
わたしたちを救いに来てください。
4わたしたちを新たにし、
あなたの顔の輝きで救ってください。

15すべてを治める神よ、あなたの目を注いで、
またこのぶどうの木を顧みてください。
16あなたがご自分で植えられた苗と、
強められた若枝を守ってください。

第二朗読

ヘブライ10・5-10

御覧ください。わたしは来ました。御心を行うために。

ヘブライ人への手紙

皆さん、10・5キリストは世に来られたときに、次のように言われました。「あなたは、いけにえや献げ物を望まず、むしろ、わたしのために体を備えてくださいました。6あなたは、焼き尽くす献げ物や罪を贖うためのいけにえを好まれませんでした。7そこで、わたしは言いました。『御覧ください。わたしは来ました。聖書の巻物にわたしについて書いてあるとおり、神よ、御心を行うために。』」8ここで、まず、「あなたはいけにえ、献げ物、焼き尽くす献げ物、罪を贖うためのいけにえ、つまり律法に従って献げられるものを望みもせず、好まれもしなかった」と言われ、9次いで、「御覧ください。わたしは来ました。御心を行うために」と言われています。第二のものを立てるために、最初のものを廃止されるのです。10この御心に基づいて、ただ一度イエス・キリストの体が献げられたことにより、わたしたちは聖なる者とされたのです。

福音朗読

ルカ1・39-45

アレルヤ、アレルヤ。わたしは主の召し使い。お言葉どおりになりますように。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」 

待降節・12月23日 12月23日(月) 待降節

第一朗読

マラキ3・1-4、23-24

悔い改めよ。天の国は近づいた。

マラキの預言

3・1見よ、わたしは使者を送る。
彼はわが前に道を備える。
あなたたちが待望している主は
突如、その聖所に来られる。
あなたたちが喜びとしている契約の使者
見よ、彼が来る、と万軍の主は言われる。
2だが、彼の来る日に誰が身を支えうるか。
彼の現れるとき、誰が耐えうるか。
彼は精錬する者の火、洗う者の灰汁のようだ。
3彼は精錬する者、銀を清める者として座し
レビの子らを清め
金や銀のように彼らの汚れを除く。
彼らが主に献げ物を
正しくささげる者となるためである。
4そのとき、ユダとエルサレムの献げ物は
遠い昔の日々に
過ぎ去った年月にそうであったように
主にとって好ましいものとなる。

23見よ、わたしは
大いなる恐るべき主の日が来る前に
預言者エリヤをあなたたちに遣わす。
24彼は父の心を子に
子の心を父に向けさせる。
わたしが来て、破滅をもって
この地を撃つことがないように。

答唱詩編

13713詩編25・4+5a、10+14

すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。

詩編25

25・4神よ、あなたの道を示し、
その小道を教えてください。
5aあなたの真理のうちに、
わたしを導き、さとしてください。

10契約とさとしを守る人に、
神への小道はいつくしみとまことにあふれる。
14神をおそれる人に神は心を開き、
契約を示し、さとされる。

福音朗読

ルカ1・57-66

アレルヤ、アレルヤ。諸国民の待望の王、神と人とを一つに合わせるいしずえの石、あなたが土から造られた人を救いに来てください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・57さて、月が満ちて、エリサベトは男の子を産んだ。58近所の人々や親類は、主がエリサベトを大いに慈しまれたと聞いて喜び合った。59八日目に、その子に割礼を施すために来た人々は、父の名を取ってザカリアと名付けようとした。60ところが、母は、「いいえ、名はヨハネとしなければなりません」と言った。61しかし人々は、「あなたの親類には、そういう名の付いた人はだれもいない」と言い、62父親に、「この子に何と名を付けたいか」と手振りで尋ねた。63父親は字を書く板を出させて、「この子の名はヨハネ」と書いたので、人々は皆驚いた。64すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。65近所の人々は皆恐れを感じた。そして、このことすべてが、ユダヤの山里中で話題になった。66聞いた人々は皆これを心に留め、「いったい、この子はどんな人になるのだろうか」と言った。この子には主の力が及んでいたのである。

待降節・12月24日 12月24日(火) 待降節

第一朗読

サムエル下7・1-5、8b-12、14a、16

ダビデの王国は、ダビデの行く手にとこしえに続く。

サムエル記

7・1ダビデ王は王宮に住むようになり、主は周囲の敵をすべて退けて彼に安らぎをお与えになった。2王は預言者ナタンに言った。「見なさい。わたしはレバノン杉の家に住んでいるが、神の箱は天幕を張った中に置いたままだ。」3ナタンは王に言った。「心にあることは何でも実行なさるとよいでしょう。主はあなたと共におられます。」4しかし、その夜、ナタンに臨んだ主の言葉は次のとおりであった。

5「わたしの僕ダビデのもとに行って告げよ。主はこう言われる。あなたがわたしのために住むべき家を建てようというのか。

8bわたしは牧場の羊の群れの後ろからあなたを取って、わたしの民イスラエルの指導者にした。9あなたがどこに行こうとも、わたしは共にいて、あなたの行く手から敵をことごとく断ち、地上の大いなる者に並ぶ名声を与えよう。10わたしの民イスラエルには一つの所を定め、彼らをそこに植え付ける。民はそこに住み着いて、もはや、おののくことはなく、昔のように不正を行う者に圧迫されることもない。11わたしの民イスラエルの上に士師を立てたころからの敵をわたしがすべて退けて、あなたに安らぎを与える。主はあなたに告げる。主があなたのために家を興す。12あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。14aわたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。16あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。」

答唱詩編

3814詩編89・21+22、37+38

神のいつくしみをとこしえにうたい、主のまことを代々に告げよう。

詩編89

89・21わたしはしもベダビドを選び、
尊い油を彼に注いだ。
22わたしの手はいつも彼とともにあり、
わたしの腕は彼を強める。

37ダビドの子孫はとこしえに続き、
その王座は太陽のようにわたしの前にある。
38大空を見守る月のように、
その王座はとこしえに続く。

福音朗読

ルカ1・67-79

アレルヤ、アレルヤ。さしのぼる朝日、永遠の光の輝き、あなたは正義の太陽。日のあたらない陰に生き、やみにうもれている人を照らしに来てください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、ヨハネの1・67父ザカリアは聖霊に満たされ、こう預言した。

68「ほめたたえよ、イスラエルの神である主を。
主はその民を訪れて解放し、
69我らのために救いの角を、
僕ダビデの家から起こされた。
70昔から聖なる預言者たちの口を通して語られたとおりに。
71それは、我らの敵、
すべて我らを憎む者の手からの救い。
72主は我らの先祖を憐れみ、
その聖なる契約を覚えていてくださる。
73これは我らの父アブラハムに立てられた誓い。
こうして我らは、
74敵の手から救われ、
恐れなく主に仕える、
75生涯、主の御前に清く正しく。
76幼子よ、お前はいと高き方の預言者と呼ばれる。
主に先立って行き、その道を整え、
77主の民に罪の赦しによる救いを知らせるからである。
78これは我らの神の憐れみの心による。
この憐れみによって、高い所からあけぼのの光が我らを訪れ、
79暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、
我らの歩みを平和の道に導く。」

主の降誕(夜半のミサ) 12月24日(火) 降誕節

第一朗読

イザヤ9・1-3、5-6

ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。

イザヤの預言

9・1闇の中を歩む民は、大いなる光を見、
死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。
2あなたは深い喜びと大きな楽しみをお与えになり、
人々は御前に喜び祝った。
刈り入れの時を祝うように
戦利品を分け合って楽しむように。
3彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を
あなたはミディアンの日のように折ってくださった。
ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。
5ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。
権威が彼の肩にある。
その名は、「驚くべき指導者、力ある神
永遠の父、平和の君」と唱えられる。
6ダビデの王座とその王国に権威は増し
平和は絶えることがない。
王国は正義と恵みの業によって
今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。
万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。

答唱詩編

148145詩編96・1+2、11+12、9+13

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・1新しい歌を神にうたえ。
世界よ、神に向かって喜び歌え。
2神の名をたたえて歌い、
日ごとに救いを告げ知らせよ。

11天地は喜びにあふれ、
海とそこに満ちるものは叫びをあげる。
12野とそこにあるものはどよめき、
森の木々は声をあげて、神の前で歌う。

9聖なるものが現れるとき、神をおがめ。
世界よ、神をおそれよ。
13神は来られる、世界をさばきに来られる。
正義とまことをもって、すべての民をさばかれる。

第二朗読

テトス2・11-14

すべての人々に神の恵みが現れた。

使徒パウロのテトスへの手紙

愛する者よ、2・11すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。12その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、13また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。14キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。

福音朗読

ルカ2・1-14

アレルヤ、アレルヤ。大きな喜びをあなたがたに告げ知らせよう。きょうわたしたちに救い主が生まれた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

2・1そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。2これは、キリニゥスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。3人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。4ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。5身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。6ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、7初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。

8その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。9すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。10天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。11今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。12あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」13すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。

14「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」

主の降誕(朝のミサ) 12月25日(水) 降誕節

第一朗読

イザヤ62・11-12

見よ、あなたの救いが進んで来る。

イザヤの預言

62・11見よ、主は地の果てにまで布告される。
娘シオンに言え。
見よ、あなたの救いが進んで来る。
見よ、主のかち得られたものは御もとに従い
主の働きの実りは御前を進む。
12彼らは聖なる民、主に贖われた者、と呼ばれ
あなたは尋ね求められる女、
捨てられることのない都と呼ばれる。

答唱詩編

25124詩編97・1+2、6+9、8+12

栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。

詩編97

97・1神は王。世界よ、喜びおどれ。
島々は叫びをあげよ。
2神は雲と霧を従え、
正義とさばきが王座を支える。

6天は神の正義を告げ、
諸国の民はその栄光を仰ぐ。
9神よ、あなたは世界の上に高く立ち、
すべての神々を越えて偉大なかた。

8神よ、あなたのさばきは、
シオンを喜びで満たし、ユダの町を豊かにする。
12神に従う人は神のうちにあって喜べ。
そのとうとい名をたたえよ。

第二朗読

テトス3・4-7

神は御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださった。

使徒パウロのテトスへの手紙

愛する者よ、3・4わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、5神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。6神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。7こうしてわたしたちは、キリストの恵みによって義とされ、希望どおり永遠の命を受け継ぐ者とされたのです。

福音朗読

ルカ2・15-20

アレルヤ、アレルヤ。すべてを超える神に栄光。み心にかなう人に平和。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

2・15天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムヘ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。16そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。17その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。18聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。19しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。20羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

主の降誕(日中のミサ) 12月25日(水) 降誕節

第一朗読

イザヤ52・7-10

地の果てまで、すべての人がわたしたちの神の救いを仰ぐ。

イザヤの預言

52・7いかに美しいことか
山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。
彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え
救いを告げ
あなたの神は王となられた、とシオンに向かって呼ばわる。
8その声に、あなたの見張りは声をあげ
皆共に、喜び歌う。
彼らは目の当たりに見る主がシオンに帰られるのを。
9歓声をあげ、共に喜び歌え、エルサレムの廃虚よ。
主はその民を慰め、エルサレムを贖われた。
10主は聖なる御腕の力を国々の民の目にあらわにされた。
地の果てまで、すべての人がわたしたちの神の救いを仰ぐ。

答唱詩編

149123詩編98・1、2+3a、4+5

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
そのとうとい腕は救いの力。

2神は救いをしめし、
諸国の民に正義を現された。
3aいつくしみとまことをもって、
イスラエルに心を留められる。

4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、
賛美の歌で神をほめよ。
5たて琴をかなでて、神をたたえ、
その調べに合わせてほめ歌え。

第二朗読

ヘブライ1・1-6

神は、御子によってわたしたちに語られた。

ヘブライ人への手紙

1・1神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語られたが、2この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。神は、この御子を万物の相続者と定め、また、御子によって世界を創造されました。御子は、3神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れであって、万物を御自分の力ある言葉によって支えておられますが、人々の罪を清められた後、天の高い所におられる大いなる方の右の座にお着きになりました。4御子は、天使たちより優れた者となられました。天使たちの名より優れた名を受け継がれたからです。

5いったい神は、かつて天使のだれに、
「あなたはわたしの子、
わたしは今日、あなたを産んだ」
と言われ、6更にまた、
「わたしは彼の父となり、
彼はわたしの子となる」
と言われたでしょうか。むしろ、神はその長子をこの世界に送るとき、
「神の天使たちは皆、彼を礼拝せよ」
と言われました。

福音朗読

ヨハネ1・1-18

アレルヤ、アレルヤ。偉大な光がきょう地上に下り、聖なるこの日はわたしたちを照らした。諸国の民は来て主を礼拝せよ。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

1・1初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。2この言は、初めに神と共にあった。3万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。4言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。5光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。

6神から遣わされた一人の人がいた。その名はヨハネである。7彼は証しをするために来た。光について証しをするため、また、すべての人が彼によって信じるようになるためである。8彼は光ではなく、光について証しをするために来た。9その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。10言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。11言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。12しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた。12この人々は、血によってではなく、肉の欲によってではなく、人の欲によってでもなく、神によって生まれたのである。

14言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。

15ヨハネは、この方について証しをし、声を張り上げて言った。「『わたしの後から来られる方は、わたしより優れている。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」16わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。17律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れたからである。18いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。

聖ステファノ殉教者 12月26日(木) 降誕節

第一朗読

使徒言行録6・8-10、7・54-60

主よ、この罪を彼らに負わせないでください

使徒たちの宣教

そのころ、ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行っていた。9ところが、キレネとアレクサンドリアの出身者で、いわゆる「解放された奴隷の会堂」に属する人々、またキリキア州とアジア州出身の人々などのある者たちが立ち上がり、ステファノと議論した。10しかし、彼が知恵と〝霊〟とによって語るので、歯が立たなかった。

54人々は激しく怒り、ステファノに向かって歯ぎしりした。55ステファノは聖霊に満たされ、天を見つめ、神の栄光と神の右に立っておられるイエスとを見て、56「天が開いて、人の子が神の右に立っておられるのが見える」と言った。57人々は大声で叫びながら耳を手でふさぎ、ステファノ目がけて一斉に襲いかかり、58都の外に引きずり出して石を投げ始めた。証人たちは、自分の着ている物をサウロという若者の足もとに置いた。59人々が石を投げつけている間、ステファノは主に呼びかけて、「主イエスよ、わたしの霊をお受けください」と言った。60それから、ひざまずいて、「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」と大声で叫んだ。ステファノはこう言って、眠りについた。

答唱詩編

14513詩編31・2+6、15+16

父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。

詩編31

31・2神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。
とこしえに恥を負わせず、正義によって救ってください。
6あなたの手にわたしの霊をゆだねる。
神よ、まことの神よ、わたしをあがなってください。

15神よ、わたしはあなたにより頼む。
「あなたこそわたしの神。」
16あなたの手にわたしの生涯をゆだねる。
わたしの敵から救い出してください。

福音朗読

マタイ10・17-22

アレルヤ、アレルヤ。神の名によって来られるかたに賛美。神はわたしたちを照らしてくださる。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。10・17「人々を警戒しなさい。あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で鞭打たれるからである。18また、わたしのために総督や王の前に引き出されて、彼らや異邦人に証しをすることになる。19引き渡されたときは、何をどう言おうかと心配してはならない。そのときには、言うべきことは教えられる。20実は、話すのはあなたがたではなく、あなたがたの中で語ってくださる、父の霊である。21兄弟は兄弟を、父は子を死に追いやり、子は親に反抗して殺すだろう。22また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。」

聖ヨハネ使徒福音記者 12月27日(金) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ1・1-4

わたしたちが見、また聞いたことを、あなたがたにも伝えます。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、1・1初めからあったもの、わたしたちが聞いたもの、目で見たもの、よく見て、手で触れたものを伝えます。すなわち、命の言について。――2この命は現れました。御父と共にあったが、わたしたちに現れたこの永遠の命を、わたしたちは見て、あなたがたに証しし、伝えるのです。――3わたしたちが見、また聞いたことを、あなたがたにも伝えるのは、あなたがたもわたしたちとの交わりを持つようになるためです。わたしたちの交わりは、御父と御子イエス・キリストとの交わりです。4わたしたちがこれらのことを書くのは、わたしたちの喜びが満ちあふれるようになるためです。

答唱詩編

2513詩編97・1+2、10+11

栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。

詩編97

97・1神は王。世界よ、喜びおどれ。
島々は叫びをあげよ。
2神は雲と霧を従え、
正義とさばきが王座を支える。

10神は悪と戦う人を愛し、
神を敬う人を支え、悪の力から救われる。
11光は神に従う人の上に、
喜びは心の正しい人の上にある。

福音朗読

ヨハネ20・2-8

アレルヤ、アレルヤ。あなたを神とほめたたえ、万物の主とあがめる。栄光を受けた使徒の群れもあなたをたたえて歌う。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

週の初めの日、マグダラのマリアは20・2シモン・ペトロのところへ、また、イエスが愛しておられたもう一人の弟子のところへ走って行って彼らに告げた。「主が墓から取り去られました。どこに置かれているのか、わたしたちには分かりません。」3そこで、ペトロとそのもう一人の弟子は、外に出て墓へ行った。4二人は一緒に走ったが、もう一人の弟子の方が、ペトロより速く走って、先に墓に着いた。5身をかがめて中をのぞくと、亜麻布が置いてあった。しかし、彼は中には入らなかった。6続いて、シモン・ペトロも着いた。彼は墓に入り、亜麻布が置いてあるのを見た。7イエスの頭を包んでいた覆いは、亜麻布と同じ所には置いてなく、離れた所に丸めてあった。8それから、先に墓に着いたもう一人の弟子も入って来て、見て、信じた。

幼子殉教者 12月28日(土) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ1・5-2・2

この方こそ、全世界の罪を償ういけにえです。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、5わたしたちがイエスから既に聞いていて、あなたがたに伝える知らせとは、神は光であり、神には闇が全くないということです。6わたしたちが、神との交わりを持っていると言いながら、闇の中を歩むなら、それはうそをついているのであり、真理を行ってはいません。7しかし、神が光の中におられるように、わたしたちが光の中を歩むなら、互いに交わりを持ち、御子イエスの血によってあらゆる罪から清められます。8自分に罪がないと言うなら、自らを欺いており、真理はわたしたちの内にありません。9自分の罪を公に言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、罪を赦し、あらゆる不義からわたしたちを清めてくださいます。10罪を犯したことがないと言うなら、それは神を偽り者とすることであり、神の言葉はわたしたちの内にありません。

2・1わたしの子たちよ、これらのことを書くのは、あなたがたが罪を犯さないようになるためです。たとえ罪を犯しても、御父のもとに弁護者、正しい方、イエス・キリストがおられます。2この方こそ、わたしたちの罪、いや、わたしたちの罪ばかりでなく、全世界の罪を償ういけにえです。

答唱詩編

6512詩編30・2b+4、6

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

詩編30

30・2b神よ、あなたはわたしを救い、
死の力が勝ち誇るのを許されない。
4神よ、あなたは死の国からわたしを引きあげ、
危ういいのちを助けてくださった。

6滅びは神の怒りのうちに、
いのちは恵みのうちにある。
夜が嘆きに包まれても、
朝は喜びに明けそめる。

福音朗読

マタイ2・13-18

アレルヤ、アレルヤ。あなたを神とほめたたえ、万物の主とあがめる。栄光を受けた使徒の群れもあなたをたたえて歌う。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

2・13占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」14ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、15ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。

16さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。17こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。

18「ラマで声が聞こえた。
激しく嘆き悲しむ声だ。
ラケルは子供たちのことで泣き、
慰めてもらおうともしない、
子供たちがもういないから。」

聖家族 12月29日(日) 降誕節

第一朗読

サムエル上1・20-22、24-28

サムエルは生涯、主にゆだねられた者である。

サムエル記

エルカナの妻1・20ハンナは身ごもり、月が満ちて男の子を産んだ。主に願って得た子供なので、その名をサムエル(その名は神)と名付けた。 

21さて、夫エルカナが家族と共に年ごとのいけにえと自分の満願の献げ物を主にささげるために上って行こうとしたとき、22ハンナは行こうとせず、夫に言った。「この子が乳離れしてから、一緒に主の御顔を仰ぎに行きます。そこにこの子をいつまでもとどまらせましょう。」

24乳離れした後、ハンナは三歳の雄牛一頭、麦粉を一エファ、ぶどう酒の革袋を一つ携え、その子を連れてシロの主の家に上って行った。この子は幼子にすぎなかったが、25人々は雄牛を屠り、その子を司祭エリのもとに連れて行った。26ハンナは言った。「祭司様、あなたは生きておられます。わたしは、ここであなたのそばに立って主に祈っていたあの女です。27わたしはこの子を授かるようにと祈り、主はわたしが願ったことをかなえてくださいました。28わたしは、この子を主にゆだねます。この子は生涯、主にゆだねられた者です。」彼らはそこで主を礼拝した。 

答唱詩編

102124詩編84・2+3、6+7、8+9

しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

詩編84

84・2すべてを治められる神よ、
あなたの住まいはうるわしい。
3わたしの魂は主の庭を慕い、
心とからだは生ける神にあこがれる。

6神よ、あなたによってふるいたち、
巡礼を志す人は、
7かれた谷を通り、そこを泉に変え、
はじめの雨がそこを祝福でおおう。

8尾根から尾根へと彼らはすすみ、
シオンで神を仰ぎ見る。
9万軍の神よ、わたしの祈りに心を留め、
ヤコブの神よ、耳を傾けてください。

第二朗読

①ヨハネ3・1-2、21-24

わたしたちは神の子と呼ばれ、事実また、その通りである。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、 3・1御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたちが神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです。2愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。しかし、御子が現れるとき、御子に似た者となるということを知っています。なぜなら、そのとき御子をありのままに見るからです。

21愛する者たち、わたしたちは心に責められることがなければ、神の御前で確信を持つことができ、22神に願うことは何でもかなえられます。わたしたちが神の掟を守り、御心に適うことを行っているからです。23その掟とは、神の子イエス・キリストの名を信じ、この方がわたしたちに命じられたように、互いに愛し合うことです。24神の掟を守る人は、神の内にいつもとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。神がわたしたちの内にとどまってくださることは、神が与えてくださった〝霊〟によって分かります。 

福音朗読

ルカ2・41-52

アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開きあなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

2・41イエスの両親は過越祭には毎年エルサレムへ旅をした。42イエスが十二歳になったときも、両親は祭りの慣習に従って都に上った。43祭りの期間が終わって帰路についたとき、少年イエスはエルサレムに残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。44イエスが道連れの中にいるものと思い、一日分の道のりを行ってしまい、それから、親類や知人の間を捜し回ったが、45見つからなかったので、捜しながらエルサレムに引き返した。46三日の後、イエスが神殿の境内で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。47聞いている人は皆、イエスの賢い受け答えに驚いていた。48両親はイエスを見て驚き、母が言った。「なぜこんなことをしてくれたのです。御覧なさい。お父さんもわたしも心配して捜していたのです。」49すると、イエスは言われた。「どうしてわたしを捜したのですか。わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか。」50しかし、両親にはイエスの言葉の意味が分からなかった。51それから、イエスは一緒に下って行き、ナザレに帰り、両親に仕えてお暮らしになった。母はこれらのことをすべて心に納めていた。52イエスは知恵が増し、背丈も伸び、神と人とに愛された。 

降誕節・12月30日 12月30日(月) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ2・12-17

イエスの名によってあなたがたの罪が赦されている。

使徒ヨハネの手紙

2・12子たちよ、わたしがあなたがたに書いているのは、
イエスの名によってあなたがたの罪が赦されているからである。
13父たちよ、わたしがあなたがたに書いているのは、
あなたがたが、初めから存在なさる方を知っているからである。
若者たちよ、わたしがあなたがたに書いているのは、
あなたがたが悪い者に打ち勝ったからである。
14子供たちよ、わたしがあなたがたに書いているのは、
あなたがたが御父を知っているからである。
父たちよ、わたしがあなたがたに書いているのは、
あなたがたが、初めから存在なさる方を知っているからである。
若者たちよ、わたしがあなたがたに書いているのは、
あなたがたが強く、
神の言葉があなたがたの内にいつもあり、
あなたがたが悪い者に打ち勝ったからである。
15世も世にあるものも、愛してはいけません。世を愛する人がいれば、御父への愛はその人の内にありません。16なぜなら、すべて世にあるもの、肉の欲、目の欲、生活のおごりは、御父から出ないで、世から出るからです。17世も世にある欲も、過ぎ去って行きます。しかし、神の御心を行う人は永遠に生き続けます。

答唱詩編

14835詩編96・7+8、9+13

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・7諸国の民よ、神をほめ、
その力と栄えをほめたたえよ。
8ささげものを携えて中庭に入り、
神の名をほめたたえよ。

9聖なるものが現れるとき、神を拝め。
世界よ、神をおそれよ。
13神は来られる、世界をさばきに来られる。
正義とまことをもって、すべての民をさばかれる。

福音朗読

ルカ2・36-40

アレルヤ、アレルヤ。偉大な光がきょう地上に下り、聖なるこの日はわたしたちを照らした。諸国の民は来て主を礼拝せよ。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、2・36アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年をとっていて、若いとき嫁いでから七年間夫と共に暮らしたが、37夫に死に別れ、八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、38そのとき、近づいて来て神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。

39親子は主の律法で定められたことをみな終えたので、自分たちの町であるガリラヤのナザレに帰った。40幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた。

降誕節・12月31日 12月31日(火) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ2・18-21

あなたがたは聖なる方から油を注がれているので、皆、真理を知っています。

使徒ヨハネの手紙

2・18子供たちよ、終わりの時が来ています。反キリストが来ると、あなたがたがかねて聞いていたとおり、今や多くの反キリストが現れています。これによって、終わりの時が来ていると分かります。19彼らはわたしたちから去って行きましたが、もともと仲間ではなかったのです。仲間なら、わたしたちのもとにとどまっていたでしょう。しかし去って行き、だれもわたしたちの仲間ではないことが明らかになりました。20しかし、あなたがたは聖なる方から油を注がれているので、皆、真理を知っています。21わたしがあなたがたに書いているのは、あなたがたが真理を知らないからではなく、真理を知り、また、すべて偽りは真理から生じないことを知っているからです。

答唱詩編

14814詩編96・1+2、11+12

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・1新しい歌を神にうたえ。
世界よ、神に向かって喜びうたえ。
2神の名をたたえてうたい、
日ごとに救いを告げ知らせよ。

11天地は喜びにあふれ、
海とそこに満ちるものは叫びをあげる。
12野とそこにあるものはどよめき、
森の木々は声をあげて神の前でうたう。

福音朗読

ヨハネ1・1-18

アレルヤ、アレルヤ。みことばは人となり、わたしたちのうちにお住みになった。主を受け入れる人には神の子となる恵が与えられた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

1・1初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。2この言は、初めに神と共にあった。3万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。4言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。5光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。

6神から遣わされた一人の人がいた。その名はヨハネである。7彼は証しをするために来た。光について証しをするため、また、すべての人が彼によって信じるようになるためである。8彼は光ではなく、光について証しをするために来た。9その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。10言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。11言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。12しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた。12この人々は、血によってではなく、肉の欲によってではなく、人の欲によってでもなく、神によって生まれたのである。

14言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。

15ヨハネは、この方について証しをし、声を張り上げて言った。「『わたしの後から来られる方は、わたしより優れている。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」16わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。17律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れたからである。18いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。